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2011年04月30日

学園小学校保護者対象進路説明会の開催

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  4月30日(土)、学園小学校のPTA総会後の時間をいただき、進路説明会を開催しました。参加されたのは6年生~4年生の保護者の皆さん約360名です。中高においては、平成19年からコース制の導入を柱とする学校改革に着手し5年目になります。中学においては高校より1年遅れて平成20年に一貫選抜と発展の二つのコース制を導入し、この最初の年に入学した生徒が今年は高校に進学しました。
  本日は昨年と同様パワーポイントを使って『社会で活躍する骨太のリーダーを育てる』というテーマで、お話をさせていただきました。
  
  現在、小学校6年生の子ども達は11年後、5年生は12年後、4年生は13年後には社会人になります。現在、急速にグローバル化が進んでおり、社会は大きく変化してくることが予想されます。これから子ども達は中学・高校・大学に進学することになりますが、立派な社会人となるためには、この間に〝社会で役立つ力〟を育てていくことが何よりも大切です。
  今はともすると大学に入学することが最終目標であるような考え方をする人が増えてきていますが、これからは〝一流の大学を出れば一生安泰〟ということにはなりません。多くの人は企業に就職することになると思いますが、何をしてきたのか、何ができるのかということが重要になってきます。国際競争が激化する中で、真の実力主義の時代になるのは間違いありません。
  『中学受験は親の受験』と言われていますが、中学進学にあたって目先のことではなく将来の進路はどうかという長い目で子どもの育成を考えることが大切です。家庭で是非お願いしたいのは、人間としての根っ子をしっかりと育てるための基本的な生活習慣と学習習慣を身につけさせることです。
そして、中学受験にあたっては必ず学校を訪問し、子どもさんの能力や適性に見合った学校を選んでいただきたいと思っています。

  本日は、約25分間という短い時間であり、十分な説明ができませんでしたが、本校では年間を通じて個別の進路相談に応じていますので、事前にご一報いただき、是非ご来校ください。また、日々ホームページを通じて学校の状況をお伝えしていますのでご覧いただき、忌憚のないご意見をお聞かせください。

2011年04月29日

ゴールデン・ウィークの祝日~昭和の日

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  4月29日(金)、本日よりゴールデン・ウィークが始まりました。今年は東北・関東大震災で多くの部品メーカーが被災し、基幹部品が十分供給されないため自動車やエレクトロニクスメーカーでは大型連休になるところも多いようです。
  学校は暦どおりにしているため、本校も4月30日と5月2日は通常通り授業を行ないますが、何故休みが続くのかを知らない生徒達が多いように思います。私が幼少の頃には、それぞれの家で祝日に日の丸(国旗)を掲揚し、親から〝今日は何の祝日なのか〟ということを聞かされていました。ところが、最近気になるのは祝日でも国旗を掲揚している家はほとんどありませんし、祝日に関する話題も出ないのではないかと思います。
  本日は『昭和の日』ですが、もともと昭和の時代には天皇誕生日という祝日でした。しかし、昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御されたことを受け、年号が平成に改められることになりました。そして、これと共に平成元年からこの日は『みどりの日』ということになりました。その後、〝激動の日々を経て復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす〟という趣旨で『昭和の日』を制定しようという動きが起こり、平成19年に4月29日が昭和の日に制定され、今日に至っています。これに伴って『みどりの日』は憲法記念日(5月3日)とこどもの日(5月5日)の間の5月4日に移され、三連休となっています。
  現在、昭和元年(1926年)生まれの人は85歳です。そして、本校の生徒達はすべて平成生まれとなっています。この『昭和の日』を、昭和という時代の繁栄と苦難を偲ぶ記念日として子ども達に語り継ぐ日にしたいものです。

2011年04月28日

PTA総会の開催

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          授業参観                    PTA総会
 4月28日(木)午後、本年度の実行委員メンバーによる第1回のPTA実行委員会を開催し、会長の挨拶に続いてPTA行事の審議と学校行事の報告を行ないました。また、午後2時半からのPTA総会に先立ち、5時限目を保護者による授業参観の時間に設定しました。新学年になって初めての授業参観ということもあって、多くの保護者が来校され、熱心にお子さんの授業を見学されていました。
  続いて開催されたPTA総会には、例年を上回る260名の保護者の皆さんに参加していただきました。最初に昨年度の実行委員の方に感謝状と記念品を贈呈し、次いで司会から23年度の会長と新委員のメンバー紹介を行ないました。その後、議長を選出し「22年度PTA会計決算報告」「23年度PTA会計予算審議」「23年度PTA行事審議」を行ない、滞りなく総会は無事閉会しました。
  この後、私から学校の教育活動について次のような話をしました。
〝①ここ数年〝新しい学校づくり〟を目指して「学校改革」に取り組んできており、今のところほぼ当初の計画通りに推移しているが、これに満足することなく引き続いて新しい取り組みを展開していきたい。
②学校改革の基本の考え方は「創立の精神の体現」である。創立の精神は〝親孝行な人は立派になれる〟という『孝道』であり、将来社会に役立つ人材を育てるということである。
③学校づくりにおいては「入口」「校内」「出口」の3つを固める『良循環型の学校経営』を基本に取り組んでいる。
「入口を固める」(意欲のある優秀な生徒の確保)については、今年は、中学が696名と過去最高の志願者があり、191名の入学者、また、高校は890名の志願者があり、250名の入学者ということになった。
④「校内を固める」については、人間力を高めるための凡事徹底と共に三学期制への移行や教職員の資質向上、補習授業、パワーアップゼミ・ブラシュアップゼミの充実をはかってきている。
⑤「出口を固める」については、昨年、新しいコース制を導入した最初の卒業生(52期生)が国公立大学に50名、関関同立161名という多数の合格者を出した。今年は更に国公立大学55名、関関同立246名、トータル637名と昨年を上回る結果となり、旧帝国大学と神戸大学、医学部医学科等難関大学に24名が合格した。これは、先生方の徹底した個別指導と最後まで目標を下げなかった生徒達の頑張りの成果である。
⑥「教育環境の整備」については、新校舎が完成し、校庭の芝生化も実現した。
⑦今回の「東北・関東大震災・原発事故」については、今までの私達の生活や物の考え方を抜本的に見直し、生徒達に人の命の大切さや感謝の気持ちを教えていく教育の場にしていきたい。
⑧最後に、本校の基本の考え方は家庭と学校が連携して子どもを育てていくという〝共育〟と学校に集うすべての者が共に学ぶという〝共学〟である。そして、将来の日本を背負って立つ人材を育てていきたい。〟
  
  PTAの旧役員の皆さんには大変お世話になりました。新役員の皆さんには今年1年宜しくお願いします。

2011年04月27日

ダム式経営の大切さ

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  本日、4月27日は松下幸之助氏の命日にあたります。松下氏が亡くなったのは平成元年(1989年)ですから、既に22年が経過したことになります。私はこれまで数々の優れた経営者の思想や行動、エピソード等を自分なりに書き留めていますが、松下氏と現在京都セラミックの名誉会長である稲盛和夫氏については特に関心を持っています。今日はこの二人の初めての出会いについてのエピソードを紹介します。
  それは、稲盛氏が京セラを創業して間もない頃のことです。松下幸之助氏が京都で『ダム式経営」というテーマでの講演をされました。この講演の中で、松下氏は会社を経営するにあたって大切なことはダムを作り、余裕のある時に日々水を蓄えるように、人材、資金、技術等を蓄えておき、これを使って川がいつも一定の水量で流れているように事業を進めていかなければならないと説かれました。そして、講演の後に質疑応答があり、聴衆の一人が「どのようにすればそのような余裕のあるダム式経営ができるのですか?」という質問をしました。
  松下氏は、「その答えは私も知りません。しかし、そのような経営が必要だと思わなければできませんな。」と答えました。これを聞いて聴衆の多くは笑いましたが、稲盛氏はこの言葉に「そうだ。まずダムを作ろうと思う気持ちがなければ絶対にダムはできない。」と深く心を動かされたと語っておられます。そして、これを機会にダムを作ろうと決意し、ついに京セラを世界に冠たるセラミック企業に育て上げることに成功されました。同じ物事をその場にいた人々が見聞きしていたはずなのに、稲盛氏だけがまったく逆の反応をしていたということです。
  二人の共通点は何としても高い目標を達成するという〝ゆるぎない志〟ですが、何事を行なうにもこの志が不可欠であると感じています。

2011年04月26日

注目すべき新資源~メタンハイドレート

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メタンハイドレート

  日本のエネルギーの自給率はわずか18%であり、石油や天然ガスのエネルギー資源の大部分を外国からの輸入に依存しています。しかし、新興国の経済発展により、これらの化石燃料の価格が急騰し、資源の争奪が起こってきており、今後、わが国にとってはエネルギー資源を安定的に確保していくことが非常に重要になってきています。また、近年、これらの化石燃料の大量使用に伴い、過排出される二酸化炭素による地球温暖化という環境問題が生じてきています。そのため、各国は原子力発電にシフトしてきましたが、今回の原発事故でこの動きが減速されるのは間違いありません。また、クリーンエネルギーとして、太陽光、風力、バイオマス等のさまざまな発電が導入されつつありますが、化石燃料にとって代わるくらいの量を確保することは困難です。
  このような状況下にあって、最近注目を集めてきているのが『メタンハイドレート』です。メタン(CH 4 )は最も簡単な構造の炭化水素であり、メタンハイドレートはメタンガスがある条件下(低温・高圧)で水と化合してできる白いゼリー状または雪のようなものです。現在、日本近海のオホーツク沖、十勝・日高沖、南海トラフ、四国沖等に大量に存在していることが確認されており、その推定量は日本の天然ガス年間消費量の実に137年分にも相当する膨大な量であると言われています。このメタンハイドレートを有効活用することが出来れば,日本はエネルギー資源を外国に頼らなくて良くなる日が来ると期待されています。また、世界全体のメタンハイドレード埋蔵量は原油埋蔵量の2倍とも推定されており、メタンハイドレートによる天然ガス資源量は在来型天然ガス枯渇時代の次世代を担えるだけの膨大な量にのぼるのは間違いないと考えられているのです。
  日本は国土面積においては世界で61番目ですが、まわりを海に囲まれているため、海洋面積は6番目です。そして、海洋にはまだまだ未開拓の部分が数多く残されています。これからは海洋資源の開発を積極的に行ない、実用化に向けての取り組みを加速させていくことにより、新たな道が開けていくと思っています。

2011年04月25日

人生におけるPDCAをまわす

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  経営の神様と言われた松下幸之助氏によると〝およそ計画を立てて実行するということはすべて経営である〟ということになります。このような視点で考えると、我々一人ひとりのあらゆる行動そのものも経営であり、PDCAが基本ではないかと思います。一日をとっても〝朝に発意、昼に行動、夜に反省〟、一年をとっても〝元旦に発意、その後一年間行動、大晦日に反省〟ということになります。人間の人生というものを大きくとらまえると、〝一生どう生きるか〟ということを計画することも経営と言えるかも知れません。
  本校では「将来、社会で貢献できる人材の育成」を教育方針にしており、学校は社会で役立つ力を育てるトレーニングの場であると位置づけています。このように考えると「社会人としてPDCAサイクルをキッチリ回せる人」を育てることが大切です。ところが最近、気になるのは物事を深く考えず、Planを持たずに行動している人が多いということです。つまり、PDCAのうち、D(Do)とA(Action)しかないということになります。また、この一方でPDCAサイクルが長い、特にPlanのステップが長い人も散見されます。これらの失敗を恐れ過度にPlanに時間をかけるという人は考えるだけで行動しない結果に終わってしまうことが多いのです。
 社会で活躍するためには、PlanしてからDo、Check、Actionという一連の行動が取れる、できれば、頭で考えなくても体がPDCAを覚えていることが大切です。PDCAのサイクルを早く回せるというのは、Planしたら失敗を恐れずにDoに移せるということであり、仮にDoで失敗しても、Checkして、Actionという修正を行なえば良いということになります。
  社会人になると、中間試験・期末試験という定期的な試験も、高校入試・大学入試もありませんが、毎日PDCAのサイクルを意識しておかなくてはなりません。中学・高校時代に是非、日々のPDCAのサイクルをまわす習慣をつけて欲しいと思っています。

2011年04月24日

地震の強さを示すマグニチュード

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  東北・関東大震災が発生してから40日以上経ちましたが、なおも余震が続いており、被災地の皆さんは不安な日々を送っておられることと思います。本校でも募金や文房具等の活動を行なっていますが、一日も早い復興をお祈りすると共に今後も現地と連絡をとりながらできる限りの支援活動を続けていきたいと考えています。
  ところで、テレビの地震速報には「マグニチュード」と「震度」という言葉が表示されるため、この関係が十分理解できていない方も多いようです。
  地震の強さはマグニチュードが使われており、一般的にはマグニチュードが大きいほど、揺れが大きくなり被害も大きくなります。しかし、地震が発生した箇所によって、マグニチュードが大きくても被害が小さい場合もあれば、反対に小さくても大きな被害をもたらすこともあります。阪神淡路大震災のマグニチュードは7.3でしたが、深さ20キロの内陸で発生したため、震度7という大きな揺れに繋がったのです。また、今回のように海の浅い所で発生すると地震の後の津波による被害が大きくなります。
  地球の表面は10数枚のプレートに分かれており、1年に数センチの速さで動いていることが分かっています。そして、日本列島付近はユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの3つが寄り集まっており、地層的には極めて不安定な状況下にあります。そして、日本およびその周辺を見ると、地中には地震等で生じた割れ目に沿って地層がずれた活断層といわれる亀裂が無数にあり、次第に歪みが大きくなると元に戻ろうとする力が働き地震が発生することになります。そして、驚くべきことに地震は1年間に10万回以上、1日では平均300回以上も発生しているのです。このうちM6クラスの地震は1ヶ月に1回、M7クラスは1年に1回、M8クラスは10年に1回の割合で発生しています。
  参考までに、マグニチュードが「1」大きくなると地震のエネルギーは約30倍、マグニチュードが「2」大きくなると地震のエネルギーは約1000倍(≒30×30倍)、マグニチュードが「3」大きくなると地震のエネルギーは約30000倍(≒30×30×30倍)になります。
  今回の巨大地震のマグニチュードは9.0に引き上げられましたが、このエネルギーは、マグニチュード6の地震のエネルギーの約3万倍という膨大な数字になっています。これはスマトラ沖地震に匹敵する規模であり、阪神淡路大震災(7.3)や中部・中越地震(M6.8)、四川大地震(M8.0)、ハイチ地震(7.0)との比較においてもいかに大きなエネルギーであったかがお分かりいただけると思います。

2011年04月23日

注目すべき新技術~都市鉱山で資源を確保

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  日本は広大な国土もなく大した資源もないため、『資源小国』と言われながらも、世界各国から多くの資源を輸入し、これらを製品化することによって経済成長をはかってきました。そのため、金属をはじめとする資源の確保はわが国が「技術立国」としての地歩を固め、世界から認められていくためには不可欠です。
  ところが、最近では、新興国の経済発展に伴って金属資源の需要が急拡大してきました。また、これらは特定の国に集中しているため、生産国の政治、経済の動向が全世界に大きな影響を与えることになってしまいます。とりわけ希少金属(レアメタル)は、主要輸出国であった中国が自国の需要に回すようになる等、国際事情も絡んで、国際価格は急騰してきています。
  そのため、これまではゴミとして捨てられていた産業廃棄物が一躍脚光を浴びることになってきました。つまり、手間暇かけて取り出しても十分採算が取れるようになってきたということです。これは、視点を変えると〝日本は金属資源の大国〟という信じられないことになるのです。この鍵となるのは、家電製品などの廃棄物を金属資源の潜在的な「宝庫」として捉える『都市鉱山』という概念です。日本では、これまでこれらの大部分は産業廃棄物として埋め立て等の方法で処理されていましたが、パソコンや携帯電話等には金やプラチナ等の貴金属類や、パラジウム、インジウムなどハイテク産業に欠かせない希少金属が含まれています。
  近年、工業化の進展に伴い、古いものを捨て新しい物を買い替えるという消費パターンが定着化してきていますが、これからは物を大切にし、限られた資源を再利用する生活スタイルに変えていかなければなりません。そして、『循環型の社会』を形成していくことが大切であると思っています。

2011年04月22日

大阪私学経営者協議会研修会に参加して

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  4月21日(木)、大阪府の私学経営者協議会の春季研修会において『新たな視点で魅力ある私学をつくる』というテーマで講演を行なった後、出席者のメンバーと懇談しました。この研修会は大阪府の私学のトップの方を対象にして、毎年この時期に開催されています。今回の研修会では大きく「労働紛争」「学校づくり」「私学助成」「教職員の労働時間管理」「関西経済」等、時流に即したテーマが盛り込まれています。
  今、私学を取り巻く環境は激変しており、従来の経営手法を踏襲していくことは非常に難しくなってきています。特に、大阪府においては、公立高校の授業料の無償化に伴い、私学助成のあり方が大きく見直されることになりました。具体的には、公費負担する上限の年間授業料を58万円に設定した上で、私立高校の授業料の無償化の対象世帯を拡大しようとするものです。 一方、高校への運営補助金については、生徒1人あたりの単価(今年度約28万円)の頭割りで配分されることになりました。この狙いは「中低所得層の保護者負担をなくすことにより、授業料無償の公立高校と同一の競争条件にする」ということです。
  この結果、従来の枠組みが大きく変化し、今春の入試においては私立高校へのシフトが進み、公立高校の中には大幅な定員割れになるところが続出することになりました。また、私立においても大規模校とそれ以外の学校では従来以上に大きな格差が生じ、二極化が顕著になってきました。
  大阪府においては、これから公立、私立という枠組みを超えて、同じ条件化で切磋琢磨していくことになりますが、公立と私立ではさまざまなシステム上の違いがあります。いずれにしても、厳しい財政状況にあって、税金という公費がどのように投入され、どのような成果に結びついているのかをしっかりと把握、分析していく必要があると思っています。
  本校は兵庫県にあり、私学助成については大阪府とは異なる制度になっていますが、これから一層少子化で生徒数が減少していく中で、生徒や保護者の皆さんにとって魅力のある学校づくりを進めていかなければならないと痛感しています。


2011年04月21日

注目すべき新技術~石油を作る藻

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筑波大学が発表。バイオ燃料に適した藻。


  今、世界では新興国が著しい経済成長を遂げる等大きく変化してきていますが、その一方で新しい技術が続々と生まれてきています。ところが、現状はこのような情報がなかなか一般の人に伝わっていません。そして、暗い情報ばかりが報道されるため、どうしても日本人全体が将来に対して夢や希望を持ちにくくなってきているように感じています。「最近の若者は・・・」という話を聞きますが、残念なことに大人も含めて「日本の将来は暗い」と思っている人が圧倒的に多いのです。
  私は生徒達に対して「夢や目標をしっかりと持つ」ことの大切さと同時に、色々な成功事例や新技術についての話を伝えるようにしています。先日の高校1年生のオリエンテーション合宿においても、企業のユニークな取り組みやこれから注目される新技術について紹介しました。これらを順次、このブログで紹介していきたいと思います。
  最初は「石油を作る藻」の話です。藻類の中には水中の有機物をもとに炭化水素を作り、細胞内に取り込む性質を持つものがあることが知られており、多くの機関において研究が進められてきています。そして、これまでこれらの性質を有する複数の藻類が確認されていますが、今回筑波大学の研究チームが「オーランチオキトリウム」という単細胞の藻に注目し、東京湾やベトナムの海等で計150株を採取し、これらを分析した結果、沖縄の海で採れた株が従来の10倍以上も高い油の生産能力持つことが確認されました。この藻は海水や泥の中にすんでおり、球形で直径は5~15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)という極めて小さいものですが、同研究チームの試算によると、面積1ヘクタール、深さ1メートルのプールで培養すれば、年間約1万トンの化石燃料である重油に相当する炭化水素を作り出すことが可能であるとのことです。この試算どおりに油が生産できるようになれば、約2万ヘクタールの生産設備で現在の日本の石油輸入量に匹敵する生産量が確保されることになります。これは現在の日本の耕作面積460万ヘクタールのわずか0.5%に相当する広さです。
  また、この藻は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水等を浄化しながら油を生産できるという一石二鳥の構想も浮上しているのです。
今回の大震災によって多くの耕作地が失われると共に原子力発電所の事故によってエネルギー政策の見直しが迫られる中で、このような新たな取り組みを加速していかなければならないのではないかと思っています。
 

2011年04月20日

本年度最初の全校朝礼

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  4月20日(水)、昨日からの雨が降り続き、校庭の状態が回復しないため、当初予定していた避難訓練を中止し、体育館で本年度最初の全校朝礼を実施しました。生憎、JR宝塚線の車輌故障のためにダイヤが大幅に遅れることになりましたが、校長講話の時間に何とか到着し、次のような話をしました。
  〝今回の大震災では亡くなられた方が13,000人を超えました。また行方の分からない人もほぼ同数あり、数多くの尊い命が失われることになりました。そして、この中には皆さんと同じ中高生や児童の約500人が含まれています。彼らは自分の将来に対する夢や思いを叶えることができず、人生の幕を閉じることになり、本当に残念だったと思います。皆さんは、是非彼らの分まで頑張って欲しいものです。また、震災後40日経過した現在でも、なおも避難所での生活を続けている人が約13万人もおられます。この間、暖かい食べ物や衣服も十分行き届かず、お風呂にも入っていない人もたくさんおられるのです。
  この一方で、皆さんは三度の食事をとり、暖かい衣服を身にまとい、毎日ゆっくりとお風呂に入り、電気・ガス・水道の完備した住居で快適な生活を送っています。そして、スーパーに行ってお金を出せば色々なものが手に入ります。皆さんは、このような生活をあたり前のように思っていませんか。人間はお互いに助け合って生きています。よく『生きる力』と言われますが、皆さんは自分ひとりで生きているのではありません。他の人から支えられて『生かされている』と考えることが大切です。そして、日々の生活に対して是非感謝の気持ちを持って欲しいと思います。
  本校では「将来社会で役立つ人材」を育てることを目指していますが、今回の大震災を通じて、世の中に役立つ仕事がたくさんあることが分かったのではないかと思います。そして、困っている人を助ける、人に喜んでいただくという視点に立って、これからやりたい仕事を見つけ出し、その上で、大学でどのような専門能力を身につけていけばいいかを考え、進学を決めてください。〟

  今回の大震災を機に、日本全体がこれまで取り組んできた多くのことを見直していくべきであると思っています。これから生徒達が命の大切さや将来の進路について、自ら考え、行動する姿勢を身につけていってくれることを願っています。

2011年04月19日

学校経営~危機感の醸成をはかる

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  経営という視点でとらまえると、昨今は企業だけではなく商店、病院、国、地方自治体、学校等あらゆるものが二極化してきていることが分かります。経営はよく生き物や人間の体に例えられますが、この意味するところは良い方に回転し出すとプラスのスパイラルが生じ、成長が加速しますが、悪い方に向かうとマイナスのスパイラルに陥り、急速に衰退してしまうということです。そして、極端な場合には消滅してしまうことにもなりかねません。
  留意しておかなくてはならないのは、昨今時代の変化が速くかつ大きいということであり、このような時には格差が拡大するということになります。従って、環境の変化をいかに〝芽生えの段階〟で迅速につかみ、的確な手を打つかということが大切になってきます。そして、常に経営体質を強めるさまざまな取り組みを心がけなければなりません。そうしないと、気がついた時には「手遅れ」ということになってしまいます。
  今、経営が順調なところは、概して経営トップや幹部が常に危機感を持って、積極的に行動しています。即ち、経営環境やありのままの経営実態を従業員に知らせることにより、職場風土の活性化と意識改革をはかると共に気がかりなところがあれば早急に手を打っています。逆にうまくいっていないところは、必ず経営トップが「自分の在任中だけは」「何とか波風を立てないように」「無難に大過なく」という姿勢で経営に当たっており、経営改革が後送りになっています。
  このことは学校についても、そっくり当てはまります。「このままでは駄目だ。何とかしなければ」と感じながらも「まだまだ大丈夫だろう」という甘い考えで、適切な手を打ってこなかったために、手遅れになり再起不能な状況に陥ってしまったというケースが数多く見られます。大きくとらまえると、日本はこれから少子化がますます加速し、児童・生徒数は減少します。これは取りも直さずパイが小さくなるということであり、本物志向が強まるということです。この結果、生徒や保護者にとって魅力の感じられない学校は淘汰されていくことになるでしょう。
  本校は現在、学校改革を進めており徐々に成果が出始めていますが、やっと第一ステージが終了したばかりです。そして、今年からいよいよ第二ステージがスタートすることになります。引き続き、さまざまな経営革新・マネジメント改革を推進していきたいと思っています。

2011年04月18日

「チャレンジ25学校チャレンジャー」制度で優秀賞を受賞

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 本校では人間教育の柱として、さまざまな環境活動に取り組んでいますが、この度、環境省が中心となって推進している「チャレンジ学校チャレンジャー」制度の優秀校に選ばれ、表彰を受けました。この制度発足にいたった経緯は次のとおりです。
 地球温暖化防止のために2005年2月16日に「京都議定書」が発効し、日本は2008年から2012年の間にCO2などの温室効果ガス排出量を1990年にくらべて6%削減することが義務づけられました。更に、2009年9月、当時の鳩山総理大臣がニューヨークの国連気候変動サミットにおいて、我が国の目標として、温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減することを表明しました。そして、政府では、地球と日本の環境を守り未来の子どもたちに引き継いでいくため、「チャレンジ25」と名付け、あらゆる政策を総動員して地球温暖化防止の対策を推進することを決定し、2010年1月14日より温暖化防止のための国民的運動「チャレンジ25キャンペーン」を展開してきています。
 これを受けて、環境省が中心となり、全国の小学校・中学校を対象にした「チャレンジ25キャンペーン」の拡大を目指し、チャレンジャー宣言校の募集を行なった結果、全国の231校、93,150名の児童・生徒からのチャレンジャーへの応募がありました。そして、この中から最優秀校5校、優秀校20校が選ばれました。表彰を受けた25校のうち、近畿地区では京都市立峰ヶ岡中学校と本校の2校のみです。
 先日の東日本大震災で、原発の安全性についての懸念が広がり、地球環境に対する関心は薄らいできているようですが、地球温暖化は依然として看過できない人類全体の課題です。これからも、引き続いてCO2削減に向けた環境活動を推進していきたいと思っています。


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2011年04月17日

学校経営~目標チャレンジ制度の効果的な運用

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  本年度最初の職員会議で『平成23年度の学校経営計画』と共に、すべての先生の担当を最終的に発表しましたが、これを受けて教職員が同じ方向に向って行動していかなければ計画を達成することはできません。私が初めて大阪府立高校の校長に就任した時、〝「教員は一国一城の主」という言葉があるのを知っていますか〟ということを聞き驚いたことを覚えています。その後、大阪府では評価育成システムが導入されましたが、このシステムの本来の趣旨が理解されず、「評価される」ということだけに議論が集中し、反対する動きが生じることになりました。そして、いまだにこのシステムが十分に定着せず、学校経営に生かされていない状況も散見されます。
  
  先生の仕事は裁量性が大きくマニュアルどおりにやれるというものではありませんが、各人が思い思いに仕事を進めていくということでは大きな成果には結びつきません。共通の目標を達成するためには、いかに衆知を集められるかがポイントになってきます。
  現在、本校においては『目標チャレンジ制度』が導入されていますが、この最終目的は〝学校を活性化し、生徒の育成をはかる。そして、各先生が目標を達成することにより成長していく〟ということです。言い換えると、より良い学校づくりを目指していくということです。
  これからのステップは、まず一人ひとりが本年度の自己目標を設定する。次に、これを受けて校長・教頭と教職員の間で何を重点に取り組むのかという話し合いを行ない、それぞれの仕事の意義や進め方、目標というものを相互確認する。そして、進捗状況を定期的に確認していくということになります。
  この仕組みが定着することで、学校は更なる飛躍がはかれるものと思っています。

2011年04月16日

平成23年度学園PTA協議会の開催

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  4月16日(土)午後、学園PTA協議会が開催されました。この催しは例年年度初めに開かれており、出席メンバーは中・高等学校、小学校、幼稚園の新・旧の各PTA会長・副会長と、事務局の幹部、校園長、教頭等です。私は午前中、学校法人報徳学園の創立百周年の記念式典に出席していたため、途中から参加しました。
  この会議では最初に各出席者の紹介の後、昨年度の会計報告、本年度予算の承認、続いて各校種より近況と本年度の取り組み計画について報告することになっています。
  その後、懇親の場が設けられ、校種を超えて中・高等学校、小学校、両幼稚園の役員の方々とも色々と意見交換させていただきました。普段はこのような機会はほとんどないため、校種を超えた交流を深めるという意味では実に有意義であったと思います。
  本校では将来、社会に貢献できる人材の育成を目指して、さまざまな教育活動に取り組んでいますが、このビジョンを実現するためには、現在の各校種における教育活動のレベルアップを図っていかなければなりません。また、日常多くの中学生、高校生と接していて感じるのは家庭教育の大切さです。とりわけ幼少の頃にどのような育ち方をしてきたかによって物の考え方や行動パターンが決まってきます。本学園は家庭と学校が連携して子ども達を育てていくという〝共育〟を基本の柱に掲げていますが、幼少の頃に人間としての基礎をつくっておくことが何よりも大切であると思っています。
  昔から〝三つ子の魂百まで〟と言われていますが、幼い時に身についた基本的な性質や習慣はなかなか変わらないものです。そして、大きくなればなるほど、これらを修正するのは難しくなってきます。そのため、中学生、高校生では既に手遅れになっているというケースも散見されます。
  最後に、旧PTAの役員の皆さんには色々な面にわたってご支援をいただき心より感謝しております。
また、本年度は新たな飛躍を目指す年になりそうです。PTAの新役員をはじめ保護者の方々には今後とも何かとお世話になることが多いと思いますが、何卒宜しくお願いいたします。

2011年04月15日

日本の偉人~二宮尊徳④

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  これまで二宮尊徳について3回にわたって紹介してきましたが、これが最終回です。

  尊徳は一生のうちに数々の事業を行ない、これらをことごとく成功に導きましたが、彼の事業の進め方には共通点があったようです。その共通点は〝まず問題の地方の中から最も貧しい村を選び、すべての力をそこに集中するというやり方です。次に、その村の復興のためにその村の中で最悪人と言われている者を改心させることに注力しました。つまり、誰もが最も難しいと思っていることに果敢に挑戦したのです。これがクリアできると、後は自然に良い方に向かう力が働いて、復興に成功することになったようです。
  彼は「この方法を使えば全国を復興することができる。復興するには、これ以外に方法はない。」と身近な人に語っていたそうです。更に、金次郎は改革を実践するにあたって、自らその先頭に立って、現場を指導して回りました。そして、立てた計画を最初から最後まで責任をもって遂行するというスタイルを通したのです。やがて尊徳の成し遂げた復興の実績を参考にしながら、報徳の教えを実践するために地主や豪農が中心となり村民の自主的な組織である報徳結社が各地に設立されることになり、大きな成果を上げることになったのです。
  その後、明治時代になって、二宮尊徳(金次郎)は、経済行為の基礎としての道徳を説いたという点や孝行、学問、勤勉、精励、節倹等の多くの徳を備えた人物として、取り上げられることになりました。そして、昭和初年以降には、小学校校庭の「負薪読書」の金次郎像も一般化することになったのです。

  私も久しぶりに二宮尊徳の伝記を読み直して、戦後日本人が忘れかけてきている精神的な支柱の大切さを痛感しました。また現在、日本は大震災と原発事故からの復興という大きな試練の中にありますが、単に元に戻すという考え方ではなく、新たな視点に立って抜本的な手を打っていかなければいけないと思っています。

2011年04月14日

オリエンテーション合宿を終えて

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  一泊二日のオリエンテーション合宿も無事終了しました。今回何よりも嬉しかったのは、一人の欠席者もなく全員が参加し、最後まで節度のある団体行動をしてくれたことです。本校は中高一貫校ですが、高校で100名以上の生徒が公立中学から入学してくるため、内部中学出身者と外部中学出身者が同じクラスで高校生活を送るということになります。従って、良好な人間関係を構築し、クラスや学年が一つにまとまるということが極めて大切です。今回の合宿で、生徒達は学習だけではなく、寝食を共にすることで、お互いにかなり打ち解けてきたように感じました。
  また、将来の進路について考える良い機会になったようです。ほとんどの生徒達は現時点において大学進学ということは考えていても、将来の職業までは考えていなかったと思います。しかし、大学を選ぶ際には、まずどの分野に進みたいかということを考えて、学部を選ぶということが大切なのです。
  更に、各教科の先生からもこれからの学習方法や学習に対する取り組み姿勢について具体的な話しがありました。本校においては、指導体制は年々充実してきていますし、新校舎や校庭の芝生化をはじめ素晴らしい教育環境も整ってきています。しかし、充実した学校生活を送り、進路実現をはかることができるかどうかは本人次第です。高校生活のスタートにあたって、意識を切り替えると共にこれからも切磋琢磨することにより、進路実現をはかっていって欲しいと願っています。

2011年04月13日

高校新入生オリエンテーション合宿の開催

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 4月13日(水)、高校新入生のオリエンテーション合宿がスタートしました。
新学期の授業が始まって、まだ2日経過したばかりですが、新入生にとっては学年として行なう最初の行事であり、大きな意義を持つものです。

 この行事の大きな目的は次の3つです。
1.これからの3年間、同じ学年で学校生活を送る仲間との良好な人間関係を構築すること。
2.高校スタートにあたっての、より良い学習習慣を身につけること。
3.将来の進路目標を設定すること。

 8時20分に校庭に集合し、バスで出発。宿舎での開舎式の後、最初に私から、「これからの社会で生き抜く力を育てる~世界、日本、仕事、仕組みが変わる~」というテーマで、”世界と日本のおかれている現状”と”これからの社会で求められる人材”という内容の話をパワーポイントを使って、約1時間にわたってお話をしました。これから、グローバル化が進み、途上国が発展する一方で、新しい技術が続々と生まれています。この技術を使って、新しい「仕組み」や「システム」「商品」が創出されることになります。この結果、働く場は限りなく広がってくるのです。しかし生徒達は、あまりこれらの時代の変化について理解していないようです。従って今回は、数々の企業の取り組みや新しい技術の紹介を行いました。

 本校の生徒達は、ほとんど全員が大学進学を目指していますが、これが最終目標ではないはずです。生徒達が将来の進路を考える上で、今回の話の内容を参考にして欲しいと思っています。
 この内容については、順次紹介していきたいと考えています。

2011年04月12日

学校経営~人材の確保と育成

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  学校には大きく「専任教諭」「常勤講師」「非常勤講師」がおり、さまざまな教育活動を行なっています。このうち、常勤講師と非常勤講師については年度毎に契約更新を行なうことになっていますが、専任教諭については年度毎の契約更新はありません。また、私学の場合には公立の学校と異なり、複数の学校を持つ法人以外では原則として転勤がありません。
  これは、私学の大きな特徴であり、創立の精神の浸透や学校としての伝統の継承といった大きなメリットがあります。また、生徒が卒業後何年かして学校に来ても恩師がいるといったことで母校愛がより一層強まることにもなります。更に、自分の子どもや身内の人に対する母校進学希望にも繋がることになります。現に本校の生徒をとりあげても、保護者が本校の卒業生であるといったケースが多いのです。しかし、物事には常にメリットとデメリットがあります。 
  最大のデメリットは人事の硬直化です。どちらかと言えば、学校は物事を過去の延長線上で行なうという「前年踏襲型」のシステムで運用されています。そのため、ともすると環境が変化していても〝自分達のやっていることは正しくて、最良のやり方である〟ということで変えようとしません。そして、気がつくと世の中の流れに完全に乗り遅れてしまっていたということになってしまいます。しかし、昨今のように環境の変化が激しい時には、常に新たな仕組みやシステム、ツールを導入していかなければなりません。そのためには、一人ひとりが常に外部に目を向けると共に進取の気持ちで取り組んでいくことが大切です。また、風土の活性化をはかるためには、新たな血を導入していかなければなりません。多くの企業で毎年定期異動が行なわれているのは、風土の活性化をはかり、新たな視点で現行のやり方を見直すということなのです。
  本校もこの5年間で多くの先生方が退職され、現時点では約3分の1が新たな先生ということになっています。これらの先生が1日も早く本校の創立の精神や良き伝統を体得する。そして、これまで本校におられたベテランの先生方が自己啓発につとめると共に仕事を通じて新しい先生方を指導していくことが大切であると思っています。

2011年04月11日

お子さんの学校選びにあたって

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  先週、公文教育研究会の依頼を受けて「これから望まれる教育~社会で役立つ力を育てる」というテーマで、小学校の児童を持つ保護者を対象にお話しました。最近、このような講演の依頼が増えてきていますが、時間の許す限り、お受けしていきたいと思っています。

  今、子どもの受験校を絞り込むのに悩んでおられる保護者が多いように感じています。特に中学受験は『親の受験』と言われているように、子どもよりも保護者の意向が反映されることになりがちです。そして、親が希望する中学に入学させるために、小学校の低学年の頃から「詰め込み式の知識偏重型」の教育を行なうという傾向も見られます。しかし、大切なことは人間としてのしっかりとしたものの考え方です。思いやりやまごころ、感謝、おわび、忍耐といった気持、やってよいこととやってはいけないことの見極め、規則正しい生活習慣なのです。そして、学習については基礎・基本をしっかりと習得することです。さらに、学習に対する興味・関心を持たせることが重要なのです。
  また、最近気になるのは、あまりにも身近なことに目を奪われて、大きな視点で物事を見ていない人が増えてきているということです。今、世界は急速に変化してきています。子ども達が社会に出て行く10年後、20年後には、世の中は今とは比べ物にならないくらい大きく変わっているはずです。これらのことを保護者が理解しておくことが必要です。そうしないと、中学・高校を経て大学に進学するということが最終目的になり、卒業しても社会で通用しないということになってしまいがちです。
  
  そのため、私は保護者の皆さんに対しては、できるだけ「これからの社会の動きがどうなるか」ということを取り上げてお話しするようにしています。学校選びについては、お子さんの個性が伸ばせるかどうかをしっかりと見極めてあげることが大切であると思います。そのためには、必ず色々な学校に足を運び、お子さんに向く学校なのかどうかを確認していただくことが必要です。

  本校においては、年間を通じて、入試説明会やオープンスクール、校舎見学会、授業参観等を行なっています。また、随時入試相談も行なっていますので、いつでもお越しください。

2011年04月10日

被災地への支援活動~文房具をおくる

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  本校では、東日本大震災の被災者に対するさまざまな支援活動を行なっています。これまで、生徒会が中心となって校内での義援金募集、宝塚市社会福祉協議会と連携して宝塚駅前での街頭募金を行ないました。その後も、引き続いて校内での義援金募集を続けており、生徒や先生、保護者の皆さんからも協力いただいています。また、先日の卒業式や入学式でも保護者の皆さんからも多くの支援をいただきました。
  現在、日本だけではなく海外からも支援の輪が広がってきていますが、今回の震災に対しては、継続した取り組みが必要です。これから本校においても被災地の要請に応えて支援活動を続けていく予定です。
  さて、今回、宮城県の名取市で救援活動を推進されている方から、子どもたちの文房具が足りず支援して欲しいとの要請がありました。これを受けて、本校では先日の修了式の際に震災の生々しい状況を伝えてくれた、東北大学生の I さんが窓口になって文房具を提供する活動をスタートさせることにしました。そして、昨日の始業式で全校生に文房具支援のための具体的な話をしていただきました。名取市は仙台市の南に位置していますが、震災で亡くなられた方は840名超、行方不明者は約1000名、避難者は1400人超となっています。学校では新学期を迎えていますが、教材も文房具も圧倒的に不足しており、特に「シャープペンシル」「シャープペンシルの芯」「小学生用のノート(大学ノートではなくマス目の入っているもの)」があれば是非提供して欲しいとのことです。また、鉛筆削りが無いため鉛筆が使えないようですので、ご家庭で使っておられない手動式のものが等あれば是非提供してください。

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    宝塚での街頭募金


2011年04月09日

平成23年度対面式、着任式、始業式を終えて

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         クラス発表                  オリエンテーション

  4月9日(土)、生徒達はクラス替えになった新しいクラスでのホームルームの後、体育館で対面式を行ないました。まず体育館に中学2年・3年生と高校2年・3年生が整列、その後新中学1年生と新高校1年生が各クラスのプラカードを先頭に大きな拍手に迎えられて入場しました。その後、生徒会の委員による号令でお互いに向き合い、「よろしくお願いします」と声をかけあい、それぞれ中学・高校の新入生の代表が先輩達に対して挨拶をしました。 
 続いて、私から本年度より新たに着任された先生方を紹介し、各先生からご挨拶いただきました。この新しいメンバーを加え、本年度は専任・常勤・非常勤・事務職員の数は100名になります。そして生徒数は、中学の新入生191名、高校の新入生250名を加えて1269名ということになります。
続いて行なわれた始業式で、私は最初に「挨拶」の大切さを訴え、この4月には雲雀丘学園全体で挨拶推進運動を行なっていることに触れた後、次のような話をしました。
〝最近、色々な人から「雲雀丘学園は良い学校ですね。よく頑張っていますね。」ということをお聞きするようになってきました。確かに新校舎が建ち校庭が芝生化され、素晴らしい教育環境が整ってきたこともありますが、それよりも皆さんの学習面、部活動面、生活面、進学面などの取り組みが評価されてきていると思っています。これからも是非、皆さん一人ひとりが、学校を代表しているという自覚と誇りを持って行動することにより、全員で素晴らしい学校を作っていきましょう。
さて、先日東北地方を中心に、マグニチュード9.0の巨大地震が発生し、多くの人が津波で一瞬に亡くなりました。皆さんと同じ年頃の生徒もこの津波に巻き込まれてしまいました。将来の大きな夢や希望を持って頑張っていた生徒の皆さんにとっては本当に残念だったと思います。そして、今もなお避難所生活を送っている人も数多くいます。校舎が津波に流され無くなってしまったり、避難所に当てられているため、授業を再開できない学校も数多くあります。皆さんは今回の震災で、日頃あたり前のように思っていた生活が、実は多くの人に支えられて成り立っていることがわかったと思います。人間はお互いに助け合って生きているのです。このように考えると社会で役立つ仕事はいくらでもあるのです。
皆さんは、今の生活に感謝すると共に亡くなった人の夢や思いを引き継ぎ、是非将来社会で役立つ仕事を見つけ出してください。そして、毎日「明るく元気に生き生きと楽しく」充実した学校生活を送って欲しいと思っています。〟

2011年04月08日

平成23年度中学・高校入学式を終えて

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  4月8日(金)、満開の桜が咲き誇る中、第59回中学校と第56回高等学校の入学式を行ないました。
  午前9時半から始まった中学校の入学式には191名の新入生と保護者合わせて約550名が、午後1時半から始まった高等学校の入学式には250名の新入生と保護者合わせて約700名が出席されました。厳粛な雰囲気に包まれ、開式の辞に続き全員起立の上で国歌斉唱を行なった後、入学生の点呼と入学許可、学校長の式辞、常務理事・PTA会長の祝辞、祝電の披露、学園歌斉唱の順で約一時間にわたる入学式は終了しました。
  引き続いて、教頭から新1年生の担任となる先生方の紹介がありました。本日は生憎、小雨混じりの天候のため、講堂内でクラス毎に保護者の方も含めて記念撮影を行ないました。
  写真撮影の後、生徒達がそれぞれ教室に分かれて担任から説明を受けている間の時間をいただき、『保護者オリエンテーション』を行ないました。このオリエンテーションは平成20年度から実施しており、今年で4年目になります。趣旨は本校の基本である家庭と学校が連携して子ども達を育てていくという「共育」、本校に集う生徒、保護者、教職員のすべてが学ぶという「共学」の考え方をより理解していただくものです。そのため、私から『社会で役立つ力を育てる』というテーマで、それぞれ約20分にわたってお話しました。将来社会で活躍していくためには、中学・高校時代にしっかりとした基礎力をつけておくことが何よりも大切です。お子様の入学に合わせて保護者の皆さんにも新たな気持ちで、〝共育〟と〝共学〟について実践していただきたいと思っています。
  新入生の皆さんが明日から〝明るく〟〝元気で〟〝生き生きと〟〝楽しく〟それぞれの学校生活を力強くスタートしてくれることを心より願っています。
  なお、入学式の式辞や保護者オリエンテーションの内容についてはこれから何回かに分けて掲載していく予定です。

2011年04月07日

入学式を明日に控えて

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  4月7日(木)、中学校、高等学校の入学式がいよいよ明日に迫りました。学園の桜も入学式を待ちかねていたように満開になり、昨年の秋に中学1年(新2年生)が植えてくれたチューリップやパンジーにも美しい花が次々に咲き始めています。このチューリップの球根やパンジーの苗の植え付けは、先輩が後輩を歓迎するために毎年続いてきており、本校の伝統の行事になっています。また、校庭の芝生も新芽が伸びはじめ、日毎に緑がかってきており、間もなく緑の絨毯(じゅうたん)に変身していくことでしょう。
  本校では、全員が新年度を気持ちよく迎えることができるように、業者の方にお願いして、昨日までに校舎内の教室や廊下、トイレ等の壁・床の修理や清掃を完了しました。そして、本日は職員朝礼の後、新体制に向けて職員室内の机の配置換えを行ないました。
その後、各教科において授業の打ち合わせのための会議を開催し、続いて講堂において入学式の準備を行ないました。
  明日は、9時半から中学の入学式、午後1時半から高校の入学式を行ないます。天気が心配ですが、新入生が力強く学校生活のスタートを切って欲しいと願っています。  

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     チューリップの球根植え            パンジーの植え付け
 

2011年04月06日

日本の偉人~二宮尊徳③

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  金次郎はさまざまな土地の復興を成し遂げましたが、58歳の時、徳川幕府より日光の復興を命じられました。この日光は徳川家康を祀る日光東照宮のある2万石の神領ですが、高地で起伏に富み、田畑にするようなところは少なく、領民は雑穀を日常に食していました。その上、天明の飢饉(1781-1787)以降、餓死者を多数出し、またこの地を離散する領民も多かったため、ますます人口が減少して耕地も荒れ果てていました。
  この地でまず金次郎が行なったことは、大谷川(だいやがわ)から水路を2里ばかり掘って、これを農業用水に利用する公共事業でした。これによって、荒れ地はたちまち農地となり、領民は自分たちが何をなすべきかという希望の未来が見えるようになり、自分のところに新用水を分けてくれるように申し出てきたのです。
  金次郎は領民に自信を持たせ、動機付けをすることに注力しました。そこで努力する者には直ちに5両、10両の褒賞を与え、どのように励めば豊かになるかを、数字を示しシンプルに語ったのです。

  大きな構想力を持ち、努力する者に対して褒賞し、成功体験を積ませることにより、これを広げていくという方策は、まさに経営そのものであると思います。今は何か新しいことを始めようとすると、すぐにできない理由や難しいという言葉が先行しますが、最も厳しい条件下のものを選んで成功に導き、この小さな成功体験を積み重ねて、大きな成果をあげるという手法は、まさに現代のあらゆる経営体にも当てはまることです。改めて二宮尊徳から学ぶべき点は非常に多くあるように感じています。
                              ≪続く≫
 

2011年04月05日

日本の偉人~二宮尊徳②

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  二宮尊徳(金次郎)の偉いところは、人を恨んだり自分の境遇を嘆いたりせず、努力を重ねたことです。彼には次から次へと困難や災難が降りかかってきますが、その都度不屈の精神で知恵を搾り出して人が手をつけなかった荒れ果てた土地を米が豊かに実る田んぼに生まれ変わらせました。そして、このようなたゆまぬ努力により自分の家を立て直したのです。
  この噂が小田原藩主の耳に入り、下野(しもつけ・栃木県)にある領地の再興を命じられることになります。この地はかつて戸数450、年貢米1万俵でしたが、その時には人口が3分の1、年貢米が5分の1にまで減り、貧乏と共に道徳的堕落がみなぎっていました。金次郎は、自分はただの百姓であり、このような仕事をしたことがないことを理由に、何度も藩主の申し出を断り続けましたが、ついに立ち上がります。そして、「金銭を与え、租税を免ずるのは彼らを救う道ではない。それはただ貪欲と無頼を招くだけであり、勤勉と自助だけがこれらの村を救う道である。」と言って再興に取り組みました。当時のエピソードが数多く残っていますので紹介します。
  ある農村の指導者が農民の信頼を失って金次郎のところに相談にやってきた時、彼はこのように諭したそうです。「自分が儲けようとして、他の人たちのことを考えないのは、動物と同じで人間として失格です。自分が得をしようとする気持ちを捨てて、全財産を村の人たちのために使うなら、あなたはきっと人々から信用されるようになるでしょう。」その指導者はこの言葉を聞いて迷った末に正直に実行しました。彼が全財産を投げ打って村人のために働いている間に、金次郎は自分の蓄えでもって彼の家族を助けたそうです。この結果、指導者は以前に増して豊かな生活を送れるようになったとのことです。
  彼はいつも農民達に「真面目にこつこつ努力すること」「無駄遣いせずに倹約すること」の大切さを語り続けました。そして、金次郎はこの指導者に教えたことを自ら実行に移すことによって、貧しい農村を豊かな村に復興させることに成功したのです。 ≪続く≫

2011年04月04日

日本の偉人~二宮尊徳①

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  このたび、学園の正面玄関近くの広場に二宮尊徳の銅像を設置することになりました。この像は以前学園に建てられていたものですが、学園講堂を建設する際に取りはずされていたものです。最近は二宮尊徳と言っても知らない人が多いと思いますので、紹介したいと思います。正しい読み方は「たかのり」で、通称は金次郎です。

  二宮尊徳は1787年(天明7年)に相模の国(現在の神奈川県)小田原藩の農民の長男として生まれました。ところが暴風雨による洪水で田畑が流されてしまいました。その後父母が相次いで亡くなり、16歳で孤児となり父方の叔父のもとに引き取られることになったのです。そこで朝から晩まで働きましたが、文盲にはなりたくないという思いで孔子の『大学』を買って深夜に読むことにしました。しかし、叔父は貴重な油を使うからという理由で、これを禁じたのです。このため尊徳は持ち主のない川の堤防の上にアブラナの種を蒔き、一年の終わりに一俵の種を収穫し、これを油に代えて読書することにしたのですが、叔父は百姓に学問は要らないということで、この行為も禁じたのです。このため、やむを得ず尊徳は働きながら読書をすることにしました。たきぎを背負って本を読む銅像はこれを写し出しているのです。
  これだけでは苦学したということだけがクローズアップされますが、尊徳の功績は勤勉によって日本の農業のあり方を変えていったことにあると言われています。それでは尊徳はどのようにして改革を行なっていったのでしょうか。これから何回かに分けて紹介していきたいと思います。    ≪続く≫

2011年04月03日

過去最高の大学進学実績を達成

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  この3月末までに確定した大学進学の状況をお知らせします。
これによると、ほとんどすべての内容で過去最高の実績を残すことができました。主なものをあげると次のようになります。
    ①大学合格者総数・・・・・666名
    ②国公立大合格者数・・・・・55名
    ③私立大合格者数・・・・・611名
    ④難関国立大合格者数・・・・ 24名
      (京都2、大阪10、神戸8、北海道3、医学部医学科1)
    ⑤難関私立大合格者数・・・・256名
      (関関同立242、首都圏難関大14)

  昨年は高校にコース制を導入した最初の学年が大学受験に臨み、国公立大学合格者が25名から50名と倍増、関西の難関私学と言われる関関同立への合格者も111名から161名と50%増になり、飛躍的な伸びを示しました。
  今年は新コース制導入後、2年目の学年ということになるため、何とか前年を上回る実績を残したいという思いで進路指導を行なってきました。
  特に重点目標としていた京都・大阪・神戸の3大学の合格者数が20名(現役12名)で、昨年の12名(現役8名)を超えました。また、国公立大学の医学科への現役合格、防衛医大への現役合格、関関同立へは昨年比50%増となる242名の合格等、質・量の両面で昨年を大きく上回ることになりました。
  雲雀丘学園高校は1学年の生徒数も240~260名前後と規模的には大きくありませんが、先生方の努力で一人ひとりの生徒の進路実現を果たすための取り組みが充実しつつあります。大学進学が最終目標ではありませんので、将来の進路をしっかりと決めて大学・学部を選択させていくことが何よりも大切です。
  現在、今年の大学入試にあたっての総括を行なっていますが、この結果を次年度に生かしていきたいと思っています。

2011年04月02日

学校経営~良循環型の学校づくり

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  昨日の経営方針の中でも取り上げましたが、学校経営における基本の切り口としては、「入口を固める」「校内を固める」「出口を固める」という三つが必要です。「入口を固める」というのは学校のビジョンにあった生徒の確保であり、「校内を固める」というのはカリキュラムの充実や魅力ある授業の提供、設備等学習環境の充実であり、「出口を固める」というのは望ましい進路の確保です。
  本校の教育の基本的な考え方は「創立の精神の体現」である〝将来社会で活躍する人材の育成〟です。そのために進路目標をコース別に明示し、生徒の希望するきめ細かい進路の実現をはかることにしています。生徒や保護者にとっては、当然のことながらこの進路目標が達成できているかどうかが学校選択の条件になります。本校では平成19年に高校に新しいコース制を導入し、生徒募集を行ないました。この生徒達が昨年大学受験に臨み、飛躍的な進学実績を実現しました。そして、本年度更に進学実績を伸ばすことができました。まだ最終目標には届いていませんが、「出口」は固まりつつあります。(この内容については順次紹介していく予定です)
  次に、人間力と学力の両立をはかるべく、生徒指導に注力すると共に授業の質的向上をはじめ補習体制の充実や教職員の資質向上につとめています。更に、新校舎の建設や耐震補強、校庭の芝生化等の教育環境の整備を進めてきました。このように「校内」も徐々に固まりつつあります。
  最後に「入口」という点では、ホームページによる学校情報の提供や学校説明会、校舎見学会、教職員全員による中学訪問等の広報活動の強化をはかってきました。このような取り組みの結果、塾や中学、生徒や保護者からの本校の教育活動についての理解は深まりつつあります。そして、本年度の中学と高校入試における総志願者数は過去最高となりました。しかし、本校を取り巻く環境が大きく変化する中で、今後の生徒募集については楽観できない状況が続くことが予想されます。
  良い学校づくりのためには意欲ある生徒を確保し、育て、進路実現をはかる。そして、更にこれらのレベルを引きあげることにより『良循環のスパイラル』をつくり出していくことが必要です。これからも常にこの三つの切り口を示すことにより、現在行なっている教育活動がどのレベルになっているのかを絶えず確認して学校経営を進めていくことが大切であると思っています。


2011年04月01日

平成23年度 職員会議、新任式、合同職員会議の開催

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   4月1日(木)、いよいよ本日から平成23年度がスタートしました。まず10時から中学・高校の全教職員が文化館の視聴覚教室に集合し、本年度最初の職員会議を開催しました。最初に新しく本校に赴任された15名の教職員を紹介し、続いて「新年度にあたって」ということで教育を取り巻く様々な内容についてパワーポイントを使って発表を行ないました。その後、「一人一役運動」の担当、部活動の顧問の発表を行ないました。本校では、特定の人に仕事が集中することを避けることにより仕事の平準化をはかると共に隙間の仕事をなくすために、この運動を推進しています。そして最後に、各分掌や学年から年度初めの諸行事等の報告を行ないました。
  昼食を挟んで、12時45分より、学園幹部出席のもと本年度新たに雲雀丘学園にお迎えした専任・常勤の12名の先生を対象にした新任式を行ないました。本年度は退職者が多かったため、例年に比べて新規の採用者も多くなっており、中学・高校に来ていただくのはこのうちの6名です。新任者の自己紹介に続いて、常務理事から「学園を取り巻く厳しい環境」や「学園創立の経緯」「創立の精神は親を大切にするという『孝道』と『社会で役立つ人材の育成である』「基本方針は第一に人間教育の充実、第二に学力の向上である」「現在、学校改革は徐々に実を結びつつある。この流れを継続して欲しい」「目指すべき姿は関西を代表する素晴らしい学園である」「先生という仕事は素晴らしい。」等の話がありました。その後、各校園長から祝辞を述べました。私は「人との出会いを大切にして欲しい。教師と言うのは生徒の人生を決めるという意味で、実に大切な仕事である。高い志を持って将来日本を背負って立つ子ども達を育てて欲しい。」という話をしました。そして、最後に全員で記念撮影を行ない、新任式は終了しました。皆さんには、それぞれの持ち場で新たな戦力として、新風を吹き込んでいただけるものと大いに期待しています。
  また、13時45分からは、学園の教職員が一堂に会して合同職員会議を開催しました。最初に本学園で30年・20年・10年勤務されている先生方の永年にわたる功績に対する勤続表彰があり、次にこの1年間の取り組みに対して、中学・高校が業績表彰を受けました。全員の努力が報われたということで素直に喜びたいと思います。その後、学園および各校種から本年度の経営方針の発表を行ないました。時間が限られているため詳細な説明まではできませんでしたが、各校種の経営計画の概要は出席者に理解してもらったのではないかと思います。
  大切なことは各校種の教職員が問題意識を持って自らの役割を果たすと共に校種の壁を超えて連携していくことです。学園に集う教職員が一つの方向に向かって行動することにより、更なる飛躍をはかっていきたいと思っています。