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2013年05月31日

第二十四候「麦秋至(むぎのときいたる)」

 きょうで5月も終わりです。4月は高1のオリエンテーション合宿、中1の自然学舎など、新入生の宿泊行事がありました。5月は体育大会に中間考査と大きな全校行事がありました。そして、卒業生が教育実習生として母校に帰ってきています。中体連や高体連を中心とした部活動の行事も行われてきました。毎年同じように過ぎ去っていきますが、内容は毎年違ったものが表れています。
 囲碁部が女子団体の部において、県大会で優勝し全国大会の出場を決めています。中学女子硬式テニスでは全国チャンピオンもでています。その他、地区大会や市大会で多くのクラブが頑張っています。鉄道研究部は各地のイベントに積極的に出かけています。吹奏楽部は初めて高校野球の応援に出かけるなど活動の場を広げています。運動部、文化部とも年々活発の質が変化してきているように思われます。
 6月になると高2が修学旅行にでかけます。今年は例年1泊だったファームステイが2泊になり、より充実したものになります。中学生が取り組んでいる環境活動も中学生自身の手で環境フォーラムを実施します。今年は他校の生徒を招待して行うなど新たな内容も盛り込まれているようです。
 学校は、学習活動を土台に据え、生徒が生き生きと活動できる場が沢山あり、各自がこの分野、この内容では誰にも負けないというものを見つけ出すことが出来るようになるのが理想です。
 きょうは、麦が実り、たわわに黄金色の穂をつける、麦にとっての「秋」、成熟する時を表す「麦秋至(むぎのときいたる)」です。生徒一人ひとりにとっての「秋」に向け取り組む6月が始まります。

2013年05月30日

梅雨も季節?

 近畿・東海に続き関東地方も梅雨入りしました。梅雨入り発表と時を同じくしてというか、その時を待っていたかのような「梅雨らしい空模様」が続いています。明日から週末にかけては何とか雨はもちそうですが、週明けには梅雨空が戻ってくるようです。来週から高2は北海道へ修学旅行に出かけます。本州は梅雨の時期ですが、北海道には梅雨がありません。新緑の美しい北海道で修学旅行を満喫して欲しいと思っています。とは言え、北海道にも本州の梅雨によく似た「蝦夷梅雨」と呼ばれるものがあるそうです。屋外での活動が多くありますので好天に恵まれることを祈っています。
 今年の梅雨入りは例年に比べ、10日程早いそうです。この時期に降る雨が少ないと「空梅雨」になり、水不足になったりします。また、長雨が続くと日照不足になり農作物に大きな影響が出たりします。何れにしても困ったものです。梅雨は梅雨らしく雨が降らないといけないということになります。それにしても、7月の下旬までの1月半が梅雨の時期になります。結構長い期間です。そこから、日本は四季の国ではなく、五季の国(春・梅雨・夏・秋・冬)だという考えもでてきているそうです。しかし、日本には古来から二十四節気や七十二候といったものがあります。季節を4つか5つどころではなく、24や72ほど細かく感じる感性を持っていたということになります。脱帽です。何気なく通り過ぎているものも、違いや変化をシッカリ見極める目や感性は昔の人のように持ちたいものです。

2013年05月29日

高2環境講座


 本校は環境教育に力を入れています。各学年で実施される行事を環境という切り口でその内容をより深めることを行っています。その内容に応じた環境講座を事前学習として行っています。きょうは高校2年生の修学旅行にむけての環境講座を行いました。
 修学旅行での環境の取り組みとして「感響プログラム」を位置づけています。このプログラムの企画立案に携わっていただいている(株)スポートピアの細谷氏を北海道占冠村(しむかっぷむら)からお招きしての環境講座です。新緑に包まれた山の中に咲く桜が映るスライドを提示して、「これは昨日の風景です。北海道は今、桜が咲いています」、という説明から始まりました。活動の舞台となる占冠村は、北海道のほぼ中央に位置し、村の94%が森林で、近くのコンビニまで約40km、村内の信号機が4基、人口は約1200人、牛が1050頭という村の概略と、占冠はアイヌ語で「とても静かで平和な上流の場所」を意味するという説明を受けました。その後、「源流から海へ」、「森の声を聞く」、「森の民アイヌに倣う」、「ヒグマの森作り」、「エゾシカの保護管理に学ぶ」の5つの「感響プログラム」の内容とそのねらいについて詳しく説明していただきました。
 生徒は、5つのうち1つを選択することになります。自分が選んだもの以外の内容については、きょうの学習で知ることになります。事前学習を踏まえ、現地での体験を生徒同士で交流し合い、より内容が深まることを期待しています。

2013年05月28日

入梅

 先週までの良い天気と打って変わって、今週は雲行きの怪しい天気が続きそうです。気象庁はきょう、例年より早く近畿、東海地方が「梅雨入り」と発表しました。上空1万m付近を吹いているジェット気流が北上したとの判断からのようです。天気図には梅雨前線が見あたりませんが、梅雨に入ったのでしょう。例年、5月下旬頃の雨模様をさして「走り梅雨」というものがありますが、今年はいきなり「梅雨入り」ということになりました。
 暦の上で、今は、あらゆる生命が天地に満ち始める頃といわれる「小満」です。この近辺では田植えが終わっていますが、間もなく、稲など"穂が出る穀物の種を蒔く"という、「芒種」になります。昔から入梅は、この「芒種」から5日目、「立春」から数えて135日目にあたる6月11日頃の時期といわれています。まだ少し先の話です。ところが、今年の梅雨入りは早く、梅雨の期間は長くなるとの予報があります。期間が長くなれば、雨量も例年より多くなると予想されます。梅雨といえば、「しとしと」というイメージが定番でしたが、最近は短期集中の「豪雨」というイメージの方が強い感じがします。昨年も、豪雨による被害が出た地域もあります。気象状況によってはどこの地域に起きてもおかしくないといわれています。「対岸の火災視」してはいられません。
 この時期に降る雨に、卯の花の咲く頃に長く降り続ける雨から「卯の花腐し(うのはなくたし)」や「五月雨(さみだれ)」などの美しい呼び名があります。雨に関する言葉がいろいろありますが、小さな努力でも根気よく続けてやれば、最後には成功する事を表す「雨垂れ石を穿つ(うがつ)」、が私は好きです。

2013年05月27日

「涙の初優勝」

 本校では、多くの生徒が部活動に参加しています。年々活発になってくるとともに、全国レベルで活躍する生徒もでてきています。そのような中で、近年の特徴として、「この部に入りたいので雲雀丘学園を志望しました」という生徒が入学してきています。もちろん、部活動だけをするために入学してきているのではありません。雲雀丘でシッカリ勉強しながら部活動も頑張りたいという意味です。
 その中の一つに女子硬式テニス部があります。この部は10年以上連続して全国中学校体育大会に出場しています。この部に所属する中学3年生のIさんが、千葉県で行われた全国選抜ジュニアテニス選手権大会、14歳以下女子シングルスの部に出場し、見事優勝を果たしました。この大会は全国の強豪、32名の選手によるトーナメント方式で行われます。今回は第一シード選手としての出場です。これまで、何度となく全国大会の決勝進出を果たして来ましたが、あと一つが勝てなく悔しい思いをしていたようです。それを打ち破り、「涙の初優勝」を果たして寛仁親王妃牌を獲得しました。このIさんもテニスと勉強の両立を図りたいとして入学してきた生徒のひとりです。過去に全国高校囲碁選手権で優勝した生徒もいますので、全国チャンピオンが二人誕生したことになります。いずれも女子です。
 全国大会で優勝とまでいかなくとも、市や地区大会、県大会で頑張っている部が増えてきています。自らの意志で選んだものに全力を投入するという経験は、何ものにも代えがたいものを得ることが出来ます。部活動はそれを経験させてくれる一つであることに間違いありません。

2013年05月26日

フェアープレー精神

 日本国内でゴルフの試合が行われていた時の事です。日本人選手と外国人選手が優勝争いをしている時に、外国人選手のミスにギャラリー(観客)が拍手をしたそうです。数年前のことだったと思います。日本人選手が勝って欲しいと思ってのことでしょう。しかし、相手選手はもちろん、日本人選手もその行為に嫌な思いをしたと同時に、日本はまだまだ「ゴルフ後進国」だと思ったそうです。アメリカでは、どこの国の選手であれ、良いプレーにはギャラリーが惜しみない拍手を送るようです。
 スポーツはお互いに相手の人格を尊重し、正々堂々と競技するものです。柔道や剣道などの武道は「礼に始まり、例に終わる」という言葉で表現しています。剣道の試合では、相手の人格を無視するよな言動があった場合は「反則負け」になります。また、応援をする場合は拍手のみとされています。声を出して指示をしたり、応援することは禁止されています。
 これから、部活動の試合や大会が多くなってきます。競技によって応援の仕方は様々ですが、応援が自校の選手を勇気づけ、持てる力を遺憾なく発揮することが出来るようになる上で大切な役割を果たすことは間違いありません。応援も重要な「戦力」です。日頃の鍛錬、厳しい練習の中で習得した技術や精神力を発揮して力一杯戦う。応援する者もその素晴らしい技に惜しみない拍手、応援を送るところに心を打つもの、感動があるのだと思います。お互いが最高の力を発揮しての試合は、お互いにとってプラスになるはずです。高校野球で相手校にエールを送る応援があるように、選手だけでなく応援者にもフェアープレー精神が大切です。

2013年05月25日

灘校新校舎竣工記念式典に参加して


  野依先生記念講演
 きょうは灘中学校・灘高等学校新校舎竣工記念式典に参加させていただきました。来賓祝辞が東京大学濱田総長、第二部の記念講演がノーベル化学賞を受賞された理化学研究所の野依理事長、いずれも同校の卒業生です。学界をはじめ官界、政界や産業界などあらゆる方面で活躍されている方をたくさん輩出されている同校の偉大な業績を再認識しました。
 建学の理念に基づき校地を移転せずに、仮校舎をつくらず新校舎の建築と生徒や教職員に愛され続けてきた一号館の改築をされて来たとのことです。伝統と新しいものを融合させた素晴らしい校舎を見学させていただきました。
 第二部の野依先生の講演では、教育の果たすべき役割についていろんな角度から示唆に富んだお話を拝聴させていただきました。最後に、ヨハネスブルグ・サミットでのアナン議長の総括として人類の六つの最優先課題、Water(水)、Energy(エネルギー)、Health(健康医療)、Agriculture(農業)、Biodiversity(生物多様性)とPoverty(貧困)、略してWEHAB+Pを挙げられ、『科学技術は世界の人びとの基本的生存権の保全に貢献すべきである」と締めくくられました。将来の社会を担う若者の育成に教育界が果たすべき役割と方向性を明らかにしていただいたように感じました。
 先陣を切って進んでおられる灘校に敬意を表し、見習うとともに、気概や気構えは負けないものを持ちたいと決意を新たにした次第です。

2013年05月24日

気持ちも筋肉と同じ

 中間考査が終わりました。生徒の職員室への出入りが禁止されたいたのも解かれ、いつもの状態に戻りました。四日ぶりの全校清掃、心なしか浮き浮きした様子です。終礼も終わり、一斉に部活動へと向かいました。
 考査が終了したというのに、中央棟3階にある学習スペースに、一生懸命学習している生徒の姿があります。「試験が終わったところなのに」と声をかけてみると、「私たちは受験生ですから」と返事が返ってきました。高3の生徒たちです。思わず「感心だね。頑張れよ」と声をかけずにはいられませんでした。もちろん、指定席のようにいつも同じところに座って学習している生徒の姿は今日もありました。
 意志力や自制心は筋肉と同じで鍛えることが出来るという考え方があります。筋肉は同じことをしていては鍛えることが出来ません。負荷をかける必要があります。その負荷も筋肉が慣れて来ると負荷ではなくなるので、苦痛を感じない程度に少しずつ大きくしてやる必要があるようです。意志力といった気持ちの部分も、実行する課題をチョットだけハードルを高くし、負荷をかけてやることによって鍛えられるというのです。なにせ、脳はずぼらで、出来るだけエネルギーを使わないようにしようとする習性があるようですから、少し難しい課題だと思わせることによって真剣に取り組むようになるようです。テストが終わってやれやれと思っているところで学習するということは、理にかなっているということかもしれません。「こうなりたい」、「こうしたい」という強い気持ちが、困難な現状を打開していく原動力であり、意志力を鍛えることは間違いなさそうです。

2013年05月23日

知力も体力も

 中間考査もいよいよ最終日を残すのみとなりました。一年生にとっては四日間の長丁場は初めての経験だと思います。ひと月半学習してきたことを総点検するのが今回の中間考査です。明日が終わればそれでおしまいということではありません。答案が返却されると、そこには各自の学習の状態が明示されています。そこからが、大切な取り組みが始まることになります。理解していたつもりがそうでなかったり、重要な事項を忘れていたりしていることが明らかになるからです。いわば、学習の診断結果が下されるのです。診断結果を放置していてはいけません。その結果に基づいて、今後の対策をどのようにするかが重要になってきます。この点はスポーツも同じことです。自分の長所を伸ばし、苦手や補強すべき課題に取り組むから、競技力が向上するのです。
 考査が終了すれば、2週間近く停止していた部活動も再開されます。運動部は県総合体育大会に向けての試合が本格化します。体を慣らしながらのコンディショニングが大切になります。ここでも最高のパフォーマンスを発揮できるように頑張って欲しいと思っています。
 季節は二十四節気の「小満」です。日ごとに上昇する気温に合わせて、万物の成長が著しい時期といわれています。木々も新緑から益々緑が濃くなってきています。「山笑う」から「山滴る」状態になっています。体を動かすにはベストシーズンです。知力にあわせて体力・技術力も成長させる季節にしたいものです。

2013年05月22日

あと2日

 中間考査も2日目が終了しました。考査は午前中で終了しますが、午後からも学校に残って学習している姿がすっかり定着してきました。学習コーナーも指定席になったように同じ生徒が勉強している姿も見られます。回りが一生懸命勉強していると、それに影響され頑張ろうという気持ちになります。集団の力です。家に帰って、一人で学習することも大切ですが、試験中のように時間が沢山ある時は、学校での学習と家での学習を上手く使い分けることも大切なことです。何よりも、学校では、分からないところがあれば、先生や友達に教えてもらえるという利点があります。しかし、試験勉強の基本は独習です。分からないところがでてきたら、自分で考えてみる、それでも分からない時は諦めずに違う角度から攻めてみる、出来るまで何度も何度も挑戦して分かるようになったという経験が必要です。覚えなければならない事項は口に出したり、紙に書いたりといろいろなアプローチをする方が記憶に残ったりします。
 一夜漬けはすぐに忘れるといわれます。しかし、試験中ではそんなことは言ってられません。一夜漬けでも何でも、とにかく覚えなければならないことは覚え切ることです。忘れてしまえば、また覚えれば良いのです。遅かれ早かれ、記憶したものは忘れていきます。繰り返し学習してこそ定着するものです。兎にも角にも、試験中というものは非常事態です。日頃の家庭学習の延長ではダメです。時間も集中力も学習内容も特別なものでなければなりません。あと2日です。今まで経験したことのない学習に挑戦しましょう。この経験が、学力向上の階段を一つ上ることになるのだと思います。

2013年05月21日

二度目の鳥取大学訪問


 昨年の5月、初めて大学と連携した学びの場を求めて訪れたのが鳥取大学でした。丁度一年前になります。これが契機となり、大学を訪問後の僅か3ヶ月後には「サイエンスキャンプ イン 鳥取大学」が実現したのでした。私たちの申し入れに対し、親身になって取り組んでくださったお蔭だと感謝しています。参加した生徒の学習に対する姿勢や学校生活の変化をみるに、この取り組みの役割の大きさを実感する次第です。
 今回の二度目の訪問は、今年からスタートする米子キャンパスにある医学部でのサイエンスキャンプにむけての細部の打ち合わせのためでした。鳥取キャンパスと同様、5つの研究室で実施していただけることになりました。同キャンパスには、新しく完成された手術室や見学室を併設した国内初となるロボット支援手術専用室など最先端の施設や設備を備えた附属病院があります。この様な環境の中で、最先端の研究をされている先生方にご指導いただけることは、中学生や高校生にとっては、何事にも代えがたい経験になると喜んでいます。
 先生方との打ち合わせを終え、キャンパス内を見学している時に、授業を終えて講義室からでて来る保健学科に進学した本校の卒業生にバッタリ出会いました。多くの友達もでき元気に頑張っている様子でした。卒業生の頼もしい姿を見るというお土産つきの訪問になりました。
 お忙しい中、時間を取っていただいた豊島学長をはじめ福本医学部長、産学・地域連携機構長の菅原教授、そして、このサイエンスキャンプの企画立案の中心的役割を担っていただいている産学・地域連携機部門長の田中教授に心から感謝申し上げます。

2013年05月20日

サイエンスキャンプの広がり

 本校は今、第三ステージへ向けての取り組みの柱として、「本物の学び」の追求を目指しています。その中に、大学や研究機関と連携した取り組みがあります。昨年度は、鳥取大学やサントリー生物有機科学研究所で行ってきました。夏休みに中学生や高校生が大学の先生や学生と一緒になって大学の研究室で研究を行うサイエンスキャンプは、鳥取大学鳥取キャンパスにおいて、地域学部の地域環境学科・地域文化学科、農学部の獣医学科・生物資源環境学科の六つの研究室の協力を得て2泊3日で行われました。学問に対する興味・関心を高め、学習意欲の向上を図り、創造性、知的探究心を育てることをねらいとしたものでしたが、その役割を十分果たすことができたと思っています。今年度は、鳥取キャンパスに加え、米子キャンパスにある医学部でも実施していただけるようになりました。入学段階から医学部への進学を目指す生徒が増えてきている現状から、とてもありがたいことだと感謝しています。
 鳥取大学からスタートしたサイエンスキャンプが、今年度は徳島大学、名古屋大学へと広がりを見せてきています。本校の目指す「本物の学び」の主旨を理解し、協力していただけるところが増えてきていると喜んでいる次第です。従来から実施しています「One Day College」と併せ、大学への進学だけを目的とするのではなく、何を学ぶために大学へ進学するのか、将来どういった分野で社会貢献をするのかなどを考えて大学進学を捉えさせる取り組みの大きな柱になると期待しています。

2013年05月19日

「学園を知る会」開催

 本日、「入試結果報告会&学園を知る会」を西宮市プレラホールで開催しました。本校にとっては学外でこのような催しをするのは初めてのことです。このホールのキャパシティは300席とのことでしたが、9時30分の受付開始から続々と来られ、10時の開始時には満席で少し「立ち見」の方もでるという状況でした。
 この会の内容は、「学校改革の進捗状況と雲雀丘学園の目指すもの」、「素顔の雲雀丘学園」と「今年度の入試結果報告と来年度入試の展望」という構成になっていました。平成19年より高校を、翌年から中学校をと学校改革を進めて参りました。その結果、志願者、入学者とも増加し、現在は中学校15、高校21クラスとクラス数、生徒数とも過去最高の数になっていること、入学者の学力も上昇し、進学実績も国公立大学を中心に向上していること、更に、「本物の学び」の追求を柱に次のステージへ向けての飛躍を目指していること、などを話させていただきました。中高の6年間でいろんなことにチャレンジさせ、生徒の持つ多くの可能性を引き出すことにより、「才能を開花させ、夢を叶える」ことをコンセプトにしている学園であることを強調しました。再来年の入試にあたる平成27年度より、中学校は一貫選抜のみの募集を予定しています。それを想定して、来年度募集する一貫、発展の各コースは従来と少し位置づけが変わってくること、高校入試では選抜特進にウエイトをおいた募集になるなどの変更点もありました。
 卒業生や保護者の「生の声」も聴いていただき、「素顔の雲雀丘学園」を知る企画になったのではないか、と思っています。

2013年05月18日

効果的な学習方法は?

 きょうは土曜日、授業は午前中で終わりです。午後からは卒業生が後輩の試験勉強の応援に駆けつけてくれています。それ以外にも、自分で黙々と勉強している生徒、グループで勉強している生徒、先生に質問している生徒など大勢の生徒が残っています。この土曜、日曜が中間考査に向けての書き入れ時です。
 覚えたものは忘れる、だから繰り返し復習することによって定着させる必要がある、いわゆる「忘却曲線」が昨日のテーマでした。この脳の働きは、なかなか厄介なもののようです。脳は自分を守るために、自分にとって重要な情報か否かを判断し、重要でないと判断したら即座に忘れてしまいます。というのは、脳が記憶を長期間保存するためにはエネルギーが必要となります。そのため、情報は極力捨ててエネルギー効率を良くしようとします。だから、覚えることより、覚えないことを得意としているそうです。
 また、脳は達成感を覚えると働きが落ちるといわれています。解けそうな問題をケアレスミスで間違ってしまう、出来そうだと思った所に落とし穴があるということかもしれません。水泳の北島選手はゴール際10mでゴールを意識しないような練習をして好成績を残したといわれています。
 他にも、新しい情報に瞬時に反応したり、環境が変わることを嫌うクセもあるようです。緊張して「あがる」という現象がそうです。この克服法は、普段行っている動作を取り入れることだといわれています。
 要は、「普段と変わりないと思わせ」ながら、何度も繰り返し「これは大切だと思い込ませ」、「もうひと頑張りしようと思わせる」ように脳を「だませ」ば良いだけのことです。

2013年05月17日

重点は中間考査

 いよいよ中間考査が近づいてきました。授業が終わった放課後、多くの生徒が交流スペースや学習コーナーで勉強している姿が見られます。先日の中学朝礼でも話しましたが、今の生活は中間考査を軸に組み立てなければなりません。4日間の考査のスケジュールも明らかになっています。21日から始まる中間考査に全力を傾注するために、生活のスタイルが特別な体制になっているかが問われるところです。今の重点は中間考査です。
 4月から学習したことを総復習して臨む必要があります。今まで学習したことがキチンと整理されて理解し、定着させられているかかが問題になります。学習した時は分かったつもりでいても、もう一度見直すと出来ないことがあります。覚えたものはいつまでも記憶されているわけではないのです。覚えたものは忘れます。しかし、忘れた後に再び繰り返し学習すると忘れなくなり定着していきます。忘れると言っても、脳から完全に記憶が消去されるのではなく、思い出せなくなっているだけだそうです。無意識の世界に保存され「潜在的な痕跡」になっていて、学習を繰り返すとそれが暗記を助ける働きをするといわれています。復習の大切さはここにあります。「努力は嘘をつかない」ということの証明でもあります。また、学習の記憶は、主体性によっても左右されるといわれています。やらされているという気持ちで、しかたなしにするのと、意欲的、主体的に取り組むのとでは大きな差がでるようです。「よし、やってやろう」、この気構えも大切です。
 中間考査を中心に据えた生活が、今求められていることです。

2013年05月16日

多くの評価軸で観る

 広島の民話に「ざるどじょう」というものがあります。大小さまざまなドジョウを大中小に分けようとすると、ヌルヌルしていてなかなか上手く摑めません。わざわざ手で選り分けなくても、ざるの中に放置しておくと、揉み合っているうちに、小さいものが下に、中くらいのものが真ん中に、大きいものが上の方に重なるという話です。自由に競わせておけば自然と強いものが上に、弱いものが下になるということです。弱肉強食、強いものが勝ち弱いものが負ける、動物の世界での競争原理です。
 では、人間の世界ではどうでしょうか。一つの価値判断、基準だけで競うとその能力に長けたものが勝ちます。例えば100mをどれだけ短時間で走れるかということであれば、瞬発力のあるものが勝ちます。でも、マラソンになると100mで勝つものがマラソンでも勝てるかというと、そうとは限りません。もっといえば、走力ではなく他の能力での競い合いになると、また違った結果になります。ここでいいたいことは、一つの尺度だけで判断すると、他にいくら優れた能力を持っていたとしても、判断の材料にはされなく、ダメだという烙印を押されることになります。このようなことになると、せっかくの能力、素質も「宝の持ち腐れ」になってしまいます。また、これは自信がある、得意だと思うことに取り組む中から、苦手だと思っていたことも出来るようになるということもよくあることです。ここが動物の世界と違うところです。「ざるどじょう」になってはいけません。多面的な尺度、多くの評価軸で生徒を観ることが持てる能力を引き出すことになる、と私は考えています。

2013年05月15日

「入試結果報告会&学園を知る会」

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  「入試結果報告&学園を知る会」を5月19日(日)10時より「西宮プレラホール」プレラ西宮5F(阪急電車 西宮北口下車 南へ徒歩1分)で行います。既にHPでお知らせしていますのでご存知の方も多いと思います。校外でこのような「会」を開催することは本校にとって初めてのことです。といいますのも、中学受験については、この5月・6月から受験校の決定を含め来年度入試に向けての準備が本格化してくる時期です。程度の差はあれ、高校受験についても同様にことがいえます。
 また、本校独自の事情ではありますが、高校・中学と進めてきまいりました学校改革が、来年度は重要な時期を迎えます。改革の第2ステージから第3ステージへの工程表の中のポイントになる年ということです。今まで進めて参りました学校改革の基本理念、その上にたっての将来像などをご理解していただけることになると思います。当然、理念だけではなく、募集の形態を含めた入試制度の変更も行います。これらについて、いち早くお知らせするとともに、保護者や卒業生から観た雲雀丘学園の姿を語っていただく企画も設けています。
 来年度の高校入試では、大阪府が学区を撤廃します。その次は兵庫県の学区再編もあります。公立高校を取り巻く環境の変化が、私立中学入試に少なからず影響を与えることになります。これらの動きを踏まえ、私立中学はどうあるべきか、その中で雲雀丘学園の進むべき方向や目指すものは何なのかをご理解していただく機会になりますれば幸いです。

2013年05月14日

同じことにあらず

 「♪卯(う)の花の、匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす、夏は来ぬ」。「夏は来ぬ(佐々木信綱作詞 小山作之助作曲)」です。卯の花とは空木(ウツギ)の花のことで白い花です。木の中心部が空洞になっているので、「空ろ木(うつろぎ)」が変化して「空木」になったと言われています。材質は硬く、木くぎに使われていました。最近では卯の花の垣根は見かけませんが、昔はよく使われていたようで、万葉集に記録が残っているそうです。
 きょうは、爽やかさはあるというものの夏本番を思わせる気候でした。まさに「夏は来ぬ」、「立夏」です。季節の移り変わりを表現するものに二十四節気や七十二候があります。「立春」、「雨水」、「啓蟄」と毎年規則正しく繰り返されますが、内容は毎年同じではありません。昨年の「立夏」は金環日食で大騒ぎでした。今年は、寒暖の差が激しい「立夏」です。同じように季節は移り変わっていきますが、内容はその年々の特徴があります。
 季節の移ろいと同じく、毎年のように体育大会が終われば中間考査がやってきます。一年生にとっては、初めてのことですが、他学年にとっては昨年と同じ対応を今年も繰り返していてはダメです。抱えている課題、克服すべき問題点が変化している筈です。決して同じことの繰り返しでは十分な対応とはいえません。現状の到達点を踏まえ、昨年とは、質も量も違う対応や取り組みが求められています。昨年とは違う自分を、いや昨日とは違う自分を生み出すべく努力をする人間でありたいものです。

2013年05月13日

次は中間考査

 一学期の大きなイベントである体育大会が終わりました。体育大会では、演技種目によって個人やグループでの成績などの違いはあるものの、その積み重ねによって「旗」・「行進」・「競技」の部など学年を超えたクラス間で競い合います。クラスの勝利を目指して力を出し合い、協力する中でクラスのまとまりが強固なものになっていきます。優勝したクラスだけではありません。全てのクラスが体育大会の前と後では違った状態になっていると思います。
 来週は中間考査です。明日からは、考査一週間前になり部活動も中止になります。試験といえば、個々人がどう頑張るかの問題と思われますが、そうではありません。学習や学びも、各個人の努力の上に成り立つ団体戦でもあります。各自の取り組む姿勢や頑張りの様子というものが、クラスや学年の仲間に影響を与えます。各自が持てる力を更に伸ばそうとしているのか、反対に自分で限界を決めてしまいおざなりにしているのかでは大きな違いがでます。「受験は団体戦」といわれる所以もそこにあります。自分の生き方や進路に真剣に向かい合い、それを実現するために全力を出し切ろうとする姿は仲間を勇気づけます。また、そのような仲間の姿から勇気も貰います。このことにより自分でも思わなかった程の力を発揮できる時があります。いわゆる「集団の力」です。
 体育大会、文化祭、合唱コンクールなど沢山の行事があります。これら各種行事の取り組みの中で「集団の力」を養い発揮させることは重要なことですが、「学びの場」において発揮されてこそ本物だといえます。

2013年05月12日

体育大会

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 「抜けるような青空」という表現があります。どこまでも果てがないような透き通った青色の空を形容する表現です。昨日の雨で、木々が洗われ新緑の緑がいっそう引き立っています。まさしく、抜ける様な青空、絶好の体育大会日和です。
 ところが、明け方のグランドは雨の影響で、ぬかるんだ所や水たまりが所々あるという状態でした。体育科の教員を中心に、野球部、サッカー部が水たまりはスポンジで吸い取り、ぬかるんだ所には土を入れるなどのグランド整備と復旧、テント張りやライン引きなどの準備に当たってくれました。懸命の努力の甲斐があって、15分の遅れで体育大会を始めることができました。整然としかも堂々とした入場行進からスタートです。体育大会の様子は各学年のブログに掲載されています。生徒会では高校3年生のエンカレッジパフォーマンスや騎馬戦の様子を「YouTube」でアップしています。一生懸命競技に取り組み、競技者と応援が一体となった体育大会という良き伝統は引き継がれ、益々磨きがかかってきている感を受けます。今年は「旗・行進の部」で中学・高校の一年生が賞を取るなど、新入生の健闘が特徴的な大会でもありました。
 本校の体育大会は5月の連休明けの日曜日になっています。この日は「母の日」でもあります。観覧席の保護者の皆さんに向かって高校3年生が全員で「お母さん、ありがとう」、とお礼の言葉と人文字で感謝の気持ちを表していました。昨年も同様の場面がありました。伝統として受け継がれている感じがします。来場者も年々増え、今年は2,000名を超えました。多くの方に満足感と充実感を持っていただけた体育大会だったと思います。

2013年05月11日

明日は体育大会

 昨日からの雨が、朝には上がったかと思われたのですが、昼前後から結構本格的に降り出しました。昨日の予行も、短縮バージョンで行ったとはいえ何とかできました。きょうの午前中には雨も上がって、午後から明日の準備をすれば丁度良いと思っていたのですが、中々その様に思い通りにはいかないものです。もちろん、天候によっては、日曜日の体育大会を月曜日に順延することも計画の中には入れています。その場合は、日曜日に授業を行うことにしていました。しかし、せっかくの体育大会です。日曜日と月曜日では、見学に来られる方にとっては大きな違いがあります。何事もそうですが、計画通りの日程で、順延することなく行いたいものです。
 予報より遅れたとはいうものの、雨も何とか上がりました。明日は良い天気との予報です。後はグランド状態だけが心配です。ライン引きやその他の準備は、体育科の教員を中心に、明け方からからでも行い何とか予定通りに体育大会を開催しようと決意を固めてくれています。何とも心強いことです。自然を相手では、人間の力は何ともちっぽけなものですが、無力感に浸っているわけにはいきません。「ネバーギブアップ」です。無理だろうからと、簡単に諦めるのではなく、可能性があればとことん追求するという姿勢、「明け方からでも準備をする」という心意気が本校教員の姿勢です。
 とはいえ、明日にならないとどうなるか断定的なことは言えませんが、予定通りスタートできるように全力を尽くします。たかが準備、されど準備です。そこには、物事に取り組む姿勢や心意気、人間性が表れています。素晴らしい体育大会になるものと確信しています。

2013年05月10日

体育大会予行


 きょうは体育大会予行の日です。天気予報は午後から雨との予報でしたが、朝から今にも降り出しそうな空模様でした。グランドには、生徒用のテントがクラス分トラックに沿って張られ、椅子も整然と並べられています。本番さながらの様子です。午前8時30分、体育大会当日と同じ時程で吹奏楽部のファンファーレとともに入場行進が始まりました。
 予行と言えば、段取りや手順を確認するものとの見方があり、形だけのものになり、力を抜いたりしがちです。しかし、本校生は決してそのような様子はありません。一生懸命取り組みます。1400名を超える全校生徒が一堂に会すると壮観です。積み上げられてきた伝統というか、上級生の真面目に取り組む姿勢が下級生に引き継がれてきています。
 一般的に、試合や大会当日に持てる力を十分発揮することは難しいものだと言われます。普段の練習時の力が発揮できないものです。これをどう克服するか、皆が苦労するところです。でも、言えることは練習の時に力を抜いていたり、真面目に取り組まないで、本番の時に力を発揮できる筈がありません。本番を想定して、その時に予想される緊張した場面で、どうすれば持てる力を発揮することができるかを練習の時に試す必要があります。ですから、いろんな場面を想定して練習できるものが、本番で力を発揮することができるということになります。「練習は試合のように」、「試合は練習のように」取り組めれば言うことなしです。
 きょうの予行は、天候の関係で短縮したものになり、十分な練習はできませんでした。が、体育大会では素晴らしい演技を披露してくれるであろうと期待を抱かせてくれる真剣な姿勢でした。

2013年05月09日

一番でなければ

 エクサは10の18乗倍、百京倍の量です。ゼロが18個並びます。とてつもなく大きな数ですが、「京」と言えば、理化学研究所のスーパーコンピュータ(スパコン)の名前です。1秒間に1京(10の16乗)回の演算をするところから名前が付けられています。今では世界で3番目の演算速度だそうです。文科省は次期スパコンは毎秒1エクサ回の性能を目指すとしています。これが実現すれば世界一になるとのことです。地震や津波による被害予測の精度が飛躍的に向上するなど防災分野への活用や新薬の開発など幅広い分野で応用できると期待されているそうです。
 一方、今朝の読売新聞に「『太陽のリング』北限判明」とする記事がでていました。昨年話題になった金冠日食についてのことです。太陽がリング状に見えるのか、輪が途切れて見えるのかの「北限界線」の位置が、米航空宇宙局の「NASAライン」、「国立天文台ライン」と日本の研究者らが提唱した「相馬早水ライン」の計3本があったそうです。観測者の報告をインターネットで募ったところ、明石市からの報告が全国最多で、その結果、「相馬早水ライン」が一番近く、「NASAライン」が一番北に外れていたとのことです。いずれも計算にはコンピュータを使っている筈です。使っているコンピュータの性能の違いによって3本のラインがでてきているのではなく、計算方法や考え方の違いから導きだされた結果の違いだと思います。いくら優れたスパコンでも「何をどう計算させるのか」が大切になります。そこがシッカリしていれば、「二番ではダメなのです。1番でなければ」。

2013年05月08日

5月は雲雀丘学園を知っていただく月

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 天候が心配されますが、今週末12日の日曜日に体育大会を予定しています。行進の練習やクラスの旗作り、各種競技の練習など着々と準備が進められています。毎年のことですが、上級学年がクラスのまとまりや競技内容において、後輩に見本となる素晴らしい演技をしてくれます。後輩も先輩に負けじと頑張るのですが、なかなか壁は厚いようです。良い意味での競争を展開してしています。この様な中でクラスの団結が生まれてきます。今年はどのような展開になるのか楽しみです。保護者はもちろんのこと、本校への入学を希望されている方も見学に来られます。生徒たちの生き生きした姿やひたむきな姿を見て、きっと満足していただけると思っています。
 5月には本校の姿を知っていただく機会がもう一つあります。19日の日曜日に実施する「入試結果報告&学園を知る会」です。午前10時より「西宮プレラホール」プレラ西宮5F(阪急電車 西宮北口下車 南へ徒歩1分)で行います。本校が行っている学校改革、第三ステージを目指した取り組みとはどのようなものか、現状の到達点はどのようになっているのか、それを踏まえての来年度入試の展望などをお話しさせていただくことになります。また、「素顔の雲雀丘学園」と題して、卒業生や保護者の方との対談も企画されています。私たち教員が説明させていただくのとは違った視点、観点からの話になるのではないかと期待しています。事前の申し込みは必要ありませんので、どなたでも参加していただけます。受験をお考えの小学生や中学生とその保護者や私立学校に関心をお持ちの方は、ぜひ参加していただければと考えています。

2013年05月07日

「学びのスイッチ」の起動のカギは?

 連休が終わり、授業が再開です。朝早くから元気な声や音楽が校庭から聞こえてきます。週末に行われる体育大会の練習の様子です。体育大会に向けての練習や準備などがあり、気持ちが散漫になりがちですが、このような時こそ集中力を持って授業に臨む必要があります。
 言うまでもないことですが、授業は先生と生徒によって成り立ちます。そして、先生と生徒では自ずと立場が違います。指導する側とその指導を受けて学ぶ側の違いです。興味付けや引きつける工夫は指導する側の留意点ですが、学ぶ側はただ漫然と聞いているだけでは役割を果たしていることにはなりません。展開されていく授業を聴いているだけでは受け身でしかありません。どう展開されるのか、なぜそうなるのかなど主体的、能動的な姿勢や気持ちで臨むのとでは、大きな違いがでてきます。記憶においても差が出ます。このことは学習だけでなく、運動にも共通することです。監督やコーチから提示された練習のメニューをただこなしているのと、「上手くなるにはこの練習が必要だ」と思ってするのとでは上達の仕方が違うと言われています。学習では「学びのスイッチ」が起動すれば、学ぶ面白さや楽しさが分かり更に深い学びを追求するようになると言われています。その「学びのスイッチ」はどうすれば起動するのでしょうか。待っていては起動しません。自然に起動するものではないのです。起動のカギは、「大切だ」と思い、「意欲的に取り組む」ことだ、と私は考えています。「よし、やってやろう」。この姿勢が、道を切り拓くことに繋がるのではないでしょうか。

2013年05月06日

「立夏」

 「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山」万葉集にある持統天皇の歌です。香具山は持統天皇の藤原京から東南の方向に見える大和三山の一つです。真っ白な衣が干してあるのを見て、夏の訪れを感じて詠んだ歌でしょう。本校も、5月1日から、制服を冬服・合服期間としました。肌寒い日が続いていましたので、合服の姿はまだまだ少ない様子でしたが、これからは、香具山に真っ白な衣が見えるのと同じように、学園にも「白い姿」が多くなって来るでしょう。きょうはゴールデンウィーク最終日です。季節は「立夏」、暦の上では夏になっています。
 また、二十四節気では「立夏」ですが、七十二候では第19候「蛙始鳴(かわず はじめて なく)」になっています。少し郊外に出ると、新緑の美しい山々と、田んぼに張られた水が夏の日差しに輝く光景が見られます。この連休の期間に田植えを済まされたのでしょう。蛙の鳴き声も聞こえてきそうな雰囲気です。いよいよ生き物の活動が活発になる夏を迎えます。人間も然りです。夏にシッカリ体を鍛えると冬に風邪を引かないと言われたりします。活発に動き易いこの時期に、心身ともに鍛え一回りも二回りも大きく成長させるから冬が乗り越えられ、次年度の飛躍が期待できるのです。
 明日から学校生活が再開されます。この休みで、心身ともにリフレッシュできたことと思います。学習活動・行事や部活動など、全ての面で生き生きと活動する姿が見られることを期待しています。

2013年05月05日

「こどもの日」

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 「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日、これが「国民の祝日に関する法律」に定められた「こどもの日」です。きょうは65回目の「こどもの日」になります。
 今朝の新聞各紙が「32年連続で子ども減少」との記事を書いています。総務省の発表によりますと、全国の15歳未満の「子どもの推計人口」は、前年より15万人減少したとのことです。これは、32年連続の減少で、総人口に占める子どもの割合は12.9%になったというのです。米国19.6%、仏国18.6%、中国16.5%、韓国15.6%、ドイツ13.2%などより低く最低水準とのことです。さらに、65歳以上の総人口に占める割合は24.1%と過去最高を更新ということですから、少子化と同時に高齢化が急ピッチで進んでいるということになります。
 年齢構成の歪な状態は短期間でなるものではありません。毎年データを収集して統計処理をしています。変化の様子は手に取るように分かっていた筈で、それに対する対策などを行ってきた上での現状だということです。どこの国であれ、いつの時代でもその国の将来を担っていくのは子どもたちです。その子どもたちがどんどん減少していくということは、その国の未来はどうなるのかは明白だと思います。
 子どもの将来が明るく、期待の持てる社会をつくるのは大人の責任です。歯止めの利かない少子化は、私たち大人が責任を果たしていないことの反映かもしれません。少なくとも子どもたちが夢や希望を持てる学校にしていく責任が私たちにはある、と痛切に感じる次第です。

2013年05月04日

新学年に相応しい学習習慣を

 ゴールデンウィークもいよいよ終盤です。今年は天候にも恵まれましたので、グランドなど校外で行う部活動も十分行えたでしょう。緊張してスタートした新学期の疲れもとれたのではないでしょうか。連休が明けると体育大会、一週間後に中間考査と大きな学校行事が続きます。この残された休暇中に、新学年に相応しい学習習慣が確立されているか各自で振り返って欲しいと思います。
 家庭学習の時間は学年プラス1時間と言われたりします。そうすれば、中学1年生と高校1年生は同じ時間で良いのかということになりますが、これはあくまでも目安です。同じ1時間と言っても集中力や作業量は個人によって違いがあります。ただ、その日に学習した事を復習し、次の日の予習を行うには最低でも2時間は欲しいという事になります。当然の事ですが、平日のことです。受験を控えている高校三年生にとっては、文字通り学年プラス1時間以上欲しいところです。決して連続した時間という事ではありません。細切れでもかまいません。トータルとして一日の生活の中でこれだけの時間をどう生み出すか工夫が必要です。家庭学習の時間をうまく確保している人は、連続した時間をどう生み出すかも大事なところですが、食事までの少しの時間や入浴後の就寝までの時間などの積み上げをうまく生かしています。発想の転換をしてみてはどうでしょうか。帰宅後、就寝までの時間は全て学習の時間とし、その中に食事や入浴などの休憩をどう当てはめるかを考えるという方法です。下校するまでの学校にいる間の時間も含め、新学年に相応しい質と量を備えた学習習慣を確立しましょう。

2013年05月03日

憲法記念日

 「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」。これは日本国憲法前文の冒頭の部分です。昔、中学時代の社会の時間によく暗唱させられたことを思い出します。憲法は、この前文と11章103条から成り立っています。きょうは憲法が施行されて66年目の記念日です。
 憲法と言えば、国も時代も違いますが、最近観た映画「リンカーン」を思い出します。アメリカ合衆国第16代大統領リンカーンは、南北戦争のさなか悲願である「奴隷解放」を実現させるために、アメリカ合衆国憲法修正第13条を議会で可決させることを決意します。下院では3分2の以上の可決を得ることが出来ず失敗していたのものを、粘り強い交渉と議会対策で1865年に可決させます。その後、4分の3以上にあたる36州のうち27州の議会で修正条項が批准され成立していくのですが、その過程での苦悩を描いたものです。アカデミー賞を受賞した話題作です。
 憲法は国のあり方、基本原理・原則を定めたものです。文字の量にしてはそれほど多いものではありません。今年は、いろいろな立場から憲法について論じられています。だからという訳ではありませんが、学生時代を思い出し、読み直してみる必要がありそうです。

2013年05月02日

地球がハミング?

 「地球は宇宙にむかってハミングする電波惑星」だとする興味深い研究成果があります。東北大学が、名古屋大学、カリフォルニア大学ロサンジェルス校、京都大学、カリフォルニア大学バークレイ校との共同研究で発表した「地球の自転に同期して放射される電波の発見」です。
同大学のプレスリリースによりますと、日本の宇宙科学研究所が打ち上げた衛星の観測する長期にわたる電波データの詳細な解析から発見したとの事です。強度は弱いながら連続した電波が宇宙空間にむかって放射されているそうです。この電波は、地球の一自転に同期して周波数が200 kHzから600 kHzまで、ある規則に従って変化しています。丁度、地球が24時間周期で宇宙にむかって電波でハミングしていると言うことが出来るそうです。さらに、このハミング電波の周波数の変化の規則が、春分と秋分を挟んで全く反転するという大変不思議なことも明らかになったそうです。
 「星の数ほど」は無数にあるという表現ですが、その中の一つである地球がシッカリ自己主張をしている事になります。決して、「星の数ほど」の中に埋没していないことになります。全てのものに存在意義があり、そこからは「固有のメッセージ」が発信されています。自分では気付いていないかもしれませんが、私たち一人ひとりも、然りです。しかも他人に影響を与えることになります。どのような「固有のメッセージ」か、自分自身に問いかけてみる事も必要です。それにしても地球はどんなメッセージを口ずさんでいるのでしょうか。

2013年05月01日

体力・健康診断&「薬物・インターネット講座」

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 「八十八夜の別れ霜」とは昔の人はうまく言ったものです。明日が八十八夜になりますが、寒い一日でした。
 きょうは中学、高校とも体力・健康診断と「薬物・インターネット講座」を行いました。毎年この時期に行っていますので、一年間の体の成長と体力の伸長の度合いが確認できます。中学から高校にかけての時期は、一年で身長が10㎝以上伸びる人がでるぐらい成長が著しいものです。心も体も大きく成長する時期です。
 近年、「脱法ドラッグ」といった言葉をよく聞くようになりました。「脱法ドラッグ」とは、麻薬取締法や覚醒剤取締法の規制対象になっている成分が含まれていない製品という意味です。ネット通販や専門店まで構えて販売されているようです。しかし、「脱法ドラッグ」は麻薬と同じような副作用があり非常に危険なものです。カジュアルなパッケージで包装され、ドラッグに見えないようにされていたりしますので悪質です。テレビや新聞のニュースで見る遠い世界の話ではなく、身近な地域にその脅威は潜んでいるそうです。そういった所には近づかない事が肝心です。
 インターネットも注意が必要です。便利なもの、役立つものですが、使い方によっては非常に危険なものです。犯罪に巻き込もうとする罠が一杯仕掛けられています。それがすぐ手元にあるのです。クリックするだけでその危険に巻き込まれる事になります。自分の体と心の健康を守るためには、これらについて正しい見方や対処の仕方を知る必要があるということになります。「知は力なり」です。