« 和気あいあいのPTA研修旅行 | メイン | 生徒会役員と懇談、自らの経験を話す »

靴をそろえる大切さ

%E5%86%99%E7%9C%9F.jpg
過日、雲雀丘学園高等学校のオープンスクールが開催されました。そこで少しいい話に出会いましたので紹介したいと思います。オープンスクールは記念講堂での説明会から始まりましたが大変多くに方がお見えになり、講堂の後ろにいすを用意するほどでした。そのあと学園内で各セクションに分かれて教育相談、校内の案内、体験授業、体験クラブ活動などがあります。

大勢の方のお越しで、十分な対応ができていないと思われたので、私はお客様に「何かお伺いすることはございませんか」とお尋ねしておりました。場所は高校棟の玄関でした。たまたまお帰りになるところのご夫妻に声をおかけしたところ、話がはずみ学園の色々なことでしばらくの談笑となりました。ちょうどその時、野球部の二人が急ぎ足で玄関にやってきました。一人の生徒が右目にイレギュラーのボールを受け保健室に行くとのことです。

ご夫妻との話は中断しましたが、続く言葉は奥様からでした。「雲雀丘学園は素晴らしい教育をされていますね」そした「二人の靴はちゃんとそろえられています。それも出口の方に向いています。急いでいるのに立派です」と。私も気が付きませんでした。有難いお言葉ですが全員ができるわけではありませんと申し上げました。

日経の夕刊「心の玉手箱」(2016.9.13)に出ていました。いささか話は古くなりますが、「潮来笠」や「いつでも夢を」の曲で知られる橋幸夫のデヴュー前の話です。ある事情で作曲家の遠藤実と一緒に作曲家吉田正の自宅に、弟子にしてもらえるようお願いに行きました。あっけなく橋幸夫は合格、歌ったわけではありません。遠藤がわけを尋ねると、吉田は「橋君は玄関で遠藤さんと自分の靴をそろえて置いた」と。高校生だがなかなか礼儀をわきまえていると大作曲家吉田正は見ていたのです。

説明会では「雲雀丘学園は人間力ある生徒を育てたい」と申し上げました。口では言えますが、実は大変な目標で簡単に達成できるものではありません。まず我々教職員が人間力を高めていかねばなりません。人間力はたやすく登れる頂上とは思いませんが一歩一歩着実に、小さなことから一つひとつ積み上げていきたいと思います。