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2009年11月30日

定期考査始まる

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  今週は月曜日から金曜日まで後期の中間考査が実施されます。11月30日(月)、いつものとおり朝の登校指導を行ないましたが、今日はさすがにそれぞれノートやメモ、参考書等を手にしている生徒の姿が目につきました。中には睡眠不足で多少疲れ気味の生徒もいたようです。私も試験の前日に明け方まで勉強したこともありますし、社会に出てからも期限ぎりぎりになって半ばやっつけ仕事で資料を作成したことも度々ありました。しかし、振り返ってみると所詮一夜漬けというのは、肉体的な疲れの割には良い結果に結びつかなかったようです。勉強は仕事やスポーツとは基本的に異なる面もありますが、共通する面も数多くあるよう思います。その最大のものは、どれだけ時間をかけたかという「時間の絶対量」だと思います。
  〝継続は力なり〟という言葉がありますが、何事も毎日やり続けていくことが大切です。1日10分間としても1ヶ月では300分、実に5時間になります。これくらいの時間であれば、通学電車の中でも、学校でのちょっとした休憩時間の中でも簡単に生み出すことができるのではないでしょうか。また、毎日4、5時間というまとまった時間をつくり出すのは難しいと思いますが、1時間くらいなら工夫すれば容易にできるのではないでしょうか。仮に1日1時間とすると1ヶ月では30時間、1年では365時間ということになります。
  間際になってから慌ててスタートするのではなく、毎日小さなことを積み重ねていけば必ず結果はついてきます。これまで何度もお話ししているように、中学・高校時代に良い習慣を身につけることは将来社会に出た時に大いに役立ちます。是非、定期考査を機に良い習慣づくりを心がけて欲しいものです。

2009年11月29日

ビーンズ研修会に参加して

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  11月28日(土)、17時より開かれたビーンズ研修会に参加しました。
この会のメンバーは大阪府立の現職校長、教頭およびOB校長と教育委員会の幹部となっており、通常は校長部会と教頭部会に分かれて土曜日の夕方に開催されていますが、今回は合同開催ということになりました。あくまで自主研修のため、講師等の選定も役員の皆さんが行なっています。最初に中西正人大阪府教育長より「回顧とこれからの教育界の課題」というテーマで、ご本人の生い立ちやこれまでの35年間の公務員生活を振り返っての感想や就任後8ヶ月の教育長としての取り組み経緯、今後の学力向上や人件費の将来動向とハード整備、高校の実質無償化の課題についてお話をいただきました。
  その後の懇談会の場では、出席者全員がそれぞれの思いを述べ合いました。各校ごとにさまざまな課題があるようですが、懸命に学校づくりを進めておられる様子が窺い知れました。
  最後に私は自分に言い聞かせる思いもあって次のような話をしました。〝皆さんはトップとして大変ご苦労をされていると思うが、このように厳しい時には教員や生徒は常に皆さんの後姿を見ているので、どうか元気を出して欲しい。今は、世の中の動向をしっかりつかみ、あたり前のことをあたり前のように行なうという凡事徹底が大切である。「着眼大局・着手小局」という言葉があるが、まず足下を固めるという脚下照顧の取り組みが必要である。お互いに健康に留意して教育活動を進めていこう。〟
  現在の日本はまさにすべての分野が厳しい経営環境下におかれていますが、ピンチはチャンスという思いで、今一度原点に戻って見直していくことが必要であると感じています。

2009年11月28日

保護者対象講座「子どもたちのケータイ・ネットの現状」

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  11月28日(土)、『NPO法人 さんぴーす』の大脇巧己事務局長にお越しいただき〝大人が知っておきたいケータイ・インターネットの現状〟というテーマで保護者の皆さんを対象にお話しをいただきました。この講演については先日の兵庫県私学校長会での紹介を受けて、PTA実行委員会の保護者の皆さんにおはかりし今回開催することになりました。また、折角の機会ですので、中学・高校の保護者だけではなく幼稚園や小学校にも参加の呼びかけを行ないました。
  本日の講演では、パワーポイントを使って「SNS」「モバゲー」「学校裏サイト」「プロフ」「出会い系サイト」等、子ども達を取り巻く環境がどのようになっているのかをわかりやすく説明していただきました。実際のところ、保護者の中にはこれらの用語の意味も十分に理解されていない方も多かったようで熱心に耳を傾けておられました。
  最初に、今の携帯電話はカメラ、時計、スケジュール帳、財布、辞書、地図、アルバム、ウォークマン、更に最近では鏡や万歩計、紫外線測定といったさまざまな機能がついており、単なる電話ではないこと、最近の子ども達は小さい頃からインタラクティブなインターネットを使用しており既存メディア離れをしていること、デジタル移民という言葉に代表される親の世代との間には大きなズレがあること等を紹介されました。そして、子どもの携帯電話の使用にあたって重要なことは、子どもから相談されたらとにかく話しを聞くこと、難しい説教ではなくそっと語りかけるアドバイスを行なうこと、トラブルが起きたときのフォローを考えておくこと、うちの子に限っては通用しないこと等のお話しをいただきました。
  近年、防犯のために子どもに携帯電話を持たせる家庭が急増していますが、携帯電話を持つことで逆にトラブルや犯罪に巻き込まれるといった問題も増えてきています。子どもを守るためには、まず保護者の皆さんが携帯電話の利用についての正しい知識を持つと共に、子どもに携帯電話を与える時の各家庭でのきっちりしたルールづくりをすることが不可欠です。まさに携帯電話に関する〝共学〟と〝共育〟が大切であるということを痛感しました。
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2009年11月27日

一商人たるの観念

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  11月27日(金)はパナソニック(前、松下電器)の創業者である松下幸之助氏の誕生日であり、この日はかつて電器店の間で『商いの日』と呼ばれていたようです。今回は松下氏に関するエピソードを紹介します。
  松下氏は創業間もない頃〝松下電器が将来いかに大をなすとも一商人たるの観念を忘れず・・・〟ということを常に言っておられたようです。ある時マスコミの方から「一商人とはどういうことなのか」という質問をされ、次のように答えました。
  一つ目は、商売の何たるかを誰よりも良く知っている。
言い換えると〝仕事のプロ〟ということです。
  二つ目は、相手の立場に立って物事を考え行動するということです。
  三つ目は、相手様よりも深々と頭を下げることができる。
つまり〝感謝とおわびの気持ち〟を持つということです。
  この三つのことは別に商人に限ったことではなくすべての仕事にあてはまると思っています。
〝自分の担当している仕事のプロとは〟〝相手の立場に立つとは〟〝感謝とおわびとは〟どういうことなのか、各人が今一度考えてみたいものです。

2009年11月26日

第3回中学校PTA学級委員会の開催

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  11月25日(水)、本年第3回目の中学校PTA学級委員会を開催しました。 本校では年4回、各クラスから選ばれた2名の学級委員の皆さんに出席していただき、学校からの教育活動の報告と保護者の皆さんからの学年懇談会の報告や要望、ご意見をお聞きすることにしています。
  冒頭の挨拶で、先日引率で同行した沖縄への研修旅行についての感想を述べた後、本学園も来年60周年を迎えることになり、高校の新校舎の建設も進んできているが、創立の精神に立ち戻って教育活動を推進していくことの大切さをお話ししました。本学園は〝親孝行のできる人は将来立派になれる〟という『孝道』をベースに、社会で役立つ人材を育てることを目指しています。そのためには点数ではかれる能力と点数ではかれない能力が必要です。前者は狭い意味での学力が中心であるのに対して、後者は高い志、他人に対する思いや優しさ、忍耐力、感謝の気持ち、自律といったものがあげられます。社会で活躍するためには人間としての根っ子である人間力が不可欠ですが、これを身につけるための特効薬はありません。あたり前のことをやり続けるという凡事徹底しかないのです。また、教頭からは、しっかりとした学習習慣を身につけること、特に基本を大切にすることをお話ししました。
  委員会の中では自由に話のできる時間を設けていますが、なかなか思い切った質問ができないようです。そのため、委員会終了後、校長室で中学2年生の委員の皆さんと懇談の場を持ちました。保護者の皆さんはほとんど例外なく、お子様の勉強に対する姿勢や将来の進路、生活習慣等について心配されているようです。
  私にも経験がありますが、子育てについてはかまいすぎることも、放任してしまうことも良くありません。この兼ね合いが難しいと思いますが、学習を含めた生活習慣と学校の授業を大切にすることが基本です。これらが崩れてしまうと、立て直すには極めて大きなエネルギーが要るのは間違いありません。
家庭と学校が連携して〝共育〟と〝共学〟により、社会に役立つ力を育てていくことが何よりも大切であると感じました。

2009年11月25日

春野菜の植え付け

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  先週、中央棟前の畑に中学3年の生徒達が中心になって、理科の先生の指導のもとエンドウと大根の種を播きタマネギの苗を植え付けました。この場所は今年の夏にトマトの栽培をしていましたが、収穫後は何も植えずにそのままになっていたところです。生徒達は既にゴーヤやサツマイモの栽培の体験をしているため、実に手際よく短時間で作業を終えることができました。スペースはそれほど広くありませんが、日々の生育管理をしていくには丁度良い大きさです。順調に育てば来年の春には収穫が見込めそうですが、これらの野菜についてはトマトと同様、食堂で生徒達に提供してもらおうと思っています。

  本年はこれまで環境教育の一環として、試験的に校内での野菜栽培を行なってきましたが、来年度は理科や技術等の教科、クラブ、学年との連携をはかり、〝校内菜園の組織化〟をテーマに取り組んでいく予定です。本校における環境教育の基本は〝学び、考え、行動する〟ことです。このような実践活動を通じて、生徒達が環境や食の大切さを学んでくれることを期待しています。

《参考》

   ・エンドウの原産地は地中海沿岸から中央アジア地域で、古代ギリシャ等でも栽培されていたようです。また、古代エジプトのツタンカーメン王の王陵からも発見されました。中国には9~10世紀に伝えられ、日本には9~10世紀に遣唐使が持ち帰ったとのことです。

  ・タマネギの原産地はBC3000年以上前のペルシャ・アフガニスタンなどの西アジア、北西アジア、中央アジアにかけての高原地帯であり、ピラミッド建設時にニンニクと共にスタミナ食として用いられていました。

2009年11月24日

特別公開セミナーの開催

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  11月23日、勤労感謝の日の休日を利用して、本校において日能研の模試が行なわれ300名を超える小学生が朝9時から受験しました。試験は昼過ぎまで実施されるため、この間を利用して付き添いで来られた保護者を対象に「日能研特別公開セミナー」が開催されました。
  最初に、ギター・マンドリン部による演奏を披露した後、私から約1時間にわたりパワーポイントを使って〝社会で役立つ力〟というテーマで講演を行ないました。講演は「この10年~20年に世界で起こったこと」「世界の現状とこれからの地球規模での課題」「日本の現状と日本の進むべき方向」「松下幸之助氏に学んだこと」「社会で活躍している人の共通点」「注目すべき会社や新しい技術革新」に触れた後、「社会で求められる力」「教育を取り巻く課題と学校の役割」「家庭との連携による子どもの育成」「間違った子育て指針」「日本が更なる発展を遂げるための人材育成の必要性」を、最後に「雲雀丘学園における取り組み」についてお話しました。
  参加者は通常の入試説明会とは異なり約80名という少人数であったため、私からも質問を投げかけ答えていただく等、保護者の皆さんと一体となった講演会となりました。続いて本校中学の放送部員による学校紹介を行ない、その後、本校の入試広報部長から入試に対する説明を行ないました。
  入試までの日数は次第に残り少なくなってきましたが、中学受験は親の受験とも言われています。保護者の皆さんにおかれては、是非子どもさんに合った学校を選んでいただきたいものです。また、これから受験までの間はどうしても子どもさんが精神的に不安定になりがちですが、こういう試練を通じて逞しく成長していくのは間違いありません。入試は人生における節づくりのチャンスなのです。どうかお子さんを暖かく見守っていただきたいと思っています。

2009年11月23日

勤労感謝の日にあたって

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  本日11月23日は『勤労感謝の日』ですが、「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝する日」ということで1948年(昭和23年)に制定されました。
  戦前、この日には『新嘗祭(にいなめさい)』が行なわれていました。この新嘗祭はわが国にとって古くからの農作物の恵みに感謝する重要な国家行事でした。「新嘗」とはその年に収穫された新しい穀物のことです。勤労感謝の日を制定するにあたっては、日本は永い間米を中心とした農業にたずさわってきており「新嘗祭」として祝いたいという意見もあったようです。しかし、労働とは本来農業に従事して生産を行なうものだけを言うのではなく、二次産業や三次産業なども含めた幅広い意味を持つということから最終的には「新嘗祭の日」という考え方は却下され、『勤労感謝の日』が定められたのです。
  現在、日本では農業に従事する人は年々減少し、約240万人、わずか3.7パーセントとなっています。しかも65歳以上が54パーセントと半数以上を占め、平均年齢も62歳と高齢化が顕著に進んできています。
  日本の勤労感謝の日はあくまでも農作物の収穫を祝うだけではなく「日々の勤労に感謝する日」とされており、アメリカにおけるThanks Giving Day(感謝の日・11月最後の木曜日)に近いものですが、今、両国共働きたくても働くことができない人が増加してきています。働きたい人に働く場を提供するということを政治の最優先課題として取り上げていかなければならないのではないでしょうか。

2009年11月22日

宝塚演劇祭の開催

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  11月21日(土)、宝塚ソリオホールで開催された宝塚演劇祭に本校の中学・高校の演劇部が出演しました。この催しは今年で17回目、宝塚市文化振興財団の主催で毎年開催され、初日(21日)に6劇団、2日目(22日)に5劇団が出演することになっています。
  まず、14:30からは高校演劇部による『黄昏に走る』が上演されました。この劇のあらすじは〝ある学校の放課後、ゴミ置き場に分別作業のために集められた生徒達が、作業中にラブレターや成績表、そして遺書等が発見されて・・・〟というものです。部員は高校1年生が7名、2年生が5名、3年生が1名の13名です。インフルエンザによる学級閉鎖の影響で全員が揃って練習できない日が続く中で持ち前の明るさと元気で頑張ってきました。生徒達は素晴らしい演技で観衆を魅了した後、すぐに明日の近畿大会に出場するため、京都に向っていきました。
  続いて、中学演劇部による『小さな炎のファンタジー』が上演されました。中学の演劇部は部員が16名ですが、中学生とは思えないしっかりとした演技で〝生命の大切さ〟を訴えました。
  また、この演劇祭には本校のO・B、O・Gの大学生が顧問の玉木教諭の名前に因んで「たまきちるどれん」と命名した劇団を結成し『ジャングル・ジャクション』を上演しました。
  それぞれの役を演じることにより自分自身を見つめ直すと共に舞台を作り上げる中で築いた人間関係を大切にしていって欲しいと思いました。

2009年11月21日

中学校授業参観の実施

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  11月21日(土)、3時限目、4時限目に保護者対象の中学校授業参観を実施しました。参観いただくのは代数、幾何、英語、国語、歴史、理科、技術、家庭、美術、音楽といった通常の時間割の授業ですが、10時30分過ぎから数多くの保護者の方がお見えになりました。特に中学1年生と2年生の保護者の方の出席が多かったようです。中には教室に入っていただくことができずに廊下からお子様の様子をご覧になっておられた方もあり、誠に申し訳なく思っています。私も各教室を巡回しましたが、生徒達はいつもと違ってかなり緊張した面持ちで先生の話に耳を傾けていました。
  中学も学年が進むにつれて、学習する内容も次第に高度になってきますが、学力を身につけるための特効薬はありません。何と言っても基本は学校の授業を大切にするという姿勢です。まず授業に集中すること、次に予習と復習をしっかりやること、更に分からないところはそのまま放置せずに徹底的に分かるようにしておくことが大切です。この学習習慣を身につけておかないと、分からないところがどんどん増えてきます。そのため小学生の頃は要領のよさで何とかやっていた生徒も行き詰まることになってしまいます。そして、高校に進めば学習内容の質は高度になり、量も多くなってくるため手に負えなくなってしまうということになりがちです。学力向上にあたって大切なことは、地道な努力を継続していくことなのです。 保護者の皆さんにとって、テストの結果に関心がいくのは当然ですが、特に中学時代には学習の習慣をしっかりつけるということに注力していただきたいと思っています。


負の遺産を引き継がない

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  11月20日(金)、人身事故の影響でJR東西線が大幅に遅れたため、日付が変わって校長通信を書いています。
  現在、日本経済はアメリカで発生したリーマンショックの後遺症が尾を引き、まだ本格的な回復には至っていません。企業の業績は、エコポイント制度等の需要喚起のための施策にもかかわらず、自動車や電機産業も未だに赤字から脱却できない状況です。世界の株価を見ても東京市場だけが取り残されており、このことからも海外からの資金が流入していないことが分かります。株価が下がるということは企業や個人の資産が減少するというだけではなく、企業の時価総額が減少することを意味しています。つまり、企業の価値が下がり買収されやすいということになるのです。今は比較的円高基調にありますが、円高に振れると海外企業にとっては更に安い価格で日本企業を買収することができるようになります。
  また、先日発表された日本の国債や借入金債務は864兆円と昨年より約 50兆円近くも増加しました。これは日本人一人当たり約700万円ということになります。一方で個人の金融資産は1400兆円 もあるため全体としてはまだプラスになっています。しかし、税収の大幅減少のため来年度も大幅な国債発行を余儀なくされており、IMF(国際通貨基金)の予測 によると2019年には日本の債務が個人の金融資産を上回るとの試算がなされています。まさに10年後を見据えた経済成長・財政の設計づくりが必要なのです。
  このような膨大な債務をつくったのは我々の世代であり、自らの手で何とか解決していかなければなりません。後の世代に負の遺産を引き継がないという思いで取り組んでいかなければならないと思っています。

2009年11月19日

演劇部県大会最優秀賞受賞

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 本校には数多くのクラブがあり、部員達が日々活発に活動を行なっています。
この度、演劇部が見事近畿大会出場という快挙を成し遂げました。
 まず、11月6~8日尼崎ピッコロシアターで行われた第53回兵庫県高等学校演劇研究会阪神支部発表会で、生徒創作劇「黄昏に走る」を上演し、参加校16校中、優秀賞(3校)を受賞し、県大会に進みました。
 次いで11月13~15日に神戸市北区すずらんホールで行われた第33回兵庫県高等学校総合文化祭演劇部門発表会、兼、第53回兵庫県高等学校演劇研究会中央合同発表会において、同じ作品を上演し、参加校15校中、本校と県立神戸高校の2校が最優秀賞を受賞し、近畿大会に進むことになりました。
 この第29回近畿高等学校総合文化祭演劇部門、兼、第44回近畿高等学校演劇研究大会は、11月21~23日京都呉竹文化センターで開催され、近畿各府県の代表校10校が上演することになっています。
  また、毎年11月の第3週に宝塚ソリオホールで開催される「第17回宝塚演劇祭」にも出演します。本校演劇部は、第1回から連続で参加しており、今年は11月21日(土)の午後、中学が「小さな炎のファンタジー」高校が「黄昏に走る」を上演します。演劇部の部員達は、現在顧問の先生の指導の下、入念な最後の仕上げを行っており、素晴らしい演技を披露してくれるのではないかと期待しています。
 時間の許す方は是非生徒達の演技を見てあげて欲しいと思っています。

2009年11月18日

伊江島の皆さんとの心の交流

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  沖縄の研修旅行に参加した生徒達が伊江島の民泊でお世話になった皆さんにお礼状を書いたということを紹介しましたが、私もこの休日を利用して手紙を認め(したため)、『縁尋機妙(えんじんきみょう)』という言葉を添えた写真と共にお送りしました。
  これは有名な陽明学者である安岡正篤氏の言葉ですが、〝良い縁が更に良い縁を尋ねて成長していくさまは誠に妙なるものがある〟という意味です。安岡氏は人との出会いの大切さについて、この縁尋機妙と共に『多逢聖因(たほうしょういん)』という言葉をあげておられます。この意味は〝良い人に交わっていると良い結果に恵まれる〟ということです。
  良い縁はそれを真剣に尋ねていくと、不思議なくらい絶妙の機会によって縁が縁を導いてくれる。そして、縁によって出会うことのできた人との絆が因となって、己がなすべき社会的な役割を発揮することができる。つまり、いい人とも善いこととも絶妙のタイミングで出会うことになるが、それを引き寄せているのは自ら作り出した縁であるということではないかと思います。社会で活躍されている人はほとんど例外なく、素晴らしい人脈をお持ちですが、縁を活かせるかどうかはその人の心がけ次第であると思います。 人は一生のうちに多くの人と出会い、色々なことを学んでいきますが、今回の研修を通じてお会いした伊江島の皆さんとの縁を大切にし、これからも心の交流をはかっていきたいものです。

2009年11月17日

ギター・マンドリン部が最優秀賞を受賞

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  11月15日(日)に淡路市志筑新島のしづかホールで行われた『第33回兵庫県高等学校総合文化祭・第16回器楽・管弦楽部門演奏会(兼第33回兵庫県高等学校ギター・マンドリンフェスティバル)』において、本校のギター・マンドリン部は高校2年生の中 玲緒奈さん指揮による「スペインの印象』(E.ブーシュロン作曲)」を演奏し、最も輝かしい“最優秀賞”を受賞しました。
  先日の文化祭を機に高校3年生が引退したため、この大会は初めて高校2年生以下で出場することになりましたが、昨年に続いての2年連続の大賞受賞という快挙を達成しました。この結果、来年7月25日、26日に吹田文化会館・メイシアターホールで行われる『第40回全国高校ギター・マンドリンフェスティバル』への参加の推薦もいただきました。
  現在、ギター・マンドリン部は中学、高校合同で活動を行なっており、部員数は52名という大所帯です。そして、今年新たに入部した人が多く、今後益々レベル・アップしていく可能性を秘めています。
  また、今年は指導していただいている森龍彦さんの指揮ではなく、はじめて生徒による指揮でこの大会に臨みました。このため当初は多少の不安もあったようですが、最高の賞がとれ、生徒達も大いに自信を深めたのではないかと思っています。これからも部員一人ひとりが研鑽を積み、力を合わせて素晴らしい演奏を披露してくれることを心より願っています。


2009年11月16日

お礼状を書く

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  先日、沖縄研修旅行に行った中学3年生が民泊でお世話になったご家庭にお礼状を書いてお送りしたということを学年の先生方から聞きました。
  このお礼状を書くということは、感謝の気持ちを相手に伝えるという意味で実に大切なことであると思います。残念なことに、最近は〝お礼の手紙を出す〟ということが少なくなり、電話やメールで済ます人が多くなってきました。特にインターネットや携帯端末の普及がこの傾向に拍車をかけることになってきています。しかし、メールは単に用件を伝えることはできても心を伝えることはできないのに対し、手紙は電話やメールのように時間が経つと消えてしまうものではなく、いつまでも形のあるものとして残ります。
  かつて民間企業に勤務している時、営業の大先輩からお得意先を訪問する際には「〝たとえあらかじめ約束していたとしても、相手様にどのような緊急事態が発生しているかわからないため、必ず前日に当初のお約束どおりで良いかどうかの確認をしておくこと〝 そして〝常に葉書と切手を用意しておき、訪問後ただちにお礼状を書いて現地でポストに投函すること〟が営業活動の基本である。」〟という話しを聞きました。この事例は、本番だけではなく事前に準備しておくことと事後にフォローすることがいかに大切であるかということを示唆しています。
  我々も日常生活の中で、ついついお礼状をお出しするタイミングを逸してしまうことが多くありますが、後回しにするのではなくすぐに手紙を書く習慣をつけておきたいものです。

2009年11月15日

季節の移ろい

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  10月以降は日曜日に学校説明会や校内外の行事等が開催されたため、ほとんど家にいることがありませんでしたが、本日(15日)は久しぶりにゆっくりすることができました。
  朝からは切り抜いていた新聞記事の整理をしたり、校長通信の材料の収集をしたり、手紙の返事をしたり、部屋を片付けたりして過ごし、午後からは庭の草木と菜園の手入れを行ないました。庭はしばらく見ない間に、シャラやハナミズキの葉がすっかり色づき、四季咲きのバラは最後の蕾を膨らませています。また、椿も開花し始めており、水仙も芽を出し、一ヶ月前には青かったカリンの実も黄色く色づき、季節の移ろいを実感しました。
  菜園では、この間まで植えていたゴーヤ、サツマイモ、シシトウの後にサヤエンドウの種を蒔き玉葱の苗を植えつけました。順調に育てば来年の春には収穫することができるようになります。農園を借りて一年が経過しましたが、あまり経験がなくても土作りを怠らなければ、それなりの成果が得られることが分かってきました。これくらいの量では大きく自家自給率を上げることはできませんが、これからも生ゴミを活用した野菜作りを続けていきたいと思っています。

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2009年11月14日

日本の伝統精神を学ぶ

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  少し前、この校長通信で日本は閉塞状態の中にあるのではないかということを述べましたが、この原因はかつての日本人が持っていた「伝統精神の喪失」にあると思います。今の日本を見ると、人が人として健全に生きていくための「志」「気概」「誇り」「道徳」というものがあまりにも失われてきているように思えてなりません。木に例えると人間としての土台、つまり〝根っこの部分〟が弱体化しているのです。何故このような状況になってきたのでしょうか。それは自分を磨くための教育や躾が家庭や学校、社会からも消えてしまったのが原因ではないかと思います。
  これから日本が世界から認められ繁栄していくためには、日本人一人ひとりが自分自身を磨きしっかりとした人間力を身につけていくことが必要です。それには優れた師に学ぶか、本を読むことしかないと思います。しかし、我々一般の人が優れた師を見つけることは容易ではありません。そうなると、人間力を磨く道は〝いかに日本人ならびに日本人の生き方をつくってきた先賢・先学の「名著」を読むか〟ということになります。
  作家で思想史研究家の岬 龍一郎氏の著書『日本人の名著を読む』の中にはこれだけは知っておきたい日本人の名著23人23冊が紹介されています。私も時間を見つけて一通り目を通しましたが、大変勉強になりました。しかし、詳細な内容についてはほとんど自分のものになっていないため、最近これらを読み返すことにしました。やや難しい内容のものもありますが、以下に紹介しますので、時間を見つけ出して是非紐解いてみてください。
1. 吉田兼好 『徒然草』         2. 宮本武蔵 『五輪書』
3. 中江藤樹 『翁問答』       4. 山鹿素行 『山鹿語類』
5. 伊藤仁斎 『童子問』        6. 貝原益軒 『養生訓』
7. 松尾芭蕉 『奥のほそ道』      8. 新井白石 『折たく柴の記』
9. 山本常朝 『葉隠(はがくれ)』   10. 石田梅岩 『都鄙(とひ)問答』
11. 恩田木工 『日暮(ひぐらし)硯』  12. 杉田玄白 『蘭学事始』
13. 佐藤一斎 『言志四録』        14. 頼 山陽 『日本外史』
15. 二宮尊徳 『二宮翁夜話』      16. 佐久間象山『省けん録』
17. 橘 曙覧(あけみ)『独楽吟』    18. 勝海舟 『氷川清話』
19. 西郷隆盛 『南洲翁遺訓』     20. 吉田松陰 『講孟(もう)余話』
21. 福沢諭吉 『学問のすすめ』    22. 内村鑑三 『代表的日本人』
23. 新渡戸稲造『武士道』

2009年11月13日

順調に進む高校校舎建設

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      <1階昇降口付近>                <1階廊下天井>

  高校校舎の建設が始まって8ヵ月が経過しましたが、今のところ工事は順調に進捗しており、4階部分までのコンクリート打ちもほぼ終了しました。今回の建設にあたっては、教職員の中から建築委員を選定し、このメンバーを中心に毎週火曜日に打ち合わせを行なうと共に毎月一度竹中工務店、安井建設設計、学園の幹部による確認のための会議を開催しています。
  この度、11月の定例建築総合会議の後、新校舎の建築内部を見学させていただきました。見学したのは1階部分ですが、生徒・職員が出入りする玄関にあたる昇降口は土間・壁・天井ともに分厚いコンクリートで囲まれながらもかなり広い空間に感じました。壁の厚みは玄関で30センチあり、万全の耐震構造になっています。1段上がった正面は60周年記念多目的ホール(仮称ろくまるホール)ですが、残念ながら養生シートで囲ってあるため内部を確認することはできませんでした。また、手前廊下側の中央に位置するコンクリートの柱も大きくて特徴的であり、1階に設置する保健室や美術教室等の特別教室も十分なスペースが確保されているようです。これから順次、内装を行ないロッカーや机等の備品を入れて最終の仕上げを行なうことになります。続いて食堂へ降りる入口やその西側の階段となる部分、廊下部分を見学しましたが、天井部分にはフレキシブル配管が走り、教室の天井にはエアコンの機具が吊り込まれていました。工事責任者によると、コンクリートは徐々に硬さを増し、4週間経つと最強の強度になるため、この状態まで待って、コンクリートを支える補助金具を取り外していくとのことです。
  なお、この校舎建設と並行して、現在備品等の最終選定を行なっていくことになりますが、価格・品質を厳正に見極めることにより、素晴らしい学習環境を実現していきたいと思っています。

2009年11月12日

天皇陛下ご即位20年にあたって

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  11月12日(木)は天皇陛下ご即位20年にあたり、1990年に昭和天皇の喪が明け即位の礼が行なわれた日なのです。本日はこれを祝って、東京の国立劇場で政府主催の記念式典が開催され、皇居前広場では民間主催の祝賀式典がとり行なわれます。
  本学園では政府、文科省、兵庫県より、式典当日に各公署、学校、会社その他一般においても国旗を掲揚するよう要望されたことを受け、全教員にこの趣旨を徹底すると共に国旗を学園講堂前に掲揚しました。早朝、少しの間講堂前で登校してくる生徒達の様子を観察していましたが、ほとんどの生徒が国旗に気づかずに通り過ぎていきました。そのため、職員朝礼において各クラス担任からホームルームで生徒達に伝えてもらうようお願いしました。
  振り返れば、平成元年は世界史的に見てもエポック・メーキングな年であったと思います。ヨーロッパにおいてはベルリンの壁が崩壊し冷戦の終結と共にソ連の解体が始まりました。そして、一挙にグローバル化の波が押し寄せ、世界経済の枠組みが再構築されるようになったのです。また、中国で天安門事件が起こったのもこの年です。
  日本は1980年代には経済の最盛期を迎えていましたが、バブル経済が崩壊しグローバル化に乗り遅れてしまいました。今の中高生は全員が平成になってから生まれてきており、幼少の頃から閉塞感の中で成長してきました。このため、日本の元気な姿をほとんど見ないまま今日に至っているのではないかと思います。
  天皇陛下は「日本の将来にとっての心配は何ですか」というマスコミの質問に対して、「過去の歴史を忘れしまうことである」とお答えになられたようですが、歴史的事実にはさまざまな教訓があり、それを正しく認識することは未来への備えになるのは間違いありません。
  教職に携わる者が日本の国の歴史をしっかりと把握し、生徒達にこれらを正しく継承していくことが大切であると思っています。

2009年11月11日

読書週間を終えて

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  11月3日の文化の日を挟んだ10月27日から11月9日の2週間は『第63回読書週間』ということになっていましたが、皆さんはどれくらい読書をされましたか。
先日、本校の生徒達の図書室における貸出冊数を調べると過去半年間で平均5冊強で、決して多いとは言えません。また個人差が極めて大きく、概して読書量の多い生徒の学力が高いようです。
  最近、気になるのは年々活字離れが進んできており、本だけではなく新聞を読まない若者も増えてきているということです。この原因は色々考えられますが、テレビを主とするメディアやパソコン・携帯端末の急速な普及が上げられるように思います。私も毎日往復約3時間かけて電車通勤していますが、新聞や本を読むより、携帯端末を操作している人の方が圧倒的に多いようです。この結果、日本人の国語力が急速に低下してしまいました。そして、大学入試においても設問の意味を理解することができないため正答を導き出せない生徒も増えてきているようです。
  読書の鼓吹、図書文化の普及、良書の推薦を目的とした読書週間のルーツは、はるか大正時代(1924年・大正13年)にまで遡りますが、戦争によって一旦廃止されました。そして、戦後間もない1947年(昭和22年)、“読書の力によって平和な文化国家を創ろう”という決意のもと出版社,取次会社、書店、公共図書館、新聞・放送のマスコミ等の関係者が結集して見事に復興し、名称も『第一回読書週間』とされ、翌年の第2回目からは現在の形になりました。以降、「読書週間」は日本の国民的行事として定着し、各家庭においても、幼少の頃から子ども達に本を与えてきたのです。この結果、日本は世界有数の「本を読む国民の国」となりましたが、これまで日本が高い教育水準を維持することが出来たのは、この読書力が大きな要因であるのは間違いありません。
  〝自ら学び、調べ、考える〟という習慣をつけることは生徒達が将来社会に出た時に大いに役立つと思っています。これからも、大いに読書を奨励していきたいものです。

2009年11月10日

研修旅行後記 ~伊江島タッチュー

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  今回の研修旅行で生徒達が2日間滞在した伊江島の中央東寄りには城山(グスクやま)が位置しており、〝伊江島タッチュー〟と呼ばれています。標高はわずか172.2メートルで、山頂まで石段が続いています。石段を登り切るとエメラルド色の海に囲まれた島全体を見渡すことができ、素晴らしい眺望です。この一見何の変哲もないこの山は地質学から見ると極めて珍しいものだそうです。
  伊江島の周辺では島が乗っかっている白亜紀(1億4000万~6500万年前)の岩盤の下に三畳紀(2億5000万~2億1000年前)の岩盤が潜り込んでいます。ところが、この三畳紀の岩盤が滑り込む際に岩盤の一部がはがれ、白亜紀の岩盤に乗り上げ堆積物となりました。そして、今から4000万~3000万年前に隆起し、その後堆積物が永年にわたって侵食され続け、やがて現在のタッチューの姿になったようです。
  このように、ある地盤が潜り込む際に一部が剥がれ落ちて別の岩盤に乗り上げる動きは地質学的には「オフスクレープ現象」と呼ばれており、極めて珍しいものであり、実際に目に見える形で確認された例は地球上で他にはないようです。この事実は、琉球大学の海洋学科の氏家教授を中心とするグループが地層のサンプルを採取し、この中に含まれている放散虫(海の原生動物で年代決定の目安となる)を調べることによって証明しました。従って、現在の伊江島から突き出した形のタッチューは、実は島とは別の時代のもので7千万年も古いということになります。同じように見える沖縄の島々の生い立ちにも色々と興味深いことがあるものだと感じました。

2009年11月09日

伊江島での民泊を終えて

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  退村式の行なわれる伊江港には朝早くから制服姿の生徒と民家の皆さんが次々に到着し、開始時間前には生徒達全員がクラス毎に整列しました。
冒頭、私は感謝の意を込めて次のような趣旨の挨拶をしました。本校は沖縄研修旅行の目的として〝《平和・環境・人との出会い》の大切さを学ぶ〟ということを掲げているが、今回のホームステイを通じて、これらをしっかりと心の中に刻み込むことができたこと。何よりも印象的だったのは生徒達の目がキラキラと輝いていたこと。多くの生徒がもう少しこの伊江島に滞在したいと思っていること。天候にも恵まれ、生徒達にとっては最高の思い出になったこと。来年度も引き続き宜しくお願いしたい。ニヘーデービル(有難う)等です。
  その後、生徒代表によるお礼の挨拶があり、最後に伊江島観光協会の小濱豊光専務理事から「我々を皆さんのお父さん、お母さん、おじいさん、おばあさんと思って欲しい。〝さようなら〟ではなく〝行ってらっしゃい〟という言葉で皆さんをお送りします。」というお話をいただきました。それから出発までの時間にはホストファミリーの方と記念撮影をしたり、抱き合ったり、泣きじゃくるといった感動的な光景が随所で繰り広げられました。
  小濱氏とは色々な話をしましたが、どんどん人口が減ってきており、何とか新たな入村者を迎えたいこと、農地はあるが耕作者が足りないこと、現在二つある小学校も間もなく統合されること、来村した学校での物産販売を拡大したいこと等の思いがひしひしと伝わってきました。
  このたびの民泊にあたっては、伊江島の皆さんに大変お世話になりました。心から感謝申し上げると共にこれからもこの縁を大切にしていきたいと思っています。

2009年11月08日

心のふれ合い

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  沖縄研修旅行において生徒達が最も楽しみにしているのが、伊江島における民泊です。本部港からフェリーに30分乗船して伊江島港に着くと、代表の方々が〝歓迎雲雀丘学園中学校〟の幕を持って出迎えていただいていました。既に港には今回生徒達がお世話になる各民家の方々が集まっておられ、暖かく入村式を行なっていただきました。
  その後、生徒達は4人~6人のグループに分かれ、多少緊張の面持ちでそれぞれの民家に向いました。伊江島は南北3km、東西6kmのピーナツ状の島ですが、人口は徐々に減少し、現在では5千人を割り込んでいます。この島には高校がないため、子ども達は中学を卒業すると、本島の高校で下宿生活を送るとのことです。そのため、中学を卒業するまでに独り立ちできるようにしっかりと子育てをするという話しをお聞きしました。
  いくつかのご家庭を訪問させていただきましたが、まるで自分達の子どもや孫のような気持ちで接していただいているようです。生徒達は短時間のうちに実にうちとけた様子で、既に家族の一員になりきっているように感じました。
  毎年、この民泊を通じて人間の心の暖かさに触れ、家族のありがたさを感じる生徒が数多くいるようですが、今回も素晴らしい経験を積んでくれるのは間違いないと思っています。

2009年11月07日

サンゴの海を守る

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  研修旅行2日目のメインは最初の宿泊地であるホテルムーンビーチのすぐ近くにある恩納村真栄田漁港での環境学習です。今回の学習はふれあい体験学習センター長の桑江良和氏のご尽力で、サンゴの苗づくりと生態観察を行いました。生徒達は各クラスに分かれて交互に、水槽内で飼育されているサンゴやヒトデ,ナマコ等を手にとって感触を確かめたり、船の上から海中に群生するサンゴを観察しました。そして、特殊なセメントの上に細かく切り分けられたサンゴを貼り付ける体験実習を行いました。
 サンゴは高い温度を嫌うため、まず手を冷やしてからサンゴに触れるなどの細心の注意を払って苗づくりを行いました。サンゴの苗づくりを実習体験したのは本校が最初とのことですが、今回生徒達がつくったサンゴの苗は数ヶ月水槽で育てられた後、海の中にボルトを使って植えつけられることになります。しっかりと根づいて、何年か後には大きなサンゴに育っていることでしょう。
 今、沖縄では地球の温暖化によって、サンゴの白化現象が生じてきているため、サンゴを再生しようとする運動が広がってきています。環境保護のためには、このような小さな取り組みを積み重ねていくことが大切です。環境を守るためにやるべきことは数多くあります。生徒達が今回の体験を機に、身近なことから行動に移していって欲しいものです。

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2009年11月06日

沖縄県の概要

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  現在、訪れている沖縄は、人口138万人、県面積は2273平方㎞、国土面積の1%にも満たない県であり、島が南北長くに点在し全長約400㎞にも及びます。有人島だけでも49島、この他無数の島々が点在しています。県花はハイビスカスと思われがちですが、実は「でいご」であり、春先に真紅しい花を咲かせます。皮肉な事にちょうど沖縄戦線の時期に、この花が咲き乱れていたそうです。気候は温帯に属し、一部地域は日本唯一の熱帯(亜熱帯性気候)に属します。温暖な気候と小魚や黒砂糖、ゴーヤ、ウコン等の健康食に恵まれ、長寿の人が多いのも特徴です。また、美しいサンゴ礁に囲まれており、年間客数500万人を超える観光客が訪れることでも有名です。沖縄は本土には見られない自然や貴重な動植物も多く残っており、特に本島の北部にある山原(ヤンバル)の森林を中心に、天然記念物なども多く生息しています。また、その気候を生かしてマンゴーやタバコなどの農作物が作られています。古来、サツマイモやサトウキビなど沖縄を通して本土にもたらされたものも多く、変わったところでは格闘技「空手」もそのルーツは沖縄です。
  歴史を遡ると、既に8世紀から「阿児奈波(おきなわ)」として知られており、現在の「沖縄」という字を当てたのは江戸時代の学者である新井白石だと言われています。沖縄の人々は土地の訛を交えて「ウチナー」といいますが、14世紀頃から中国(明)と交易、次第に日本・アジア諸国との貿易中継地として栄え、小国ながらも400年以上も独立国家(琉球王国)として独自の文化を形成してきました。日本に完全統合されたのは1870年代ですが、敗戦によって一時日本の統治から離れた後1972年に返還され、日本に最後に加わった都道府県となり今日に至っています。
  しかし、長い歴史の中で日中両国による属国支配や連合軍本土上陸の地、戦後アメリカによる軍政支配、そして現在も続いている基地問題等、数多くの悲惨な歴史がある土地であることを決して忘れてはなりません。沖縄の歴史について考え、その文化や伝統を尊重していくことが大切であると思っています。

2009年11月05日

平和の大切さを知る

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  沖縄に到着し、最初に訪問したのは「平和祈念資料館」です。生徒達はここに残されている貴重な資料を見学した後、平和の礎に準備してきた千羽鶴を提げ、沖縄戦線で亡くなられた方のご冥福をお祈りしました。 
  既に太平洋戦争後64年が経過し、戦争体験をした人は年々少なくなり、当時の悲惨な状況を直接語り伝えることが次第にできなくなってきました。とりわけ、この戦争の末期に繰り広げられ民間人を巻き込んだ沖縄戦線においては実に多くの人が尊い命をなくしました。
  現在、恵まれた生活を享受している生徒達は当時の状況を目の当たりにし、別世界の出来事のように感じたのではないかと思います。振り返れば、この戦争によって最愛の夫や子ども、兄弟等を失い、戦火によって焼け野が原になった大地を見つめ絶望感を味わいながらも先人達は懸命な努力を続けてきました。その結果、日本は敗戦国でありながら世界の国々から〝奇跡〟と言われるような経済発展を遂げたのです。
  わが国は平和憲法を持ち、軍隊を持たず、兵器の輸出もしない世界でも稀な国です。しかし、国の防衛はアメリカに依存しているため、現在米軍の普天間基地の移転についての調整に頭を痛めており、日米間の大きな問題になっています。日本の役割は世界の国々に平和を訴えることですが、一方で防衛の基本である〝自らの国は自らで守る〟ための方策を模索していかなければならないという極めて難しい状況にあります。
  今回の経験を機に、生徒達が平和の大切さについて考えるようになって欲しいと思っています。

2009年11月04日

沖縄研修旅行に出発

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  11月4日(水)、朝7時15分生徒達が元気に伊丹空港に集合しました。間もなく8時35分発のJAL2081便で3泊4日の沖縄への研修旅行に出発します。
  本校では毎年中学3年生を対象に「平和」と「環境」をテーマに沖縄への研修旅行を実施しており、これまでの反省を生かして少しずつ改良を加えてきています。
  今回のスケジュールは、1日目が「平和祈念資料館」を訪問した後「首里城」と「マングローブ」を見学、2日目は「環境学習」と「ネオパークオキナワ」の見学の後、船で伊江島に渡り民泊、3日目は家業体験やマリンスポーツ、そして、最終となる4日目は沖縄本島に戻り「美ら海水族館」「ナゴパイナップルパーク」を見学し、帰途につくことになっています。
  伊丹空港で出発にあたって私は生徒達に今回の研修の意義である平和と環境、人との心のふれ合いの大切さについてお話しました。現在、日本では戦争の経験をした人が少なくなり、戦争のない生活があたり前のようになっていますが、わずか60数年前には沖縄では言葉では言い表せない悲惨な戦いが展開されたのです。また、地球環境についても憂慮すべき現象がいたるところに見られるようになってきています。そして、この研修旅行においては集団行動の基本である時間の厳守と規律ある態度をしっかりと守ることをお願いしました。
  今、日本列島には寒波が到来してきていますが、沖縄は幸い良い天気に恵まれ気温も高そうです。生徒達が通常の授業では得られないものをしっかりと心に刻み込み、青春の素晴らしい思い出にして欲しいと思っています。
   (出発前 空港にて) 

2009年11月03日

文化の日の由来

  これまで、この校長通信では日本の伝統や文化について掲載していますが、最近国民の祝日についての関心は極端に低くなってきており、単に休みが増えたという感覚になってきているように感じます。
  本日(11月3日)の文化の日は1948年(昭和23年)に制定された祝日法(国民の祝日に関する法律)によって、「自由と平和を愛し文化を薦める」祭日として定められました。日本国憲法と関係があることを知らない人が多いと思いますが、実は敗戦の翌年である昭和21年(1946年)11月3日は日本国憲法の公布された日なのです。そして、これから半年後の昭和22年5月3日に憲法が施行され、この日が『憲法記念日』に制定されたのです。つまり、現在の日本国憲法の制定にあたっては、公布(広く告げ知らせる)してから施行(法令の効力を現実に発生させる)まで半年の準備期間をおいたのです。日本国憲法は、国民主権・戦争放棄・基本的人権の尊重を基本理念とする、世界に類を見ない平和憲法です。このすばらしい憲法が平和と文化を重視していることから、公布された11月3日を文化の日とし、施行した5月3日を憲法記念日としました。
  この11月3日は戦前には明治天皇の誕生日を祝う日で『明治節』と呼ばれており、また明治時代には『天長節』と呼ばれていました。この名称は中国春秋時代の思想家である老子の「天長地久」という言葉をとって、唐の玄宗皇帝の誕生日を「天長節」としたことに由来しています。
  また、この日はほとんど雨が降らないということで「晴れの特異日」と言われていますが、本日も気温は低かったものの素晴らしい秋晴れの一日でした。

2009年11月02日

沖縄への研修旅行にあたって

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 今週の水曜日から中学三年生が、沖縄の研修旅行に出発します。私も引率の責任者として同行することになっていますが、本日は『旅行のしおり』に掲載した巻頭言を紹介します。

 〝今から7年前に「修学旅行」から『研修旅行』と名前をかえて体験型になった中学3年生の学年行事が実施されます。修学旅行の起源は1886年、東京師範学校の生徒が千葉県を12日間、長期遠足したのがはじまりとされています。鉄砲を持ち、隊列を組んでの行進は鍛錬を目的としていましたが、数年後には一般の学校が伊勢神宮などの参拝に訪れるようになったといわれます。
  さて、本校の研修旅行の舞台は、沖縄戦を学び、マリンスポーツ体験をする沖縄です。沖縄といえば、青い海と美しいサンゴ礁のリゾート地、あるいは先の大戦での悲惨な戦いの島、また、日本にある米軍基地の70%以上が集中する基地としてのイメージでしょう。そして、そのいずれもが沖縄のもつ顔といえます。しかし、それは近代以降の沖縄の顔です。江戸時代までの沖縄は独自の文化をもつ琉球王国という別の国でした。
  今回の研修で、私たちは「平和」と「環境」を学びます。 先の大戦で多くの方が、尊い命を落とされました。今もその心の傷を抱えて生きておられる方もたくさんいらっしゃいます。平和に関する史跡、祈念館も訪問します。伊江島でも島民の方からそういったお話を聞けるかもしれません。今日の日本の繁栄と平和には多くの犠牲の上で成り立っていることを今一度見つめ直して欲しいと思います。
  環境の面で見ると、沖縄は多様な生物が生息する地域です。マングローブ林の観察、サンゴの苗作り、生態観測など、自然とふれあう体験を通じて私たちが住む世界には多くの種類の生物がいることを再認識してもらえたら、と思います。また、ホームステイでお世話になる伊江島では、水資源が乏しく、さまざまな工夫を凝らしています。
  雲雀丘学園中学校の生徒として、沖縄の人、自然、平和とふれあい、この研修旅行が皆さんの心に残る有意義なものになることを願ってやみません。〟

2009年11月01日

第3回中学校学校説明会の開催

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  11月1日(日)、本校において「五ツ木・駸々堂の模擬テスト」が実施されるため、早朝から多くの生徒と保護者が一緒に来校されました。担当の方のお話しでは、今年は新型インフルエンザの関係で受験生は2割近く減少しており、中には試験会場に来ないで自宅で問題を解く児童もいるとのことです。
  このテストと並行して、10時半から本年第3回目で最終となる中学校の入試説明会を開催しました。参加者が少なくなるのではないかと心配していましたが、276組、357人ということで昨年を上回る結果になりました。最初に私からパワーポイントを使って「社会で役立つ力を育てる」というテーマで、これからの世の中の変化や社会で求められる人材について触れた後、学校改革の基本の考え方は創立の精神の体現、つまり〝将来社会で役立つ人材を育てる〟ことであることであり、この教育方針にそってさまざまな新しい取り組みを行なっていることをお話ししました。とりわけ保護者の皆さんに関心の深いコース制の進捗状況や新たに始めた環境教育等について詳しく説明しました。続いて、学校生活の概要をコンパクトにまとめたDVDを見ていただき、最後に入試広報部長から本年度の入試結果と来年度の募集の留意点についての説明を行ないました。
  説明会は模擬テストにあわせて11時半過ぎに終了しましたが、その後学校の校舎と本日練習しているクラブ活動を見学していただきました。ギター・マンドリン部は校舎前でいくつかの曲を演奏しましたが、これには多くの皆さんが立ち止まって鑑賞されていました。本日は説明会終了後も何人かの保護者の方から個別の相談をお受けしましたが、子どもの将来については自分のこと以上に心配されておられる様子が伝わってきました。中学入試は親の入試と言われていますが、是非お子様にあった学校に進学させてあげて欲しいと思っています。
  これで、本年度の3回の中学校入試説明会は終了しましたが、本校ではこれからも個別の進学相談や学校見学にはいつでも応じていますので、ご一報の上お気軽にお越しください。また、ホームページを通じて学校の教育活動の様子を積極的にお知らせしていますので、ご確認いただきますようお願いします。