« 2009年05月 | メイン | 2009年07月 »

2009年06月30日

芸術鑑賞会の開催

芸術鑑賞①.jpg 090630geijutu2.jpg
  6月30日(火)、学園講堂で新型インフルエンザのために延期になっていた芸術鑑賞会を開催しました。この鑑賞会は毎年恒例の行事になっていますが、本年度はアロージャズオーケストラによる演奏会ということになりました。
  同バンドは結成51年を誇る関西ジャズ界の名門であり、わが国を代表するジャズビッグバンドです。1958年、若きピアニスト・北野タダオをリーダーとして『北野タダオ&アロージャズオーケストラ』として結成され、日本全国で精力的に公演会を開催、その後2008年からは創設者の北野タダオの引退に伴い新リーダー・宗清洋の下で、バンド名を『アロージャズオーケストラ(AJO)』と改め活動を続けておられます。本日は午前中に高校生、午後からは中学生と2回にわたって公演していただきました。
  約90分という短い時間でしたが、演奏曲目は「A列車で行こう」「イン ザ ムード」「ムーンライトセレナーデ」「007のテーマ」「Sing Sing Sing」等幅広いジャンルにわたっており、17人の奏者の異なる音色が会場一杯に響き渡りました。また、後半はゲストボーカル(kiko)を中心に 「嘘は罪」「煙が目に染みる」「涙そうそう」 「君の瞳に恋してる」 など馴染みのある曲を披露していただきました。
  時間が経過するにつれて演奏者と観客が一体となり、次第に会場は熱気に包まれ、最後には生徒達も一緒に舞台上がって歌い踊る等大いに盛り上がりました。私も午後からの公演に参加しましたが、素晴らしい演奏に触れ心が洗われる気持ちになりました。
  本校では人間教育の一環として、一流のものに触れる機会を数々の学校行事に組み込んでいますが、多くの生徒の感想文にも本日の演奏に大きな刺激を受けたという感想が認められていました。これらの刺激を明日の活力に繋げていって欲しいと思っています。

2009年06月29日

高等学校PTA学級委員会の開催

  6月29日(月)、各クラスの学級委員の保護者の皆さんに参加いただき、高等学校PTA学級委員会が開催されました。冒頭の挨拶で私はこれまで学年の保護者懇談会で取り上げている危機管理や新校舎、教育改革に関するテーマ以外に次のような話をしました。
   「今は100年に一度の経済不況化にあると言われていますが、この状況が終わると今後100年間は大丈夫ということで安心するわけにはいきません。このようなことが何回も起こってくると考え、不測の事態に備えるということが大切になってきます。グローバル化が進む中で、これからは一流の大学を出たからとか、大会社に就職したから大丈夫ということではなく〝何ができるのか、何をしてきたのか〟ということが重要視されるようになってきます。また、時代の変化のスピードが速いために知識やスキルはすぐに陳腐化してしまうことになり、絶えず勉強し続けなければなりません。
  現在、社会で活躍している人は必ずといってよいほど数々の失敗をしています。しかし、例外なく〝高い志を持つ〟〝素直に自分を反省し自律する〟〝目標達成に向けて努力する〟という姿勢を身につけておられます。そして、失敗を乗り越えて成功に結び付けておられます。学校は将来社会で役立つ力を育てる〝トレーニングの場〟であると考えるなら、まさに本校の校是である「高志」「自律」「努力」を実践させていくということが大切になります。
  また、本校は《人間教育の充実》と《学力の向上》の両立をはかることを目指していますが、どちらにも特効薬はなく、当たり前のこと、簡単なことをきっちりやり続けることしかありません。挨拶や服装、ルール・マナーの遵守、整理整頓といった凡事を徹底していく、そして正しい生活習慣や学習習慣を身につけさせることが必要です。どうか、これからもご家庭と学校が連携して子ども達を育てていきたいと思っていますので、何卒宜しくお願いします。」
  

2009年06月28日

環境クイズ

  環境月間も間もなく終了しますが、環境に関する基本的な事柄についても案外知らないことが多いように思います。
全部で20問ありますので考えてみてください。後日正しい答えをお知らせします。

 ●○●  環境クイズ ●○●

  問1  世界にはどれだけの国がありますか?
  問2  現在の世界の人口はどれくらいですか?
  問3  これから世界の人口はどうなりますか?(増えるor減る)
  問4  現在の日本の総人口は何人ですか?              
  問5  日本国内で1年間に消費される割り箸は何膳ですか?    
  問6  日本国内で1年間に消費されるレジ袋は何枚ですか?                  
  問7  日本国内で1年間に生ゴミの量は何トンですか?
  問8  日本国内で1人が1日あたりに出すゴミの量はどれ位ですか?
  問9  地球上の水をバケツ1杯にたとえると、人間が使える水の量はどれくらいですか?
  問10 1人が1日にどれ位の生活排水を流していますか?
  問11 3つのRを全部いえますか?
  問12 日本は二酸化炭素排出量、世界何位ですか? 
  問13 世界中で二酸化炭素排出量の多い国はどこですか?
  問14 温室効果ガスにはどんなものがありますか?
  問15 わが国のエネルギーの自給率はどれくらいですか?
  問16 わが国の食糧自給率はどれくらいですか?
  問17 発電の種類はどのようなものがありますか?
  問18 小麦1㎏を生産するのにどれ位の水がいりますか?
  問19 牛肉1㎏を生産するのにどれ位の水がいりますか?
  問20 1年間に生き物はどのくらい姿を消していますか?
恐竜.jpg


2009年06月27日

中学2年(56期生)保護者懇談会

H21.5.6.27中2学年懇談会 4.jpg H21.5.6.27中2学年懇談会 6.jpg
  6月27日(土)午後、中学2年の保護者懇談会が開催されました。本日の主なテーマは来月末に迫った〝大山への林間学舎〟と学校生活、学習等に関するものでしたが、土曜日ということもあって約8割の保護者に出席いただきました。
  冒頭、私は「危機管理」、「共育・共学」、「教育改革」、「環境・新校舎」の4つについて話をしました。

  ①昨今の学校には、施設の不備や先日の倒木事故、新型インフルエンザをはじめとする流行性の疾患、携帯やブログをめぐる事件等さまざまな危機が存在しています。危機管理の基本は予防することと起こった時に迅速に対応することです。今回NTTデータのシステムを導入することにしましたが、これからも危機管理の強化をはかっていかなければならないと考えています。
  ②学校での集団生活においては日々色々なことが起こりますが、これは子ども達の成長にとって不可欠であると思います。但し、絶対にやってはいけないことについてはキッチリと教え込んでいかなければなりません。共育と共学については、これまで何度も申し上げていますが、挨拶や服装、ルール・マナー、整理整頓といった凡事徹底や生活習慣・学習習慣を身につけさせることが大切です。
  ③56期生は中学改革の最初の学年にあたります。高校に進学する時には一貫選抜と選抜特進・特進というコースに分かれることになり、特進Ⅰ・Ⅱの区分はなくなります。本年度も引き続き教育改革を進めており、新たな教職員の確保や授業力の向上をはかっています。また、来年度からは三学期制に移行し、より生徒の学力伸張をはかることを目指します。
  ④本校は環境教育に注力していますが、環境に配慮することは人に対する優しさや思いやりの気持ちを育てることに繋がります。また、来年3月に完成予定の高校新校舎には太陽光パネルの設置や屋上緑化、雨水の利用等をとり入れ、エコスクールを目指していきたいと思っています。

  これからも家庭と学校が連携して、子ども達をしっかりと育てていきたいものです。

2009年06月26日

結果を次に生かす

09062601.jpg

  定期考査が終了し、今週は次々と答案用紙が返却されています。私も生徒達に「どの試験が難しかったのか、逆にどの試験が易しかったのか」をよく尋ねています。また、何人かの先生にはどのような採点結果になっているのかを聞いてみましたが、思った以上に高い点数が取れている場合もあれば、逆に正答率が低いということもあるようです。先日の職員会議においてもお願いしましたが、特に今回は新しい学年になって最初の定期考査ということもあり、学年毎に各教科の学力をしっかりと把握しておく必要があると思っています。わかりやすく言えば「学年と教科のマトリックス表」を作り、どこに課題があるのかを明確にするということです。
  本校では先般の『公開授業旬間』に続いて、全教員の全授業に対して『授業アンケート』を実施しています。これは教職員の授業力を高めると共に生徒の学習状況を把握し、学習習慣の指導に繋げていこうとするものです。
  この他にも定期的に学年毎の「外部模試」を受験しており、生徒達の学力状況や学力の伸び、学年の年度別推移等を把握する材料にはこと欠きません。どのようなことにもP-D-C-Aのサイクルをまわしていくことが大切ですが、学校の教育活動においても同様です。
  これからもさまざまなものをシステム化すると共にやりっ放しではなく結果をしっかりと分析し、次の取り組みに生かしていきたいと思っています。

2009年06月25日

百見は一験にしかず

  6月8日から始まった3週間の教育実習も残すところ二日となりました。この間、実習生の皆さんには早朝の挨拶・服装指導からクラス運営、授業参観等さまざまな経験をしていただきましたが、最後の仕上げとして実際に教壇に立って生徒に授業を教えるということになります。今週に入って、実習生から次々と学習指導案が届けられたので、ざっと目を通してみました。それぞれの実習生には指導教諭がついており、きめ細かな指導をしているため、どれを見ても授業の内容はきっちりと整理されているように感じました。
  これまでの実習期間中の感想を聞くと、多くの人から〝大変勉強になりました〟という感想と共に〝人に教えることは本当に難しいと感じています〟という答えが返ってきますが、これは当然です。人を教えるためには少なくとも7倍の力が要ると言われますが、個々の生徒に応じて臨機にやり方を変えるということができるようになるためには、それなりの懐の深さが必要になると思います。どのような生徒であっても気持ちをひきつけ授業に集中させることができるようになるためには、日々の研鑽が必要なのは言うまでもありません。思い通りの授業ができないことを生徒のせいにするのは、自分の力量不足を公言していることに他なりません。
  昔から〝百聞は一見にしかず〟と言われますが、〝百見は一験にしかず〟という表現の方が適切であると思います。塩の辛さや砂糖の甘さは舐めてみないとわかりません。何よりも経験すること、そして素直に反省し改善していくという姿勢が大切です。
 実習生の皆さん、今回の教育実習の体験を是非これからの飛躍に繋げていってください。

2009年06月24日

高等学校全校朝礼~ユニクロの取り組み

09062401.jpg 09062402.jpg
  6月24日(水)、約1ヵ月ぶりに高校の全校朝礼を行ないました。今、世の中は大きく変わりつつありますが、マスコミ等を通じて届けられる情報には将来に希望を持たせるような明るいものがあまりにも少ないように感じています。このような中で生活していると、生徒達はどうしても将来に対して不安を感じてしまうことになってしまいます。これでは自らの高い目標を設定し、その実現に向けて努力していこうということには繋がりません。そのため、本日は生徒達に元気をつける意味もあって新たな取り組みによって注目されている「ユニクロ=ファースト・リテイリング」についての話を紹介しました。
  〝現在、流通業界は大きな変化の波が押し寄せてきています。衣料関係ではデパートやスーパーが大苦戦している中で、2桁成長という絶好調な会社があります。それは「ユニクロ」です。ユニクロの略称は「UNI-QLO」ですが、当初はユニーク・クロージング・ウェアハウス〟ということで「UNI-CLO」でした。ところが、香港に現地法人を設立した際、会社登録の書類を書き間違えてしまったのです。ユニクロの本社は東京や大阪ではなく山口県の山口市にあります。
  会社のスローガンは『服を変え 常識を変え 世界を変える』、そして先端材料で安くて良いものをつくり世界のトップ企業を目指す、というものです。これを実現するために、商品企画は日本、物づくりは中国、大型店舗による豊富な品揃え、原材料の100%買取りによるコスト削減等を実施しました。これだけでは単に安いということにしかなりませんが、お客様に満足していただく商品をお届けするために「素材メーカーと製造小売業との境界線を超えた商品開発体制」を確立したのです。そして、東レと共同で『ヒートテック』という従来にない商品を開発しました。綿100%が主流の下着市場に、保温性(アクリル)、保湿性(レーヨン)、速乾性(ポリエステル)、フィット性(ポリウレタン)、抗菌性のある新素材を投入したのです。この結果、昨年度は秋冬物だけで2800万枚を完売しました。また、全国の750店舗からは直接お客様の声が届くことになっており、ヒートテックの企画やデザインは女性中心のチームが行なっています。そして、この度、この取り組みが『日本マーケティング大賞』を受賞しました。
  過去の延長線上の取り組みからの脱却、他社との差別化・特長づくり、お客様第一の考え方は、すべてのことに当てはまると思います。参考にしてください。〟

2009年06月23日

凡事徹底の大切さ

0906toukousidou01.jpg 0906toukousidou02.jpg
 本校では教育の大きな柱として人間教育の充実をあげています。このテーマについては、これまで何度も取り上げてきていますが、人間力を向上させるための特効薬はありません。簡単なこと、当たり前のことを確実にやるという「凡事徹底」が必要なのです。
  そのため、爽やかな挨拶をする、きっちりした服装をする、ルール・マナーを守る、しっかりと整理整頓や掃除をする、といったことを中心に人間力の向上をはかっています。
  さて、先週の月曜日(15日)からは完全に夏服への衣替えを行ない、現在女子生徒は半袖シャツにリボン、男子生徒は半袖の開襟シャツ着用ということになりました。これに伴い校章や組章をつけることになっていますが、どうしても頻繁に洗濯するためバッジの付け忘れが目立っていました。このため、早朝の登校時において挨拶と共にバッジを佩用するよう指導してきましたが、残念なことになかなか徹底できませんでした。それでも教員だけではなく教育実習生達も指導にあたる、また生徒自らもクラス毎に付け忘れの人数を把握する等の活動の結果、徐々に佩用率が上がってきました。バッジをつけるということは考えようによっては、取るに足らないことかも知れません。しかし、〝凡事を徹底する〟という姿勢が何よりも大切なのです。
  私もこれまで色々な企業や団体を見てきましたが、凡事徹底のできているところは例外なくマネジメントのレベルが高く、トップの方針が末端まで浸透しているということが分かりました。小さなことをおろそかにするという姿勢では、絶対に大きなことはできません。〝小さなことでも決めたことは必ずやる。〟逆に〝中途半端にしかできないことはやらない〟というくらいの明確な考え方が必要であると思っています。

2009年06月22日

苦渋の決断

  この度、今年の夏に予定していたカナダ研修を中止することにしました。この研修はできるだけ早い時期に海外での生活を体験させ、国際的な視野を身につけさせることを狙いとして、平成14年から毎年夏休みを利用して実施してきました。この間、トロントにおけるSARSの発生により一年間中止しましたが、今回はその時についで取りやめるということになりました。この研修にはこれまで130名を超える生徒達が参加し、この体験を機に帰国後大きく成長した人も数多くいることもあって、何とか実施できないかとギリギリまで検討を重ねてきました。しかし、さまざまな情報を収集し、リスクを検討した結果、最終的には次の理由により中止するという苦渋の決断をしました。生徒および保護者の皆様には決定が遅れ、誠に申し訳ないと思っていますが、何卒了解していただきますようお願いします。

1.日本だけでなく世界各地で新型インフルエンザの蔓延が懸念されています。また、WHOはフェーズ6に警戒レベルを引き上げ、その後このレベルを維持しています。
2.研修先のカナダは発生・感染地である北米大陸に位置し、予断を許さない状況です。
3.研修では、トロントなど航空の中継地・人の流れの多い地域を通過・滞在します。ナイアガラ瀑布という世界有数の観光地ということもあり、現在新型インフルエンザが大流行している南半球からの観光客も多数訪問することが予想されます。
4.現地での医療体制も整っており、タミフルなどの備蓄もできているようですが、移動の多い今回の研修では、現地での対応は困難と予想されます。

  折角、今回の研修旅行を楽しみにしていた生徒の皆さんにとっては非常に残念な結果になりましたが、これからも海外に行く機会はありますので、それに備えて研鑽を続けて欲しいと思っています。
なお、来年度については、高校でのニュージーランド研修、中学でのカナダ研修は実施する方向で検討を進めていますのでお含みおきください。

0906kujuu.jpg

2009年06月21日

日本人の智恵 ~世界に誇れる健康食品〝梅干〟

梅 梅

  6月21日(日)、この時期には自家製の梅酒や梅干を漬けておられるご家庭もあると思いますが、わが家でも恒例になっている〝梅漬け〟を行ないました。
  本格的に梅漬けを始めて既に10年以上になりますが、月ヶ瀬(奈良県)での梅ノ木のオーナー制度を利用して自ら梅の実を採取し、添加物を使用しない10%減塩の梅干にしています。このきっかけは海外での生活において、梅干が胃腸を整えるために大いに役立ったという経験があったからです。それ以降、海外をはじめ小旅行の際には必ず梅干を携帯するようにしています。
  梅は約1500年前、遣隋使であった小野妹子によって日本にもたらされたと言われています。もともと中国では梅干ではなく梅の実を燻製させて作った「鳥梅(うばい)」というものが薬として珍重されていました。そのため、わが国においても当初は薬用として使用されていたという記録が残っています。その後、平安時代や鎌倉時代には高級食品として貴族の間で食されており、戦国時代には戦場に出かける際に腰に梅干を携帯していたようです。また、江戸時代に入ると日本人の手によって梅の品種改良が進み庶民の間にも梅の食用が広がりました。そして、梅干が医療や健康面で脚光を浴びるようになったのは、明治時代になってコレラや赤痢の予防、治療に幅広く用いられ、大きな効用のあることが証明されたからです。
  梅干は酸っぱいために酸性食品であると思われがちですが、実は強いアルカリ性食品です。また最近、梅干にはさまざまな効用があることが判ってきましたが、梅干は日本人の智恵が生かされた世界に誇れる健康食品なのです。
  スーパー等には数々の商品が販売されていますが、一度自家製の無添加梅干づくりに挑戦してみてください。

2009年06月20日

定期考査を終えて

090620kt.jpg

  定期考査も終了し、生徒達はテストの重圧から解放されホッとしていることと思います。人間は誰でも何か一つの山を越すとどうしても気が抜けてしまうものですが、大切なのはこの時の気持ちの持ち方です。勉強でもスポーツでも同じですが、実は差がつくのは終わった後の姿勢なのです。言い換えると、しっかりと反省できているかどうかです。
  〝Ending is  Starting〟という言葉がありますが、実は一つのことが終わった時は次に向けてスタートするという気持ちが大切なのです。うまくいったからといって、努力を怠れば次は失敗する可能性が大きくなりますし、失敗したことによって発奮すればよい方向に進みだすのは間違いありません。
  社会のさまざまな分野で活躍している〝プロ〟と呼ばれる人達を見ると、結果に一喜一憂することなく日々素直に反省し研鑽を続けておられます。このような姿勢は簡単には身につかないと思いますが、一日というのは人生の縮図です。充実した一日は充実した一週間に、充実した一週間は充実した一ヶ月に、そして充実した一年に繋がっていきます。
  この週末には今回の定期考査についてしっかりと反省すると共に気持ちを切り替えて、来週から力強くスタートして欲しいものです。

2009年06月19日

食べて保全

0906ezo2.jpg

  現在、北海道においては40万頭に増えたエゾシカによる環境問題に対応するために、さまざまな試みがなされていますが、その中の一つが『エゾシカ肉戦略商品開発支援事業』です。この事業は一口で言えばエゾシカの肉を〝食べて環境保全〟しようというものです。
  日本ではあまり馴染みがありませんが、鹿肉は実に魅力的な食材であり、フランス料理では〝ジビエ(狩猟による鳥獣肉)〟の代表格になっています。豚に比べてカロリーは三分の一、脂肪は十分の一と低く、その上高タンパクで鉄分やアミノサンやミネラルも豊富です。通常、スーパーやデパートで販売されているのは牛肉や豚肉、鶏肉であるため、鹿肉については違和感を持つ人が多いと思いますが、猪肉と並んで代表的なものだったのです。
  縄文時代には狩猟採集の生活で猪や鹿、ハマグリ、牡蠣、胡桃、栃、どんぐり等を食べていました。弥生時代になって農耕が始まってからも猪や鹿は犬と共に食べられていました。その後、仏教の伝来に伴い肉食が廃れ、天武天皇の時代には「肉食禁止令」が出されました。また、戦国時代以降においては牛や馬は農家にとって重要な働き手であったため、食べられることはあまりなかったようです。そして明治維新以降、牛鍋の流行につれて牛肉の消費が増加し始めたようです。また、今では犬や猿やウサギなどを食べることはありませんが、かつてはこれらの肉を食していたのです。
  今月は環境月間であると同時に食育月間でもあります。先進諸国の中でも極端に低い食料自給率を改善するためにも、新たな取り組みをスタートさせることが大切であると思っています。

2009年06月18日

エゾシカによる生態系への影響

090618ezo.jpg

  今回の修学旅行ではエゾシカの生態を調べるプログラムが準備されていますが、現在、北海道においてはエゾシカによる環境被害が大きな問題になってきています。
  エゾシカはアイヌ語では「ユク」と呼ばれていましたが、これは獲物という意味です。そのためイオマンテなどの儀式に使用されるということはなく、単なる食料の対象として考えられていたようです。エゾシカは繁殖力が旺盛で、1歳で成熟し、2歳から毎年出産するため年率20%くらいの割合で増加します。このペースは4年で約2倍になるということです。
  かつては年間10万頭が捕獲されていましたが、絶滅の危機に瀕することになり、1888年捕獲が禁止、その後捕獲の解除と禁止が繰り返されてきましたが、徐々に増加し1994年には道東の4支庁で12万頭が確認されるようになりました。その後2000年代に入ると牧草地の被害拡大、農業被害、交通事故や自動車事故を頻発させることになりました。そして、何よりも憂慮すべきは森林内の下草だけではなく天然林の稚樹にまで食害が発生してきたことです。この状態が続くと若木の成長が期待できなくなり、数10年後には深刻な事態に陥ることが予想されます。最近の調査では驚くべきことに、全道で40万頭のエゾシカが生息しているようです。
  このように個体数が増加した原因は色々ありますが、主なものをあげると ①天然林を伐採して単一の針葉樹を植えたが、苗木の間に成長した下草が餌となり、エゾシカの成育に適した環境が出来上がった。 ②エゾシカの数をコントロールするはずの天敵であるエゾオオカミが100年前に絶滅した。  ③降雪の減少により越冬して生き残るエゾシカの数が増加した。 ④農耕地が増え、エゾシカの餌資源量が増加した。 ⑤過疎化の進行に伴い猟師の数が減少した。等です。
  現在、エゾシカによる被害を防ぐためにさまざまな対策が検討されていますが、アメリカのイエローストーン国立公園ではシカの爆発的な増加を押さえるため、カナダからオオカミを移入して生態系の回復をはかっているようです。我々の周りには数々の環境問題がありますが、環境を守っていくためには、知恵を搾り出し地道な努力を継続していくことが必要であると感じています。

2009年06月17日

食物連鎖と生態系

0906seitaikei.jpg

  今回の北海道の修学旅行においてはエゾシカやヒグマの生態について調べることになっていますが、どのようにして生態系が成り立っているのかを紹介します。生態系を構成している生物は、その役割から「生産者」「消費者」「分解者」の3つに分類することができます。
  生産者というのは〝光合成によって太陽の光エネルギーを有機物に変える生物(植物等)〟です。消費者というのは〝生産者の作ってくれた有機物を直接的、間接的に利用する生物(動物等)〟です。分解者というのは〝生産者や消費者の遺体や排泄物の中の有機物を無機物に分解する生物(菌類等)〟です。
  このように「食う⇔食われる」という関係によって直線上に繋がっているものを〝食物連鎖〟と言いますが、実際は網目状にからまっているので食物網と呼ばれています。言い換えると、太陽の光エネルギーは生物の力によって形を変え、私達の栄養源(炭水化物、タンパク質、脂質等)となり、やがて分解されて自然界に戻されていくことになります。このようにエネルギーを封じ込めるために用いられた二酸化炭素や窒素等は自然界を巡回しているのです。
  食物連鎖についてはそれぞれの生物の量的な関係が問題になります。自然界では食う方が多くなれば食われる方は少なくなりますが、食われる方が少なくなれば餌が減ることになり、最終的には食う方が少なくなります。このように「食う⇔食われる」という関係を通して生物の量的なバランスが保たれているのです。
  現在いたるところで生態系、自然界のバランスが崩壊してきていますが、この中には人間が自分達の生活を充実させるあまり引き起こしてきたものも数多くあります。今一度、生態系というものについて考えてみたいものです。

2009年06月16日

マイ箸運動の勧め

090616myhasi.jpg

  北海道から修学旅行の様子がホームページを通じて次々と届けられています。今のところ全員が元気で通常の学校の授業では味わえないさまざまな体験をしているようです。今回の修学旅行の大きな目的は環境に対する理解を深めるということですが、その中の一つに全員が〝マイ箸〟を作るというプログラムが入っています。昨日のブログにはこのマイ箸作りのことが掲載されていますので、これに関連して、わが国における〝割り箸〟についての実態を紹介します。
  現在、日本で一年間に使用される割り箸は約250~260億膳です。一人平均では何と200膳という数字になります。かつて、わが国においては森の間伐材を使用して割り箸を製造しており、1998年までは北海道と奈良県が、国内の使用量の約70%の割り箸をを作っていました。。一方、1980年代からはファーストフード系の飲食店や弁当屋さん、コンビニエンスストアの台頭によって割り箸の需要が急増することになりましたが、これと共に海外からの安い割り箸の輸入が増加し、1990年以降は低級品が中心であった北海道の割り箸製造は急減、奈良県も大きく製造が落ち込みました。そして、一膳数十円する高級なものしか採算が取れない状況に陥ってしまったのです。当初の輸入先はロシアやカナダ、インドネシア、韓国、中国等でしたが、今ではほとんどが中国製になっています。中国では北部で木製箸、南部で竹製箸が作られていますが、すべて木や竹を伐採し植林を行なわないため環境に大きな問題が生じてきているのです。また、日本においても林業従事者の高齢化により、下草刈りや間伐材の手入れができなくなってきており森の荒廃を招いています。
  私も常にマイ箸を持ち歩くようにしていますが、地球環境を守るという視点からは一人ひとりが使い捨ての割り箸を極力使用しないということが必要なのではないかと思っています。今回のマイ箸作りを機に生徒達が、真剣に環境を考えるようになってくれることを期待しています。

2009年06月15日

勉強術を身につける~学習習慣の確立

090615.jpg

  6月15日(月)、本日北海道への修学旅行に出発した高校2年生以外の学年の定期考査が始まりました。普段小テストを実施していますが、中学・高校の1年生にとっては、それぞれ初めての定期考査ということになります。本校では学習に集中してもらうために、考査前の1週間は部活動を中止することにしていますが、学習に対する取り組みにはかなりの個人差があるようです。
  人間には〝追い込まれないとエンジンがかからないタイプ〟〝日頃から計画的に物事を進めていくタイプ〟〝追い込まれても行動を起こさないタイプ〟等さまざまなタイプがあります。行動を起こさないというのは論外ですが、私も30歳になるまでは追い込まれないとなかなかエンジンがかからないタイプでした。そのためこれまで何度も苦い経験をしてきました。中学・高校時代には試験前日に徹夜に近い形で一夜漬けの学習をしたことも数え切れないくらいあります。しかし、振り返ってみるとあまり効果が上がらなかったように思います。何故なら体が疲れているため、自分では随分やったように感じるのですが、よく考えてみると学習時間の絶対量が足りないのです。仮にテストの前日に5時間勉強したとしても、毎日30分ずつ1ヶ月やったのとを比べると勉強時間の差は明白です。
  よく予習・復習の大切さが指摘されますが、授業の前に自宅や通学電車内、あるいは授業と授業の間の休み時間を利用して予習する。また、授業を聞いた後、自宅に帰ってからその日の教科書とノートを、たとえ10分間程度でも見直すと、学習効果は格段に高まります。
  中学・高校時代に規則正しい学習習慣の確立をはかり、日々の地道な努力を積み重ねていって欲しいと思っています。

2009年06月14日

関西私塾教育連盟教育シンポジウムに参加して

tusin109_0614_2.jpg
  6月14日(日)、関西私塾教育連盟主催の教育シンポジウムに参加しました。このシンポジウムのテーマは『すべての教育関係者が百年に一度の教育危機を元気に乗り切るために』というものです。休日にも関わらず、大学、公立高校、私立中・高、塾等の関係者約130名という多数の方が参加されており、顔見知りの方も数多くおられました。
  冒頭、同連盟の藪木章雄理事長の挨拶があり、続いて立命館大学入学センターの岡本直輝教授から『現下の経済危機は、大学改革にさらに何を必要としているか』と題して基調講演が行なわれました。  最初に立命館大学2009年度の入試志願状況についての説明がありましたが、厳しい経済情勢を反映して志願者は昨年度比89%であったこと、独自方式では大幅減・センター7方式では大幅増、近畿・東海地区で大幅減であったこと、次いで志願者減の要因、これらへの対応策、同学の教育の特色、伸びる学生・伸び悩む学生の特徴、最後に同学の課題についてお話いただきました。
  その後のパネル・ディスカッションにおいては、参加者との間で活発に意見交換がなされ、引き続いて開催された第二部の懇親会でも色々な情報の交換や名刺の交換が行なわれました。

  これから世界は大量生産・大量消費・大量廃棄の経済の枠組みが崩壊し、新たな枠組みが構築されることになります。この国際社会の中で日本が認められていくためには、先端技術に裏付けられた産業の創出とこれを担って立つ人財(材)の育成が何よりも大切になってきます。
  現在、多くの人がそれぞれの分野で教育に携わっていますが、これらの人が高い志を持ち、互いに連携して教育の質的レベルを引き上げていくことが肝要であると痛感しています。

2009年06月13日

高校2年修学旅行に向けて

H21.06.13高2環境講座2.jpg %E5%A4%89%E6%8F%9B%20%EF%BD%9E%20CIMG0337.jpg
      □■兵庫県森林動物研究センター横山真弓先生の環境講座■□
  高校2年生は定期考査を終えて、来週から高校時代における最大のイベントである北海道への修学旅行に出発します。
  今回の修学旅行については、これまでの〝生徒相互の理解と親睦および集団・共同生活での自立と協調〟〝農業従事者とのふれあいを通し勤労の尊さと「食」への関心を高める〟に加えて、新たに〝「森」に学び、生態系維持のための取り組みを知る〟という環境に関する内容が盛り込まれています。
  そのため、本日は兵庫県森林動物研究センター主任研究員である横山真弓先生をお招きして,環境教育講座を開催しました。横山先生は大学時代に北海道で生活され、シカやヒグマの生態やこれらの動物と人間とのトラブル等についての調査研究をしてこられた方で、現在は兵庫県で活動されています。
  講演の主な内容は〝人と野生動物との軋轢(あつれき)解消を目指して〟というものでしたが、問題点は農林業の被害だけではなく野生動物に対する恐怖心、絶滅の回避と保全、森林・生態系への影響、人畜共通感染症の危険性等数々のものがあるようです。驚いたのは北海道でのシカの被害総額は年間20億円に達しているという事実です。過去は50億円であったということからすると減少してきているようですが、自然界は食うもの、食われるもののバランスによって生態系が維持されていることが必要であり、これが崩れると生態系が破壊されてしまいます。そして、生態系を守るためには〝人〟〝野生動物〟〝自然環境〟の調和を保つ『ワイルドライフマネジメント』が大切であるとのことです。
  今回の修学旅行では森に入ってヒグマやエゾシカの生態を調べるプログラムが準備されていますが、是非〝何が起こっているのか、何が原因なのか、何を解決すれば良いのか〟を考えて欲しいものです。
  本日は講演に続いて結団式を開催しましたが、団体行動のルール等を遵守しお互いに協力することにより、修学旅行を実りある思い出深いものにして欲しいと思っています。

2009年06月12日

危機管理の徹底~緊急連絡網の整備

09061201.jpg

  先日、新型インフルエンザに伴う臨時休業措置をとるにあたり、従来の電話連絡網を使用しましたが、「時間がかかる」、「留守のところがある」、「途中で内容が変わってくる」等の問題があり、的確な情報伝達には限界があることを痛感しました。近年、急速に普及してきているメールを活用するということもが考えられますが、すべての家庭を網羅するところまではいっていないのが実情です。
  そこで、「迅速かつ公平に正確な情報を」ということを考えて、メール・電話・FAXで全家庭を網羅する本システムの導入を決め、今月初めから登録をお願いすることにしました。その後、日々登録状況を確認し、登録のお済でないご家庭に対しては担任やホームページを通じてお願いしてきました。この結果、本日の朝8時の時点では8クラスが100パーセント登録完了、全校ではほぼ90パーセントが登録済みという数字になっています。
  業務には100%完璧にやらなければならないものと80%達成できれば良いというものがありますが、この緊急連絡網の整備は前者にあたると思っています。私のこれまでの経験からしても最後の数パーセントの詰めを怠ったために、いざという時に問題が生じたということが多々あったのは事実です。
  いくらシステムがしっかりしていても、100%の登録ができないと情報がすべてのご家庭に伝わらないことになってしまいます。危機管理の一貫としての取り組みであるということをご理解の上、まだ登録されていないご家庭については早急に登録していただきますようお願いします。
  

2009年06月11日

温暖化ガス15%削減

tusin107_eco2009.jpg
  6月11日(金)、朝刊各紙のトップ見出しは『温暖化ガス15%削減』という活字が並んでいます。
この内容は〝日本の2020年時点での温暖化ガスの中期計画を2005年比15%削減する〟というものですが、1990年の従来基準比では8%減にしかなりません。この年に京都議定書で約束したのは2008年~20012年までに6%削減するということでしたから、わずか2%の上積みにしかならず、大幅な後退と見られるのは間違いありません。
  わが国の温室効果ガスの排出量は1990年(基準年)が12億6100万トンでした。ところが2006年には13億4000万トン、2007年には13億7100万トン(速報値)と増加し、基準年に対しては減るどころか8.7%の増加になっています。厳しい見方をすれば、これまで国を挙げての思い切った環境対策はほとんど実施されず、個々の企業努力に依存するということになっていたように感じます。
またこの間、太陽光発電についても新規の設置に対する補助金をカットする等時代の流れに逆行するような動きになっていました。このため、世界のトップ水準であった太陽光発電についてもドイツや中国等に追い上げられて優位性がなくなりつつあるのです。
  この日本の発表を受けた世界各国の反応は実に冷ややかです。そして、国際世論では残念ながら「低炭素社会で世界をリードする」という日本の思いは受け入れられない公算が大きいと言われています。そもそも今回の目標は、国内の産業構造が大きく変わらないことを前提にはじき出されていますが、世界全体が『低炭素社会』へと踏み出す中で日本が取り残されることのないようにしなければなりません。
今回は家庭の負担が増える内容になっていますが、国民一人ひとりが自分のことや目先のことに目を奪われることなく、多少痛みを伴ってもライフスタイルを変えるという強い思いを持たなければいけないと思っています。

2009年06月10日

中学校全校朝礼~環境問題の原因

09061001.jpg 09061002.jpg
  6月10日(水、)、生憎の雨天のため、中学校の全校朝礼を体育館で実施しました。通常であれば今週は高校の全校朝礼ということになりますが、高校2年生が来週からの北海道への研修旅行に先立ち定期考査に入っているため、先週に続いて中学朝礼を行ない次のような話をしました。

  〝今月は環境月間ということで、本来ならばさまざまな活動がスタートしていなければなりませんが、新型インフルエンザの影響で環境フォーラムが延期になりました。近年、地球の温暖化が進んだためにさまざまな憂慮すべき現象が起こってきています。北極や南極の氷が溶け出す、大型ハリケーンが発生する、大洪水の一方で干ばつが起きる、海面が上昇しツバルやベネチアやオランダなどは水没の危機に晒(さら)されている、マラリア等の伝染病も拡大してきている、北極熊の生息地も縮小してきている、等です。
  何故このようなことが起こってきているかと言うと、その根底にあるのは地球の人口が爆発的に増えてきたからです。地球の人口はこの100年間に3倍以上になり、現在は68億人です。そして、なお1年間に約8000万人ずつ増加してきています。これは1日で20万人、1分で140人という計算になります。この人口増と共にこの100年間で世界は大きく変わってきました。少なくとも自動車、エアコン、冷蔵庫、テレビ、携帯電話、コンピュータ、給湯器等の製品や高速道路、高層ビル等はありませんでした。このように先進諸国の人達は次々と豊かな生活を享受してきたのです。現在、世界には電気も水道もない生活を送っている人がたくさんいます。そして、これらの人々がより良い暮らしを求めていくのは当然です。特に、この10年間で人口が日本の10倍もある中国やインドが急速な経済発展を遂げるようになってきました。これと共に生活水準は向上し、エネルギー消費量は増え、温暖化ガスの排出量が増えてきているのです。

  自分達さえ良ければ後世や他国の人がどうなっても良いという考え方は絶対に避けなければなりません。温暖化のもたらす危機は解るが、「自分ひとりではどうしようもないから行動しない」とか「後のことは考えずに今を楽しく生きよう」ということでは環境は改善されません。無駄な照明を消す、冷暖房の温度を調節する、シャワーを流しっぱなしにしない等自分達でできることはいくらでもあります。
  一人ひとりのできることは限られていますが、多くの人が集まれば大きな力になります。環境月間にあたってまず身近なことから始めてください。〟

2009年06月09日

環境月間と食育月間を迎えて

 豆ごはん01.jpg
  去る6月5日は1972年にスウェーデンの首都であるストックホルムで開かれた『国連人間環境会議』を記念して、国連が定めた国際的な記念日である『世界環境デー』です。日本では1983年に制定された環境基本法によって〝環境保全に対する関心を高め啓発活動をはかる日〟として、この日を『環境の日』に制定し、この日を初日とする1週間を環境週間、6月を環境月間に定めています。また、今月は〝食を通じたコミュニケーション、バランスのとれた食事、望ましい生活リズム、食を大切にする〟ことを目指す『食育月間』でもあります。
  本来であれば、昨年と同様5月末に環境フォーラムを開催し、続いて6月を環境・食育月間として活動することにしていましたが、5月30日に予定していたカナディアン・アカデミーとの連携による環境フォーラムが、新型インフルエンザ発生のため延期になってしまいました。そのため当初の計画が大幅に変更されることになってしまいました。本校では来週からは高校2年生が北海道への修学旅行、その他の学年は定期考査に入りますので、再来週から新たに環境についての取り組みをスタートしていきたいと考えています。
  また、保護者の皆さんには環境フォーラムに併せてエコ弁当をつくっていただきたいというお願いをしていましたが、環境月間だけではなく常に健康を考えたエコ弁当づくりを目指して欲しいと思っています。

2009年06月08日

教育実習始まる

H21年度教育実習オリ.JPG H21年度教育実習オリ (1).JPG

  6月8日(月)、本日から27日までの3週間にわたる教育実習がスタートすることになりました。これまでは毎年20名を超える実習生を受け入れていたため、十分な指導ができないということも多々あったようです。この反省も踏まえ、本年度は事前に調整させていただき、最終的には9名ということになりました。
  冒頭、私から教育実習にあたって心がけて欲しい次のような内容を話しました。
  ①皆さんは実習生ということで気軽に考えているかも知れませんが、生徒にとって教壇に立つ人は〝すべて先生〟です。この期間中は、皆さんは甘えることなく一人の先生であるということを自覚しておくこと。
  ②〝教えることは学ぶこと〟という言葉があります。人を教えるためには、何倍も勉強しなければなりません。この教育実習を通じて多くのことを経験して人間的にも成長して欲しいと思っています。そのためには言われたことだけをやるのではなく、自ら問題意識を持って積極的に行動すること。
  ③皆さんは全員が雲雀丘学園中学・高校の卒業生であり、今回母校で教育実習をすることになります。この結果、雲雀丘学園が日本の一般的な学校であるというように思いがちです。しかし、現実はさまざまな学校があり、雲雀丘学園は生徒指導という一面をとっても特別な学校と言えるのかも知れません。近年、折角難関を突破して教職についても、実際の学校現場は自分が考えていたものとは大きなギャップがあるため、辛抱できずに挫折していく人があまりにも多いのです。教職を目指すためには、この事実を受け入れ〝胆をくくってどのような学校でもやっていく〟という強い思いを持つこと。
  続いて、生指部長からも生徒指導にあたっての留意点を説明し、最近の社会動向に関する常識問題を解いてもらいました。
  また、以前まとめた『教職を目指す皆さんへ』という3枚のメモを渡しました。いずれも基本的な内容ばかりなので、この実習期間中、毎日2~3枚ずつ渡していきたいと考えています。

  

2009年06月07日

自家自給率を高める~マーマレードを作る

マーマレード フキの佃煮

  以前この校長通信でも紹介した玉置俊久氏は松下電器を早期退職し、自ら〝みかん百姓〟と称し減農薬のみかん作りを行なっておられます。昨年の暮れにはみかんを送っていただき受験を控えた高校3年生を中心に美味しくいただきました。
  最近、柑橘類についてもオレンジやネーブル、グレープフルーツ等の輸入品が増加しつつありますが、ポスト・ハーベスト(収穫後の農薬)の心配のない国産のみかんを見直していかなければならないと感じ、玉置氏から定期的に色々な種類のかんきつ類を購入しています。先日、届いた新鮮な夏みかんでマーマレードを作ってみました。みかんの皮もすべて使用したため、廃棄するところはほとんどありません。あまり、手間隙をかけずに全く添加物の含まれていないマーマレードが出来上がりました。今は時間を惜しんで安易に食物を入手する傾向がありますが、これらには多くの添加剤が含まれています。これからは安心安全の食物を自らの手で作るということが必要ではないかと思います。
  このような考えで、自宅の庭で群生している蕗(フキ)を材料にして佃煮を作ってみましたが、案外簡単にできるということもわかりました。これからもささやかですが、自家自給率を高めるための取り組みを続けていきたいと考えています。
  
  ところで、玉置氏は先日行なわれた和歌山県の日高川町長選で第二代目の町長に選出されました。これまで日高川町観光協会の会長として和歌山県の天台宗最古の寺である道成寺に京都の妙満寺から実に420年ぶりに釣鐘を里帰りさせたり、手づくりログハウス倶楽部を立ち上げたり、備長炭の産地を売り込むため「日本一長い焼き鳥」に挑戦する等斬新なアイデアで活性化に取り組み〝町おこしのプロデューサー〟として『魅力ある日高づくり』を推進されてきていましたが、これからも大いに町の発展に尽くされることを心より願っています。

2009年06月06日

ユーデック主催学校見学会の開催

H21.06.06学校見学.JPG H21.06.06学校見学_01.jpg
  6月6日(土)、朝からの小雨もすっかり上がり、『総合教育ユーデック主催の学校見学会』を実施しました。土曜日ということもあって、説明会場の学園文化館には約80名の保護者や児童の方がお見えになりました。
  私は冒頭の挨拶で、簡単な自己紹介をした後三つのことをお話ししました。
 〝①子どもさん達はこれから中学・高校・大学を経て10年少しで社会に出ることになりますが、社会で活躍するためには人間力と学力の両方が必要になってきます。中学・高校・大学の役割は将来社会で役立つ力を育てるトレーニングの場です。本校ではこれまで人間教育の充実に注力してきましたが、更に学力の向上をはかるために3年前から高校にコース制を導入し、続いて2年前から中学にコース制を導入しました。この結果、来年度は中学の全学年に「一貫選抜」「発展」の2クラスずつが置かれることになります。そして、これから4年後の2013年を学校改革の総仕上げ(一貫選抜が6年間揃う年)の年にしたい。
  ②今のところ、学校改革の考え方は次第に受け入れられつつあり、志願者の数も増えてきています。また、教科指導力に定評のある先生の採用や相互授業参観を積極的に行なうことにより、生徒の学力も着実に伸張してきています。そして、本年度末には新コース導入後初めての生徒が大学に進学します。
  ③来年度は創立60周年を迎えますが、この記念すべき年に高校の新校舎が完成することになります。屋上に太陽光パネルを設置し、雨水の活用をはかる等エコを前面に出したスクールになる見込みです。この恵まれた学習環境の下で、生徒達が社会で役立つ力を育てて欲しいと思っています。〟
  続いて、入試広報部長から学校の概要や入試についての説明を行ない、その後3グループに分かれて学校の施設見学をしていただきました。
  本校ではいつでも学校見学を受け入れていますので、事前にご一報いただきご来校ください。また、ホームページを通じて、積極的な学校情報の提供を行なっていますので、是非ご確認ください。

2009年06月05日

人間の歯と食物

090507shoku1.jpg
  今週は『歯の衛生週間』ということもあり、昨日に続いて人間の歯についての話題をとりあげたいと思います。
  歯の形は食べ物の種類と関係が深く、肉を食べる肉食動物と草を食べる草食動物、両方を食べる雑食動物では全く異なっています。ライオンや猫などの肉食動物は犬歯が発達しており、肉を裂いたり骨を噛み砕いたりするために歯が鋭く尖っています。奥歯はハサミのようになっていて肉をくいちぎるとあまり噛まずにそのまま飲み込めるようになっています。また、牛や馬や鹿などの草食動物は門歯や臼歯が発達していて、草や果物をすりつぶすために臼のようになっています。これに対して人や猿のような雑食動物は門歯、犬歯、臼歯が平均的に発達しており、門歯は野菜や果物を、犬歯は小魚や肉類を、臼歯は穀類を食べるために必要な形状をしています。
  人間の歯を観察すると全部で32本あり、その内訳は臼歯=20本(62.5%)、門歯=8本(25%)、犬歯=4本(12.5%)であり、臼歯:門歯:犬歯の比率は5:2:1になっています。このことは〝穀物5に対して、野菜・果物を2、魚や肉を1〟という割合で食物を摂るのが人間にとっては最も良いということを示しているのです。
  かつての日本はこの割合の食事が大半を占めていましたが、今は洋食化、惣菜、外食産業の普及によって大きく食生活が変わってきました。そして、この結果としてさまざまな健康問題が起きてきているのです。
  歯の衛生週間にあたって、人間の歯と食物との関係を認識し、自らの食生活を見直す機会にしていただきたいと思っています。

2009年06月04日

歯の衛生週間にあたって

   H21年度歯の衛生週間ポスター.jpg
□■H21年度歯の衛生週間ポスター■□

  6月4日は6と4という数字の語呂あわせで1928年から1938年までの10年間は『虫歯予防デー』になっていました。その後、1958年からは6月4日からの一週間を『歯の衛生週間』と定め、歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して啓蒙することになっています。
  食事をするためには必ず噛むという行為が伴うにもかかわらず、我々はともすると虫歯や歯槽膿漏を放置しどうしようもない状態になって歯科医院に飛び込むということが多いようです。歯の維持管理のためには普段から〝食事の直後に歯を磨く〟〝歯垢を残さない〟等しっかりとした手入れをしておくことが必要です。参考までに専門家の説によると、噛むという行為は次のような効用があるようです。
  ①大脳が発達する。(とりわけ記憶をつかさどる器官との関連が強いことが判明してきている。)
  ②あごの骨が発達し、歯並びがよくなる。
  ③唾液の分泌が盛んになり、消化・吸収を高める。
  ④歯や歯肉の病気を予防し口の中を清潔に保つ。
  ⑤血液の循環が良くなり、運動能力が高まる。
  ⑥食べ物の味がよくわかり、味覚が発達する。
  最近、人間の顎(あご)が小さくなってきたと言われています。火を使って調理するようになったため、文明が進めば進むほど食べ物は柔らかくなる傾向にあります。この結果、顎の骨は発達せずに小さくなってくるのは避けられませんが、ファーストフードをはじめとする食べ物の影響も大きいように思います。しかし、人体の器官の中でも歯は最も完成された部位であり、髪や爪のように再生できません。そして、歯の形状や大きさについては昔からほとんど変わっていないようです。
  成人の歯は32本ありますが、今80歳で20本の歯を残そうという『8020運動』が推奨されています。歯の本数と健康は密接な関係があることが医学的に証明されていますが、歯の衛生週間を機に歯の大切さについての認識を深めていきたいものです。

2009年06月03日

40日ぶりの中学全校朝礼~挨拶の大切さ

0906031.jpg 0906032.jpg
  6月3日(水)、初めて学園講堂において中学校の全校朝礼を行ないました。本校では原則として毎週水曜日に中学と高校の全校朝礼を交互に行なっていますが、新型インフルエンザに伴う臨時休業や放送による全校朝礼が続いたため、生徒達を前に話すのは実に40日ぶりということになりました。
前回は丁度挨拶推進月間であったため、爽やかな挨拶の大切さについて訴えました。その時にもう一度挨拶に関する話題を取り上げるということを伝えていたため、次のような話をしました。
  〝挨拶の仕方一つで仕事の出来映えは大きく変わってきます。カリスマセールスマンやカリスマ店員と言われるような人は例外なく第一印象で人をひきつけるものを持っています。第一印象というのは挨拶、服装、言葉遣い等ほんの数秒で決まります。これから皆さんは多くの人の前でプレゼンテーションをするような機会が増えてきます。また、大学のAO入試や企業の採用時には必ず面談を受けることになります。その時に大切なのはまず大きな元気な声を出すことです。最近、皆さんの授業を見て感じるのは声が小さいということです。今はできないが社会に出ればできるようになると思っている人はいませんか。普段から大きな声を出すことを心がけていないといざという時には役に立たないと思います。〟
  また、先日の高校朝礼と同様〝前味・中味・後味〟の話をしました。社会で役立つためには、多くの人の支援が必要ですが、そのためには第一印象やコミュニケーションがポイントです。生徒達がこれらを日々実践することにより、確実に自分のものにしていって欲しいものです。

 *カリスマ・・・charisma(ギリシャ語)で、もともとは 神の賜物、超人間的、英雄、預言者の意味

2009年06月02日

共育と共学~漢字の学習

漢字01.jpg 漢字02.jpg
  本校では家庭と学校が連携して子どもを育てていくという「共育」と本学園に集うすべての生徒・保護者・教職員が学ぶという「共学」を教育方針に掲げています。
  先日の慶應義塾大学の連携講座の中でも「半学半教」という話がありましたし、松下村塾においても共に学ぶという思想が底流にあったようです。また、松下幸之助氏や吉川英治氏も〝万物わが師〟ということを自らの行動指針にあげておられたようです。まさに教えるということは、その何倍も勉強しなければならないということではないかと思います。
  さて、最近はパソコンや携帯を使うため、実際に直筆で文章を書くという機会は極端に減ってきています。また、漢字変換という便利な機能が付いているために日本人の漢字力の低下は顕著になってきているように感じています。先日、知人から『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(二見書房 出口宗和著)をいただきました。早速読んでみましたが、わからない漢字や読み方が予想以上にあったため、今は日々の通勤電車の中で学習することにしています。
  また、先週の水曜日に全学年で実施した〝漢字百問大テスト〟の問題を入手し解いてみました。漢字の読み書きに関しては比較的自信がありましたが、残念ながら満点をとることはできませんでした。まさに、いくつになっても勉強することの大切さを痛感しています。
  保護者の皆さんにおかれましても、時間を見つけて一度この漢字百問大テストにチャレンジいただくと共に日頃から「辞書を引く」「手紙を書く」等の手間を惜しまず漢字力の向上につとめていただきたいと思っています。


 

2009年06月01日

高校2年生保護者懇談会の開催

H21年度高2学年懇談会.jpg
  6月1日(月)、全学年のトップを切って、高校2年生の保護者懇談会を開催しました。本校では、5月~6月にそれぞれの学年単位で保護者懇談会を実施していますが、今年は新型インフルエンザに伴う臨時休業のため多少遅れがちになっています。
  本日の主なテーマは2週間後に迫った〝修学旅行〟と来週から始まる〝定期考査〟でしたが、約7割の保護者に出席いただきました。
  冒頭、私は頭文字をとって三つのK(危機管理、環境に対する取り組み、共育・共学)について話をしました。
  ①危機管理に関しては情報を迅速かつ正確に伝達することが何よりも大切ですが、現在本校には電話による連絡網しかありません。今回の新型インフルエンザに対してもこの連絡網で行ないましたが、内容が正確に伝わらないとか連絡できないといったことも散見されました。これを防ぐためにNTTデータのシステムを導入することにしました。詳細は本日、お子様達を通じてプリントを配布させていただきます。
  ②本校は環境教育に注力していますが、環境に配慮することは人に対する優しさや思いやりの気持ちを育てることに繋がります。環境問題の大きな柱は「食料」「水」「エネルギー」ですが、今回の修学旅行においても、これらの切り口を中心とした研修内容にしています。また、高校の新校舎には太陽光パネルの設置や屋上緑化、雨水の利用等をとり入れ、エコスクールを目指していきたいと思っています。
  ③共育と共学については、これまで何度も申し上げていますが、これまで以上に家庭との連携を強化していくことが大切です。具体的な例として家族が集うリビングルームに国語の辞書や地図帳を置き都度確認したり、新聞をしっかり読むといったことも是非心がけてください。
  
  これから全力で定期考査に取り組み、すっきりした気持ちで高校生としての最大の学校行事である修学旅行に臨んで欲しいものです。