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2013年12月31日

今年の取り組みを振り返って・・・その4

 今年は、「本物学び」や環境教育において広がりや新しい取り組みと共に成果も挙げることが出来ましたが、部活動においても大きく前進した年でもありました。
 中学3年生がテニス競技で国体に出場。U15全国選抜ジュニア(中牟田杯)優勝という輝かしい成果を収めました。ギター・マンドリン部は兵庫県最優秀賞を受賞し、43年連続全国大会出場を決めました。これは、全国でただ一校だけしか成し得ていないというものです。囲碁将棋部も県や近畿で健闘し、個人で全国大会出場を決めています。野球部、吹奏楽部、鉄道研究部やその他のクラブも今までの実績を上回る活動を目指して頑張ってきました。部活動の評価は、決して、全国や県レベルでの成績を収めることだけでしているのではありません。これらの成果は、多くの生徒が部活動に参加し、学習とともに部活動でも頑張っているという中から生み出されてきたと考えています。部活動の意味は、自らの興味や関心のあることをとことん追究することにあります。また、その経験から学んだことや達成感は物事に取り組む姿勢や学習に生かされてくることがあります。この間の部活動での躍進と進学実績の向上が連動した動きになっていることも偶然の結果ではありません。勿論、成果ばかりではありません。問題点や課題も明らかになっています。
 今年もいよいよ終わります。巳年から午年にバトンタッチします。「已」は「い:『止む』の意味」で、草木の成長が極限に達した状態を表しているとされています。極限から下降に向かうのではなく、課題を伸び代にして更に前進する年にしたいと考えています。

2013年12月30日

今年の取り組みを振り返って・・・その3

 今から約46億年前に地球は誕生し、その6億年後の約40億年前に地球上に生命は誕生したとされています。その後、多様な生物種が誕生します。その中の人類は、18世紀半ばイギリスで起こった産業革命が各国に広がり飛躍的に生産力を向上させ、社会経済の仕組みをそれまでとは全く違ったものに変えていきました。その過程で自然界へ急激な負荷をかけ環境問題を浮上させました。
 本校の環境問題に対する体系だった取り組みは、2008年5月29日、環境ジャーナリストの枝廣淳子氏にお越しいただき、「不都合な真実を超えて」というテーマで講演をいただいた「環境教育宣言の日」がスタートといえます。現高3が中1の時、中学に初めてコース制が導入された年になります。この下地は、2005年に行なわれた愛知万博と共に開催された「こども環境サミット」に日本代表の一員として本校の中学1年生から3年生が参加したのですが、その生徒たちが高校生として生徒会などで活躍していたことによって作り上げられていたといえます。
 この「環境宣言」を皮切りに中学生を中心とした環境教育は、単なる知識の習得としてだけではなく、「学び・考え・行動する」といった実践的なものとし、人間教育の柱として位置づけ取り組んできました。従来の学年行事を環境の切り口で深め学年全体で取り組むものから、地域の方と共に里山再生や農作業体験を通して学ぶ環境大使の活動、ゴーヤの栽培によるグリーンカーテンなど各家庭で取り組める有志の活動と広がっていきました。また、年間の取り組みを発表する「環境フォーラム」を中学生の企画・運営で開催するところまで進んできました。

2013年12月29日

今年の取り組みを振り返って・・・その2

 今年初めて取り組んだものに、独立行政法人科学技術振興機構(JST)が行う「サイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)」への応募があります。SPPは、「児童生徒の知的探求心の育成、進路意識の醸成などを目的として、学校と大学などの連携による科学技術に関する体験的・問題解決的な学習活動を支援」するものです。本校では、中学1・2年生の有志が応募し「発酵から学ぶ食品の科学」、「日本の食糧を守る~水産資源の確保~」の2つが採択されました。
 これにより、中学1・2年生が「SPP」、中学3年生・高校1年生が「サイエンスキャンプ」、高校2・3年生が「最先端科学実験教室・研究者体験」と6学年にそれぞれ取り組む目標が設定されたことになります。その他には、課題別の取り組みとして「生物学オリンピック」、「化学グランプリ」、「数学コンクール」などにも積極的にチャレンジし、生物学オリンピックで銅賞、数学コンクールのジュニアで大賞を受賞しています。また、中学生を中心とした環境問題への取り組みもあります。これらは「本物の学び」の一環として行なっているもので、日々の授業を単なる暗記型のものから脱却して、知的好奇心を引き出し自ら学びを探求していくものに変えていくことを基本にしていることは言うまでもありません。
 理数分野で様々な取り組みを行ない成果を上げることができた年になりました。この分野での内容の充実と更なる前進とともに、社会・人文系統の分野での取り組みの構築が次年度の課題と考えています。

2013年12月28日

今年の取り組みを振り返って・・・その1

 今日は寒い一日でした。等圧線が見事に縦に密集して並ぶ西高東低の典型的な冬型気圧配置になっています。日本海側は大雪、その他でも雪がちらつく天気になりました。年末寒波がやってきましたが、七十二候では第65番「麋角解(さわしかの つのおつる)」になっています。「麋」とは、日本にはいない大型のシカの一種のことです。雄は、春に生え始め枝分かれした巨大に成長した角を冬のこの時期に脱落させ、来年に備えます。
 平成25年は本校の学校改革でいうところの第二ステージです。このステージは「本物の学び」を大きな軸にしています。この「本物の学び」の一環として大学や研究機関と連携した取り組みが大きく前進した年になりました。昨年は鳥取大学の鳥取キャンパスだけでの取り組みでしたが、今年は医学部のある米子キャンパスでも実施できました。本校生の中で国立大学の医学部志望の生徒が増えてきている中で、医学部でのサイエンスキャンプは念願としていたものでした。鳥取大学から始まった取り組みが徳島大学・名古屋大学へと広がり3大学での実施となりました。また、サントリー生物有機科学研究所での「最先端科学実験教室」や「研究者体験」も年々大きな成果を上げてきています。日本生物学オリンピックでは敢闘賞から銅賞へ、大学進学では国立大学での一般入試での合格者だけでなく、推薦入試合格者もでてきています。
 「本物の学び」が大きく花開いた年になりましたが、「麋」が立派に成長した角を落とし来年に備えるように、現状に甘んじることなく来年により立派な「角=取り組み」ができるようにしたいと考えています。

2013年12月27日

年末年始をどう過ごす

 今年は28日が土曜日で、きょうが仕事納めのところが多いようです。おまけに年明けの5日が日曜日になりますので9連休になるようです。本校も、きょうで講習や補講が終わる学年が多いようですが、まだもう少し頑張る学年や教科もあります。
 また、20日から始まった中学の願書受付も今年は終了し、年明け6日から再開となります。平成26年度入試は、小学校6年生の児童の減少と中学受験率の低下により中学受験者の減少が懸念されています。本校の出願状況を昨年の同時期と比較してみますと、前期A日程は一貫が181名と昨年度とほぼ同数、発展が28名と約20名少ない出願数です。前期B日程では、一貫、発展とも約20名少なく、反対に後期日程の出願数が昨年より多くなっているのが今年の特徴になっています。このまま推移するとすれば、例年厳しくなっている前期B日程が、昨年よりやや「広き門」になりそうです。初日の午後入試が昨年より増えていることを考えれば、当然のことかも知れません。
 今年も残すところ5日ほどになりました。中学、高校、大学受験を問わず、受験生にとって年末年始を如何に過ごすかが問われることになってきます。仲間と机を並べ共に励ましあい切磋琢磨してきたものが、学校を離れ各家庭での孤独な戦いになります。この様な時こそ、頑張っている仲間の姿を互いに思い浮かべ、自らを鼓舞することが大切です。また、集中して独自の課題に挑むことによって学力を伸ばすと共に精神力を鍛えることも出来るものです。迷いや不安は誰しもあります。それを抱えながら課題を遂行できるかどうかで進む道が変わってきます。

2013年12月26日

生活習慣と学力の関係

 今年4月に小学6年生と中学3年生を対象に実施した「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)で、教科の成績と生活習慣などの関係を調べた結果を文部科学省は25日発表しました。その中の、「生徒の生活習慣等と学力の関係」において、教科(国語・数学)の平均正答率と高い相関がみられた項目は以下の通りです。
 今年度新規で調査された項目では、「地域や社会で起こっている問題や出来事に関心がある」、「テレビのニュース番組やインターネットのニュースをよく見る」、「英語の学習が好きで外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知りたいと思う」、「家の人が授業参観や運動会など学校行事に来る」と回答した生徒の平均正答率が高くなっています。
 その他の項目では、「朝食を毎日食べている」、「テレビゲームは全くしない」、「物事を最後までやり遂げて、うれしく思ったことがある」、「人の気持ちがわかる人間になりたいと思う」、「人の役に立つ人間になりたいと思う」、「学校の規則を守っている」、「家の人と学校での出来事について話をしている」、「自然の中で遊んだことや自然観察をしたことがある」と回答した生徒の平均正答率が高く、また、「テレビやDVDを見たり聞いたりする」と「インターネット(携帯電話やスマートフォンを使う場合も含む)をする」の項目は、「全くしない」より「1時間より少ない」が平均正答率が高くなっています。小6についても同様の傾向が見られます。
 社会や周りのことに関心を持ち、自分の気持ちをコントロール(自律)して生活習慣を確立し、成就感を持つことが重要だということになります。

2013年12月25日

マロニエ賞


 スポーツ、文化等の各分野で顕著な成績あげた県下の知事所轄の私立学校に在籍する園児・児童・生徒及び教職員等に対して贈られるものがマロニエ賞です。マロニエはトチノキのフランス名で、この木には樹脂があってねばります。これは粘り強い努力に通じ、また種子の持つシブ(アク)は個性的な私学にふさわしいものであり、マロニエの花の花言葉は「天分・天才」であるところから、文化・スポーツ等の分野で活躍した生徒・教職員を表彰する制度の名称にふさわしいものとして用いられたものです。
 平成25年度は、21人の個人と7つの団体が受賞しました。本校は、ギター・マンドリン部の顧問として多年にわたり全国コンクールへと導いたとして顧問が個人で、県高校ギター・マンドリンフェスティバル最優秀賞(県大会5年連続)を受賞したとして部が団体として表彰されました。本校にとっては、平成10年度に放送部が受賞して以来となります。
 本校のギター・マンドリン部は創部47年になる伝統あるクラブです。中学・高校合同のクラブで80名を超える部員が日々元気に活動しています。この部は43回続いている全国コンクールに全国で唯一連続出場しています。これが評価され今回の受賞となりました。OBの指導者の協力を得ていますが、何より部員自身が主体的に練習し相互に点検し合い切磋琢磨しているところがこの部の素晴らしいところです。来年度行なわれる全国高等学校ギター・マンドリン音楽コンクールで最高の賞である「文部科学大臣賞」を取ることを目標に頑張っています。マロニエ賞受賞をバネに一層努力してくれるものと思っています。

2013年12月24日

インターアクト部復興支援ボランティア活動へ

 きょうの6時過ぎ、すっかり暗くなった校内に大型のバスが1台入ってきました。県立明石西高校の先生と生徒を乗せたバスが、本校のインターアクト部の顧問と生徒を迎えにきてくれました。今晩から復興支援ボランティア活動で東北に向かうためです。昨年に続いての活動になります。
 被災地は震災から3度目の冬を迎えることになります。福島県では、東日本大震災と東京電力福島第1原発による避難生活の長期化で体調を崩すなどして死亡した「震災関連死」が1,605人となり、津波などによる直接死者数1,603人(県災害対策本部調べ)を上回ったとの報道もあります。また、宮城県女川町では、横倒しになったビルのそばに、今は人気のない更地になっている銀行の跡地に犠牲になった遺族が設置したクリスマスツリーが点灯している光景が見られるそうです。被災地では、また厳しい冬を越すことになります。
 阪神淡路大震災以降すっかり根付いてきたボランティア活動です。東日本にも各地から復興支援のボランティア活動が活発に行われるようになっています。困っている人がいれば助けてあげたい。この衝動は、動物界の中でも特異的な人の行動とされています。集団で生活する中で、仲間とうまくやっていくために備わった「心の機能」だと考えられています。「情けは人の為ならず」。このことわざを「その人の為にならないから、情けをかけてはいけない」と間違って理解している人が多くなっているといわれています。「他人に親切にすることは、自分も他人から親切にされる」ことになるという「心の機能」をシッカリ噛み締めたいものです。

2013年12月23日

北摂学校剣道大会

 冬期休業に入っていますが、懇談や講習・補講とともに部活動が練習試合や大会などを含め活発に行なわれています。私は、中・高剣道部が出場している「北摂学校剣道大会」の応援に、池田市五月山体育館に行きました。
 この大会は、池田・豊中・箕面など大阪北摂7市3町と兵庫県の宝塚・川西・伊丹など5市1町の教育委員会が後援する大きな規模の、今年が56回目となる歴史ある大会です。剣道は戦後7年間ほど活動が禁じられていましたので、56回を迎えるということは活動が再開されたのち間もなく発足したことになります。今大会は高校男子49校、高校女子28校、中学男子40校、中学女子33校が参加していました。
 昨日までの寒さが少し緩んだとはいえ外は寒いのですが、一歩体育館に入ると暖房が効いているのかと思えるほどの暖かさでした。各コートで試合者と応援者が一体となって繰り広げられている熱戦がそうさせているのでした。本校は、過去の第48大会で高校女子・中学男子・中学女子と4部門のうち3部門で優勝した経験があります。そのとき高校男子は惜しくも準優勝でした。今大会では、初優勝を目指す高校男子が順調に勝ち進み決勝戦を迎えましたが、5人戦って一本取られただけという接戦の末、惜敗に終わりました。
 試合に勝ち負けはつきものです。この勝ち負けは持っている力、実力だけで決まるものではありません。「勝」から学ぶことも多くありますが、「負」から学ぶことはそれ以上にあります。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし( 松浦静山)」です。

2013年12月22日

冬至

 六甲山の山頂や北摂の山々が白くなっています。時おり雪が舞う寒い日となりました。きょうは、一年で最も昼が短い二十四節気の22番目「冬至」です。国立天文台によりますと、この辺りでは日の出から日の入りまでの時間が9時間50分となっています。
 冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、「一陽来復(いちようらいふく)」この日を境に運が向いてくる上昇運に転じる日、また、一年の始まる日とされてきました。マイナスからプラスへ、陰から陽へ切り替わるポイント、転換点です。しかし、冬至が過ぎても晴れの日もあれば曇りや雨の日があり、日照時間は長短があります。これから寒さが厳しくなっていくといっても、三寒四温という言葉があるように、寒い日もあれば寒さが緩む日もあります。水の流れ、電気の流れ、あるいは世の中の動きもそうですが、一瞬といえども止まっていることはありません。絶えず変化、増加か減少しています。その繰り返し、転換点の連続です。その僅かな変化を見逃さない鋭い目を持つことと、一瞬の変化の連続が大きな流れとして増加に転じているのか減少に転じているのかといった大局的な見方をする目、大局観を併せ持つようにしたいと常々考えています。
 世の中は、きょうは日曜あすは祭日と連休になっています。学校は冬期休業に入っています。同じような日が続いているように見えますが、新しい年に向けて力強く歩みだせているか、その気構えができているか、一陽来復の兆しが早く見えるように取り組みを急ぎたいものです。

2013年12月21日

中学入試願書受付始まる

H25.12.20%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E9%A1%98%E6%9B%B8%E5%8F%97%E4%BB%98.jpg きょうの近畿地方の天気は北部や山沿いが雪か雨という典型的な冬型の空模様です。学校の近辺も時おり時雨れたり小雨が降ったりしていました。冬休み初日ですが、懇談や講習・補習で保護者や生徒の姿が絶え間なくあります。それに混じって出願に来られる方の姿も見られます。
 本校の中学入試の願書受付は昨日から始まっています。前期日程はA・B日程とも1月9日まで、後期日程が21日までの出願期間となっています。曜日の関係がありますので昨年と全く同じ日程ではありませんが、出願期間は同じ日数になっています。ただし、郵送による出願は少し早く締め切ることになっていますので注意していただく必要があります。少子化が進行している中での中学入試ですので、出願者がどうなるか気がかりなところです。2日目が終了したところで昨年との状況を比較してみますと、前期A日程は昨年とほぼ同じ数ですが、内訳は一貫が約10名多く、発展が約10名少ないという状況です。前期B日程は昨年より一貫が約20名、発展が約10名の計30名ほど少なく、後期日程は逆に今年の方が約10名多いという状況になっています。まだ始まったばかりですが、前期日程については例年初日・2日目に出願に来られる方が多く出願状況の大勢に大きな影響を与えます。そのことから考えますと、まだまだ先が長いので確定的なことは言えませんが、ほぼ昨年に近い数になるのではないかと予想しています。
 言うまでもないことですが、入試は倍率だけが難易度を決めるものではありません。受験生の皆さんには、倍率に一喜一憂することなく、残された一ヶ月頑張ってほしいと思っています。

2013年12月20日

二学期終業式

H25.12.20%E7%B5%82%E6%A5%AD%E5%BC%8F%20%282%29.jpg 晴れ間がのぞいているとはいえ風は冷たく冷え込んだ朝、全校集会と二学期の終業式を校庭で行いました。全校生徒が一堂に会するのは久しぶりです。この間のクラブや個人で賞を取ったもの、中学の英語暗唱大会の表彰と生徒会からの特別賞の発表を行いました。
 二学期の終業式は学期の終わりとともに一年の終わりを迎えることになります。今年一年を振り返ってみると、日本生物学オリンピックでの銅賞や敢闘賞、日本ジュニア数学コンクールでの大賞を受賞、中学3年生がテニス競技で国体に出場、U15全国選抜ジュニア(中牟田杯)優勝、ギターマンドリン部が兵庫県最優秀書受賞、近畿高校囲碁選手権9路盤個人準優勝等々すべてを列挙することはできませんが、いろんな分野での活躍が目立った年と言えます。また、学校改革の軸となる「本物の学び」においても、3大学でのサイエンスキャンプや最先端科学実験教室、研究者体験と量的広がりとともに質的向上もみられました。
 今年も見事な黄金色に輝く黄葉を見せてくれた校庭のオオイチョウも、すっかり葉を落とし新芽を出すための冬支度に入っています。あすから冬期休業。「個を伸ばす」取り組みを行う期間になります。センター試験を控えている高3生だけの課題ではありません。すべての学年において各個人がこの一年を振り返り、課題を明確にして取り組むことが求められています。一年の終わりは新たな年の始まりでもあります。新しい年にどのような新しい芽を出すか、成長した姿を見せるかの準備をすることになります。

2013年12月19日

あすから中学受験願書受付


                進行する少子化    
 きょうで二学期の授業は終わりました。あすは終業式です。といっても冬期休業中の講習や補修、個人懇談があります。冬期休業に入るといっても様々な取り組みが行われます。センター試験に挑む高3は、休み返上で懸命の努力を続けています。
 一方、同じ日程で行われる中学入試の願書の受け付けが、本校はあすから始まります。私立中学入試が全般的に減少傾向にある中、兵庫県も例外ではありません。兵庫県の中学入試は統一日初日の午前入試で見ますと、今春は小学校6年生の児童の約9.4%が受験したとするデータがあります。前年より少し減少しています。率でいいますとほんの少しですが、児童数そのものが減っていますので、受験者の数ではそれなりの数の減になります。今年度も児童数は昨年より減少しています。同じ受験率と考えても昨年より広き門になる計算です。
 中学は公立・私立を問わず義務教育ですが、私立中学は高校との一貫教育で6年のスパンで教育課程を編成しています。その上に、「孝道」をベースに「人間力」と「学力」を備えた「社会で活躍するリーダーの育成」を目指すといった「創立の精神」に基づく教育方針を掲げ、大学や研究機関と連携したサイエンスキャンプや研究者体験、海外研修など「本物の学び」を本校は追求しています。本校同様、私立各校は公立にはない特色ある教育を行っています。この点に注目していただき、私立中学受験に関心を持っていただく方が多くなることを期待しています。

2013年12月18日

子どもの学力は

 「(上底+下底)×高さ÷2」、これは台形の面積を求める公式です。現在の中学3年生は小学校5年生の時に移行期間が始まり「台形の面積の公式」を学習していますが、高校1年生は小学校5年生まで旧課程ですからこの公式は習っていません。「ゆとり教育」の柱として、学習内容を3割減らした学習指導要領に基づき、小学校の算数ではこの公式のほか、小数第2位以下を含む計算などが教科書から消えたのです。
 「今春の北海道立高校の入試で珍事が起きた。数学で台形の面積を求める問題が出て、正答率はわずか42.9%。ほぼ同じ内容が今年4月の全国学力調査テスト算数(小学6年生対象)にも出され、こちらの正答率は73.5%で、正答率だけ見れば『北海道の高1の学力は小6より低い』ということになる」。これは、日経新聞11月25日朝刊「ゆとり教育混乱は続く」の見出しで書かれた「挑む」の記事からの引用です。その直後の12月初めには、国際学力調査(PISA)で好成績を収め「日本の学力向上鮮明」、「『脱ゆとり』奏功」(朝日新聞)との新聞報道がありました。同じ旧課程の指導要領ですが、一部改訂され発展的内容も教えられるようになったことが好成績の要因とみています。どちらも同じ年齢の高1を対象にした記事です。
 子どもの学力について、いろいろ意見が交わされますが、何を系統立ててどう教えるか、ここをシッカリ押さえて指導すれば子どもの学力はつけられるし、子どもはシッカリ学習するということをこの二つの記事から読み取りたい、と私は思います。

2013年12月17日

「鱖魚群(さけのうお むらがる)」

 「鱖魚群」と書いて、「さけのうおむらがる」といいます。鮭が群れをなして川を上っていく頃をいいます。「大雪」の末候です。「立春」から始まる二十四節気も「大雪」が終われば「冬至」、「小寒」、「大寒」を残すだけとなります。
 「鱖」は音読みで「ケイ、ケツ」と読み、「鱖魚(ケツギョ)」は、中国大陸東部に生息する淡水魚で、スズキ目スズキ科に分類される魚のことです。鮭と同じように群れて泳ぐ魚だそうですが、「鮭(サケ)」は、サケ目サケ科で別の魚です。中国の暦が日本に入ってきたとき「鱖魚」の代わりに、「鮭」を充てたと考えられます。
 サケが群れをなして川を上ってくる遡上は緯度によっても違いますが、9月頃に始まり1月頃まで続くとされています。海で3〜4年過ごして大きく成長したサケが生まれた川に産卵のために帰ってきます。間違わずに生まれた川に戻ってくる回帰性のシステムは、生まれた川の臭いでわかるという「臭覚回帰説」、太陽の位置などを目安に帰る「太陽コンパス説」、そのほかに「地磁気説」、「海流説」等が上げられていますが実際のところよくわからないようです。
 数年後に海からやっとの思いで生まれた川に辿り着いてみると川が汚染されていたり、河川の改修で遡上できなかったり、産卵できる場所がなくなっていたりと、サケにとって人間は厄介な存在になっているかも知れません。しかし、サケにとって安心して遡上し産卵できるきれいな川は人間にとっても大切なものであることに変わりはないはずです。

2013年12月16日

「個を伸ばす」冬期休業に

 いよいよ今週で2学期の授業も終わり冬期休業に入ります。本校は3学期制をとっていますので、各学期が終わると次の学期まで日数の長短はありますが休業があります。この休業は、単なる休みではありません。年間計画に基づく学校の授業が休みになるもので、夏期休業・冬期休業・春期休業があります。それぞれの休業中に、その学期中に学習したことの中で十分理解できなかったところを復習し直すと同時に、興味や関心のあることに取り組んだり、得意な分野を伸ばすことに使ったりするためのものです。また、自分で自由に使える時間が増えますので、休業中の生活を計画的に過ごし生活のリズムを自分で確立する練習や訓練をする期間と捉えることもできます。ひと言で言えば「個を伸ばす」ためのものです。
 各休業にはそれぞれ独自の位置づけや意味合いがあります。特に今回迎える冬期休業は、中学3年生や高校3年生にとっては入試が控えているという特徴をもっています。自分のおかれた状況を分析し、その対策に充てるためにこの期間をどう活用するかが問われることになります。他の学年は入試がないだけで、新学年に進級するための重要な期間であることは共通しています。
 個人懇談・面談を通じて今の自分が抱えている課題を確認し、冬期休業中の過ごし方や計画を立てる必要があります。課題や苦手なところは「伸びしろ」といえます。それを克服・解決できれば大きく前進することになるからです。現状を「良し」とすれば進歩はありません。今の自分を成長させないと獲得できないものが目標と言えます。講習や補習も活用して「個を伸ばす」冬期休業にしましょう。

2013年12月15日

個別相談会を終えて

 昨日は中学・高校個別相談会を実施しました。多くの方にご参加いただきましたが、この時期というのもあるのか、高校受験の方の相談が割合としては多くありました。各中学校ではこれから面談を行い最終的な受験校を決定していく運びとなっていますので、今のうちに疑問点や不明なところを解決しておきたいということだと思います。
 中学受験につきましては、本校でも20日から出願となっているように既に受験校は決定されていると思います。ただし、第一志望の学校だけを受験されるという方は少なく、多くの方は第二・第三志望の学校も受験されますので、そのスケジュールを含めた検討をされている頃だと思われます。中学受験は入試初日(午前)の受験率が微減傾向になっています。その率は兵庫・大阪とも約10%弱とする見方があります。自ずと入学者数も減り、定員充足が難しくなってきています。見方を変えて受験者の立場からすると入学し易くなってきているということになります。
 一方、高校受験は少子化が進行する中でも来年度は卒業生が増加するという「特異な年」にあたります。公立高校はその対応策として学級増を行います。私立高校は来年度だけ募集を増やすという対応は見られませんので、見かけの競争率がアップするかもしれませんが、実質の競争率や難易度には大きな変化はないと考えられます。
 ただ、中学・高校受験とも入試制度の変更などで受験機会が増えていますので、競争が激化することは間違いありません。

2013年12月14日

職業人に学ぶ

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サントリーの方から青いバラをいただきました
  きょうは高校一年生対象に「職業人に学ぶ」を行いました。この取り組みは本校のキャリア教育の一環として毎年行っています。今年は、”青いバラ”の開発ストーリーをご紹介いただきます研究員、弁護士、グラフィックデザイナー、幼稚園教諭など12人の講師をお招きしました。
 高校といえば大学進学が喫緊の課題となり、ついどの大学に進学するかということに目がいきがちになります。将来のしっかりした進路目標を持つことなく大学進学だけが目標となっては職業観を確立することは難しくなります。文科省が毎年行っています学校基本調査によりますと、4年生大学を卒業した者の約63%が正規の職員となり、20%強の者が安定した仕事に就いていないというデータがあります。また、厚労省のデータには、新卒者の離職率が3年以内に30%を超えるというものがあります。事業所の大小にかかわらずこの傾向があります。現在の日本社会では伝統的な終身雇用制というものが崩壊していることをあらわしています。この様な現状を見ると、高校時代に大学へ入学するための学習だけをしていてはダメだといいことが分かります。将来の進路を見据え、シッカリした職業観を持ち、その延長線上で大学進学を捉えることが必要になってきます。
 きょうは12名の方にお越しいただきました。12の職業に就いて学ぶことになる訳ですが、この様な企画を通し様々な職業について自ら調査し、考える機会となってくれればと思っています。

2013年12月13日

事始め

 きょうは事始め。かつては旧暦12月13日、現在は新暦12月13日になっています。昔はこの日にすす払いをしたり、門松やお雑煮を炊くための薪などお正月に必要な木を山へ取りに行く習慣がありました。正月事始め(しょうがつごとはじめ)とも言い、正月を迎える準備を始めます。
 期末考査が終わり採点にテスト返却、2学期の成績をつけるための教科会議、個人懇談の準備、2学期まとめの授業に高3はセンター対策、年が明けると行われる中学入試のための準備と先生達は大忙しです。これも新年を迎える学校の事始めかもしれません。
 一年の終わりは新しい年の始まり。この時期は「受験」という言葉が頭に浮かびます。受験は辛く厳しいもの。なかなかゴールが見えないものというイメージがあります。確かに努力の成果がすぐには現れず、時間もかかり肉体的精神的に辛くしんどいものです。しかし、考え方や視点を変えれば、これほど目標が明確なものはありません。何をすれば良いのかも明白です。幸福感とは目標を持ち、それを追い求める精神状態に宿るものとする考え方があります。とすれば、受験にもあてはまります。劇的な変化が確認できなくとも、今頑張っている中に生じる僅かな変化、前進を確認することができればその心境に近づくことができます。自分では自分の変化が見えにくいものですが、他人の変化はよく見えます。この変化を見逃さず仲間を励ますことは、自分を励ますことに繋がります。「受験は団体戦」といわれる所以はこの点にもあります。
 「事始め」が正月を迎える準備なら、受験を迎える準備でもあります。今まで以上に量も質も高い準備を始めましょう。

2013年12月12日

週末は中学・高校個別相談会

 12月も中旬。中学入試まであと一ヶ月余となりました。今年度の入試説明会は中学が約2,000名弱、高校が約2,600名弱と過去最高の参加者数で終えることができました。多くの方に関心を持っていただき、足を運んでいただいたと喜んでいます。ただ、限られた日時で行っていますので、都合がつかず参加していただけなかった方もあるかと思います。また、説明会はどうしても限られた時間に一方的な説明となります。十分ご理解していただけなかった点や後になって質問したいことなどが出てきたりする場合もあったりします。そこで、今週末の14日(土)午後2時から3時までの1時間ですが、中学・高校個別相談会を学校内で実施することにしました。最後の機会となりますので、学校にお越しいただける機会のなかった方や相談のある方は是非ご参加いただければと考えています。
 きょうは七十二候の62番目「熊蟄穴(くまあなにこもる)」になります。熊が冬眠のために穴に入る時期をあらわしています。熊の冬眠は比較的浅い眠りで、冬眠というより睡眠に近い状態のようです。この間に子を産んで、春には一緒に穴から出てくる準備をする期間でもあります。寒さが一段と厳しくなりますが、熊のいる山とは違い街にはクリスマスソングがながれ年末からお正月を迎える華やかな一ヶ月間になります。気持ちを引き締めラストスパートをかけることによって力もグンと伸びる期間にもなります。今年は風邪の流行が少し早いように思います。体調管理に気をつけて夢を叶えるべく頑張ってほしいと思っています。

2013年12月11日

センター試験志願者数

 高3生はセンター試験に向けた特別授業を行っていますので、きょうは高1生と高2生で高校朝礼を行いました。
 大学入試センターは、平成26年度大学入試センター試験の確定志願者数を56万670人と11月29日発表しました。志願者56万670人のうち、現役生は前年度比1万6,550人減の44万3,316人(3.6%減)、既卒者は前年度比4,205人増の11万1,914人(3.9%増)、高卒認定合格者などその他は前年度比329人減の5,440人。男女別では、男子が31万6,827人(56.5%)、女子が24万3,843人(43.5%)となっています。志願者減は、現役の志願率が、過去最高となった前年度と同じ42.1%でしたので、現役生が前年比96%(約4万人減)と少ないことが要因となっています。なお、志願者の出身高等学校等の所在地(都道府県)別では、東京が53.7%で一番高く、京都34.7%、大阪32.7%、兵庫42.9%でした。
 センター試験参加大学は、過去最高となった前年度の840大学よりさらに3大学増え843大学に、内訳は、私立大学521校、国立大82校、公立大82校、公立短大16校、私立短大142校となりました。
 平成27年度入試(現高2)から数学と理科で新課程からの出題となります。移行措置はあるものの旧課程での問題との難度の違いが出る可能性もあります。今年度入試は志願者減とともにこの要因も加味された志望状況になるのではないかとする見方もあります。ただ、これらの動向だけに目を奪われ、自分の目指すべき進路が影響されないようにすることが必要です。

2013年12月10日

世界人権デー

 きょうは世界人権デーです。1948年12月10日の第3回国際連合総会で世界人権宣言が採択されたことを記念して、1950年12月4日の第5回国際連合総会において、毎年12月10日に記念行事を行うことが決議されたことによるものです。我が国では毎年12月10日を最終日とする1週間(4日〜10日まで)を人権週間と定めています。本年度の「第65回人権週間」では、啓発活動重点目標「みんなで築こう 人権の世紀 ~考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心~」です。
 世界人権宣言は前文と第1条「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」。26条「すべて人は、教育を受ける権利を有する」などを含め30カ条で構成された人類の普遍的価値を見いだした画期的な宣言です。この宣言をまとめる中心的な役割を果たしたのがエレノア・ルーズベルト(アメリカ第32代大統領夫人)です。両親とも大富豪の名門の家庭に生まれたが、ニューヨークで、貧しい移民の子どものための学校で働き、貧困の現状を目にし、大きな衝撃を受ける。このときの体験が、彼女を生涯人権のために働かせた原動力であるとされています。婦人運動家であり、文筆家でもあった彼女の言葉に、「未来は、自分の夢の素晴らしさを、信じる人のものです」。「何かに興味を持っていれば、新しい興味を探す必要がない。向こうからこっちにやってきます。純粋に1つのことに打ち込めば、必ず違う何かにつながっていきます」というものがあります。私が好きな言葉です。

2013年12月09日

説明会のアンケートから


 12月7日(土)に実施しました第三回高校入試説明会の参加者からいただいたアンケートを分析しました。その中から二つ取り上げてみます。
 先ず、説明会への参加です。学外で実施するものも含めて聞いていますが、第一回から第三回まで初参加が80%強となっています。また、2回目の参加という方が14%前後という点も各回共通していました。やはり、一度だけではなく再度足を運んでいただいて気持ちを固めていただいているということになっていると考えられます。
 受験については、受験予定とされている方が一・二回目とも25%、受験を検討中の方が60%強、三回目が受験予定43%、検討中54%となっています。最終回は当然受験予定の方が増えていますが、検討中という方も多くこれから決定されていくのだということがよくわかりました。この点、中学受験は11月3日に行った最終回のアンケート結果では受験予定が55%となっています。中学受験は高校より約1ヶ月早く行われますが、それ以上に進路決定が早いのがよくわかりました。受験校決定にあたっては学校見学や説明会は必須です。納得できるまで話を聞き、場合によっては二度・三度と足を運ぶことも必要です。訪れる度に新しい発見があると思います。
 本校では例年8月から12月にかけて説明会を3回実施してきています。時期、回数や持ち方の形態を含めより良いものにするため検討するとともに、アンケートでいただきました貴重なご意見は来年度に生かしていきたいと考えています。

2013年12月08日

「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」

 南港にある工場の一本の煙突から真っすぐに煙が立ち上っています。そのずっと先に島影がくっきりと見え、水平線が光っています。池田の五月山から見えた景色です。きょうは午後から少し雲が出たものの、冬晴れの良い天気でした。季節は、重く垂れ込めた雲に天地の気が塞がれるとされる「大雪」の初候「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」となっています。
 「閉塞(へいそく)」は通路や出入り口が塞がれることを意味し、先行きが見えないことや将来の見通しが立たないなど否定的な意味で使われます。しかし、ここで使われている「塞」という字には、「通路をふさいで守りを固めた所。とりで」という意味もあります。また、村や集落の境域に置かれて外部から侵入する邪霊,悪鬼,疫神などの邪悪なものをさえぎったり、また、旅人の安全を守るとされる民俗神の「道祖神」は別名を「塞の神」といいます。
 地域によっては大雪に閉じ込められ、厳しい冬になりますが、「閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)」は暖かい春を迎えるためのに人びとを守ってくれると前向きに捉える方が良いようです。「どん底」は、これ以上下がりようがない、これから上昇に向かうということになります。いろいろな事象を見る時に一面的な見方ではなく多面的な見方が必要と教えてくれているように思えます。

2013年12月07日

第三回高校入試説明会

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 今年度最終となる高校入試説明会を行いました。10月に行いました第二回説明会が講堂にある900席では足らなくなりましたので、急遽午前の部を追加し午前・午後と2回行うことにした第三回説明会でした。どちらかに偏ると困るなあと心配していたのですが、午前が約600人弱、午後が約500人弱とほぼ同規模の説明会になりました。8月・10月・12月と3回行ってきたのですが、当然のことながら現在の学校改革の進捗状況に取り組みの柱となる「本物の学び」や今後の目指す方向性についての説明を基本に、その時々の話題や明らかになった資料等を加えて説明を行ってきました。結果、延べ2,600人超と過去最高の参加者を迎えることができました。
 今国会で高校の無償化が廃止され、所得制限が導入させる制度へと法改正が行われました。来年度入学生から適用されることになります。また、大阪府が公立高校の学区を撤廃しての入試を実施します。従来と少し変わった状況下で来年度入試が行われることになりますが、将来の進路を考え「行きたい学校」を目指して努力することに変わりはないと思います。高校入試まであと2ヶ月。この2ヶ月の過ごし方が入試結果だけでなく、入学後の高校生活にも大きく影響を及ぼすことになります。目標実現を目指し、自分を律して努力する。この体験がこれからの生き方に役立つことは間違いありません。「努力は嘘をつかない」。すべての受験生に心からエールを送ります。

2013年12月06日

あすは今年度最終の高校入試説明会

 あす7日は今年度最終の高校入試説明会です。既にお知らせしていますように、午前の部と午後の部の2回行います。
 今、中学・高校とも第三ステージを目指した学校改革を行っています。私たちが目指す第三ステージでは、現在のコース制を中学は一貫選抜(一貫)のみ、高校は一貫と選抜特進(選特)へと変更することになります。中学は平成27年度入試からこの形での募集にします。ただ、このステージはコース制を解消するだけのものではありません。現在の第二ステージにおいても、入学時点では中学が一貫と発展、高校が一貫・選特と特進に分かれたものを、発展や特進で入学した生徒を3年後には一貫や選特と同等の力を着けさせるようシラバスや学習指導法を研究しながら取り組んでいます。コース制解消はこの延長線上に出てくるものです。また、第三ステージでは、コース制は解消されるものの、それぞれが自分の夢や目標に向かって「本物の学び」を通して学年はもとより中学・高校の枠をも超えた深い学びに挑戦させていくことを考えています。
 来年度の入試は、これらを見据えた第三ステージへの橋渡しをするものになり、昨年までとは違った位置づけのものもでてきます。昨年までの卒業生、第一ステージの生徒たちは今までにない進学実績とともに多くの成果を挙げてきました。それに負けじと、今の高3からの第二ステージの生徒たちは次のステージに相応しい成果を挙げてきています。あすの説明会でこれらを確認していただき、進路決定の参考にしていただけたら幸いに存じます。

2013年12月05日

進路を切り拓く正念場

P1060875.jpg 穏やかな日和が続いていますが、黄金に輝くオオイチョウも目映いばかりに輝く落ち葉を一面に敷き詰めています。師走入りから5日目を迎えました。きょうは世紀の天体ショーと騒がれたアイソン彗星を地上で観測されると予測された日でもあります。残念ながら、太陽の近日点でその大部分が融けてしまったようで、肉眼での確認は期待できないようです。
 あすで期末考査も終わり、週末の7日は今年度最後の高校入試説明会です。本校では、考査が終わった午後からの時間を使い、きょうとあすの2日間は高3の進路検討会を行います。一人ひとりの進路を検討していきますので2日間とも夜遅くまでかかりそうです。高校入試を迎える中3生にとっても、私学を専願にするのか併願にするのか、公立の前期をどうするのかなど進路決定の詰めの段階に入っていると思います。中学入試、高校入試に大学入試と、どれも同じことで、今の力で「行ける学校」を選ぶだけでなく、「行きたい学校」はどこなのか、その目標に対して今の到達点はどこで何が足りないのか、それを克服する可能性と決意はどうかなどを考えて決定することが大切です。
 中学入試、センター試験まで一ヶ月余。高校入試まで二ヶ月余です。ここをどう乗り切るか。進路を切り拓く正念場、試練です。「神様は乗り越えられる試練しか与えない」といわれます。乗り越えようとしないから乗り越えられないのであり、試練は乗り越えられるものです。「試練を乗り越えたものに、喜びは来たる」。その時を目指して頑張りましょう。

2013年12月04日

PISAの結果発表

 経済協力開発機構(OECD)が、2012年に65カ国の地域の15歳(日本は高1)を対象に実施した国際学力到達度調査(PISA)の結果を公表しました。この調査は2000年から3年毎に行われるもので今回が5回目の調査になります。日本は読解力(前回8位)と科学的リテラシー(5位)が4位、数学的リテラシー(9位)が7位といずれも前回より良くなっていました。習熟度別では、全3分野で上位層が増え、下位層が減っていました。日本の平均点は、「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の全3分野で過去最高得点でした。前々回の06年が読解力15位、科学6位、数学10位と最低でした。そこから前回、今回と順位が上がってきています。
 学力調査と同時に行われた数学に関する調査では、日本の生徒の約7割が「授業についていけないのでは」「ひどい成績を取るのでは」と感じ、「数学で学ぶ内容に興味がある」と答えたのが65カ国中62位と数学に自信の持てない日本の生徒の姿が浮き彫りになったようです。
 今回の成績の上昇は、「脱ゆとり」で学習内容が増えたことによる成果とする見方があるようです。ということは、生徒の側に責任や問題があるのではなく、教育課程を作成する側の責任や問題ということになります。何をどう学ばせるか、明確な教育目標と指導方針、生活や生き方と結びついた魅力ある学びの創造が必要だということの問題提起と受け止めなければならないと感じた次第です。

2013年12月03日

高校入試の志望校決定にあたって

 本校は期末考査2日目を迎えています。高3は高校最後の期末考査として、その他の学年は2学期の総仕上げとして頑張っています。
 一方、高校入試に向け頑張っている中学3年生にとては志望校決定に向けての検討、懇談に入っているころと思います。今年の中学3年生の在籍者数は昨年より増加しているといわれています。それに合わせて兵庫・大阪とも公立は学級増の学校をつくることで募集人数を調整しています。理屈の上では、昨年度と比較すると学級増の学校は広き門になり、そうでないところは狭き門になるのですがそう単純にはいきません。本校は、選抜特進(選特)95名、特進20名、一貫選抜若干名と総募集人数に変更はありません。昨年との違いは、第三ステージを展望して選特の募集人数を増やした分だけ特進を減少させているところです。そうすると選特は易しくなるかと言うと、そうではなく昨年並み、特進が少し難化すると考えています。
 今年度の高校入試説明会もあと12月7日を残すだけとなりました。有り難いことに、今年度も多くの方に参加していただいています。過去の同時期との比較では最高の参加者数です。相談に来られる方も多く、中でも選特に対する関心が高いことが特徴としてあげられます。私立校の場合は専願、併願という受験の形態があり、見かけの競争率と実質の競争率とは違いがあります。競争率に一喜一憂することなく、「行きたい学校」を目標に、しかも合格するだけでなく入学後も頑張れるように力をつけることを考えて入試に望んでほしいと思っています。

2013年12月02日

「橘始黄(たちばな はじめて きばむ)」

 きょうから二学期期末考査です。日中は穏やかな気候で暖かいのですが、やはり季節は冬、風邪が流行っているようで体調を崩している人が多いようです。考査中ですので、十分な休養と睡眠というわけにはいきませんが、手洗いにうがいはこまめにしたいものです。
 また、きょうは七十二候の60番目「橘始黄(たちばな はじめて きばむ)」です。橘は常緑樹ですので、橘の実が黄色く色づく頃ということになります。赤や黄色に色付いた葉が落葉するのに対し、年中緑の葉をつけているところから「永遠」を思わせるとして喜ばれてきました。京都御所の紫宸殿にある「右近の橘」は有名です。同じミカン科の柑橘類で中国から伝わってきたとされる「からたち(唐橘)」があります。「からたちの花が咲いたよ。白い白い花が咲いたよ。からたちのとげはいたいよ。靑い靑い針のとげだよ。・・・」北原白秋の詩「からたちの花」です。塀の代わりに生け垣としてとして植えられるなどして生活にとけ込んでいましたが、今ではブロック塀に代わりほとんど見られなくなりました。多くの木々は冬に落葉します。葉は低温、特に凍結に弱く、また気孔があるため乾燥にも弱い。冬の低温、乾燥という厳しい環境に耐えるため、それに弱い葉を落として休眠に入り木を守るためです。そんな中でも、山茶花、椿、橘や南天などは緑の葉を保っています。その少し肉厚な緑の葉に薄らと積もった白い雪、そこに赤い実や花とくれば冬の情緒溢れる光景ですが、同時に強さや逞しさを感じさせてくれます。

2013年12月01日

「サントリー1万人の第九」

 師走入りは小春日和の日曜日でした。12月の第1日曜、恒例の「サントリー1万人の第九」が開催されました。大阪城国際文化スポーツホール(のちの大阪城ホール)のこけら落としの一環として開催されたのが始まりで、今年が31回目だそうです。「第九」といえば、ベートーヴェンの交響曲第九番のこと。1918年徳島県板東町(現・鳴門市)にあった俘虜収容所で、ドイツ兵捕虜により全曲演奏されたもが、「第九」の日本での初演とされています。その後、「第九」が年末の恒例行事といわれるようになったのは、戦後まもない1940年代後半、楽団員が年末年始の生活に困る状況を改善するため、年末に頻繁に演奏されるようになったという背景があるようです。
 今年の「1万人の第九」は、加山雄三さんの「君といつまでも」で第一部がスタート、いつまでも若々しい姿と歌声が印象的でした。第二部は、女優の仲間由紀恵さんが「歓喜に寄せて」を朗読した後、佐渡裕さん指揮のもと「第九」が演奏されました。小学一年生から93歳までの1万人と仙台の東北会場とを中継で結んだ「歓喜の歌」の大合唱は「感動のひと言」。いつまでも鳴り止まない拍手がそのことを雄弁に物語っていました。「すべての人は兄弟になる」、「試練を乗り越えたものに、喜びは来たる」というベートーヴェンのメッセージがひしひしと伝わるとともに、参加者に感動と勇気を与えてくれた演奏会でした。