高3学年通信(64期生)
熊本城 〈エア〉修学旅行記②
2020/09/16
※以下の記述は「もし修学旅行に行っていたら…」という仮定のもとに書かれたフィクションです。
9月15日 2日目〈熊本へ~熊本城見学〉
バスで南風楼を後にし、熊本へと向かう。熊本までは島原湾をフェリーで渡る。海風が気持ちいい。バスは昨日からバスガイドのゆみちゃんが一緒だ。ゆみちゃんはいつも笑顔で明るくガイドをしてくれる。知識も豊富で話し方もすごく聞きやすい。後ろの男子がうるさくて話を聴いていないようなときも、笑顔を絶やさず上手に注目させていた。とても親しみが持ててトイレ休憩のときに話しかけてみると、なんとゆみちゃんは高校を卒業してまだ2年目だという。私と2才しか違わない!嘘でしょ?あんな長い説明を何も見ないで話して、飽きさせないように気を配っていて本当にすごい。運転手さんにも信頼されている感じだ。ゆみちゃんと比べると自分がずいぶん子どもっぽく思えた。
今日一つ目の見学は熊本城だ。お城なんて興味ないし「ここは友達とおしゃべりしながらの消化コースかな〜」と思っていたけど、ゆみちゃんのガイドで興味が持てたので期待して行ったら、これがまたとんでもなく良かった。
熊本城は2016年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた。当時ニュースで、故郷のシンボルであり誇りであるお城が崩れたことを嘆き悲しむ地元の人の声を聞き、とても悲しい気持ちになったことを思い出す。屋根瓦や石垣が崩落し、壁や床にひびが入るなどの被害を受け、まだ完全復旧には至っていない。しかしその経過を見ることのできる見学通路が整備されており、ある意味レアな見学ができた。
崩れた石垣の石を並べ調査している様子からは復元の手間と難しさを感じる。古い石に新しくて白い石を組み上げて作る石垣のツートンカラーは今だからこそ見ることができたものだ。
復旧工事では、軽量化した瓦を採用するなど耐震性を強化したという。新しい大天守は地下1階、地上6階建てで、障害者や高齢者向けのエレベーターも新たに設置したそうだ。
私は大学で建築を学びたいと思っているのだが、このような文化財を未来に遺す仕事も魅力的だと思った。また古来の技術を現代に生かす方法とかあるのだろうか。どんな技術や知識が必要なのかな。この復旧工事のための費用はどうしたんだろう。色々疑問が湧いてくる。今まであまり考えたことのない視点で建物を見ることができたので、帰ったら調べてみよう。
いつか復旧工事が終わり、完成した熊本城を再び訪れたいなと思った。青空にそびえる大天守、そして今度はそこに上って熊本市街を見下ろすんだ。そのころには私もちゃんと大人になっていたい。
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