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H28.10.5 ヘルバルト高校来校

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ドイツ北西部、オルデンブルグ市からヘルバルト校の生徒15名と引率の先生2名が一昨日から3日間の予定で来校されています。この学校との交流は1995年から始まり、以前は相互に訪問しておりましたが近年は本校からの訪問は休んでおり、ヘルバルト校からの2年に1度の訪問となっています。ヘルバルト校の高校生は本校の授業を生徒と一緒に受け、クラブ活動にも参加します。また近くの企業にも見学する予定です。夜は本校生宅にホームステイして24時間の日本の学校生活を送ることになります。

一昨日は私と1時間ほど「日本とドイツ」について意見交換をしました。私は明治以降ドイツから学んだことが多かったことを話しました。私自身、大学は経済学部でしたが、経済学ではゼミでドイツ語も全く分からないいまま、マルクスの「資本論」の原書を読んで勉強したこと、寮歌を歌う時、始まりの号令は「1、2, 3」と言わず、「アインス、ツヴァイ、ドライ」と言ったこと、つい最近まで病院のカルテはドイツ語で書かれていたことなどを話しました。

授業を行っている最中にいくつか日本の生徒が学ばなければならない、と思うことがありました。私は生徒15人を前にして話していたのですが、全員が笑顔で私の顔を見つめ、話に反応しながらうなづくことです。ブロークンの英語の私ですから通訳をしてもらいますが、わかりにくいところもあったと思います。それでも人の話を聞く姿勢は大変気持ちの良いものでした。

いくつか質問をしました。「最近少し支持率を落としているメルケル首相をどう思うか」「イギリスのEU脱退をどう思うか」「ドイツの原子力政策について」などです。最後の質問にはフランスからは原子力で作った電力を買うことになるが、の意味合いも少し入れてみました。質問をするとほとんど全員がすぐに手を挙げ、指名されると堂々と自分の意見を述べます。一人が答え始めると、すぐに数人が自分とは意見が異なるようで、手を挙げ、発言を求めてきます。その熱意と反応には驚きでした。

いくつか質問も受けました。南シナ海や尖閣問題、「金正恩をどう思うか」の質問もありました。また「どうして日本は難民を受け入れないのか」の厳しい指摘もありました。ドイツは多くの難民を受け入れていますが、今回の生徒たちの中にクルド人の生徒もいて、以前に難民としてドイツの来たとのことでした。

本学園の生徒とのコミニュケーションも日を追うどころか時間の経過とともに進んでいます。体育の授業ではバレーボールの練習に加わりました。バレーボールの授業はドイツにはないようです。大人と違ってすぐに友達になれるのかコートのあちこちで楽しそうに話しています。交流は心を通わすことですが、一方では相手との違いを知ることでもあります。異なる存在を認め合うことです。こうした機会を通して生徒たちが広く海外に目を向け、挑戦の気概を持ってほしいと願っています。

余談になりますが、私との時間の中で手を挙げることが何度もありましたが、すべて手のひらは人差し指のみが立てられていました。テレビでこの話を以前聞いたことはありますが、初めての体験でした。こんなことも生徒には考えてもらったならばと思います