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失敗と挑戦

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枯れ木色だった五月山が黄緑やうす紅のパステルカラーに装いを変えてきました。五月山は私の住まいから東に見えます。春の山は笑うといいますがこの頃をいうのでしょうか。昔、学校で「春はSPRINGというがSPRINGには泉やバネの意味もある」と教わりました。自然界にも人の心にも活力が満ち溢れてくる季節です。

今週始め、高1の「オリエンテーション合宿」が大阪アカデミアで行われました。これは、スムーズに高校生活をスタートさせるため、必要な心構えや、高校での学習姿勢や、学習方法を学ぶために実施されるものです。私も327名の新しい高1を前に話をしました。

入学式で親孝行の話をしましたので、今回は「やってみなはれ!(挑戦)」についてです。
雲雀丘学園の創立者の一人である鳥井信治郎は常々「やってみなはれ!やってみなわからしまへんで」と話し、周りの人を鼓舞していました。自らも「やってみなはれ」精神そのままの人生を送りました。100人が100人反対したといわれる日本でのウイスキーづくりに挑戦し、世界5大ウイスキーの一つに育て上げました。創業したサントリーは今や2兆6千億円の売り上げをほこる会社に成長したのです。

雲雀丘学園は「やってみなはれ精神」を大切にし、生徒に目的を持ちそれを達成することを教えています。困難に挑戦することで人間は大きく成長することを伝えたいからです。たとえ失敗してもいい、むしろ失敗を重ねることが将来の飛躍のための血となり肉となることを鳥井信治郎は言いました。今年の新入生のうち100名余りは他校の受験を落ち、雲雀丘学園に合格した生徒です。私はその生徒に「君たちは貴重な経験をした。悔しいかもしれないが失敗をバネにして雲雀丘学園で大きく成長しよう」と激励しました。

ある生徒の感想文です。「挑戦ってすごいなと思いました。私の中学校の先生が卒業の前に宿題を私たちに出しました。『幸せになりなさい』という宿題でした。私は高校受験に落ちて、まだ気持ちが整理できていません。でも校長先生の話を聞いて、その宿題を思い出し、先輩を見て幸せそうだったので、しっかり気持ちを切り替えて、雲雀で幸せになれる道をさがしていきたいと思います」。

今年の企業の入社式でトヨタの豊田章男社長は次のように新入社員に話しました。「世の中はどんどん変化しており、行く道は前例のない道。失敗を恐れず勇気をもって挑戦してほしい」。東京工業大学の三島学長は「自分の将来を見据え、積極的に様々な能力を身につけ、より高い目標に挑戦し続けてほしい」と話し、いずれも挑戦を求めました。

雲雀丘学園中高等学校は、挑戦することの大切さを教える学校でありたいと思います。