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生徒会役員と懇談、自らの経験を話す

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昨日11月4日、生徒会後期役員と懇談の機会を持ちました。2時間という、考えていたよりも長い時間の懇談の時間でしたので、少し私がサントリーで経験したこと、学んだことから話しました。

私は40年間、サントリーに勤務しました。ほとんどが営業部門、勤務地はほとんどが東京でした。二つの大きな経験をしました。入社して35年間、サントリービールは全然売れずビール業界最下位の位置で苦労をしたこと、一方ウイスキーの方は、最初の10年間は売れに売れ、わが世の春を謳歌したものの、1983年を境に次の25年間は一転して下降線をたどり、販売量はピークの6分の1まで下落、まさに経営の危機さえ感じたことを話しました。私はそのおかげで人の気持ちがわかるようになったとも付け加えました。

そして奇しくも2008年でした。ビールは発売以来46年間の赤字を脱したこと、ウイスキーはハイボールの大ヒットで、26年間の下降から上昇に転じたのでした。どうしてそれがなしえたのか、何が大切なのか、私自身が経験したことを話しました。今後の人生に活かしてくれればありがたいと思っています。

あまり学校運営や教育全般では取り入れていない考え方、思考方法についても話しました。これは企業にあってはごく一般的な考え方です。一つは「仮説」と「検証」です。もう一つは「プロダクトアウト」と「マーケットイン」です。私たちは常にレベルアップを目指さねばなりません。また自分のことと相手のことを同時に考える必要があります。この思考は社会に出て活躍していくためにも極めて大切な考え方なのです。

懇談の後半は生徒会役員の一人ひとりから役員として何をやりたいか、悩んでいることは何かを話してもらいました。色々と考えているんだなあ、というのが率直な感想です。学年によっても、男女によってもそれぞれ要望することは異なっている、個人差も大きい。、それをどうまとめて方針として打ち出すか。これは大人の社会でも実に悩ましいところです。話し合えば話し合うほど、結局何もしないことに陥りがちです。生徒には障害があればやらないのではなく、一つひとつ問題をつぶしていき、実現するにはどうしたらいいのか考えるようにしよう、と伝えました。変えることのむずかしさを生徒は学んでいると思います。しかし社会の進歩にはすべてこの過程を経ているのです。生徒会活動を通してリーダーシップがどんなことかを学んでくれればと思っています。(2016.11.5)