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2014年03月31日

あすから新年度

 一気に桜の花も開花し春本番です。昨年よりは遅いものの平年より少し早い桜の開花となりました。この調子でいくと新入生を桜の花が迎えてくれそうです。
 あすから新年度が始まります。59期生が中学を卒業し新しく高校から入学してくる生徒と共に高校へ進学します。56期生239名が巣立ち新しく62期生(中学1年生)が入学してきます。平成25年度より約100名多い生徒数で平成26年度が始まります。新しい生徒とともに新しい先生も迎えての出発です。
 平成25年度は日本生物学オリンピックで銅賞受賞や日本ジュニア数学コンクール大賞受賞、日本ジュニア数学オリンピック銀賞受賞とヨーロッパ女子数学オリンピック日本代表選手に選ばれるなど「本物の学び」の面で大きく前進した年でした。サイエンスキャンプも広がりをみせました。また、初めて一貫選抜コースの卒業生が出たのも今年度でした。進学実績の面では国公立大学合格者数87名と最高の数を記録しました。現役の合格者数71名も過去最高の数でした。部活動の面では女子テニスU-15中牟田杯全国選抜ジュニア優勝に国体出場やギター・マンドリン部、囲碁将棋部が全国大会出場と全国や世界を舞台に活躍する選手が出てきました。文武の道で活躍し新たな到達点を記録した年であったと言えます。
 「木の葉の落つるも、先ず落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり(徒然草第155段)」。25年度の様々な活躍の「萌し」が26年度の幕を開けようとしています。

2014年03月30日

大カナダ研修団

 本校には、中学2・3年生を対象に行われる海外研修としてカナダ研修があります。夏期休業中に約11日間カナダの東海岸にあるプリンスエドワード島(PEI)で行なわれます。今年は11回目になりますが、50名を越える申込者がでました。元来この研修の参加者は、トロントからPEIまでの飛行機が40名定員の小さなジェット機ということもあり、引率教員を含め40名までの規模で実施する計画を立てていました。過去にそれを超える申込者があった時は、中学3年生を優先して中学2年生の中から何人かをお断りしたことがありました。この研修も11回目となり経験も蓄積されてきましたので、今回は飛行機が2便に別れることになりますが希望者全員を参加させる予定でいます。この研修の一つの大きなテーマに「自立」を掲げています。参加者各自の自覚ある行動と協力・協同により、大所帯となることから生じるデメリットを乗り越え、むしろ多くの参加者があることをメリットに研修の質を高めてくれることになると期待しています。
 今年は日加修好85周年の年になります。PEIのシャーロットタウンで1864年カナダの連邦結成(コンフェデレーション)について話し合いが行われたシャーロットタウン会議から150年の節目の年でもあります。また、あすからNHKの連続テレビ小説「花子とアン」が放映されます。日本に多くの「赤毛のアン」のファンをつくった小説の翻訳者村岡花子さんの「アンのように明日を信じ、夢見る力を信じて生きた花子」の半生を描いたものです。今年は、カナダやPEI、「赤毛のアン」への注目が益々高くなりそうです。

2014年03月29日

高校受験を終えて

 志願者は兵庫県の方が大阪府より多いのに、入学者は大阪府からの方が多くなっています。なぜこのようになるのか。それは併願者の入学する率が大阪府の方が高いからです。兵庫県公立高校一般入試全日制普通科の倍率が約1,600人オーバーの1.08倍に対して、大阪府公立高校後期入試全日制普通科の倍率が約3,000人オーバーの1.23倍と大阪府の方が厳しい競争率になっていました。その上に、進学特色校などは更に高い倍率となりました。兵庫県には複数志願制度があるのに大阪府にはないなど入試制度の違いも関係しています。これらが関係して大阪府からの併願入学者の率が兵庫県よりかなり高くなったと思われます。併願者は第一希望とする学校が本校ではなく別にあります。第一希望が叶わず本校に入学する事になった生徒です。その併願入学者が本校を第一希望とする専願者より多くなっています。
 高校進学が最終ゴールでないことは併願者も専願者も同じ考えだと思います。また、高校時代には将来の夢や目標を叶えるために大学進学というハードルを越える力をつけなければいけないという考えも同じだと思います。この3年間は決して楽な道ばかりではなく、多くの困難や壁にぶつかることがあると覚悟もしていることと思います。挫折を体験しそこから立ち上がる、困難や試練を乗り越える、そういった経験をしたものが本当の強さを持つものといえます。辛さや悔しさはバネにできます。新たに始まる高校生活をどう過ごすか。間もなくその時がやってきます。

2014年03月28日

高校入試を振り返って

 今年度の高校入試は、第三ステージをを見据え選抜特進の募集人数を増やした(95名募集)募集を行なったという点が特徴としてあげられます。一昨年は45名募集であったことからすると2倍以上になっています。選抜特進を増やした分、特進の募集(20名募集)は少なくなっています。
 高校入試をめぐる状況では、少子化が進行しているなかでも今年度は中学卒業生が多いという年になっていました。それに伴い、公立高校の募集枠は学級増で調整されました。また、大阪府が学区を撤廃しての初めての入試であったということも特徴としてあげられます。
 この様な状況のもと、志願者は1,183名と昨年より専願者、併願者とも増え過去最高の人数となりました。府県別では、兵庫県と大阪府の割合は2:1となっていました。ここ数年、兵庫県からの志願者は文字通り右肩上がりで増加していますが、大阪府からの志願者は「私学無償化」の施策や前期での普通科入試の導入などが影響して変化しています。
 コース別の志願者は選特938名、特進245名となっていました。平成19年に初めてコース制を導入したときの選特の志願者は195名ですから、約5倍になっています。特進は募集人数を少なくしていますので、従来より厳しい選考になるにも拘らず倍率は12倍となっていました。
 入学者については、従来は専願者と併願者はほぼ同数か専願者が若干多いという状況でしたが、昨年に引き続き今年も併願の入学者が多くなり、専願・併願合わせて過去最高の入学者数になりました。

2014年03月27日

短期決戦型になる中学入試


        グラフ①          グラフ②
 上のグラフ①は、中学前期A日程の志願者数と入学者数の関係を表したものです。A日程は「近畿地区統一開始日」に行われます。他府県ではあえてこの日に入試を行わない学校もありますが、兵庫県ではこの日にすべての私立中学校が入試を行うことになっています。当然、第一志望の児童が受験するケースが多く、入学者との相関も強いものになっています。本校では、中学改革をスタートさせた08年度から10年度までは一貫選抜と発展の各コースは2クラスでした。志願者とともに入学者が増加している11・12年度は一貫2・発展3、昨年度からは一貫3・発展2の5クラスとなり、一貫の生徒の方が発展の生徒より多くなっています。
 ここ数年、中学入試は「短期決戦型」といわれ、統一日から3日間でほぼ態勢が決するようになってきていると言われています。午後入試を行う学校も増えてきました。グラフ②のB日程や後期日程の志願者が減少したのは、そのことを表していると言えます。ただ、B日程や後期で受験してくる児童の層が従来と変化してきていることも事実で、それも影響していると思われます。入試問題はA日程より難しくしていますが、にも拘らずレベルの高い厳しい競争になってきています。
 今年初めて一貫選抜の一期生が卒業しました。一貫一期生は本当によく頑張ってくれました。進学の面でも、東大・阪大などを含め国公立大学に在籍の約5割が現役で合格しています。後輩たちに良い目標をつくってくれたと同時に勇気と自信も与えてくれたと喜んでいます。来年度は一貫選抜のみの募集となります。後期日程の変更も視野に入れ、入試日程を検討する必要があると考えています。

2014年03月26日

中学入試を振り返って


 平成26年度中学入試は少子化に加え経済情勢や公立校の動向などが影響して厳しいものとなりました。2006年度より始まった「近畿地区統一開始日入試」は、07年度の10.5%をピークに初日の受験率が低下してきています。初日といっても、ここ数年は午後入試も行われるようになってきましたので、初日の午前入試の受験率でみないといけません。その率が8.7%になったとの調査もあります。
 本校も初日の入試(前期A日程)は、昨年度の志願者が過去最高の288名、今年が30名減の258名となりました。この30名の内訳をみますと、前期Aと次の日の前期Bの両方に出願している人が昨年より約20名減っていました。A・Bともに出願されている人は、雲雀丘学園が第一希望で、なんとしても入学したいとの思いが強い人だと思います。そのなかでも、一貫選抜コースに合格したいのでB日程にも出願するといった人が多く、A日程だけでは心配だからB日程にも出願しておくといった人が減ったのではないかと考えています。B日程は昨年も厳しい選考となりましたので、それが影響していると思われます。A日程だけ志願している人は、学園小学校からの志願者減の分だけ少なくなり、他の小学校からの志願者はほぼ同数で減少していません。
 A日程合格者数は昨年とほぼ同数です。志願者減により易しくなったとはいえず、むしろ少数激戦でレベルの高い競争になったと感じました。いよいよ来年度から一貫選抜コースのみの160名募集となります。A日程で多くの方に志願者していただき、今年のA日程一貫選抜合格者より多くの合格者を出せるようにしなければと考えています。

2014年03月25日

春が一気に

 春の彼岸も終わり、一気に春めいてきました。中央棟玄関前の枝垂れ桜も一気に開花しました。このまま順調に春本番と季節は進んでもらいたいものです。
 春休みに入りそれぞれの学年で指名制であったり、希望者を募ったりする補習や学習会を行っています。高校1・2年生は昨日から2泊3日の勉強合宿を行っています。70名を越える生徒が3日間勉強漬けの生活を送ります。達成感や充実感とともに、やり切ったという自信もつけてくることと思います。また、卒業生も応援に駆けつけてくれます。勉強を教えるだけでなく、自分の体験談なども踏まえ相談にものってくれます。先生や家族からのアドバイスとは違ったものを感じとることになるでしょう。
 部活動も昨年の秋以降新チームで取り組んできたものが、新年度はその真価が問われることになります。そのためには、チーム力のアップとともに個のレベルアップが必要になります。このことは部活動だけにいえることではありません。学習においても同様のことがいえます。個のレベルアップが、休業中の取り組むべき最大の課題といえます。そのための時間的余裕も十分あるはずです。
 春の陽気が漂うなか、校庭の芝生も心なしか黒ずんできました。ユキヤナギも白い花を咲かせ、ソメイヨシノも蕾を膨らませています。どのような花を開花させるのか。そのためにどのような芽をどこにつけるのかなど、この休業中の開花のための準備が大切になってきます。新年度、すべての学年のあらゆるところで花が一杯咲くことと期待しています。

2014年03月24日

国公立大学合格状況

 国公立大学の合格状況が判明しました。新しいコース制のもとでの初めての卒業生です。どのような進路を切り拓くのか期待していたところです。
 一貫・選特・特進の全てのコースからは勿論のこと、全てのクラスから国公立大学の合格者が出ました。その結果、既卒者を含め87名の合格者となりました。この数は過去最高です。その内、56期生が71名と現役占有率82%となり、現役の数だけで今までの最高の数を超えました。在籍は239名ですから、約3割の生徒が国公立大に合格したことになります。
 初めて卒業生を出した一貫コースは67名が在籍しています。そのうち31名が国公立大に合格しました。東大合格者は昨年が高校から入学した選特の生徒、今年が中学から入学した一貫コースの生徒となりました。国立大の医学科も同様に、今までは中学からの入学生でしたが、今年の2名は高校からの入学生でした。中学から入学した生徒も高校から入学した生徒も難関とされる大学や学科に現役で合格する力をつけています。
 本校の進路指導は、進路講演会や小論文指導など直接受験にかかわるものから、卒業生に学ぶ、1Day College、職業人に学ぶなどキャリア教育の面から、また、サイエンスキャンプ・研究者体験など「学び」の面からと多方面から取り組んでいます。受験校決定にあたっても合否の可能性を含めた指導は勿論のことですが、大学の名前ではなく「自らの進路」との関係で学部や大学を決定しています。また、授業や講習、個別の添削指導や小論文・面接指導と、きめ細かな指導を行なっています。何より、生徒の「心に火をつけ」、学びを追究する生徒に育てることを大切にしています。

2014年03月23日

入学式準備

 新年度準備の一つに入学式準備があります。入学式は、新しく中学生や高校生としてスタートする門出となる大切な式です。学校の創立の精神や理念とともに全教職員や在校生の新入生に対する歓迎の気持ち等があらわれてくるものとなります。
 本校には創立50周年に建設された学園記念講堂があります。映画会や演劇鑑賞など各種行事、学年集会等に活用できるようにと900の固定席が設置されたものです。この講堂で卒業式や入学式などの式典も行ってきました。卒業式は中学と高校は別の日程で行なっていますが、入学式は同一日に午前が中学、午後が高校と分けて行なっています。入学生が250名前後であれば900席の講堂で保護者、教職員、在校生を合わせて丁度良いのですが、300名近くなると満席となり少し厳しくなってきます。昨年度の高校入学式では急遽教職員席を減らし、パイプ椅子を用意して急場をしのいだという始末でした。
 そこで、平成26年度の高校入学者を考えた時に、学園講堂では全ての保護者の方に座席が行き届かないことが予想されましたので、会場を変更し、中学と高校の入学式を同時に行なうことにしました。元来、記念講堂ができるまでは中学入学者と高校入学者を一堂に集めて入学式を行なっていました。その形に戻すということになります。
 学外の1,700名ほど収容できる大きな会場で「平成26年度雲雀丘学園中学校高等学校入学式」を行なうことになりました。今までの良さを引き継ぎながら、新しい門出にふさわしい素晴らしい入学式になるように準備を進めているところです。

2014年03月22日

修了式

H25.3.22%E4%BF%AE%E4%BA%86%E5%BC%8F.jpg 今朝は厳しい冷え込みでした。修了式を行う頃には、やっと日差しも春らしくなってきました。卒業した中学3年生や高校3年生のいないチョット寂しい修了式になりました。
 修了式に先立ち生徒会主催の全校集会が行われました。毎年恒例になっている生徒会の特別表彰では、高校の部は高1の健闘が目立ち、「遅刻をしないで学校に来るー精勤賞」、「校章や学年・組賞を忘れずにつけ制服を正しく着るーバッチグー賞」、「清掃をしっかりするーピカピカ賞」、「図書館を活用し読書をするーLet`s読賞」という4つの賞を独占しました。中学の部は中1と中2が仲良く分け合う形になりました。
 修了式では、理事長よりの特別表彰を行いました。中学3年生や高校3年生は卒業式で表彰されています。きょうは1・2年生の表彰となりました。今年度は例年以上に学習面を含め文化部や運動部の多くの個人・団体が表彰されました。
 年度末まで少し日数が残っていますが、きょうで平成25年度はひとまず終わりとなります。寂しい別れも待っていました。ご指導いただいた先生との別れ、離任式です。長い先生で30年間、短い先生で2年間と様々ですが、お一人ずつお話をしていただきました。それぞれの先生の思い出や感じてこられたこと、生徒たちに期待することなどを話され「最後の授業」となりました。
 別れがあれば、新しい出会いもあります。平成26年度には多くの新入生と新しい先生が着任されます。新たな生徒集団と教員集団で新たな教育活動が展開されることになります。

2014年03月21日

春分の日

 「暑さ寒さも彼岸まで」。この時期は暖かくなりすっかり春を思わせる陽気になるのですが、きょうは風が強く、雪が舞う寒い彼岸の中日、「春分の日」となりました。
 平成25年度もあすが修了式です。この年度は一貫・選特・特進のコース制(第二ステージ)になって初めての卒業生が出る年でした。進路実績は、国公立大学後期入試の発表が行なわれているところですが、東大を始めとして難関と言われる旧7帝大も6大学(名古屋大以外)で、医学部医学科も現役で2名の合格者が出ています。ここ数年のなかで少ない卒業生にもかかわらず、現時点で国公立大学の合格者は過去最高の数となっています。
 「本物の学び」を軸にした取り組みもSPP・サイエンスキャンプ・先端科学実験教室・研究者体験などいろいろと展開され、広がりをみせた年でもありました。
 また、様々な教育活動に対する外からの評価の一つの指標となる入試は、中学と高校とも多くの志願者があり、共に多くの入学者を迎えることができました。新入生はガイダンスや用品購入も済ませ、新年度を迎える準備も整い入学式を待つのみとなりました。
 平成26年度は中学・高校を合わせた生徒数やクラス数は最高の数になります。修了式が終われば、入学式準備を始め担任や分掌配置、時間割の作成など新年度準備を一気に加速させなければなりません。とりわけ、次のステージとなる第三ステージの内容をつくる様々な取り組みの準備が重要になってきます。
 きょうは夜より昼が長くなっていく分岐となる「春分の日」。本校にとって来年度は第二ステージから第三ステージへの分岐となる重要な年となります。

2014年03月20日

併願者ガイダンス

 きょう午後2時から学園講堂で併願者ガイダンスを行いました。兵庫県、大阪府とも昨年より中学3年生の在籍者数が多いこともあり、併願の志願者はどちらも昨年より多くなっていました。
 兵庫県公立高校一般入試は全日制普通科が19,626人の定員に対し、志願者数が21,265人。倍率は1.08倍と昨年の1.06倍より0.02ポイント高くなっていました。一方、大阪府公立高校後期入試は全日制普通科が24,255人の定員に対し、志願者が29,783人。倍率は1.23倍と昨年の1.25倍より0.02ポイント低くなっていますが、兵庫県と比べると高い倍率になっていました。特に、北野・茨木・豊中の3校は倍率が高く、3校の定員合計560人に対し、949名が志願。平均倍率1.69倍、389人も定員を上回っていました。
 これらの状況が反映し、併願の志願者は昨年より多かったのですが、併願入学者は昨年とほぼ同数となりました。内訳は、倍率の高かった大阪府からの入学者が、志願者の多かった兵庫県からの入学者より多くなり、この割合も昨年とほぼ同じ割合になっていました。ただ、専願での入学者が昨年より多く、入学者合計では昨年より多くなりました。
 併願入学者は第一希望の夢叶わず本校への入学となりました。しかし、高校への入学がゴールではありません。この悔しさをバネに3年間努力し大学進学でリベンジを果たしている多くの先輩がいます。最難関と言われる大学や国立大医学部医学科へ現役で合格した先輩もいます。きょうのガイダンスを契機に気持ちを切り替え頑張ってくれるものと期待しています。本校教職員全力を挙げて皆さんをサポートします。

2014年03月19日

インフレーション理論

 小さな超高温、高密度の火の玉状態のものが急激に膨張して今の宇宙ができあがったというのが、1948年にジョージ・ガモフらが提唱したビッグバン理論です。ところが、この火の玉がどうやってできたのかが謎とされていました。それを説明したのが、「インフレーション理論」です。宇宙創成の10のマイナス44乗秒後に始まって、10のマイナス33乗秒後に終了した、つまり、1秒の1兆分の1をさらに1兆分の1にして、またさらに10億分の1以下にしたという一瞬も一瞬、とてつもなくわずかの時間に宇宙の異常膨張が起き、これまた極小も極小の直径10のマイナス34乗cm(素粒子より遙かに小さい)のものが、インフレーション直後、ビッグバンの時には直径1cm以上になっていたとするものです。1981年に佐藤勝彦(現、自然科学研究機構機構長・東大名誉教授)氏が提案した理論です。
 その理論を裏付ける「原始重力波」の証拠を南極に設置した電波望遠鏡で初めて観測したと、米ハーバード大やスタンフォード大などの研究者が3月17日未明に発表しました。
 宇宙の始まりは約140億年前と考えられています。今も膨張を続けていると考えられているとてつもなく広大な宇宙では遠くは昔のことになります。光は1秒間に30万km進みますから、今見えている月は1.3秒、太陽は8.3分、アンドロメダ銀河は200万年昔の姿のように、もっと遠くを見れば宇宙の始まりの姿が見えることになります。ならば、宇宙の始まりは?佐藤氏によれば最初の宇宙は「無」から生まれたと考えられると言います。しかも「無」は単なる何もない状態ではないと言います。なんとも興味が尽きないところです。

2014年03月18日

第59回中学卒業式

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 きょうは雲雀丘学園中学校第59回卒業式です。担任の呼名に応じ壇上へ上がってくる生徒の顔は緊張した表情とともに何か晴れやかな充実感、満足感に溢れていたように感じました。卒業証書を受け取った後、皆勤賞が21名、県大会3位以上に相当する実績を挙げた個人団体に授与される理事長からの特別表彰が29名と沢山の生徒が表彰されました。
 式辞で、教育が世の中や社会を変えていく力になること、教育を受けるものの立場からすると「学び」がこの力になること。無学、学ばないことが暴力を引き起こし人々を不幸にすること。「学び」は単なる知識の獲得や暗記をすればいいというものではなく、教科や文系、理系といった枠を越えた「融合型の学び」、答えのない課題に答えを見いだしていく総合力、それを発表する発信力が求められていること。「学び」は人々を幸せにするものであり、今一度「何の為に学ぶのか」、「誰のために学ぶのか」を自分自身に問い直してほしいと訴えました。
 卒業生を代表して2名の生徒が、部活動を通して得たもの、目標を持って学ぶことの必要性を感じた話など、「学び」に関する力強い決意と方向性を感じさせる「卒業生の言葉」を披露してくれました。在校生の心に響く内容でした。
 きょうで義務教育が終了しました。これから益々、各自の責任と自覚が問われるようになってきます。「高志・自律・努力」の校是を胸に活躍してくれることと期待しています。
 元気溢れるパワーのある59期生187名が巣立っていきました。

2014年03月17日

巣立ちの春

 「巣立ち」とは文字通りヒナが巣を離れていくことから、一人前になることや学校を卒業して社会に出ることを表します。鳥などが巣立つのは夏が多いのですが、春は卒業式のシーズンでもあり「巣立ちの春」としてよく使われます。
 雲雀丘学園は幼稚園が2つに小学校、中学校、高等学校があります。高等学校が2月28日に小学校が3月10日に卒業式を、きょう17日に雲雀丘学園幼稚園で卒園式が行われました。そして、あす18日が中山台幼稚園と雲雀丘学園中学校で卒園・卒業式が行なわれ全ての「雲雀っ子」が巣立つことになります。
 さて、中学校は59回目の卒業式になります。元来、本校の中学校は4クラス体制が基本となっていますが、59期生は5クラスとなっています。後に続く、60期生、61期生、そして、この4月に入学する62期生も5クラスになりますが、その草分けです。5クラスになったからというわけではありませんが、U-15全国選抜ジュニアテニス選手権女子シングルス優勝や日本ジュニア数学オリンピックで銀賞を取り、ヨーロッパ女子数学オリンピック日本代表に選ばれるなど全国レベルを超え世界を舞台に活躍する生徒たちを筆頭に、いろいろな分野で活躍する生徒が出てきました。やはり数は力なりということになります。この59期生、高校でどんな活躍をしてくれるか楽しみです。
 ヒバリは春を告げる鳥で、別名を告天子(こくてんし)とも言います。春の青空高く飛び立ち、草木が芽吹き生きものが生き生きと活動する春の到来を告げてくれるように、幼稚園、小学校、中学校、高等学校を巣立ち生き生きと活動してくれることでしょう。

2014年03月16日

「コピー・アンド・ペースト」

 「コピー・アンド・ペースト」略して「コピペ」はパソコンの操作で、画面上の大量の文書や画像をマウスの操作一つで簡単に複写したり移動させることができる便利な機能です。文章の構成を変更したり、組み替えたりする時に、消しゴムで消して、また書き直すと言う手間がなくなります。この便利な機能ですが、他人の文章や著作物を「コピペ」して自分の文章に使用すると大きな問題になります。STAP細胞の論文でも問題とされているところです。
 「コピペ」ではなく文章を書き写す。これは書写です。学校教育のなかでは小・中学校の国語の言語事項に位置づけられています。名文や美しい文章を書き写すことのなかには、「まねぶ=学ぶ」と言う大切な教育的要素が含まれています。文章力向上のために新聞のコラムの書き写しもよく行なわれる行為です。最近では、各社がコラムの行数や文字数にあった書き写しノートを作成しているほどです。また、古くから写経というものも行なわれてきました。仏教の経典を書き写す(書写)ことです。300字足らずのお経、「般若心経(はんにゃしんぎょう)」の写経はよく知られているところです。
 文章の盗用に使用するものは別として、資料を「コピペ」で残すのも自分で必要なところを入力するのも見た目は同じです。でも、記憶の残り方として違うように感じます。また、最近は手書きのメモを後でテキスト変換してくれるものもありますが、パソコンで入力した文章と書写した文章は同じものでも残るものは違うように感じます。見たものを体を使ってその通り「まね」たり書き写す。大切な教育的手法です。反対に便利さと引き換えに大切なものを失う危険性のはらむ「コピペ」の使い方は注意が必要です。

2014年03月15日

今年の開花は

 舞い散る火の粉、夜空を明々と照らす「お松明」。東大寺二月堂の「お水取り」は、3月1日から2週間、きょうの未明本行を終えました。「お水取り(修二会)」は、旧暦2月に行われることから名付けられた二月堂の本尊十一面観音に練行衆と呼ばれる行者がみずからの過去の罪障を懺悔し、天下太平、万民豊楽、五穀豊穣などを祈る法要行事。こどもの頃から「お水取り」が済めば暖かくなるとよく聞かされた早春の風物詩です。
 この冬は3月にも雪が散らつくなど寒い印象がありますが、気象庁のデータでは大阪や神戸の1・2月の月別平均気温は最近3年間のなかでは一番高くなっています。寒暖の差の激しさ故の印象かもしれません。梅・桃・桜と言われるように季節が進み桜の便りも聞かれるころになりました。今年の桜の開花予想は例年並みとのことですが、桜の開花は前年の秋から開花日までの気温が影響します。高めの平均気温で推移していることからすると、このまま暖かくなってくれれば早く満開の桜が観られそうです。
 学園の「59期生187の若木」も3年間暖かい日差しと愛情を十分受け、大地に根を張り幹を太らせ枝を伸ばし、今また新芽や花芽を膨らませています。最後の学年末考査という「本行」も無事済ませ、いよいよ来週の18日には卒業です。これからは、より一層自分の意思でシッカリ根を張りめぐらせて、どこに枝を伸ばし葉を茂らせ、どれだけ多くの花芽をつけ実を結ばせるかが問われるようになってきます。59期生の開花の便りが楽しみです。

2014年03月14日

「本物の学び」の発展をめざして

 きょうは島本町にある(財)サントリー生物有機科学研究所に高校生約30名が出かけています。「先端科学実験教室」に参加するこの四月から高校2・3年生になる生徒たちです。多くの研究員の方に丸一日指導していただくことになります。
 本校では、中学1年生から高校3年生までの6年間に「本物の学び」の柱となる取り組みを計画的に配置しています。
 まず、中学1・2年生では昨日の中学発表会でもその取り組みを披露していますサイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)への応募を目標にした取り組みです。次に、中学3年生・高校1年生を対象とした「サイエンスキャンプ」。最後に、高校2・3年生ではきょう実施している「先端科学実験教室」や夏休みに5日間にわたって行なう「研究者体験」となっています。
 これらは、自らの興味・関心を生かして幅広く学ぶもので、いずれも授業の内容を超えた高度なものです。また、この学びを通して、モチベーションを高めたり将来の進むべき方向を見つけ出したりしているケースが多く出ています。日本生物学オリンピックで敢闘賞や銅賞を受賞した生徒もこれらに参加した生徒です。そのうちの一人は医学の道に進み研究者になりたいと広島大学医学部に合格しています。
 間もなく新年度を迎えます。新しいステージへ向けて、授業内容や展開の仕方をそれにふさわしいものにするとともに、SPPへ向けての取り組みは更に分野を広げたものに、「サイエンスキャンプ」は実施する大学や学部を広げるなど、今までのこれらの取り組みを更に充実・発展させる計画を実行しています。

2014年03月13日

平成25年度中学発表会

 中学発表会を行いました。この発表会は中学1・2年生がこの一年間の中で取り組んできたものについて発表するものです。
 今年は中学1・2年生によるSPP(サイエンス・パートナーシップ・プロジェクト)に採択された2つのレポートと中学2年生の職業インタビュー3つ、中学1年生の探求発表「新商品を開発しよう」が3つ、中学2年生の探求発表が8つ、最後に中学2年生全員による群読「走れメロス」となっていました。
 中学2年生の探求発表は個人研究でしたが、その他はグループによる研究になっていました。いずれも全員がテーマを持ち研究しているのですが、その中から選ばれたものです。パワーポイントを使って保護者や先生も見ている中で堂々と発表していました。また、発表会の運営や司会進行も生徒たちの手で行われていました。
 発表内容は、自分たちの興味や関心のあるものについて調べたものでした。中学1・2年生ですから、研究と言っても調べてきたものを上手にまとめて発表するというものが多いのですが、きちんと自分の考えや意見、感想を持っているところがすばらしかったと思います。中には独創的なものもありました。中学1年生は怖いもの知らずというか大胆な構想や発想に基づく内容を発表していました。この姿勢をいつまでも忘れないようにしてほしいものです。すばらしい発明や発見はこのような中から生まれてくるからです。
 「なぜこうなるの?」とか「こうなっているのはなぜ?」これを追求するするのが「学びの原点」です。この追求の過程で「分かったら面白い」「もっと知りたい」という達成感やさらなる意欲が湧いてきます。これらを体験する機会にこの発表会がなることを期待しています。

2014年03月12日

兵庫・大阪公立高校後期入試

 きょうは兵庫県公立高校一般入試と大阪府公立高校後期入試が行なわれました。
 兵庫県一般入試は、全日制138校に28,177人が志願し、平均倍率は1.11倍(県教育委員会発表)となっています。
 一方、大阪府後期入試は、全日制普通科募集人員24,255人に対し、志願者数が29,783人で、志願倍率1.23倍(府教育委員会発表)となっています。昨年が1.25倍ですから少し倍率は下がったものの兵庫県に比べると依然高い倍率になっています。四條畷1.85倍、豊中1.80倍、茨木1.74倍など倍率が高い学校もあれば、反対に7校(昨年は4校)で定員割れが生じています。そのうちの6校は今年学級増を行った高校です。
 2月に行なわれた兵庫県の推薦入試と特色選抜は、推薦が94校177学科・コースの定員8,180人に対し、11,490人が出願、特色選抜は56校の定員1,670人に対し2,420人が出願していました。大阪府前期入試は定員21,840人に対して47,545人の出願でした。
 兵庫県は両方合わせて定員9,850人に対し13,910人が出願していますので約4,000人が、大阪府は約25,700人が夢叶わなかったことになります。どちらも前期で夢叶わず後期を受験しなかった生徒もいるでしょうが、兵庫県は後期だけを受験する生徒が多く、大阪府は後期の受験者の大半が前期のリベンジ組ということになっています。志願者の数から考えると、兵庫県は前期と後期が違う位置づけや特色になっているのに対し、大阪府は受験機会が増えているだけという見方もできます。

2014年03月11日

「3・11」


     宮城県名取市立閖上中学校( 昨年8月撮影)
 2011年3月11日午後2時46分、岩手県沖から茨城県沖までの太平洋海底を震源域とされるマグニチュード9.0の大地震が発生しました。この地震による巨大津波や福島第一原発事故は被害を更に深刻なものにしました。報道されるTVの映像は生半可な知識や薄っぺらな考えを根底から覆すほど衝撃的なものでした。日本政府は震災による直接的な被害額を16兆から25兆円と試算しています。
 きょうで東日本大震災から丸3年。警察庁のまとめによりますと死者15,884人・行方不明者2,633人(10日現在)となっています。現在でも約27万人の方が避難生活を余儀なくされています。避難生活の長期化によるストレスは大変なものだと推察します。なかでもプレハブ仮設住宅での長期に渡る生活は限界に達しているのではないでしょうか。復興・復旧のための施策をもっと手厚く、急速に進めることが求められています。
 原発事故からも3年が経ちました。大量の放射能汚染物質や増え続ける原発汚染水など事故の収束どころか益々事態は深刻になっています。人間の力でコントロールする限界を超えていると言わざるを得ません。
 一方、困難ななかで被災した事業所の再建など復興に向け頑張っている姿や震災に強い町づくりや再生可能エネルギーの研究などを目指すべくプレハブの仮設住宅のなかで受験勉強に励んでいる姿もあると聞きます。
 震災復興に向け私たちは何ができるのか。また、被災地で復興に向け頑張っておられる方々から私たちは何を学ぶのか。東日本大震災3年にあたり、しっかりと受け止めたいと思います。

2014年03月10日

国公立大学前期の結果判明

 東京大学や京都大学、大阪市立大学などの合格発表がありました。これで、国公立大学前期入試の結果が出揃いました。
 今年の卒業生である56期生は、中学のコース制導入に伴い高校に一貫・選特・特進という新たなコース制を導入した最初の学年でした。この年の高校入試は志願者が約900名と多く、その2年前の290名を超える入学者を迎えた54期生の入試時の志願者よりも多い年でした。しかしながら、1クラス分にあたる約40名少ない入学者でスタートした学年でした。また、大阪府の公立高校に文理学科が登場した年でもありました。
 56期生は、新たなコース制、第二ステージの1期生として新しい道を切り拓いてきた学年でした。先頭を走るものにとっては様々な戸惑いや苦労がつきものですが、それを乗り越えてきた喜びと確信を先日の卒業式の答辞で語ってくれていました。一貫コースで初めての卒業生が出るなど進路についても注目を浴びるところとなっています。
 国公立大学前期の結果が判明した現段階では、65名(現役は51名)の合格者と入学者の多かった54期生の合格者数に迫り、難関大学といわれる東大・京大など旧7帝大(名古屋大以外の6帝大で合格)や医学部医学科の合格者数はすでに54期生を上回っています。今年も東大に1名合格していますが、この生徒は一貫コースの生徒です。昨年途絶えた京大は今年復活しています。すべてのコースは勿論のこと、すべてのクラスから国公立大の合格者が出ています。
 前期で結果を出すことができなかった生徒もいますが、後期に向け頑張っています。捲土重来、この意気込みに期待したい。

2014年03月09日

「二重課題干渉」

 最近、携帯やスマートフォンを操作しながら歩いている人やひどい場合は自転車に乗りながらとか車を運転しながらという危険なものも見かけたりします。このような、二つの課題を同時に行おうとするとうまくいかない現象は「二重課題干渉」としてよく知られているところです。
 二つの異なる課題がそれぞれ、注意や記憶、思考など、認知機能を担う脳の前頭連合野の共通の神経細胞集団を同時かつ過剰に動員しようとするのですが、「神経細胞が限られているため、互いに干渉しあって活動を抑制してしまう」ということを船橋新太郎京都大学教授(こころの未来研究センター)らが先日発表しています。
 車を運転しながらのおしゃべり、脇見運転などは「二重課題干渉」になります。注意力や認知機能が低下し危険なことになります。ましてや携帯電話を操作しながらとなると以ての外です。運転中は一つのことに集中し能力を最大限に発揮できるようにしなければなりません。
 昔から、ラジオを聴きながら勉強する「ながら勉強」がありました。静かな音楽などをBGMとして流しながらの方が効果が上がるという人もいますが、最大限に能力を発揮するにはやはり一つのことに集中した方が効果が上がるということです。完璧に遮音された環境はありません。周りの雑音等は避けられない時があります。頭の中をいろんな思いが去来することもあるでしょう。そこは、一つのことに打ち込む「ゾーンに入る」という状態まで集中力を高めるということが必要になります。これは日常の訓練から獲得されるものです。やはり「日々精進」ということになりそうです。

2014年03月08日

来週から後期入試

 国公立大学前期の結果が9日と10日を残すだけとなりました。きょう現在で現役の合格者はほぼ同じ卒業生の数であった昨年度の現役合格者数に並んでいます。
 26年度入試の平均志願倍率は国立大学が4.3倍、公立大学が6.5倍となっています。大学によって倍率はちがいますが、平均すると合格するのは、国立で4人に1人、公立で6〜7人に1人ということになります。本校生もしかり、希望する大学に合格したもの、そうでなかったものがあります。この結果を受けどうするかが問われるところになります。今一度、国公立大学に出願した時のことを思い出してほしいと思います。なぜ、その大学や学部に出願したのか。自分の進もうとする進路を考えてのことだったはずです。
 将来の夢や目標に到達する道は決して一本ではありません。様々なルートがあります。私の高校時代の友人に、第一希望の国公立大学の夢破れ、私立大学の二部(夜間)へ進学しましたが、将来の夢としていた弁護士になったものがいます。時として遠回りしたように見えた道が、実は自分を成長させてくれる道であったりします。
 26日に前期入試が終わってから結果を待つまでもなく毎日のように登校し、後期に向け頑張っている生徒たちがいます。結果が気になり落ち着かない時もあったと思いますが、それをコントロールして頑張っている今の姿勢はどのルートを通るにしても夢や目標を叶えるための力をつけつつある、と私は思っています。前期で道を切り拓けたものは更にその先のことを見据え、辛い思いをしたものは後期にリベンジを期すべく努力を続けていきましょう。

2014年03月07日

第11回カナダ研修説明会

 学年末考査が終わりました。校舎内を行き交う生徒の姿や表情にもどこか安堵の様子が伺えます。考査終了後、中3は宝塚歌劇の鑑賞に、高1は気持ちを緩める間もなく進路講演会とそれぞれの学年の課題に取り組んでいました。
 そんななか、中1・中2を対象にカナダ研修説明会が行われました。今回で11回目となり、今までに約300名の生徒が参加した伝統ある行事です。この研修はカナダのプリンスエドワード島(PEI)でのホームステイと語学研修をメインとして、その前後にカナダ大西洋岸地方最大の文化・経済の中心都市で先進国首脳会議(サミット)が行われたハリファックスやナイアガラの滝観光などを行ないます。一週間滞在するPEIは「赤毛のアン」の舞台になった島として有名なところですが、1864年カナダの連邦結成(コンフェデレーション)についての話し合い、シャーロットタウン会議が行なわれたカナダ発祥の地として知られているところです。今年は150年目を迎えるということでいろいろなイベントも計画されているようです。
 説明はグーグルアースやDVDなどを使用し研修の様子や雰囲気がよく伝わるものでした。とりわけ、語学学校の副校長ヘレンさんとのSkypeを通してのやり取りは臨場感溢れるものでした。「What time is it now ? 」との生徒の質問に「Now, it is 1:07. 」との回答に会場から驚きの声が上がる場面がありました。時差が−13時間です。真夜中ですが、生徒との会話を楽しみにヘレンさんが快くこの企画に応じてくれているのです。
 約70組の参加者でした。参加予定人数を超えた場合どうするか。嬉しい課題が残りそうです。

2014年03月06日

「啓蟄」に雪

 三月の雪。小雪が散らつく「啓蟄」になりました。虫たちも動き出すのをやめ、じっと穴の中に潜り込んでいるのではないでしょうか。
 さて、大阪の後期入試の出願が昨日から始まっています。昨日だけで2月28日府中学校長会調査の9割を超える出願がありました。きょう一日を残していますが、ほぼ大勢は決したようです。やはり文理学科を有する進学特色校の倍率は高く、全日制普通科全体では1.13倍(中間集計)なのに、約1.5倍を超える倍率になっています。
 一方、兵庫県の後期入試も調整が終わり志願者が確定しました。こちらは、大阪ほどの極端な偏りはない模様です。
 受験者全員が頑張ったとしても、定員を超えると全員が入学できないのが入試です。例え希望通りに行かなかったとしても、ここで努力を終えてしまうと夢や目標を叶えることはできません。高校入学が最終ゴールでないことを考えれば当然のことです。第一希望が叶わず入学してくる生徒は本校にも毎年多くいます。しかし、3年間努力を続け目標としていた大学や学部に合格しています。中には最難関とされるところに合格している生徒もいます。結果がどうなるか気になるところでしょうが、「努力は嘘をつかない」を信じて頑張ってください。
 また、大学入試も昨日から国公立前期の合格発表が始まっています。「サクラ サク」嬉しい便りが聞こえてきていますが、後期に向け気持ちを緩めず多くの生徒が頑張っています。今年の冬は雪も降り寒さが一段と厳しいものでしたが、冬ごもりしていた虫たちも動き出し、草木が芽吹く暖かい春はもうそこまで来ています。

2014年03月05日

振り返りと新年度準備

 三月の声を聞くとともに季節も進み一気に春らしくなると思いきや、季節は逆戻り寒い日が続いています。学年末考査もきょうが中日です。生徒たちは全力を尽くして頑張っていると思います。
 学年末は一年の振り返りを行なうとともに、新年度の準備も進めなければなりません。到達点や課題を明確にし、新年度の計画を立てることになります。毎年同じことの繰り返しのように見えますが、内容は毎年違います。特に来年度は、本校にとって特別な位置づけになる年になります。
 中学が平成27年度から一貫選抜のみの募集になり、高校が選抜特進の比率を高めた募集になりますので、いわゆる第三ステージへ向けて動き出す年になります。第三ステージになるとどう変わるのか、そのイメージが明確になるような取り組みを展開することが来年度には求められています。「本物の学び」も更に発展させ、より内容を豊かなものにしていく必要があります。指導する内容や授業形態・進め方も更に質の高いものが必要とされます。当然、予習復習といった家庭での学習と連動した授業展開になってきます。暗記するだけの学習ではありません。既知の知識や事項をもとに自分の意見や考えを展開させ、他者との違いや共通点を見いだし自らの考えをより深化させていくということが必要とされます。
 来年度の中学入学者は確定しました。現中1とほぼ同じ規模です。高校入学者は、まだ併願の入学者が兵庫・大阪とも後期入試が終わらないと確定しません。しかし、現時点では、卒業した高3の239名をすでに越えています。中学・高校を合わせて過去最高の生徒数になることは確定しています。その規模にふさわしい内容になるよう準備を進めていかなければならないと考えています。

2014年03月04日

記憶の連結を調整する仕組み

 記憶に関係する興味深い研究を理化学研究所が発表しました。記憶の連結と分離を調節する新たな神経回路を発見したというものです。私たちは日常生活で様々な出来事に遭遇し、それを覚えます。その記憶には、「何が」、「どこで」、「いつ」という情報を含みます。それに必要な神経回路については知られています。ところが、「何が」、「どこで」の2つの情報がどのように脳の中に統合され、記憶されていくかは、比較的理解が進んでいますが、「いつ」という時間的情報が、「何が」や「どこで」という情報と、どのように脳の中で統合され、記憶されるのかについては、近年ようやく研究が進み始めたという状況だそうです。
 「いつ」と「何が」どのように統合するかの研究は以前に報告されています。例えば、何も知らない土地で電車を待っている時、突然音が鳴り、鳴り終わった20秒後に電車が到着するとした場合、経験によって、音が鳴って、その後しばらくすると電車が来るというように時間的に離れた2つの出来事を連結して記憶します。
 しかし、このように連結させて記憶する機能も適切に調節される必要があります。時間的に離れすぎている2つの出来事、もしくは、印象が非常に弱い出来事同士などは覚える必要がありません。そうしないと、脳の中で記憶の混乱が生じるからです。
 研究グループは、新規の神経回路の発見とともに、このように時間的に離れた2つの出来事の連結分離をアイランドセルと呼ばれる細胞集団が制御することを解明しました。今後、記憶の謎の解明がさらに進展していくと期待されています。

2014年03月03日

府公立中学校長会後期入試希望調査

 大阪府公立中学校長会が公立高校の後期入試を受験する中学3年生の進路希望調査(2月28日現在)を発表しました。全日制普通科107校に約3万人の進学希望者があり、平均競争率は1.23倍(前年度1.25倍)となっています。
 学区撤廃された普通科の旧学区を越えて希望したものが1,560人で、全体の約5.2%と前期入試の希望調査時の約3.9%(約910人)だったものが少し増えています。「文理学科を前期で受け不合格だった生徒が同じ高校を目指すケースが多く後期が微増」と校長会はみているようです。倍率が2倍を超えたのは普通科では茨木2.17倍と四条畷2.07倍の2校でした。文理学科を設置する進学指導特色校(10校)の平均倍率は1.69倍、旧1学区の北野・茨木・豊中の3校で454名超過の平均倍率1.81倍と高倍率を示す傾向が出ています。
 一方、希望者が募集人員を下回った高校が、前年度は17校だったものが7校増え24校になっています。生徒増に伴う学級増を40校で行ないましたが、そのうち13校が定員割れの状態になっています。
 前期・後期と同じ学校の同じ学科を2回受験できるという受験機会を増やす制度です。受験機会が増えるということは不合格経験者も増えるということになります。従来ですと、第一希望の公立高校が不合格となり併願で合格している私立高校に入学するというものだったのが、公立高校を2回不合格と言う体験をして入学してくる生徒が増えるということになります。公立高校も同様の傾向になります。生徒のリベンジに燃える気持ちにこたえる指導ができる学校であるかどうかが問われることになります。

2014年03月02日

前頭前野を鍛える

 あすから学年末考査です。試験準備は順調に進んでいるでしょうか。試験中は勿論のこと普段の学習や学習以外の部活動など、物事に取り組む時に集中力は大切な要素になってきます。
 集中力を高める、そのカギを握っているのは「脳」のなかの「前頭前野」だといわれています。前頭前野は「ヒトをヒトたらしめ,思考や創造性を担う脳の最高中枢である」と考えられている部位です。この部位は記憶力、反応抑制、行動の切り替え、計画性、推論などの認知・実行機能を担っています。20代前半までにかけてようやく完成する最も遅く成熟する脳部位であるとともに、老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位と考えられています。中高生の年代はまさに鍛え時の年齢だということになります。
 「前頭前野を鍛え集中力を高める」にはどうするか。その為には「脳」のクセをうまく使えば良いようです。「集中力」や「やる気」のスイッチを入れるには「楽しかった」という経験が大切だとされています。学習では「できる。できた。」という経験や「できるイメージ」を持つことです。脳は以外と単純で何かができたと感じると「うれしく」なって集中して学習に打ち込めるようになるようです。集中力を高めて学習するには、集中力のスイッチをOFFにする休憩のタイミングも大切です。この問題が解けたら休憩というより、長文を読み終わり設問をざっとみたところで休憩に入るのが良いとされています。休憩中に他のことをしていても、脳はどこかでその問題を気にしていて休憩が終わった時の集中力のスイッチを入れる準備をしているからです。
 「ヒトをヒト足らしめる」前頭前野を鍛える。これは、現時点では学年末考査に全力を傾けることにほかなりません。

2014年03月01日

「弥生・三月」

 きょうから「弥生」、三月です。いろいろな説がありますが、春になり草木がいよいよ生い茂る月、「木草弥や生ひ月(きくさいやおいづき)」から「弥生」となったとされています。
 きょうで授業は終わります。週明けから学年末考査です。進級や卒業ということもありますが、一年間の学習の締め括りになります。さあ新学期、決意新たに取り組みはしたものの夏休み前にペースダウンした人や1学期は頑張れたが夏休みで調子を崩した人、2学期の後半にかけどん底を迎えこれはと思い少し持ち直した人、学びのきっかけを摑み上昇傾向にある人など、一年を振り返ってみると各人様々な「歴史」があり好不調の波もあったと思います。様々な「思い」もあったでしょう。この「思いの丈」をぶつける場が学年末考査です。4月には学年が一つ上がります。試験にたいする準備や学習、心構えといったものも今まで経験したことのない最高のものでもって臨んでほしいと考えています。
 きょうの午後、卒業生を迎えての学習支援。多くの生徒が熱心に質問し、学習している姿がありました。また、昨日卒業式を終えた高校3年生は、国公立大学前期入試の結果が気になるところだと思うのですが、気持ちを切り替え中期・後期入試に向けきょうから登校し学習を再開しています。
 草木も芽吹き生い茂ろうとしています。年輪も一つ増えます。各人が、どのようなものを年輪として刻み、新年度に向けどのような新しい芽を芽吹かせようとするのかが問われる「弥生・三月」です。