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2009年05月31日

危機管理の強化~学校行事の見直し

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  今回の新型インフルエンザの発生によって18日から23日まで臨時休業の措置をとり、25日から学校を再開しました。その後、欠席や体調不良の生徒に対してインフルエンザの感染がないかどうか慎重に見守ってきましたが、大きな問題もなくこの一週間は無事に経過したようです。授業については夏期休業の前後で補填することにしましたが、残念ながら学校行事については大きな影響が出ることになってしまいました。まず、5月中に校内で行われる芸術鑑賞や環境フォーラム、大学説明会、PTA関係等の会合・行事についてはすべて延期、または中止することになりました。
  また、研修旅行については、その後の情勢をぎりぎりまで確認しながら決定することにしました。この結果、高校2年生の北海道への研修旅行は実施する一方で高校1・2年生の有志によるNZ研修旅行は中止することに決定しました。この研修は今年で幕を閉じた国際科のDNAを引き継ぐということで続けてきたという経緯もあり、何とか実施したかったのですが、研修先のニュージーランドは南半球にあり、これから冬季に移行するため、気温の低下に伴いウィルスの感染力が増す可能性が大きくなってきます。この語学研修に参加することを心待ちにされていた生徒の皆さんのことを考えると残念な気持ちで一杯ですが、この際健康、安全を第一に考えることにしました。
  生徒達にとっては中学時代や高校時代は一回限りです。これからも今回の新型インフルエンザと同様のことが発生する可能性は大きいと思います。そのため今まで以上に危機管理を強化していくことが大切になりますが、行過ぎて何もかも止めてしまうということになると、生徒達に色々な経験をさせるということができなくなってしまいます。
  今後の学校行事等の実施については十分な検討を加えて決定していきたいものです。

2009年05月30日

平成21年度 第1回慶應義塾大学SFC連携講座の開催

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  5月30日(土)、平成21年度第1回慶應義塾大学総合政策学部・環境情報学部との連携講座を開催しました。本講座は2004年度からスタートし今年で6回目を迎えることになりますが、両学部長をはじめ教授の方に直接講義を担当していただくことによって、大学学部で学ぶ「学問の概要」と「学ぶことの意義」を伝え、学問に対する関心や探求心の高揚に資することを目指しています。
  今回は総合政策学部学部長の阿川尚之様にお越しいただき、「SFCの概要・理念および入試について」というテーマでお話しいただきました。参加者は生徒、保護者、学校の教職員を含め約60名です。
  SFCというのは湘南・藤沢キャンパスの頭文字をとったものです。両学部は1990年に設立され来年で20年を迎えることになりますが、日本の大学で初めてA・O入試を導入したことでも知られています。そして、本校からはこれまでこの連携講座を受講した生徒達の中から8名の生徒が入学しています。
  阿川学部長からは、最初に慶応義塾大学の創立の経緯や福沢諭吉氏の生い立ちの紹介があり、続いて〝本学は創立151年という長い歴史と伝統を有しており、全国的に社会で活躍されている方が数多くおられる。SFCで自分の頭で物を考える力を養い、将来社会で役立つための勉強の仕方を学んで欲しい。〟という趣旨の話がありました。予定の1時間半はあっという間に過ぎましたが、この間生徒達は熱心に阿川学部長の話に耳を傾けており、通常の学校の授業では得られない貴重な経験をしたのではないかと思っています。
  慶応義塾大学の特色は「独立自尊、実学の精神、半学半教」であり、官の力ではなく、民の力で世界を変えることを目指している素晴らしい大学です。これから7月まで更に2回本講座が開かれることになっていますが、“自らの進路は自ら切り拓く”という思いで積極的に取り組んで欲しいと思っています。
  阿川教授には、ご多用中のところ生徒達のために有意義なお話をいただき心より感謝申し上げます。

2009年05月29日

危機管理の強化~中高緊急連絡網の整備

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  昨今の世の中の動きを見ているとグローバル化や情報化の進展に伴い、変化のスピードが速くかつ広範囲に波及するようになってきています。このような状況下、学校についても「今回の新型インフルエンザ」に代表されるような以前には予想できなかったような新たな問題が発生してきています。こういった不測の事態に備えて迅速な変化対応力、言い換えるとあらゆる面における危機管理の強化が必要になってきます。

  危機管理のポイントとしては、早期における情報の共有化が何よりも大切ですが、本校の現状は教員・生徒とも電話連絡網によるものしかありません。今回の新型インフルエンザに伴う保護者への連絡については、この電話連絡網を使って行ないましたが、〝内容が正確に伝わらない〟〝全員に徹底しにくい〟〝時間がかかる〟等の課題があります。また、個人情報との関連もあって連絡網として印刷して配れないということもあります。
そのため、《全員に》《迅速かつ正確に》、しかも《コストもリーズナブルな》連絡網の確立をはかりたいということで検討を行ない、PTAの協力も得て全家庭に『NTTデータのFairCast』システムを導入することにしました。
  情報伝達の手段としてはメールやホームページ、電話、FAX等がありますが、いずれも一長一短があります。今回導入を検討しているシステムはメール・電話・FAXなどの異なった媒体に同時に配信できるという利点があり、緊急追いかけ連絡先を最大6カ所まで指定できるなどの配慮がなされています。
詳細については、来週保護者の皆さんにご連絡させていただく予定ですので、お含みおきください。

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2009年05月28日

公開授業旬間の意義

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    □■理科実験授業風景■□
  今週月曜日から公開授業旬間がスタートしました。当初は5月18日からの予定でしたが、新型インフルエンザに伴う臨時休業のために延期されていたものです。本校では毎年この時期に〝授業を磨く〟という趣旨でこの公開授業旬間を設けており年々改良を加えてきました。本年度はこの公開授業旬間中には「最低一回は同じ教科の他の先生の授業と他教科の先生の授業を見に行く。」ということにしています。また、各教科では新任の先生中心に研究授業を設定し、授業参観の後に教科としての検討会を実施するという動きも出てきています。
  今週は時間の許す限り、先生方の授業を参観することにしています。本校はコース制を採用しているため、さまざまなクラスに分かれており画一的な授業の進め方ではうまくいきません。言い換えるとその分、個々の授業に対する創意工夫が必要になり、授業に向けての準備に時間をかけなければならないということになります。また、生徒を惹きつけるための雑談等も重要なポイントになります。今回は以前のように一時限の間にいくつかの教室を巡回するということではなく、授業の開始から終了までゆっくり時間をかけて参観することにしています。この結果、生徒の授業に対する集中度や先生の授業に対する創意工夫がより明確にわかるようになってきました。そして、気の付いた点は授業終了後すぐにフィードバックするようにしています。
  私学の優れた面は数多くありますが、最大の弱点は人事交流が少ないために変化に対応する力が弱まり、ともするとマンネリ化に陥ってしまうことではないかと思います。どんなに優秀な人材を揃えていても刺激がなければどうしても組織は硬直化しますし、保守的になりがちです。教員にとって〝授業は命〟です。この公開授業旬間を通じて、自ら刺激を求めるという姿勢で取り組んで欲しいと思っています。

2009年05月27日

1000回掲載にあたって

  平成18年の4月に校長に就任した際、〝開かれた学校づくり〟を目指し、学校情報を積極的に公開しようという思いで書き始めた校長通信の掲載が本日で1000回目になりました。
私にとって何故か〝27日〟というのは、これまで思い出に残る出来事が多かったのですが、奇しくも本日(5月27日)が節目の日になりました。
  初年度は学校での出来事を中心にしていたため、休日や長期休業中にはほとんど掲載することはありませんでしたが、次第に色々な方から感想が寄せられるようになってきました。その中に〝世の中のトレンド〟〝日本の伝統や歴史〟〝食料・水・エネルギーといった環境問題〟について取り上げてはどうかという意見もいただきました。このような感想や意見を受けて、2年目からはあまりテーマを限定することなく、気を張らずに毎日書き続けています。
  私が尊敬している方に上甲晃氏(志ネットワーク代表)がおられますが、同氏は17年にわたって一日も休まず実に6500回にわたりデイリーメッセージを書き続けておられます。どれをとっても質・量とも素晴らしい内容であり、私の校長通信など足元にも及びません。
  毎日掲載するということになると、書くための時間や材料集めに苦労することもありますが、お陰で往復の通勤電車内の時間の使い方がうまくなったように感じています。これからもできる限り継続していきたいと考えていますので、参考になる情報があれば是非ご紹介いただきますようお願いします。

2009年05月26日

高校新校舎新築工事にあたっての地鎮祭

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                  □■地鎮祭の様子■□

  5月26日(火)、好天のもと、神主はじめ学園・高校の代表者、評議員、PTA会長、設計担当の安井設計事務所・工事担当の竹中工務店の関係者に参加いただき『高校新校舎新築にあたっての地鎮祭』を行ないました。
  思い起こすと旧校舎の解体作業がスタートしたのは高校の卒業式の翌日(2月21日)からです。あれから3ヵ月の間に旧校舎の基礎解体、敷地の埋め戻し・地盤改良の最終工事が完了し、建物跡は完全になくなり今は更地の状態になりました。いよいよ6月からは掘削工事に着手し、次いで新校舎の土台となる基礎工事に取りかかることになります。現在のところ、工事はほぼスケジュール通りに進捗してきており、来年3月には新たな高校校舎が完成することになります。そして、この校舎において恐らく50年以上にわたって生徒達がさまざまなことを学ぶことになるのは間違いありません。
  現在、定期的に建築委員の皆さんを中心に打ち合わせをしていますが、これからも多くの方々の知恵を結集し、より良い教育環境の実現を目指して細部の詰めを行なっていく予定です。
また、今回の工事に伴って移植したメタセコイヤからは新しい枝が勢いよく伸び出してきていますし、ヒマラヤスギの倒壊防止の支柱も完成し、大切な命を受け継いでいけそうです。
  これまで竹中工務店の工事関係の皆様には生徒達の安全の確保と教育活動に支障をきたさないよう最大限の配慮をしていただいており、心より感謝しています。引き続き何卒宜しくお願いします。

  《参考》一般的に日本では土木や建築の工事を始める際に〝地鎮祭〟を行なうことになっていますが、これは土地の神(氏神)を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得るという意味です。

2009年05月25日

学校再開にあたって~恐れず されど 侮らず

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  5月25日(月)、生徒達が元気に登校してきました。職員朝礼で先生方に「今回の新型インフルエンザの性質が感染力の強い弱毒性であるということが判明してきたことにより、国や地方の行政の動きが変化してきており、大きな流れとしては〝一斉〟から〝個別〟の対応になってきている。今後学園としては県の方針やこれらの動向を参考にして方針を検討していくことになる。そして、学校再開にあたっては〝生徒や保護者に過度な心配をかけさせないという一方で予防と万一発生した場合、感染拡大について細心の注意を払うことが重要である。」ということを話しました。
  その後、校内放送を通じて全生徒に対して、一昨日に校長通信に掲載したメッセージの内容を中心に「自分で健康チェックをする習慣をつける。体調の悪いときはまず医者に行く。石鹸でよく手を洗う。学校で体調が悪くなればすぐに保健室に行く。教室の空気を入れ替える。人ごみには行かない等を心がけて欲しい。」ということを伝えました。
  更に、午後から学園幹部が集まって、今後の対策について話し合い意思統一をはかりました。本学園は兵庫県と大阪府に隣接していることから兵庫県、神戸市、大阪府、大阪市といったさまざまな行政区に生徒が分散居住しています。今後はこれらの行政の対応を考慮しながら本学園としての対応を決定していくことにしますが、基本の考え方は〝通常の季節性インフルエンザに準じて取り扱う〟ということになりますのでお含みおきください。
  どうか、この危機を『恐れず されど 侮らず』という姿勢で乗り切りたいものです。

  なお、保護者の皆様に対しては、今回の臨時休業に伴う授業時間の確保、行事の変更等についてご連絡していますので、ご確認をお願いします。

2009年05月24日

自家自給率を高める~えんどう豆の収穫

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  本校では環境教育の大きな柱として食の問題を取り上げており、私もこれまで全校朝礼やこのブログを通じて何度もこの問題について触れてきました。また、日常生活の中では〝自家自給率を高める〟ということで、自宅の庭や近くの貸し農園で休日を中心に野菜の栽培に取り組んできましたが、昨年に植え付けたえんどうの蕾が4月末から次々と開花し、その後多くの実をつけ始めました。そして、大型連休明けから2、3日に一度のペースでえんどう豆が収穫できるようになりました。少し、間隔をつめ過ぎて風通しや日当たりが悪くなったという反省点もありますが、予想をはるかに超える収穫量です。
  さやえんどうはほぼ終わりに近づき、最近はグリーンピースの収穫を始めました。また、この成果に気を良くして、夏野菜のきゅうり、ゴーヤ、シシトウ、トマトの苗を植え付けました。
  当初は〝環境を考えるにあたって自ら実践しなければならない〟という半ば義務感で行なっていた野菜作りですが、時間の経過と共に作物が成長し始めると少しずつ楽しみに変わってきました。そして、自ら育てた作物を収穫し、それを美味しくいただくというのは言葉では言い尽くせない感動体験です。
  野菜作りに関しては、まだまだ素人の域を脱していませんが、どのようなことが大切なのかということも多少解ってきました。私の基本スタンスは〝何事も実践する〟というものですが、これらの経験を少しでも環境教育や食育に生かすことができればと思っています。

2009年05月23日

学校再開に向けての校長メッセージ

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  既に連絡したとおり、来週月曜日(25日)から通常の授業を再開しますが、生徒および保護者の皆さんに校長メッセージを送ります。
  
  現在、新型インフルエンザの罹患者は増え続けており、今後一層の拡大が起きる可能性が予想されます。今回のインフルエンザの特徴は感染力が非常に強いことと圧倒的に若い人の罹患が多いことです。また、現在は弱毒性であると言われていますが、いつウィルスの突然変異が起きるかもわかりません。
  まずこのような状況下での授業再開であることをご理解いただきたいと思います。再開にあたって何よりも大切なことは予防を徹底すると共に万が一発症した場合には感染の拡大を防ぐということです。
  次に、私から皆さんにインフルエンザ対策として心がけて欲しい事をお伝えします。
①毎日の健康チェックを必ず行ない、これを習慣化して下さい。(月曜日に〝健康観察についてのお知らせプリント〟を配布します)
②熱があり、倦怠感や関節痛、嘔吐等の症状がある場合には新型インフルエンザの感染が疑われますので、このような時には必ず医者の診断を受け、絶対に無理をして登校することのないようにして下さい。
③登下校中はできるだけマスクを着用して下さい。また、咳が出ている人や風邪をひきやすい人は校内でもマスクをして下さい。
④予防には石鹸での手洗いが最も有効です。指先、爪の間、手の甲、手首まできっちりと行なって下さい。また、適宜うがいを行なって下さい。
⑤登校した後に体調がおかしいと思ったら、我慢せずにすぐに保健室に行って下さい。
⑥授業の間の休憩時間には窓を開け換気をはかって下さい。
⑦なるべく人ごみの多いところへの外出は控えるようにして下さい。
  この内容については月曜日に放送を通じて生徒の皆さんにお伝えします。
  
  最後に、この休業期中の自宅学習の課題については、各学年の先生を通じて連絡していただいていますが、しっかりと学習できていますか。定期考査も近づいています。学校が始まるまでに自分なりに振り返りを行ない、もし足りないところがあれば必ず埋めあわせをしておいて下さい。そして、疑問点があれば来週以降先生に質問するようにしてください。それでは月曜日にお会いしましょう。

新型インフルエンザに対する臨時休業解除について

  昨日の兵庫県からの臨時休業の要請解除の連絡を受けて、本校も来週月曜日(25日)から通常の学校生活を再開します。
  再開にあたって万全を期すため、本日9時から臨時の職員会議を開催し、再開後の対応についての周知徹底をはかりました。ご家庭への連絡は各学年・担任から電話で連絡させていただくと共に詳細につきましてはホームページに掲載させていただきますのでご覧ください。
  なお、本日の夜〝学校再開に向けての校長メッセージ〟を掲載させていただきます。

2009年05月22日

新型インフルエンザへの対応 Ⅲ

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  5月22日(金)、臨時休業後5日目を迎えました。幸いなことに、今のところ生徒・保護者をはじめ学園関係者への感染はありません。
  本日は、臨時休業終了後の学校再開に向けての準備と打ち合わせを行ないました。具体的には、今回の休業に伴う授業時間数の確保や直近の行事の検討を行ない、今後の対応として ①生徒および教職員の健康チェックの習慣化をはかる ②校内での予防対策を行なう ③万一体調不良の生徒・教職員が出た場合には直ちに隔離等の措置をとる ④感染予防に向けて保護者への協力を要請する ⑤今後の休業措置の方針を決める ⑥随時HPでの情報発信を行なう ⑦緊急連絡網の再整備をはかる といったものです。
  また、開校前日までの準備として〝 ①各クラスに消毒薬を設置する ②学校内予防プリントを掲示する ③健康チェックプリントを作成する ④保護者向け対策プリントを作成する。〟
  更に、開校後の取り扱いとして 〝①登校後すぐに消毒薬を利用させる ②体調不良の生徒がいたらすぐに保健室に誘導する ③放送による全校朝礼を実施する ④授業終了後すぐに教室窓を開け換気する。〟ということにしました。
  事前に幹部会議で合意していたとおり、昼前に兵庫県から臨時休業の要請解除の通達が届いたため、今後大きな状況の変化がない限り〝来週から学校を再開する〟予定です。
  なお、中学・高校においては、明日午前中に臨時の職員会議を開催し学校再開に向けての教職員の意思結集と徹底をはかり、その後それぞれのご家庭に連絡したいと考えていますのでお含みおきください。

2009年05月21日

環境教育ネットワークの構築

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  本校では来年度の新校舎建設に伴い、環境教育を強化しようとしていますが、現在この一環として「環境教育ネットワーク」の構築を進めようとしています。
  この前提として、これまで取り組んできた活動を総括する意味で列挙すると随分多くのものがあげられます。しかし、現在これらが必ずしも学校全体の活動として定着している訳ではありません。この理由としては〝一つの学年や一部の人達だけの取り組みになっており学校全体の活動になっていない〟〝ある年(単年度)だけの取り組みのため継続性がない〟ということがあげられます。これではいつまで経っても定着しないということになります。これをしっかりとした形にするためには学校全体に取り組みの輪を広げ周知徹底をはかっていくことと家庭や地域、大学、企業等と連携して毎年継続していくということが不可欠です。
  次に新たな取り組みを検討するにあたっては、雲雀丘学園としての強みを生かしていくという柔軟な姿勢が大切です。また、これらの活動については我々職員が色々なことをすべて段ドリするのではなく、あくまで生徒が主体となって行なうことが基本です。そして、最終的にはこの取り組みを「本校の特色」というレベルにまで引き上げていきたいと考えています。
  このように家庭・地域・大学・企業との連携によるネットワークづくりを進め、多くの皆さんからの支援をいただきながら環境教育を進めていきたいと思っています。

2009年05月20日

命の大切さを知る~カリンの実

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  先日も紹介させていただきましたが、移植したメタセコイヤの幹から新たな葉が吹き出し、日増しに成長していく姿を見ていると、木の持つ生命力は実に素晴らしいと感じています。
  
  今、地球上では毎年1100万ヘクタール~1700万ヘクタールの森林が減少していると言われています。この数字を見ただけではどれくらいの広さなのかは見当もつきませんが、1秒間にサッカー場1つ分の森林が消滅していることになるそうです。そのため「森を元に戻す」「今ある森を守る」「植林する」等の運動が起こされていますが、まだ一部の人に限られているようです。
  本校の環境教育では学校だけではなく「家庭」「地域」も含めて〝身近なことから行動に起こす〟ということを基本にしています。この考え方に立って私自身も地域の緑化基金に寄付をしたり、時間を見つけて自宅にある庭木の手入れをする等を行なっています。
  昨年、他の木が大きくなったため 、陽あたりが悪くなり弱っていたカリンの木を植え替えましたが、後になって移植に適さない時期であることを知り、枯れるのではないかと心配していました。ところが、4月にはこれまでなかったくらい多くの花が咲き、しばらくして実をつけはじめました。風のために落下したものも少しあったようですが、最近では次第に実が大きくなってきています。日当たりが良いため以前よりもずっと元気になってきたようです。このまま順調に育てば秋には収穫してカリン酒を漬けることができそうです。このように我々の身のまわりには色々なものの命が存在しています。これらの命の大切さをしっかりと受け止めていきたいものです。


2009年05月19日

来年に向けての環境活動~ゴーヤの育成

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 5月19日(火)、臨時休業2日目を迎えましたが、ひっそりとした校舎内に高校新校舎建設のための工事の音だけが響き渡っています。昨日に続いて各学年の先生方を中心に、その後の生徒の状況の確認を行ないましたが、大きな変化はないようです。
  学校行事については、生徒の安全を中心に検討していくことにしていますが、目前に迫った高校2年生修学旅行については早急に結論を出す必要があるため、業者の方に来校いただき打ち合わせを行ないました。午後からは学校内を巡回しましたが、先日中学3年生の生徒達が仮校舎の南側に植えたゴーヤが蔓(つる)を伸ばし始めていました。本校では昨年度より人間教育の一環としての環境教育をスタートさせましたが、来年の新校舎完成を機に環境についての取り組みをより強化しようと考えています。そして、本年度は来年度の本格実施に向けてのさまざまなことを“トライアルする年”に位置づけています。
  このゴーヤの植え付けもその一環であり、ゴーヤの蔓を伸ばすことによってグリーンカーテンを作ることを目指しています。既にそのためのネットも張り付けが完了していました。生徒達がいない間は教職員で水やりをしますが、これから生徒達が世話をすることによって、どのような形に成長していくのかを興味深く見守っていきたいものです。

2009年05月18日

新型インフルエンザへの対応 Ⅱ

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  5月18日(月)、本日から土曜日まで新型インフルエンザのために臨時休校に入りました。いつもは生徒達の元気な声が聞こえてくる校舎内も生徒がいないと実にひっそりしています。
  先週の土曜日以降、学年毎に最新の生徒の健康状態を把握するようにしていますが、今のところ新型のインフルエンザに感染したという連絡は入っていません。
  本校では、これから数々の学校行事を予定していますが、これからの感染の推移を見守りながら対応していかなければなりません。特に、外部の方にお願いしているものについては早急に結論を出していく必要があります。既に今週末に予定されていた進路部主催の大学説明会については延期させていただくこととし、関係先に連絡させていただきました。また、「芸術鑑賞」やPTA関連の「委員総会」や「学年学級懇親会」も延期させていただくことにしました。この他にも「中学のカナダ研修」「高校のニュージーランド研修」「高校の修学旅行」「環境フォーラム」等の行事については、今後の状況を見ながら決定していく予定です。 午後からは学園の幹部が集まって全体会議を行ない、話し合いを行ないました。
  休業中の生活については、既に留意事項を伝えると共に各学年のホームページに掲載していますので、しっかりと読んで対応するようにしておいて下さい。また、各学年の先生は毎日学校に来ていますので、もし健康状態に変化があるようなら速やかに連絡して下さい。

2009年05月17日

新型インフルエンザへの対応

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  昨日、神戸市の高校で新型インフルエンザの2次感染が確認されたことを受けて本学園では18日(月)から23日(土)まで臨時休業することを決定しました。
  新型インフルエンザが発生した時点で、色々なルートから情報を収集していましたが、空港における懸命な水際作戦にも関わらず、いずれは国内での感染者が発生する可能性が高いのではないかということでした。そして、潜伏期間が1週間から10日くらいあるため、連休終了時に海外から日本に帰国した人達の中にはその時点では例え発症していなくても感染している恐れがあるということでしたが、現実はまさにその通りになってしまいました。
  本校では神戸市から通学してきている生徒が多数含まれており、2次感染が起きた場合にはその数十倍の人が既に感染していることが予想されるため、逸早く臨時休業することを決定し、土曜日のホームルーム時にこの旨を生徒達に伝え、本日(日曜日)のすべてのクラブ活動も中止することにしました。その後、直ちに保護者の皆さんにも連絡させていただきました。
  本日のニュースを見ていると、大阪の私立高校にも感染が広がっているようです。この状況からはこれからますます感染が拡大することも予想されます。生徒の皆さんは極力人混みには出ないようにすると共にうがいや手洗い、マスクの着用等の予防に注力して欲しいと思っています。また、万が一感染が確認された場合には速やかに担任までお知らせください。
  明日は学園幹部で今後の対応について検討していく予定ですが、状況の変化にあわせて、随時ホームページにインフルエンザ関連の記事を掲載していきますのでご覧ください。

2009年05月16日

志望理由書・小論文 合格ポイント講座の実施

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  5月16日(土)、学習研究社 学力開発事業部の岡田眞奈美氏を講師にお迎えし、「志望理由書と小論文の書き方」についての指導講義をしていただきました。受講者はAO入試や公募推薦入試の受験を考えている約50名の高校3年生です。
  昨今、国公立・私立を問わず大学においてもさまざまな改革が進んできていますが、入試に対する新たな取り組みの代表的なものにAO入試や公募推薦入試と呼ばれるものがあげられます。AO入試はもともとアメリカの「アドミッションズ・オフィス(Admissions Office)」という機関が行っていた経費削減と効率性を狙いとした入試ですが、大学において4年間意欲を持ってしっかりと勉強してくれる学生を求める手段として次第に定着してきました。そして、選考にあたっては小論文と面接が中心になっています。つまり、この入試の特徴を挙げると「従来にない選択方法」「多様な入試の実現」「受験生の個性の掘り起こし」ということになります。
志望理由書や小論文は志望の思いを「意欲」や「まじめさ」という形でいかに伝えるかがポイントになりますし、小論文の作成にあたっては世の中のトレンドやさまざまな課題についての情報を把握しておくことが大切です。
  生徒達は1時間あまり、岡田先生の話しに真剣に耳を傾けていました。AO入試への登録は6~9月頃に志望動機や自己PRを記入して提出し、9~10月に予備面接が行われ、11月中旬には合格発表されるケースが多いようです。まだまだ時間は十分ありますので、これからしっかりと準備をして受験に臨んで欲しいものです。

2009年05月15日

授業力を高める

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  来週月曜日(18日)からいよいよ公開授業旬間がスタートします。本校では例年5月末のこの時期に〝授業力を高める〟という趣旨で、お互いの授業を公開することにしていますが、本年度からは教職員の資質向上をはかることを目的として新設した人材開発室が従来の教務部に代わって担当することになります。
  まず、各先生は事前に自分が公開する授業についての「課題・目標」をカードに記入し職員室に掲示します。これを見て参観を希望する先生は自分が見たい授業に名前を記入し、授業参観後はコメント・カードに感想や質問を記入し授業者に手渡すことになっています。公開授業が終わると、授業を行なった先生はこの質問についての回答を参観者にフィードバックすることになっています。
  そして、この公開授業旬間中には「最低一人一回は他の先生の授業を見に行く。一人一回は他の先生に授業を見てもらう」ということにしていますが、実際はなかなか時間がとれずに、多くの先生が数多くの授業を見るということがなかなかできにくい状況になっています。このため、教科の中にはあえて研究授業を設定し、教科の先生全員で授業を参観した後、教科会議を開き教科としての授業力を高めるための取り組みを検討するという動きも出てきています。
  先生にとってはまさに〝授業は命〟です。他人の良いところは積極的に取り入れ「自らの授業を磨く」という姿勢で取り組むと共に、「授業アンケート」や「模試結果」等をしっかりと分析することにより、教科としての授業力の向上をはかっていくことが大切です。
  私も新学期になって、既に何人かの先生の授業を参観しましたが、今のところ、すべての先生の授業を見切れているわけではありません。この公開授業旬間以降も、引き続いて多くの先生方の授業を見学していきたいと思っています。

2009年05月14日

伸るか 反るかの体験

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  人の人生は一回きりで後戻りはできませんが、人生を送るにあたって何事に対しても挑戦する姿勢をとる人と失敗することを恐れて挑戦することを避ける人がいます。挑戦しなければ失敗することはないかもしれませんが、このような姿勢をとり続ける限り最終的に成功することは絶対にありません。人は伸るか(のるか)反るか(そるか)という経験を積まなければ人間的に成長することは絶対にできません。何故なら挑戦しないということは自らの潜在能力を殺してしまうことになるのです。昨今は経済不況という世相を反映して、一人ひとりの行動が縮こまっている、言い換えると〝石橋を叩いても渡らない〟というケースが散見されます。しかし、このような時にこそ新たなことに果敢に挑戦していくことが必要なのです。本学園の初代理事長である鳥井信治郎氏はチャレンジすることの大切さを訴えられ、常に「やってみなはれ。やらな わかりまへんで。」ということを言い続けておられました。
  今、実社会において何か新しいことに取り組もうとすると、即座に「難しい」という答えが返ってくる場合が往々にしてあります。そして、「人がいない。お金がない。モノがない。時間がない。」というできない理由が次々と出てきます。このくり返しではいつまで経っても状況は変わりません。行動に起こさなければ、問題を先送りするだけです。特に現代のように変化の激しい時代には新たなことに取り組んでいくという姿勢が何よりも大切であると感じています。

2009年05月13日

挨拶の大切さ~前味・中味・後味

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  5月13日(水)、高校の全校朝礼を体育館で行ない、次のような話をしました。
 〝前回の朝礼ではしっかりとした挨拶をしなかったために〝出入り禁止〟になった営業マンの話をしましたが、もし彼が大きな声で爽やかな挨拶をしていたら、恐らく得意先の社長から〝君はなかなか良い挨拶をしているね。出身はどこかね。〝というように会話が弾んでいたと思います。このように挨拶というのは人の第一印象を決める大きなポイントなのです。
  皆さんはこの第一印象はどれくらいの時間で形づくられると思いますか。わずか6~7秒という短い時間なのです。第一印象が決まる大きなポイントは挨拶、服装、言葉づかいです。
  人間は知らず知らずの間に評価する習慣が身についています。そして、会社でも個人のお店でも人でもあらゆるものが評価の対象になりますが、概ね「前味」「中味」「後味」という3つのステップを経て決まることになります。
  わかりやすいようにお寿司屋さんの例を取り上げますと、店に入った時の「いらっしゃい」という元気な挨拶や店の雰囲気が前味です。そして、主人のお薦めに従って注文すると出てきたお寿司は実に美味しい、これが中味です。最後に勘定を払うと「有難うございました。またどうぞ」という声と共に両手でおつりを渡される、そして思っていたより安い、これが後味です。このような態度に接するとまた来ようという気持ちになります。この例でもわかるように繁盛しているお店は、前味・中味・後味の3つが揃っています。
  これは人間でも同じです。第一印象が爽やかである。色々と話し合ってみるとなかなか素晴らしい。この人となら末永く付き合いたいということになります。このような人には多くの人達が集まってきます。この結果、数多くの有益な情報が齎(もたら)されることになるのです。社会で活躍するためには衆知をあつめることが大切ですが、皆さんはこの最大のポイントは挨拶であることを是非理解しておいて下さい。〟

2009年05月12日

命を引き継ぐメタセコイヤの成長

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  2月に移植したメタセコイヤからも4月になると一斉に新芽が吹き出しましたが、本格的に根付いたかどうかはもう少し経過を見たほうが良いと言われていました。しかし、大型連休が終わって日毎に葉が生い茂るようになり、確実に根が伸びているということを確信するようになってきました。また、驚いたことに切り株の丸太からも芽が出てきています。
  このメタセコイヤのルーツについては以前にも紹介しましたが、実に1945年に中国の四川省で発見された古木にまで遡ることになります。そして、現在のメタセコイヤが実生として植えられたのは昭和38年(1963年)、46年前であり、更にその親木が本校に届けられたのは昭和29年(1954年)で実に半世紀以上の歳月が流れているのです。言わばこのメタセコイヤの年輪には本校の歴史が刻み込まれており、今回この命を引き継げたということは本当に素晴らしいことではないかと思います。
  本校は人間教育の大きな柱のひとつに環境教育を掲げていますが、このメタセコイヤの移植をひとつの教材にして生徒達に命の大切さを伝えていきたいものです。

2009年05月11日

体育大会後記

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  昨日の体育大会で、〝充実した人生を送るためには数多くの感動を積み重ねることが大切である〟という趣旨の話をしましたが、そのためには自分なりの大きい目標を持って果敢にチャレンジしていくことが大切です。人は色々な局面で感動します。美しい音楽を聴いて、素晴らしい絵画を見て、心に染み入る講演を聞いて、野球やサッカーでのファイン・プレーを見て、感動すると思いますが、何と言っても自分自身が血の滲むような努力をして実現した時の感動に勝るものはありません。「感動は努力の結晶」という言葉がありますが、努力が大きければ大きいほど深い感動が得られるものです。
  各クラスの生徒達は、今回の体育大会に備えてさまざまな努力をし、全員で練習をしてきました。その結果が成功という形で結実した生徒達は何よりも自信に繋がったのは間違いありません。また、反対に思い通りにならなかった生徒達も素直に反省することによって次に期するという気持ちが芽生えたのではないかと思います。
  本校の初代理事長であった鳥井信治郎氏は常々〝やってみなはれ。やらな、分かりまへんで。〟と言われていたようですが、雲雀丘学園に集うすべての人が失敗を恐れず、大いにチャレンジしていって欲しいと思っています。

2009年05月10日

感動・絆・感謝の体育大会の開催

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  5月10日(日)、初夏を思わせるような天候の下、恒例の中学・高校合同の体育大会を開催しました。今年は開催日が日曜になったこともあって、朝早くから1600名を超す保護者や卒業生が来場され、観覧席はいっぱいになりました。8時半に吹奏楽同好会のファンファーレを合図に、全校生による入場行進で大会の幕が切って落とされました。クラス数が年々増加し、今年は中学・高校全体で33クラスになりましたが、1300名がクラス毎に順次行進を行ない、グランド一杯に整列する姿は壮観そのものです。昨日の予行時には小さかった腕の振りも改善が加えられ、わずか一日でクラスのまとまりも出てきたように感じました。
  開会にあたって、私は昨日の予行で話していたように「本日の体育大会には三つの頭文字がKのキイワードがある、一つ目は〝感動〟二つ目は〝絆〟三つ目は〝感謝〟である。」という話をしました。
  全員で準備体操を行なった後、中学1年生全員によるフレッシュマンレースから競技がスタートし、大玉はこび、大玉流し、二人三脚リレー、綱引き、玉入れ、棒倒し、棒引き、騎馬戦等それぞれに熱戦が繰り広げられました。
  また、昼食休憩に入る前に、高校3年生によるエンカレッジメントパフォーマンスが行なわれました。3年生にとっては今回が最後の体育大会になりますが、それぞれのクラスが衣装や振り付けに創意工夫を凝らし、素晴らしい演技を披露しました。そして、大会の最後を飾って中高男女によるクラス対抗リレーの決勝が行なわれ、大歓声の中で大会の幕を閉じました。
  人間は数々の経験をして成長していきますが、今日の体育大会を通じて生徒達は、それぞれ感動・絆・感謝の気持ちを味わったと思います。これを機会に生徒達が一段と逞しく成長してくれることを願っています。

2009年05月09日

体育大会予行を終えて

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  5月9日(土)、数日前までの雨天からは想像できないくらいの好天の下、明日の体育大会の予行を行ないました。当初は昨日に実施する予定でしたが、雨でグランドがぬかるんでいたため延期したものです。
  生徒達は早朝から運動靴に履き替え、体操服姿で教室から椅子を持ってグランド内に設けられた各クラスのテント内に搬入しました。
  そして、司会の指示に従い、8時半過ぎから中学3年A組をトップに中学2年、中学1年、高校1年、高校2年、高校3年の順にそれぞれクラス毎の入場行進を行ないました。これまでとの大きな違いは昨年結成された吹奏楽同好会の演奏が加わったことです。全クラスが行進を終え、1300名の生徒がグランドに整列した後、司会の「前に進め」という合図に従って一斉に前進、学園歌にあわせて学園旗の掲揚を行ないました。
  私は明日の本番に備えて、生徒達に二つのことをお願いしました。一つ目は、今回の体育会のキイワードは、頭文字をとって「3つのK」だと思う。明日お話しするから考えておいて欲しい。二つ目は今日の予行演習で、足りない点や上手くいかなかった点を見つけ、明日の本番までに修正しておいて欲しい、ということです。その後、全員で準備体操をし、当日のプログラムに沿って各種競技のリハーサルを行ないました。
  明日も良い天気になりそうです。生徒の皆さんは本番に備えて今日は十分睡眠をとり、体調を整えておいてください。新しいクラスがスタートして1ヵ月余りが経過しましたが、この体育大会という行事を通じて、クラスの団結が一段と強くなることを期待しています。

2009年05月08日

わが国における食育~服部幸應氏のエピソード②

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  食育基本法が施行されたのは平成17年ですが、これに先立って厚生労働省による『21世紀の栄養・食生活のあり方研究会』が開催されました。
  この研究会では「21世紀はどんな食の時代になるか」という論議がなされましたが、メンバーとして出席されていた服部氏が「知育・徳育・体育プラス食育の時代になる」ということを提唱されたのです。
  当時の厚労相は小泉氏であり、ついに法案が成立しましたが、この過程においては食の生産・流通を担う農林水産省と健康増進をはかる厚生労働省と教育を担う文部科学省がそれぞれの省の壁を取り払って、一体となって法案づくりを進めたのです。そして「食育推進基本計画」も策定され、平成18年から22年まで5年間かけて食育を推進するための目標値が設けられることになったのです。
  一口に食育と言っても非常に幅広い領域にまたがっていますが、服部氏は「選食力を養うこと」「食事作法を身につけること」「地球の食を考えること」を三本柱として掲げておられます。これらについては、また別の機会に取り上げたいと思っています。

2009年05月07日

わが国における食育~服部幸應氏のエピソード①

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  4月30日に中学と高校の新入生を対象に家庭科の先生から『食育』について話をしてもらいましたが、生きていく上で最も基本となる「食」に関しては子ども達だけではなく、家庭において家族全員で考えていかなければならない問題です。従って、これからこの校長通信においても食に関する課題について取上げていきたいと思います。
  最初に、学校法人服部学園の理事長である服部幸應氏のエピソードを紹介します。同氏は食育の大切さについて、機会ある毎に訴えておられますが、そのきっかけは服部栄養専門学校に入学してきた学生に、毎日三食何を食べているか一週間の食事日記を提出させたところ、ジャンクフードを食べている者、朝食を抜いている者が多かったそうです。これを見て、服部氏は栄養士や調理師になろうというのだから、しっかりと勉強して欲しいと言い聞かせて、2年後の卒業時に再度食事日記を提出させたところ、たったの6%しか改善されていなかったそうです。これらの学生も頭では理解していて試験では及第点を取っていたようですが、〝18歳以上になるとなかなか生活習慣を変えることができない〟〝もっと小さい頃から親が正しい食生活を指導していないと後から理論を教えても遅い〟ということを気づかれたそうです。そして、何歳までに親が家庭において生活習慣を整えなければならないかを医学的な見地から調査した結果、子どもの成長は0歳~3歳、3歳~8歳がポイントになることが分かったようです。
  この話を聞くと既に手遅れではないかと思われるかも知れませんが、諦める必要はありません。親と共に暮らしている中学・高校時代は食育を含めた生活習慣を改善する最後のチャンスであるという認識に立って行動に移すことが大切なのではないかと思っています。  《続く》

2009年05月06日

大型連休を終えて

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  5月6日(水)、本日で3日から始まった4連休も終了しました。テレビのニュースを見ていると、この休みを利用して帰省や旅行等をされた方も多かったようですが、私は万一の新型インフルエンザの発生に備えて遠出をせずほとんど自宅の周辺で過ごしました。
  現在、日本の食料自給率は40パーセントしかありませんが、世界の人口がますます増加していく中で将来食料が不足してくるのは間違いありません。「このままではまずい、農業政策を改革しなければいけない」といくら主張していても、現状が好転できるものではありません。国民一人ひとりが身近なできることから行動に移すということが大切です。
  そのため最近はわが家でも食料自給率改善の取り組みの一環として、食生活の改善と食料の自家自給率・地産地消率を高めるということを始めていますが、この休みにはこのためのさまざまな活動を行ないました。まず農園で昨秋に植えつけておいたさやえんどうの採取を行ないました。昨秋に植えつけた時にはどれだけの収穫があるのか心配していましたが、予想外の量を収穫することができました。また家の周囲に自生している〝蕗〟や〝三つ葉〟を使っての「佃煮」や「お浸し」、夏みかんのマーマレード、山菜である蕨(わらび)の煮物等も作ってみました。よく見ると身近にも食材はあるようです。これらの取り組みは全体から見るとごくわずかな試みにしかなりませんが、一人ひとりが自らの食に関心を持ち、工夫をすれば食料自給率の改善に繋がるのではないかと感じています。

2009年05月05日

こどもの日と端午の節句

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  『こどもの日(5月5日)』は1948年に〝こどもの人格を重んじこどもの幸福をはかるとともに母に感謝する日〟ということで定められましたが、もともとは中国の暦法で定められていた五節句の一つであり、「端午の節句」・「菖蒲〔しょうぶ〕の節句」とも言われます。  
  端午の節句は、もともと奈良時代から続く古い行事でした。端午というのは〝月の端(はじめ)の午(うま)の日〟という意味で5月に限ったものではありませんでした。やがて午(ご)と五(ご)の音が同じなので毎月5日を指すようになり、ついには5月5日になったようです。その後、鎌倉時代頃から「菖蒲」が「尚武」と同じ読みであること、また菖蒲の葉が剣の形を連想させることなどから、端午は男の子の節句とされ、男の子の成長を祝い健康を祈るようになり、江戸時代には鎧、兜、刀、武者人形や金太郎を模した五月人形などを室内の飾り段に飾るようになりました。また〝登竜という激流(登竜門)を鯉が登ると竜になって天をかける〟という中国の故事を受け立身出世を願って庭前に鯉幟(こいのぼり)を立てるようになったのです。
  端午の節句には、今でも地方によって無病息災を祈って香気を持つ菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)を軒に吊るしたり、田の神を迎えるための禊の名残として菖蒲湯に入るという風習があります。更にこの日に柏餅を食べる習は日本独自のもので、柏は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」縁起物として広まっていったようです。
  なお五節句というのは暦の中で奇数の重なる日を取り出したもので、人日(じんじつ・1月7日)、上巳(じょうし・3月3日)、端午(たんご・5月5日)、七夕(たなばた・7月7日)、重陽(ちょうよう・9月9日)を指します。1月1日だけは別格(1月は7日)ですが、陽である奇数が重なると陰になるということで、この日に邪気を祓うという目的で定められたのです。

2009年05月04日

みどりの日の由来

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  5月4日は「みどりの日」ですが、このように決定されるまでには紆余曲折がありました。1948年の祝日法施行以来、昭和天皇の誕生日である4月29日は、国民の祝日である「天皇誕生日」とされていました。その後1989年(昭和64年)1月7日に昭和天皇の崩御に伴い今上天皇が即位され、天皇誕生日は今上天皇の誕生日である12月23日に改められることとなりましたが、ゴールデンウイークの一角を構成する祝日を廃止することによる国民生活への影響が懸念されたことから、4月29日を「みどりの日」と改めた上で祝日として存続させることとなりました。「みどりの日」の名前の由来は、「昭和天皇は植物に造詣が深く、自然をこよなく愛されたことから『緑』にちなんだ名がふさわしい」という主旨です。その後4月29日を「昭和の日」として制定しようという動きが生じ、2005年に正式決定になりましたが、同時にみどりの日を5月4日に移行させることになりました。参考までに、この日には普段は青色で印刷される毎日新聞の題字が緑色になっています。 
  一方、5月4日はそれまで〝日本は働きすぎであり、もっと休みを増やすべきである〟という海外からの要請に応える形で、1985年に祝日法が改正され、祝日にはさまれた平日を『国民の休日』としたことによるものです。このためこの5月は「憲法記念日」「みどりの日」「こどもの日」と祝日が3日続くことになります。また、祝日が日曜日と重なる場合には、その週の月曜日を休みにするという「振替休日」の制度も設けられているため、大型連休になる可能性が非常に高くなるのです。
  なお、今年は「敬老の日」が9月21日(月)、「秋分の日」が23日(水)になるため、新たに22日が国民の休日ということになります。
  いずれにしても、それぞれの祝日の意義をしっかりと確認すると共に、これらのまとまった時間を有効に使い、普段できないことをやるという姿勢が大切ではないかと思っています。

2009年05月03日

憲法記念日にあたって

  5月3日(日)は憲法記念日です。近年憲法改正の論議が活発になってきていますが、現在の日本国憲法は、第二次世界大戦で敗戦しその後アメリカによる占領が続いていた1946年(昭和21年)11月3日に大日本帝国憲法の改正手続を経て公布され、1947年(昭和22年)5月3日に施行されたものです。
それから現在まで52年にわたってこの憲法は全く改正を加えられることなく継続しているため、日本国憲法の原本の漢字表記は、当用漢字以前の旧漢字体になっており、その前文には『われらは平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと務めてゐる国際社会において名誉ある地位を占めたいと思ふ』と記載されています。
  そして、新しい憲法が施行された日こそ「祝日」にふさわしいという思いが全国にあったようで1948年に国民の祝日に制定されました。
  現行の日本国憲法は十一章、百三条から構成されています。この詳細を知っている人は少ないと思いますが、特色として3つの柱を持っています。一つ目は〝天皇は象徴であり国を治める主権は国民にあるという「国民主権」〟二つ目は〝人間が生まれながらにして持っている、人間らしく生きる権利を永久に保障する「基本的人権の尊重」〟三つ目は〝世界の平和を永久に守るため、外国との争いが起きても戦争をしないで平和的に解決するという「平和主義」〟です。
  現在最大の討論の的になっているのは「平和主義」に基づく憲法9条の問題ですが、憲法の改正手続きについては第96条において次のように定められています。
〝この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。〟
  憲法は日本の国にとってはすべての法律の基礎となる最も重要なものです。内容についてしっかりとした理解をしておきたいものです。

2009年05月02日

学園小学校保護者の皆さんへの進路説明会

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  5月2日(土)、学園小学校のPTA総会後の時間をいただき、6年生~4年生の保護者の皆さんを対象に進路説明会を開催しました。参加された保護者の皆さんは約380名です。中高においては、3年前から学校改革に着手し、高校のコース制の導入に続き2年前からは中学においても一貫選抜と発展の二つのコース制を導入しましたが、本日は昨年と同様パワーポイントを使って『社会で活躍する骨太のリーダーを育てる』というテーマで、次のような話をさせていただきました。
  〝現在、小学校6年生の子ども達は11年後、5年生は12年後、4年生は13年後には社会人になります。これから子ども達は中学・高校・大学に進学することになりますが、立派な社会人となるためには、中学・高校・大学時代に〝社会で役立つ力〟を育てていくことが大切です。今はともすると大学に入学することが最終目標であるような考え方をする人が増えてきていますが、これからはどの大学を出たということで将来が保障されることはまずありません。何をしてきたのか、何ができるのかということが重要になってきます。また、最近は大学に合格したことで目標を失ってしまう、また大学を卒業して折角就職してもすぐに退職してしまう人が増えてきています。
  社会で役立つ力を育てるには「中学進学にあたって目先のことではなく将来の進路はどうかという長い目で子どもの育成を考える」「社会が将来どのように変わっていくのかというトレンドをしっかりと把握しておく」「人間としての根っ子をしっかりと育てるためには基本的な生活習慣と学習習慣を身につけさせる」「子どもを過保護にせずチャレンジさせる」ことが大切です。〟
  続いて現在推進しているコース制を軸とした教育活動の概要と学校改革の目指す姿、今年度の中学入試の結果、学園小学校出身の生徒達の入試や入学後の状況について説明した後、中学受験にあたっては必ず学校を訪問し、子どもさんの能力や適性に見合った学校を選んでいただきたいということを話しました。
  本日は、約25分間という短い時間であり、十分な説明ができませんでしたが、本校では年間を通じて個別の進路相談に応じていますので、事前にご一報いただき、是非ご来校ください。また、日々ホームページを通じて学校の状況をお伝えしていますのでご覧いただき、忌憚のないご意見をお聞かせください。

2009年05月01日

環境への取り組み~ゴーヤの植え付け

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  本校では昨年5月29日に環境ジャーナリストの枝廣淳子氏による基調講演をいただき、この日を『環境の日』に制定し、本格的に環境教育をスタートさせました。その後、文化祭や里山体験、林間学舎、沖縄研修旅行を軸にさまざまな環境講座を開催する等の活動を推進すると共に、全校挙げて環境推進月間の設定、ゴミの分別収集、エアコンや照明の省電力等の取り組みも実施してきました。
  今年は二年目ということになりますが、基本的にはこれまでの活動を継続すると共に来年度新校舎建設に合わせて、さまざまな取り組みを検討していくことにしています。言わば今年は〝創立60周年に本格実施する環境活動のための準備の年〟という位置づけになります。
  この一貫として、昨日は中学3年生が1限のロング・ホームルームを使って、ゴーヤの苗を仮校舎の窓際に植え付けました。この狙いは日差しが強いと結構室温が高くなる仮校舎にグリーンカーテンを作ることによって室温の上昇を抑え、快適な学習環境を整えるためです。各クラスの15名前後の生徒が協力して、慣れない手つきで、それぞれ6つずつ計24の鉢に培養土と肥料を入れて苗を植え付け、教室の窓の下に設置しました。また、放課後には有志の生徒が2階の教室からネットをつるす作業を行ないました。設置するのに手間取り、大変な苦労をしましたが、何とか5時半過ぎにはすべての作業を完了することができました。ゴーヤの栽培というのは初めてのチャレンジですが、これからしっかりと水やりなどの世話をして大きく育てていって欲しいものです。
  本校の環境教育の基本は「学び、考え、行動する」ということですが、この経験を来年度以降にも繋げていきたいと思っています。