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2009年07月31日

土用の丑の日(二の丑)にあたって

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  本日7月31日(金)は土用の丑(二の丑)の日です。この日には昔から鰻(うなぎ)を食する習慣があるため、スーパーやデパートの魚の売り場には鰻の蒲焼が数多く並べられていたのではないかと思います。これを見て〝確か今年の土用の丑の日は終わったはずなのに〟と思われた方もあったのではないでしょうか。実は今年は土用の丑の日が2回あるのです。
  土用というと夏だけのものと思いがちですが、暦の上ではすべての季節に土用があるのです。元々は木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)という五行説がベースになっています。これらの五つを四つの季節に割り振るには無理が生じます。そのため、まず春は木、夏は火、秋は金、冬は水というように割り振ることにし、次に残った土はすべての季節に均等に存在するものとして、それぞれの季節に入る前の18~19日間をあてることにしたのです。そのため土用は立春、立夏、立秋、立冬の前に四回あるということになり、更にこの間の日々にはそれぞれ子・丑・寅・・・という十二支があてはまることになります。
  今年の場合、夏の土用は7月19日から立秋の前日である8月6日ということになるため、丑の日が7月19日(初丑)と31日(二の丑)の2回あるということになるのです。因みに来年は7月26日の1日のみということになります。
  現在、日本は世界一の鰻消費国で、年間12万t 6億本が食されており、国民一人あたりでは5本ということになります。鰻についてはその驚くべき生態や産地偽装等興味深い内容が多くありますので、別途紹介したいと思っています。

2009年07月30日

レジ袋の消費とマイバック運動~環境クイズの答え(No3)

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  環境クイズの答えの3回目です。

  問6  日本国内で1年間に消費されるレジ袋は何枚ですか?
  スーパーやコンビニエンスストアで商品を買うと手渡しされるレジ袋、私もこれまでは何の抵抗もなく受け取っていました。しかし、環境に対するさまざまなことを調べていくと驚くべきことに、わが国においてこのレジ袋は年間実に305億枚使われているということが分かりました。単純計算では1人平均年間240枚ということになりますが、実際に買い物をしている人で見ると1人1日1枚のレジ袋を受け取っていると言えるのではないかと思います。このレジ袋は1枚約10gで、原料はポリエチレンから作られています。そして、一枚作るためにはお猪口(盃)一杯分の石油が必要なのです。つまり日本で消費されているレジ袋を賄うためにはお猪口305億杯という膨大な量の石油が要るということになり、これは超大型タンカー2隻分、50mプールでは600個分ということになるそうです。レジ袋の使用時間は帰宅までのわずか30分であり、最終的にはゴミとして捨てられてしまうのです。そして、ほとんどが焼却ゴミとして処理されています。このように考えるとレジ袋は大切な石油を無駄にし、地球の温暖化を促進している品物であると言わざるを得ません。
  昨今、スーパーやコンビニもレジ袋を何とか削減したいということでさまざまな取り組みを行なっていますし、マイバックを持とうという運動も広がってきています。また、日本の伝統である風呂敷を積極的に活用しようという「まいふろしき」運動も全国各地で起こりつつあります。環境先進国であるドイツでは、買い物には〝買い物バッグ〟か〝買い物カゴ〟を持参することがあたり前になっています。わが家でも買い物をする際にはマイバッグを持参することにしていますが、一人ひとりがこういった運動に参加することにより、レジ袋の削減に取り組んでいきたいものです。

2009年07月29日

スズメバチの巣を除去

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  本学園の構内にはさまざまな種類の木が数多く植えられており、常に鳥のさえずりが聞こえてきます。このような緑に囲まれた自然環境の中で学習できる生徒達は本当に幸せだと思っています。しかし、これらの木々には鳥以外の生き物も住みついているため校務員さんと宝塚市から派遣いただいているシルバー職員さんに定期的に巡視していただき、生徒達に危害を与えることがないようにしてもらっています。特にこの時期に注意しなければならないのは蜂と毛虫です。今年も7月に入って2回中高の校庭で蜂の巣を発見しました。最初はアシナガバチの巣で、今回は黄色スズメバチでしたが、迅速に除去しました。また、イラガ・チャドクガ等の害虫の駆除も行ないました。これらの蜂や毛虫は油断しているとすぐに発生するため、今後も引き続いて点検していくことが必要です。
  また構内は常に美しく整備されていますが、毎日校務員さんやシルバーさんが献身的に清掃していただいているからです。学校は多くの人の力でより良い学習環境が維持されているということを心に留めておかなければならないと思っています。

2009年07月28日

ゴーヤとトマトの成長

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  7月28日(火)、昨日に続いて多くの生徒達が早朝より登校し、各学年の夏期講習に参加しています。午後からも、部活動や文化祭の準備等を行なっている生徒が多く、調理人さんの話では食堂の利用も通常授業の日とあまり変わらない状況のようです。また、並行して保護者懇談が行なわれているため、何人かの保護者の方とはお話をさせていただきました。
  毎朝、学校に来るとできるだけ校舎内を巡回するようにしていますが、今日は久しぶりに校庭にも足をのばしてみました。生徒達が植え付けていたゴーヤやトマトが随分大きくなってきており、多くの実をつけています。今年は殊の外、梅雨明けが遅いようで天神祭りが終わっても、まだ本格的な暑さは到来してきていません。このため心配していた夏休みの水遣りも今のところは必要ないようです。一時はカラスの被害にあっていたトマトも防鳥ネットの効果が発揮され、最近は多くのトマトの実が赤く色づいてきています。最近はこれらを収穫して食堂を利用する生徒達に出していただくようにしていますが、思った以上に立派な実が収穫できているようです。
  本校は高校の新校舎建設にあわせて、さまざまな環境活動を計画しており、今年はあくまでトライアルという位置づけですが、この経験を生かしていきたいものです。


2009年07月27日

夏期講習始まる

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  7月27日(月)、夏期講習A日程が始まりました。先週、勉強合宿や林間学舎に参加していた生徒達にとっては日曜日を挟んで今日から夏期講習を受講することになりますが、ほとんど欠席もなく元気に登校してきました。
  本校では夏期休業中に3回(A日程~C日程)の講習を行なうことにしています。「A日程は7月27日から31日まで」「B日程は8月3日から7日まで」「C日程は8月17日から21日まで」となっており、学年毎に講習内容が決められています。一方で保護者との個人懇談や部活動も行なわれているため、多くの先生方が出勤してきており、職員室の雰囲気はとても夏期休業中という印象はありません。
  生徒達の中には講習を受けた後に部活動に参加する等、過密スケジュールをこなしている人も数多くいるようです。また、この期間は食堂業者にもお願いして限定メニューで営業いただくことにしました。更に図書室も開放し、できるだけ生徒が学習に注力できる恵まれた環境を整えるようにしています。
  講習にあたってのルールは、授業中は私語を慎む、理由なく欠席しない、必ず予習・復習を行なうということですが、生徒達が自主的に学習に取り組むことによって学力伸張をはかってくれることを期待しています。

2009年07月26日

月下美人が一斉に開花

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  今年も7月23日から25日にかけて月下美人が次々と開花しました。24日には全部で28個の見事な大輪の花を咲かせ、ご近所の皆さんと一緒に鑑賞しました。今年は6月にいくつかの蕾をつけたので、開花を楽しみにしていましたが、なぜかすべて落下してしまいました。そのため今年初めての開花ということになりましたが、奇しくも24日にはご近所の家でも月下美人が開花しました。最初は垂れていた蕾が、次第に上を向き、周りに芳香が漂い、10時過ぎから次々と開花し始めました。しかし、夜が明ける頃に見に行くともう萎んでしまっていました。本当に開花している時間はほんの数時間しかありません。
  インターネットで調べてみると月下美人の原産地はメキシコやエクアドル、ベネズエラ、ブラジルなどの熱帯雨林で孔雀サボテンと同じ種類に属すようです。そして、これらの原産地から導入されたたった一つの株から挿し木や株分けで増やされた同一クローンのものが多いため、開花も同じ日になるとのことです。
  私達の周りにはさまざまな植物がありますが、案外これらのルーツは知られていないようです。先日高校の新校舎建設に伴い移植したメタセコイヤのルーツについても実に興味深いことが分かりました。私も最近バラ・ユリ・蘭やエンドウ・ソラマメ・トマト・ナス・胡瓜・シシトウ・ゴーヤ・茗荷・サツマイモ・紫蘇といった花や野菜の栽培を始めましたが、これからもそれぞれの植物のルーツを調べてみたいと思っています。

2009年07月25日

兵庫県吹奏楽コンクールの開催

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  7月24日(金)、西宮市民会館アミティホールで第56回兵庫県吹奏楽コンクールが開催されました。この催しは西阪神吹奏楽連盟、兵庫県吹奏楽連盟、朝日新聞社が主催し、西宮市・芦屋市・宝塚市・三田市・篠山市・丹波市の各教育委員会と西宮市文化振興財団の後援で行なわれ、第32回西阪神地区大会も兼ねています。
  本校は高等学校S部門(少人数の団体)にエントリーし、〝たなばた〟を演奏し、見事『銀賞』を獲得しました。本校の吹奏楽は結成されて日が浅く、現在は正式の部ではなく同好会の位置づけにあります。そのため伝統もなく楽器の数も少ないという状況ですが、今回の演奏はこのようなハンディを感じさせない出来ばえで、生徒達の顔にも満足感が溢れていました。どのようなことも新たに立ち上げていくためには、多くの苦労が必要ですが、今は急速に部員数が増え近い将来には部に昇格することになるのは間違いないと思われます。また、本校には先日も紹介した伝統のギター・マンドリン部がありますが、伝統を守っていくにも大きな力が要ります。この吹奏楽とマンドリンの二つのクラブが相乗効果を発揮し、合同の演奏会を開催できるようになれば素晴らしいと感じました。
  これからも努力を継続していって欲しいと思っています。

2009年07月24日

高校3年生勉強合宿

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  高校1年生と2年生の選抜特進クラスの勉強合宿とは別に、高校3年生対象の勉強合宿もスタートしています。これは「21日から23日の午前までのA日程」と「23日の午後から25日までのB日程」の2グループに分かれて実施されており、選抜特進の合宿が全員参加制であるのに対して全クラス対象の希望制になっています。
  研修場所は箕面にあるサントリーの研修センターです。学校からもそう時間がかからないということもあって、6時過ぎに激励を兼ねて現地に赴きました。丁度午後のスケジュールが終了し夕食前の休憩をしているところだったので何人かの生徒と話しましたが、それぞれ自主的に学習しているように感じました。
  A日程の参加者は54名、B日程の参加者は38名ですが、中には連続して参加している生徒もいます。夕食時に生徒達に一言話をして欲しいということなので、〝社会に出ればあれをせよ、これをせよと言われることはない。言われたらやるという受身の姿勢では立派な成果は期待できない。自らやるということが大切である。今回、皆さんはこの合宿に自主的に参加しているが素晴らしいことだと思う。しっかりとやって欲しい。〟という話をしました。
  本校は色々な面でサントリーからの支援をいただいていますが、今回も学校からの交通の便に恵まれた場所での研修施設をお借りすることができ、本当に有り難いと思っています。また、食事の内容も野菜の量を増やす等、健康面にも随分配慮していただいているようです。きっとこの勉強合宿の頑張りがこれからの大学受験に向けてのバネになって欲しいものです。
  お世話いただいている研修センターの皆さんに心より感謝申し上げます。

2009年07月23日

中学2年生が林間学舎に出発

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  7月23日(木)、中学2年生が9時過ぎに4台のバスで、大山に向けて学校を出発、いよいよ2泊3日の林間学舎がスタートしました。
  雲雀丘学園中学校では、平成6年度から各学年に宿泊行事を設定していますが、これらの行事の目的は〝人生のうちで心身ともに最も成長する中学生時代に仲間と寝食を共にし、社会性・協調性を身につけ、自然や人間生活の歴史・文化に溶け込み、さまざまな経験をすることによって集団としての生活意欲を高めていこうとする〟ものです。
  特にこの林間学舎においては、昨年度より環境教育の一環として奥大山にあるサントリーの水工場の見学、ブナやナラの植林を行なう等の自然環境に触れることにより、環境保全に向けて何をすべきかを考える機会にすることをテーマに掲げています。また、中国山脈の最高峰である標高1709メートルの大山登山に挑戦することにより、忍耐力を身につけ達成感を得ることを狙いとしています。ホテルは標高800メートルの位置にあるため、垂直距離で約900メートル、3.2キロメートルの道のりを約4時間かけて上ろうというものです。生徒達にとってはいずれも初めての経験になることでしょう。明日、良い天候になることを心より祈っています。
  私はこのような学校行事は生徒達にとって極めて重要な位置づけにあると思っています。生徒達はこれから高校・大学を経て8年後には社会に出ることになりますが、さまざまな人達の集団の中で“どれだけ自分の力を発揮することができるか”が大変重要になってきます。これらの力は単に学校の教室での授業を受けているだけでは身につきません。まさに〝集団行動という経験が人をつくっていく〟のです。生徒達がこの林間学舎を通じて色々なことを学び、これからの人生に生かしていってくれることを願っています。

2009年07月22日

選抜特進クラスの勉強合宿と日食

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 7月22日(水)、今日から選抜特進クラスの高校2年生と1年生の生徒達を対象に勉強合宿が始まります。今年は校庭が使用できないため学校での出発式は行なわず、8時15分には全生徒が3台のバスに乗り込み、目的地に向けてスタートしました。この行事は今年で三年目ですが、昨年度に続いて二学年が合同で実施することになります。合宿の狙いは、「集団生活をしながら、集中して根気強く学習する力を身につける」「国語・数学・英語の3教科の課題に主体的に取り組み、それぞれの科目の学力を伸ばす」ということであり、「課題に対する挑戦をテーマにした自学自習」「教師による講義」が中心です。また、この合宿を通じて「1年生と2年生の交流」をはかることも一つの目的にしています。
 いつも生徒達に話していることですが、社会に出ると「勉強しなさい」ということはあまり言われません。しかし、日々勉強していかなければ満足のいく仕事はできません。勉強は、人に言われてやるのではなく、自分から進んでやるという自学自習が基本であり、社会に出るまでにこの姿勢を身につけておくことが大切なのです。高校2年生の夏休み、高校1年生の夏休みは人生の中で一回しかありません。どうか、この勉強合宿が生徒達にとっても先生達にとっても充実したものになることを願っています。
 また、今日は日本では46年ぶりの皆既日食がありました。大阪では、9時47分から太陽が欠け始める部分日食となるということで、登校している生徒達は太陽を見守っていましたが、生憎曇りがちの天候で最初からは明瞭にその姿をとらえることはできませんでした。それでも時々雲の合間から三日月の形をした太陽が顔を出すと、一斉に歓声が起こっていました。
 まだ夏休みは始まったばかりですが、生徒達がそれぞれの目標を持って有意義に過ごして欲しいと思っています。

2009年07月21日

御所市教育委員会での講演

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  7月21日(火)、奈良県御所市の上田貞夫教育長の依頼を受けて、本年度の教員初任者に対する講演を行ないました。上田氏は私の高校時代の同級生であり、母校である奈良高校の校長退職後は私学の事務局長を勤められる等永年教育の仕事に従事されてきており、実に幅広い教育界での人脈を有しておられます。私も民間企業から校長に就任したため当初は戸惑うことも数多くあり、これまで色々な指導やアドバイスをいただいてきました。
  御所市は奈良盆地の西南端に位置し、西には葛城山や金剛山がそびえ立ち南は五條市に連なる総人口約3万1千人の県下では最小の市ですが、目立った産業もないため財政状況は極めて厳しいようです。この中にあって同氏は教育長に就任以来、従来の延長線上の取り組みを見直し、さまざまな教育改革を推進されています。
  本日は今年採用された小学校・中学校の23名の教員に対して、日本や世界の現状と今後、これから社会で必要となる力、学校現場と社会の違い、学校の役割、凡事徹底の大切さ、教員として心がけて欲しいこと等をパワーポイントでお話しました。その後、本日の講演に対して個人的にお礼をしたいということなので、地元のこだわり豆腐店で数時間にわたり情報交換を行ないました。こだわりというだけあって、この店ではすべて国産大豆を使用しており、普通の豆腐とは異なり甘みが口の中に広がりました。  お互いに立場は違いますが、将来の日本を背負って立つ子ども達を育てるという志を持って教育活動を推進していきたいと思いました。

2009年07月20日

第39回ギター・マンドリンフェスティバルの開催

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  7月19日(日)、20日(月・祝)の両日、第39回ギター・マンドリンフェスティバルが全国高校優秀選抜55校の競演という形で吹田市文化会館・メイシアター大ホールで開催されました。これまでこのフェスティバルは、朝日新聞社と社団法人全日本高等学校ギター・マンドリン音楽振興会が主催し、文部科学省・大阪府・大阪府教育委員会・大阪市・大阪市教育委員会・NHK大阪放送局・大阪21世紀協会・スペイン大使館・ドイツ連邦共和国総領事館・イタリア総領事館の後援で、毎年7月の最終の土・日曜日に大阪府立青少年会館文化ホールで開催されてきましたが、会場が使用できなくなったため、本年度から吹田市教育委員会の後援も得て吹田市の文化会館で開催されることになりました。
  本校のギター・マンドリン部は第1回から連続出場しており、過去には優秀賞をはじめ、市長賞やドイツ賞やスペイン賞を受賞、特に昨年度は「フェスティバル大賞」を受賞する等輝かしい成績を残しています。そして、何よりも誇れるのは数多くの学校の中で39回にわたって連続出場しているのは、全国で雲雀丘学園高等学校だけということです。
  本校は2日目、20日に出場するということで、私も応援に駆けつけましたが、会場は全国からの観客でほぼ満席になっており、熱い熱気に包まれていました。
 本校の演奏曲目は本大会の審査員でもある藤掛廣幸作曲の『星空のコンチェルト』です。高校生と中学2・3年生47名が森龍彦さんの指揮の下、情感を込めて演奏を行ないましたが、息のあった素晴らしい音色は観客を大いに魅了し、割れんばかりの拍手が会場にこだましました。演奏後、審査員が持ち回りで講評を行なうことになっており、偶然藤掛氏の順になりましたが、同氏からは「オーケストラの音が良くなってきている。自分の曲をこのように演奏していただき大変嬉しく感じている。これからは一人ひとりが歌を歌うつもりで、楽器に歌を歌わせる気持ちで演奏して欲しい。」というコメントがありました。そして見事「優秀賞」を獲得しました。
  このフェスティバルは高校3年生にとっては、6年間のクラブ活動の総決算であり、感激の涙を浮かべている生徒の姿も見られました。今日の演奏会は生徒達にとって素晴らしい青春の思い出になったことでしょう。そして、このクラブ活動を通じて生徒達はさまざまな経験をし、大きく成長したのは間違いありません。
  また、本日は保護者や先輩の皆さんも多数お見えになっていましたが、大いに感動されたことと思います。これまで生徒達を暖かく見守っていただき、多大のご支援をいただきましたことに対して心より感謝申し上げます。

2009年07月19日

中学オープンスクールと入試説明会の開催

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 7月19日(日)、中学のオープンスクールと第一回目となる中学入試説明会を実施しました。参加者は事前にインターネットを通じて申し込みいただいた約190名の生徒と付き添いの保護者の皆さんです。それぞれの教室に分かれて授業を受けていただきましたが、生徒達は通常とは一味違う内容に興味を持って聞き入っていたように感じました。その後希望するクラブでの体験や校内の施設を見学していただき食堂で昼食をとっていただきました。また、本校の生徒達も朝早くから登校して体験授業やクラブ体験の手伝いをしてくれました。今回は生徒会のメンバーが中心でしたが、後輩を迎えたいという気持ちで本当によく動いてくれました。来校された皆さんからも生徒達の挨拶、言葉遣いや対応について好感を持っていただいたのではないかと思っています。

  引き続いて午後からは入試説明会説明会を実施し、私と入試広報部長から学校改革についての基本の考え方や改革の進捗状況、来年度の入試にあたって留意すべき点等についてお話しました。また、説明会の後には、多くの保護者の方から個別の相談をお受けしました。中学入試は親の入試であるとも言われますが、学校を選ぶにあたっては必ず自分で足を運び自分の目で確かめるという姿勢が大切であると思っています。 本校においては学校説明会、体験授業等を今後何回かに分けて実施する予定ですが、入試の相談、授業参観、部活動見学等については随時の受け入れを行なっていますので、事前にご連絡の上ご来校くださいますようお願いします。また、このホームページを通じて引き続き本校の入試情報を発信したいと考えています。

本日は本当に厳しい暑さにもかかわりませず、ご出席いただき有り難うございました。

2009年07月18日

授業納めにあたって

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  明日からは夏期休業に入る7月18日(土)、今年はこれまでとは異なり4時間の短縮授業と大掃除を終えた後、放送を通じて授業納め式を行ない次のような話をしました。
「いよいよ明日からは夏の長期休業に入ります。皆さんはそれぞれどのように夏休みを過ごすかという計画を持っていると思いますが、授業納めにあたって私から皆さんに是非、心がけて欲しい三つのことをお話します。
  まず、一つ目は 〝この夏休みに自分なりの節づくりをして欲しい〟ということです。本校には高校3年生から中学1年生まで6つの学年がありますが、人生の中で高校3年生の夏休みは一回しかありません。高校2年生、1年生、中学3年生、2年生、1年生も同じことです。皆さんは勉強でもスポーツでも旅行でも何でもいいから〝この夏休みにこれだけはやった〟と胸を張って言えるようにしてください。そして、大きな飛躍に繋げていって欲しいと思います。
  二つ目は〝雲雀丘学園の生徒としての自覚と誇りを持って行動して欲しい〟ということです。雲雀丘学園は今、すべての面で関西を代表する素晴らしい学園を目指していますが、この実現のためには生徒の皆さん一人ひとりの思いが大切です。どうかTPOつまり時と場所と場面をわきまえて、行動してください。
  三つ目は〝健康にはくれぐれも留意して欲しい〟ということです。特に新型のインフルエンザの患者はこの暑さにもかかわらず全国で2000名を超えています。先日、お隣の川西池田の学校でも学級閉鎖や学校閉鎖ということになりました。本日保護者の皆様へもプリントをお届けしますので、よく読んで冷静に対応してください。
  最後に、私からクラス特別表彰を行ないます。本校には全部で33のクラスがありますが、4月から今日まで全員が無遅刻というクラスがあります。素晴らしいですね。そのクラスは中学1年A組と高校1年G組です。それではこれから表彰状を読み上げます。
そして、もう一つ全員協力のもと掃除が行き届いており全校一美しいクラスがあります。それは高校2年A組です。この3つのクラスには更に元気でこれからも頑張って欲しいという意味を込め、副賞として熱中飴とブドウ糖飴をお贈りします。どうかこの3クラスの皆さんに暖かい拍手を送ってあげてください。
  それでは皆さん、充実した夏休みを過ごし8月24日には成長した元気な姿を見せてください。」

2009年07月17日

「割り箸」の消費とマイ箸のすすめ~環境クイズの答え(No2)

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  環境クイズの答えの2回目です。
  問5  日本国内で1年間に消費される割り箸は何膳ですか?    
  
  先日の高校2年生の北海道への修学旅行の際には、生徒達は〝マイ箸作り〟を行ないましたが、今日本で年間に消費されている割り箸は実に250億膳(本とは言わない)です。これを国民一人当たりにすると年間で200膳となり、2日に1回以上は割り箸を使っていることになりますが、この量は木造住宅2万軒分にも相当するようです。割り箸が増えた理由としては居酒屋、レストラン、牛丼、ラーメン、うどんといった外食チェーン店やコンビニエンスストアの増加があげられます。
  かつての日本では間伐材や端材を使って割り箸を作っていましたが、これらは環境保護という視点に立つと非常に有効なものでした。何故なら森を守るためには間伐や下草刈りが不可欠であったからです。しかし、これらは価格が高いというために、今ではほとんどが中国からの輸入品に置き換わってしまいました。中国では木を伐採して丸太から割り箸を作っています。そして、伐採後は植林されるということがなく農地に転用されているのです。これでは環境に良いはずはありません。また中国における割り箸の使用量は450億膳と言われていますが、このために100万本の木が伐採されており、輸出分を含めるとこの数字は更に大きくなります。また、箸を使うという文化を持つお隣の韓国も現在は割り箸の輸入国になってしまいました。
  森の消滅という環境問題に一人ひとりが真正面から向き合うためにも、マイ箸を持つという身近な運動から始めたいものです。

2009年07月16日

大切な基本のくり返し

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  7月16日(木)、新年度が始まってから既に3ヵ月半が経過し、夏休みまで残すところ3日になりました。今年はすべての先生の授業を最低一回、参観することにしていますが、これまではまだ約4割しか達成できていません。
  先日、体育科の先生と雑談している中で〝この7月はバレーボールの授業を行なっているので是非見学に来てください。もし良ければ指導して欲しい〟ということになりました。たまたま本日の午前中は時間的な余裕があったため、高校3年生の授業を見に行くことにしました。授業の内容は準備体操や軽いランニングの後、バレーボールの基本であるオーバーやアンダーのパスを行なうというものばかりでしたが、ほとんどの生徒が初心者のため、なかなか思い通りにボールをコントロールすることができないようでした。私は久しぶりにバレーボールに触れましたが、かつて高校・大学・会社を通じて10年以上バレーボールに親しんできたこともあって、生徒達に手本を示しながら色々とアドバイスすることができました。
  授業の最後に、「スポーツにおいては基本を繰り返すことによって基礎を固めれば、時間が経ってもある程度の力は出せるようになる。これは勉強も全く同じことであり、基本をおろそかにせず努力することが大切である。」という話をしました。これまでの自分自身の経験を振り返ってみても、何事も500時間かければ最低限のこと、2000時間かければかなりレベルの高いこともできるようになると確信しています。生徒達がそれぞれの目標を持ち、その達成に向けて地道な努力を継続してくれることを期待しています。


 

2009年07月15日

人口爆発と経済発展

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  環境問題には、食料、水、エネルギー、ゴミ、温暖化、異常気象、酸性雨、砂漠化、河川・海洋・土壌の汚染等さまざまなものがありますが、これらの底流にあるのは急激な人口増です。しかし、日本は人口が減少してきているため、世界の人口も減少していると思っている人が案外多いのです。

  現在の世界の人口は既に68億人を超えていますが、この推移を見ると200年間に6倍以上、100年間に約4倍になっているのです。これを10億人単位で見ていくと、●1802年・・・10億人、(○1900年・・・17億人)、●1927年・・・20億人、●1960年・・・30億人、●1974年・・・40億人、●1987年・・・50億人、●1999年・・・60億人 ということになります。とりわけ1960年以降、人口が10億人増えるのに要する年数が14年、13年、12年と短縮されてきていることが分かります。
  一方で、この100年間の世界経済を見ると先進国において急速な発展を遂げ、これらの国の人々は豊かな暮らしを享受するようになりました。しかし、近年BRICsをはじめとする国々が急速な経済発展を見せ始めました。BRICsというのは広大な国土と人口を有し、今後大きく成長が見込まれる国として注目を集めている国の頭文字を取ったもので、B:ブラジル R:ロシア I:インド C:チャイナ〔中国〕の4国を指しますが、とりわけ中国の発展は目覚しく、間もなく日本を抜いて世界第2位の経済大国になるのは間違いありません。これに続くものとしてVISTA(ベトナム・インドネシア・南アフリカ連邦・トルコ・アルゼンチン)も注目を集めています。そして、これらの国々が今後経済発展を続け生活水準が上がると、ますます環境問題がクローズアップされることになります。
  振り返ってみると、20世紀は大量生産、大量消費、大量廃棄という経済モデルが確立された時代であり、これまで何億年何千万年もかかって蓄積されてきた貴重な資源の大半をすべてこの100年間余で費消してしまったと言えます。この経済モデルがいつまでも継続できるはずはありません。
  まさに今は転換期であり、新たな枠組みを構築しなければならなくなってきているのです。我々はまずこのような現状をしっかりと理解しておくことが大切であると思っています。

2009年07月14日

学校インターンシップ実習生の皆さんと

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  7月14日(火)、関西大学から4名の学校インターンシップ実習生の皆さんが来校、職員朝礼での挨拶の後、校長室で懇談しました。
  関西大学では高大連携授業の一つとして、2003年度から大学生が学校現場で就業体験を積む「学校インターンシップ」を行なっておられます。元々これは、既に広く行なわれている「企業インターンシップ」と同様、将来就くであろう職業について実地に接する機会を設けたいという意図からスタートしましたが、今では単なる職業教育の意義を超えて年長の若者と年少の若者をつなぐ〝若い力による高大連携事業〟であると位置づけられており、年々充実してきているようです。
  本年度は318の学校・園から申し込みがあり、受け入れ可能人員は1338名ということになりましたが、これらの中から学生がそれぞれ自分に合った研修先を選択し、最終的には179名が派遣されることになったようです。
  本校では1名が8月中旬から9月6日まで「文化祭の企画・準備・運営の補助」を、3名が夏季休暇中「数学と英語の補習授業の補助」を担当することになっています。今回の実習は最低36時間で単位認定されることになっていますが、懇談の中で全員が将来教職を目指しているということが分かりました。
  私はこれからの日本にとって教育は非常に大切であり、教職を目指す皆さんは是非〝高い志を持つこと〟〝人間力を身につけること〟〝社会の動きをしっかりと把握すること〟〝凡事徹底をはかること〟〝たゆまぬ努力を続けること〟等を心がけて欲しいという話しをしました。短い実習期間ですが、人に言われたことだけをやるのではなく自ら進んで積極的に行動することにより成長してくれることを願っています。

2009年07月13日

水に関するサントリー環境講座

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  7月13日(月)、サントリー水科学研究所の早瀬泰子氏にお越しいただき、文化館視聴覚教室において中学2年生を対象に水についてのお話をしていただきました。中学2年生は今月の23日から林間学舎に出発しますが、〝自然環境の水に学ぶ〟というテーマでサントリーの奥大山ブナの森工場を見学し植樹や森での作業を行なうことになっています。
  早瀬氏からは〝地球上にある水のうち、我々が使えるのは、ごくわずかしかないこと。海や地表、湖や河川の水は蒸発して雲を作り、雨という形で降り注ぐという自然循環が形成されており、この通り道の一つである森が保水という大切な働きを担っていること。そして、サントリーの奥大山ブナの森工場においては、下草を刈り枝打ちをする等さまざまな森を守る活動を行なっていること。水1リットル中に含まれるミネラル分(カルシウムとマグネシウム)の総量によって軟水と硬水の違いが生まれること。日本は火山が多いため花崗岩や玄武岩の地質が多くミネラル分の少ない土壌となるのに対して、ヨーロッパなど海底の隆起した石灰岩の地質では、ミネラル分の豊富な土壌になっていること。〟等を分かりやすく説明していただきました。
  そして、全生徒に硬度20ミリグラムの「サントリー天然水(奥大山)」と硬度1468ミリグラムの「超硬水コントレックス(フランス)」の入った2つの小コップを配り、自らの舌で二つの水の違いを確認してもらうという体験をしてもらいました。硬水を飲んだ生徒達は異口同音に「まずい」「苦い」「舌に残る」といった感想を述べていました。慣れもあると思いますが、どうやら硬水は日本人の味覚には合わないようです。
最後に「家庭で1人が1日に使う水の量はどのくらいか」という質問がありました。答えは約240リットルで、日本の家庭で最も多くの水を使用するのはトイレ、二番目がお風呂とのことです。
  環境教育は単に知識を得るだけではなく、自ら調べ考え行動することが何よりも大切です。人は水なしで生きてはいけません。今回の林間学舎を機に、生徒達が水に対する関心を高め〝水を大切にする〟という思いに立って学校でも家庭でも身近なことから実践していってくれることを期待しています。

2009年07月12日

侮れない新型インフルエンザ

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  先日の養護教員の研究会で、国立感染症研究所感染症情報センターの砂川 富正先生と土橋 酉紀先生に『新型インフルエンザについて』―兵庫県下の学校における経験および今後に向けて―と題して講演いただきましたが、大変参考になる内容が数多くありましたので紹介します。
①通常の季節性インフルエンザは咳、くしゃみによる飛沫や手などからの接触により感染する。
感染性のある期間は発熱の1日前から3~7日で症状が出たその日が最も感染率が高い。
②治療法としては投薬の他、安静と脱水症状にならないようにすることが大切である。
③インフルエンザウイルスは元は水鳥のウイルスであったが、今回の新型インフルエンザはこれまでヒト・ブタで見られたものとは異なった遺伝子構造を持っている。
④20世紀には3回のインフルエンザパンデミックが起きた。      
    ●1918-19年のスペイン風邪・・・約4000万人が死亡         
    ●1957-58年のアジア風邪・・・約200万人が死亡           
    ●1968-69年の香港風邪・・・約100万人が死亡
⑤現在の新型インフルエンザの患者は全国で2000人を超え、神戸・大阪で発生した患者数を上回っている。発症者がないのは山形県だけで、夏場になっても依然として消滅していない。
⑥7月7日にWHO(世界保健機構)は新型インフルエンザの患者数を報告する必要はないと通告したが、南半球を中心に患者数は急増している。また、アメリカでの推定感染者数は100万人 と言われており、死者も100人を突破している。
⑦兵庫・大阪の学校閉鎖は流行の広がりを阻止するのに非常に有効であった。
今後、学級・学年・学校閉鎖の規模や期間、また部活動や学校行事の自粛等についての検討が必要である。
⑧新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同様軽症が主だが、肺炎を起こす可能性が高いことが判明しており、重症化する恐れもある。
⑨実際はどうなるか分からないが、今秋~冬にかけては今より以上に流行することが予想される。東北大学の押谷教授は、日本全体で3000万人くらいの感染者が発生し、死亡率は通常のインフルエンザより高くなると予想されている。
⑩対策としては「ワクチン」「抗ウイルス薬」「検疫強化」「公衆衛生上の対策」等があるが、マスク着用による飛沫予防や手洗いの励行等による接触感染防止といった「個人防御」も大切である。

  新型インフルエンザを侮ると、いつ大変な状況に陥るかも知れません。〝正しい知識が恐れを払拭する〟という言葉がありますが、過去のパンデミックからの教訓を生かし、新型インフルエンザに対する警戒を怠らないようにしなければならないと思っています。                             

2009年07月11日

養護教員研修会の開催

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  7月10日(金)午後、兵庫県私立学校養護教員研究会総会に出席しました。兵庫県の私学においては各種の研究会を設けそれぞれの活動を行なっており、会長職には各校の校長が分担してあたることになっています。私も雲雀丘学園の中・高校の校長に就任以来この研究会の会長を拝命していますが、これまでなかなか業務の都合がつかずに欠席することが多く、養護教員の皆さんとは本当に久しぶりの顔合わせになりました。
  本日は最初に総会が開催され、「20年度事業報告」「役員改選」「21年度事業計画」についての審議が行なわれました。冒頭の挨拶で、私はまず日頃より生徒の怪我や病気等健康管理や安全管理に対して献身的な取り組みをしていただいていることに対して感謝の言葉を述べました。次いで、昨今は単なる怪我や病気といった肉体的な問題だけでなく心の管理が大切になっていること、特別に配慮を要する生徒が増加してきていること、O157・ノロウィルス・麻疹・インフルエンザといったさまざまな感染症が発生していること等を取り上げ、これらの新たな課題についての的確な対応が必要になってきていること、また各学校においては毎日色々なことが起こっているが、「未然に防ぐ」「芽生えの段階で芽をつみとる」「迅速に対応する」といった危機管理の徹底をはかると共に受身ではなく積極的に行動することが大切であるという話をしました。
  学校現場での諸課題に対応していくためにはこれから養護教員の果たす役割は非常に重要になってくると思います。是非一人ひとりの生徒のために何をなすべきかという強い思いで取り組んで欲しいものです。
 
総会後は『新型インフルエンザについて』と題して国立感染症センターの砂川富正(すながわ とみまさ)先生と土橋酉紀(つちはし ゆうき)先生から講演していただきました。非常に有意義な内容でしたので、別途紹介したいと思っています。

2009年07月10日

世界の国々と人口~環境クイズの答え(No1)~

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 先日、20問にわたる環境クイズを掲載しましたが、これらについての正しい答えと解説をこれから何回かに分けて紹介します。
  問1  世界にはどれだけの国がありますか?
  問2  現在の世界の人口はどれくらいですか?
  問3  これから世界の人口はどうなりますか?(増えるor減る)
  問4  現在の日本の総人口は何人ですか?  
   現在、世界には国際連合加盟国192とバチカンを合わせ、193の国があります。国と地域という分け方をすると約230ということになります。そして、現在の地球の人口は約68億人ですが、これから毎年約7~8000万人ずつ増加しこの状況が続けば2050年には少なく見積もっても90億人、人口増加に歯止めがかからなければ100億人を突破する可能性もあるのではないかと予想されています。
今、食糧、水、エネルギー、環境破壊等数多くの地球規模での課題がありますが、これらの底流にあるのは人口爆発といわれる急激な人口増と急速な経済発展なのです。
 現在、国別の人口を見ると1位~10位は次のとおりです
 1位 中国    13.5億人  6位 パキスタン   1.8億人  
 2位 インド   12億人     7位 バングラデシュ 1.6億人
 3位 アメリカ  3.2億人    8位 ナイジェリア  1.6億人  
 4位 インドネシア2.3億人   9位 ロシア     1.4億人
 5位 ブラジル  1.9億人   10位 日本      1.3億人
そして、11位のメキシコ 1.1億人 までが1億人を超える人口を有しています。
  これを詳細に見ると上位10カ国で世界人口の6割、中国とインドで4割弱を占めることになります。
また、これらの国の中で人口が減少しているのはロシアと日本だけで他の国はすべて増加しています。これらの国が急速な経済成長を遂げるということは、これまで以上に食糧やエネルギーといった問題が深刻化してくるということなのです。そして近い将来インドは1人っ子政策をとる中国を抜いて世界最大の人口保有国になることが予想されています。このように環境問題と人口問題は切っても切れない関係にあるのです。

2009年07月09日

伝統の英単語テストと英語力

 今週の月曜日、中学高校全生徒による英単語テストを1時間目に実施しました。このテストは語彙力を増やし、英語力の向上を目指すことを目的として前・後期毎に年2回行なっていますが、校史を紐解いてみると学校の草創期から実に50年以上の歴史を有していることが判りました。当初は、中学校入学時に1300語の英単語集を購入してもらい、前期と後期にそれぞれ100問出題することになっていたようですが、やがて高校でも卒業時に必要な単語の修得を目標として実施するようになったようです。 
  昨今グローバル化がますます進展する中にあって、英語を初めとする語学力とITスキルは今やビジネスマンとしての必須のツールとなっています。アメリカやイギリスは当然のことですが、急成長が期待されるBRICsの一翼を担うインドや資源国として注目されているカナダ、オーストラリア、南アフリカ連邦等の公用語は英語であり、これから英語の重要性はますます増大してくると思われます。
  資源も人口も恵まれていないシンガポールが現在世界経済の中心地として認められているのも、マレー語や中国語ではなく英語を公用語にしたからであるとも言われています。英語を使う人達から見て最もなじみにくい言語は日本語とアラビア語のようですが、逆の見方をすれば日本人にとっては他の国の人よりも英語をマスターするためには大きな努力が必要であるということになります。
  一般的に語学の力をつけるには、できるだけ簡単な語彙を用いて作られている基本文を700~800位徹底的に暗記し、これらを1週間に1回、声を出して暗唱する。そして、これと並行して語彙を増加させていくことが必要であると言われています。何事も一朝一夕には成就しません。将来に備えて生徒達が日々地道な努力を継続していって欲しいと思っています。
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2009年07月08日

高校全校朝礼~チキンラーメンの開発者

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  7月8日(水)、高校の全校朝礼で次のような話しをしました。
  〝皆さんは、インスタントラーメンを発明した人を知っていますか。安藤百福さん、日清食品を創った人です。この人はこの近く池田市に住んでいました。生まれたのは、1910年(明治43年)日露戦争が終った頃です。小さい時に両親を亡くし、繊維問屋を営む祖父母に育てられました。その後、自分でメリヤス会社を作り事業を拡大しましたが、太平洋戦争に負けてすべての物を失ってしまいました。しかし、これにめげるのではなく製塩業・百貨店をはじめさまざまな事業を行ないました。
  その当時、梅田の駅裏で一杯のラーメンのために、多くの人が寒さに震えながら長い列をつくるのを目の当たりにし、食物への関心が高まりました。戦後、アメリカから支援物資として大量の小麦が日本に送られてきました。そして、これを使ってパンを作ることを政府は奨めたのです。安藤氏は“日本本来の麺をつくるべきではないか”と厚生省働きかけましたが、全く耳を貸してもらえず、最後には“そんなに言うなら、あなたがやれば良いのではないか”という答えが返ってきました。自分でやってみたいと考えましたが、自分の事業が忙し過ぎてやることはできませんでした。
  ところが大きな転機が訪れることになります。名前だけを貸して欲しいということで理事長に就任していた信用組合が倒産したのです。その結果、池田にある自宅以外はすべて失ってしまったのです。ここから安藤氏の戦いが始まります。自宅の裏の6畳くらいのトタン屋根の小屋でラーメンづくりを始めたのです。おいしくて保存がきき、簡単に食せて、安全で安心なラーメンをつくることを目指しました。なかなかうまくいきませんでしたが、ある時奥さんが天ぷらを揚げるのを見てヒントを得ます。しかし油であげるだけではコクのある味にはなりません。そしてチキンエキスやしょう油を麺にしみ込ませるために大変な苦労を重ねて、1958年ついにインスタントラーメンを完成させました。1袋35円、熱湯を注いで、3分間で美味しいラーメンができあがります。3年後には約1億5千食というとてつもない市場になりました。安藤氏は日本ラーメン協会を設立して製法特許を公開しました。会社は3年間で従業員は30人から1000人になり、5年間で株式を上場しました。
  やがて海外進出を試みます。しかしどんぶりとはしのない国にどうしてラーメン文化を伝えるのか。その答えは現地のディーラーが紙コップで試食したことで、カップ麺にするというものでした。そしてふたを密閉性の高いものにし、発泡スチロールの容器にしました。この結果、今では多くの国で食されています。
そして、〝少年少女に夢をおくりたい〟〝七転び八起きの精神力で苦境に陥った人を励ましたい〟という思いでインスタントラーメン発明記念館を池田市に作りました。創業当時、安藤氏が明け方まで開発に取り組んだトタン屋根の作業所が展示されており、実際に粉をこねてチキンラーメンを作る「手作り体験コーナー」もあります。
  何事にもくじけず果敢に挑戦すれば、必ず道は開けていくと思います。〟

2009年07月07日

七夕とクールアースデー

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  7月7日(火)は五節句の一つである七夕(しちせき)ですが、日本では一般的に「たなばた」と呼ばれています。この五節句は1月を除いて3月3日、5月5日、7月7日、9月9日と奇数の数字が重なる日になっています。
  現在の七夕は色々な伝説や行事が複合されて受け継がれてきたと言われていますが、古代の日本においては、先祖の霊を祭るために『棚機つ女(たなばたつめ)』といわれる女性が機(はた)で織った布を神におさめ、病気や災厄が起こらないように願っており、〝たなばた〟という呼び名はここから来ているようです。最近、全国的には短冊に願い事を書き笹竹に飾ることが一般的になっていますが、これも七夕から盆の間は農閑期にあたり、休養を取ると共に天災を祓う目的でそれぞれの家の軒先に紙を合わせた短冊を飾った笹を出したのが始まりであると言われています。
  また、本日は2008年の洞爺湖でのG8サミット開催に因(ちな)んで制定された『クールアースデー』にあたっています。この趣旨は〝地球温暖化の防止や自然との共生に向け わが国が率先して国民みんなで地球環境を考えて行動し、それを世界に対して発信することが必要である。このためG8サミットが7月7日の七夕の日に開催されることを契機に 天の川を見ながら地球環境の大切さを国民全体で再認識し 年に一度低炭素社会への歩みを実感すると共に家庭や職場における低炭素社会への取り組みを推進する日としてクールアースデーを設ける。〟というものです。
  そして、日本各地の施設や事業所、家庭等で20時から22時までの間、あかりを一斉に消す『七夕 ライトダウン』への参加を呼びかけています。皆さんもあかりを消して七夕の夜を過ごしてみてください。

2009年07月06日

魔方陣の不思議

 以前、不思議な数の話題を紹介しましたが、今回は魔方陣の驚異を紹介します。魔方陣(3方陣)というのは縦・横・斜めの数字を足すと15になるという数字の配列ですが、実はこれだけではなく驚くべきことが分かってています。3方陣の代表的なものを紹介します。

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①上の3方陣のなかの9つの数を,上段左の6を先頭にして右へ618,次に中段も左から右へ753, 下段も同様にして,すべてを順に並べた618753294を1つの数とみる。 ②続いて頭の数の「6」を末尾に回した187532946を次の数とする。 ③その次は,頭の「1」を回したものを3つめの数とする…。 これを繰り返す。
このように繰り返してできる下記の9通りの数は,全部「37」で割り切れます。
     618753294÷37=16723062
     187532946÷37=5068458
     875329461÷37=23657553
     753294618÷37=20359314
     532946187÷37=14403951
     329461875÷37=8904375
     294618753÷37=7962669
     946187532÷37=25572636
     461875329÷37=12483117
  次に,3方陣全体を90度左に回転させてみます。

          魔方陣01.JPG

  最初と同じように834159672を1つの数とみて,次に頭の数「8」を末尾に回す…。 このようにしてできた9通りの数は,全部37で割り切れます。
     834159672÷37=22544856
     341596728÷37=9232344
     415967283÷37=11242359
     159672834÷37=4315482
     596728341÷37=16127793
     967283415÷37=26142795
     672834159÷37=18184707
     728341596÷37=19684908
     283415967÷37=7659891
  更に3方陣を90度回転させて,492357816を1つの数とみる。次に,頭の数「6」を末尾に回す…。 このようにしてできた数は,全部37で割り切れます。
     492357816÷37=13306968
     923578164÷37=24961572
     235781649÷37=6372477
     357816492÷37=9670716
     578164923÷37=15626079
     781649235÷37=21125655
     816492357÷37=22067361
     164923578÷37=4457394
     649235781÷37=17546913
  最後に,3方陣のなかの「2」が左上にくるようにして,276951438を1つの数とみて,同じようにしても, できた9通りの数は,全部37で割り切れます。
     276951438÷37=7485174
     769514382÷37=20797686
     695143827÷37=18787671
     951438276÷37=25714548
     514382769÷37=13902237
     143827695÷37=3887235
     438276951÷37=11845323
     382769514÷37=10345122
     827695143÷37=22370139
  このようにしてできた商の数を,各組ごとに9つずつ足してみると,その和は全部135135135となってしまいます。また,各組の商の一の位だけをみると,1から9までの数がすべてあります。どうしてこうなるのでしょうか。本当に不思議ですね。
  
  魔方陣に関しては、これ以外にも驚きに値するものがあるようですし、まだまだ未発見のものあるかもしれません。また、現在日本にもいくつかの魔方陣同好会があり、情報発信されていますので、興味のある方は一度、調べてみてください。
    

2009年07月05日

生徒会「ECO」の取り組み

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  本校では環境教育に注力していますが、この基本は〝学び 考え 行動する〟です。そのため授業だけではなく生徒会の各委員会が中心となってECOに対する取り組みを行なっています。
  主なものを紹介すると、自治委員会では「各クラスにおける節電」、文化委員会では「朝の教室の窓明け」と「ゴミの分別の徹底」、厚生委員会では「エコキャップ運動の継続」、文化委員会では「マイクラスエコの推進」に取り組んでいます。
  このうちエコキャップは集めて発展途上国の子ども達へのワクチンに替えることにしていますが、一方ではペットボトルはできるだけ使わず、マイボトルを持参するということを推奨しています。またマイクラスエコではクラス毎に自分達ができるエコを考えることによって、一人ひとりの意識を高めています。
  以上の取り組み以外に生徒会執行部では、サントリー株式会社からトマトの苗をいただき食堂の南側の畑で栽培をしています。芽かきと水やりを続けてきた結果、次々と花が咲き多くの実をつけはじめました。赤く色づいたものから収穫をし、食堂で提供してもらうことにしました。しかし、ここ数日、折角実ったトマトがカラスに食べられるという被害が出始めたためネットをかけることにしました。今年はまだテスト栽培の状況ですが、来年度以降は更にこの取り組みを充実させていきたいと考えています。

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2009年07月04日

1 Day College  ~校内オープンキャンパス の開催

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  7月4日(土)、中学は宝塚市総合体育大会開催のため休校とし、昨日の合同入試説明会に続いて高校1年生~3年生を対象に進路指導部主催の「1 Day College-校内オープンキャンパス」を実施しました。この催しは毎年この時期に実施していますが、今回は実に31大学・学部から教授・准教授・講師の先生にお越しいただき32にわたる講演をお願いしました。
  冒頭の挨拶で講師の先生方にお話しましたが、この催しの最大の特徴は業者の方を一切入れず、すべて手づくりで実施しているということです。つまり、本校の進路指導部の先生が中心となって各大学に校内オープンキャンパスへの参加をお願いし、それぞれの先生方は高校生向けに講義内容を検討していただくことになっています。テーマは国文学、人間科学、心理学、政策創造、外国語、法学、経済・流通、福祉、物理、化学、宇宙、航空工学、医学、薬学、スポーツ健康、水産、保育、食物、看護、キャリア・デザイン、ファッション、映像・メディア等実に多岐にわたっており、生徒達にはあらかじめこれらのテーマと講師の紹介の一覧表を配布します。生徒達はこれをしっかりと確認して、自らの意思で興味のあるテーマを選び、受講の希望を提出してもらうことにしています。
  また、本校で一度にこれだけ多くの大学の講義が開催される機会はあまりありませんので、受講の余裕のある講座については保護者に連絡し、希望者は生徒と共受講していただくことになっています。私も各教室を巡回させていただきましたが、生徒達は普段の授業とは異なる講義に集中していました。
大学進学にあたっては、自分が将来どのような分野に進みたいのか、そのためには大学でどういう勉強をしていきたいのかという視点が大切です。今回の講演を通じて、自らの進路を考える良い機会にして欲しいと思っています。
  今回は暑い中にもかかわりませず、来校いただいた講師の皆様に心より御礼を申し上げます。
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《ご講演いただいた大学》 大阪、神戸、大阪府立、大阪市立、奈良女子、奈良教育、兵庫県立、和歌山、高知工科、兵庫医科、神戸薬科、法政、武庫川女子、関西学院、甲南、同志社、近畿、龍谷、大阪電気通信、京都産業、立命館、京都外国語、佛教、崇城、同志社女子、京都女子、甲南女子、神戸学院、宝塚造形芸術、神戸女学院、宝塚市立看護専門学校、

2009年07月03日

22大学合同説明会の開催

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  7月3日(金)午後、22大学の入試担当の皆さんにご来校いただき、高校2年生・3年生を対象に「合同の入試説明会」を実施しました。当初は5月末に実施の予定でしたが、新型インフルエンザのために延期となり本日実施の運びとなりました。
  この催しは今年で6回目を迎えますが、あらかじめ生徒達に参加の大学名を紹介し、受講希望人数を確認した上で、大学毎に40分間、2回ずつ説明を行なっていただくことになっています。従って生徒達は教室を移動することによって、希望する2つの大学の説明を聞くことができます。私も説明会場となっている各教室を巡回しましたが、特に高校3年生はこれから受験する大学・学部の最終の絞り込みを行なうことになるため、熱心に耳を傾けていたようです。各説明会ではほとんどの学校が学校案内や入試ガイド等を準備されており、プロジェクターやパソコン、DVD等のIT機器を活用して解りやすく説明していただいていました。
  15時に第2回目の説明が終わった後、各大学の担当者の皆さんに仮校舎に移動していただき、引き続き個別相談会を実施しました。また、この会場には授業を終えた高校1年生の生徒も多数訪れ、色々な大学の資料を袋一杯に詰め込んで持ち帰っていました。
  受験する大学を決める時期は、できるだけ早いほうが良いのは言うまでもありません。今回の説明会を参考にすると共にできるだけ多くの情報を入手し、さまざまな角度から志望大学を検討することが大切です。また、実際に希望する大学のキャンパスを訪問し自分の目で確かめるということを是非やって欲しいと思います。
  各大学の入試担当者の皆さんには暑い中にもかかわりませず、生徒達に対し学校の状況を丁寧に説明していただき有難うございました。心より感謝申し上げます。

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2009年07月02日

ハインリッヒの法則

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  先日のPTAの学級委員会で『ハインリッヒの法則』について話をしました。これはアメリカの技師ハインリッヒが労働災害の事例の統計を分析した結果、導き出し発表したものです。
  災害の起こる確率は重大災害を1とすると、軽傷の事故は29、そして無傷災害は300になるというものです。このことから、多くの企業では〝大きな災害を防ぐためには小さな災害を徹底的に撲滅する〟という取り組みを行っています。そして「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景には、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある。」という警告を発することにより、安全活動を推進しているのです。ヒヤリ・ハットというのは事故に繋がらなくても〝ヒヤリ〟とした、また〝ハッと〟したということがあるということですが、我々の日常生活の中にはヒヤリ・ハットの状態にまでいかない(もしくは自覚していない)が、実は非常に不安全な状態や行為をしているということが相当な件数になっているはずです。しかし、いつもやっていることだからとか、今までも平気だったので大丈夫だろう、ということで続けている不安全行為が、いつヒヤリ・ハットを飛び越えて、一気に重大災害になるかも知れないのです。ハインリッヒの法則として「1:29:300」で言い表されている比率は、よく考えれば非常に高い確率で重大事故を招くことを示唆しています。
  これは学校や病院、その他の多くの部署においても同様です。いつやって来るか分からない災害を未然に防ぐには、不安全な状態や行為を認識し、ヒヤリ・ハットの段階で小さな芽を摘み取るという気持ちで地道に対策を考え、実行していくことが重要であると思っています。

2009年07月01日

中学校全校朝礼~年商一億円の車内販売員~

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  7月1日(水)、中学校の全校朝礼を行なうため、職員朝礼が終わって体育館に直行すると既に全員の集合が完了しており、生徒達の成長振りを見て実に頼もしく感じました。このように規律ある集団行動ができるということはすべての成長に繋がっていくものと確信しています。
 
  部活動の表彰の後、次のような話をしました。
  〝昨日のアロージャズ・コンサートはいかがでしたか。素晴らしかったですね。皆さんも大いに盛り上がりましたね。17名の奏者の皆さんは恐らく自分の仕事が好きだと思います。将来、皆さんは色々な仕事に就くことでしょうが、「自分の仕事が好きで人に喜んでもらえる」ということが大切です。

  今日は山形新幹線つばさ号の社内販売員である『斉藤 泉さん』の話を紹介します。つばさ号は満員になると400人、山形から東京まで片道3時間半、往復7時間800人の市場ということになります。ワゴン販売員の平均売り上げは8万円。このような中で斉藤さんは30万円、平均の3.75倍の売り上げを続けています。この額はセブンイレブンの一日の売り上げの2分の1に相当します。どうして同じ条件でこのようなことが可能になるのでしょうか。
  斉藤さんの出勤時間は乗り込む電車が入線する1時間以上前です。まずその日の天候や客層を確認します。寒ければホットコーヒー、ビジネス客が多ければ缶ビール、お年よりは夕食時間が早いのでお弁当、家族連れが多ければお菓子やジュースを準備します。品揃えができたらワゴンの陳列を行ないますが、売れ筋のお菓子は前面に、通路のどちら側のお客にも見やすくするために左右対称に、売れ筋ではないものは内側に、します。発車すると最初の一往復で頭の中に顧客リストを作成し、お客の目の動きによって購入確率を見極めます。おつり入れのポケットを工夫し500円から10円までの4種類の硬貨を瞬時に取り出せるようにして、販売にかかる時間をぎりぎりまで短縮、最高で100分間に弁当112個を販売、片道3時間半の運行時間中に、並みの販売員なら三往復がやっとのところを五往復します。 また、以前クレームの多かった《すき焼き弁当》に地元特産の温泉卵を入れることを提案することにより、月500個を7000個、14倍に引き上げました。
  斉藤さんが素晴らしいのは、お客との出会いを大切にし、旅行を楽しんでもらえるということを心がけているということです。皆さんも是非相手のことを考えて行動できるようになってください。そうすれば必ず社会で活躍できるようになると思っています。〟