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2017年02月28日

明日は高校卒業式

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今月も最後の日となりました。月が替わって明日は高校卒業式が挙行されます。今日は記念講堂で明日の予行練習が行われています。今年の卒業式は卒業証書の装丁を変えました。建学の精神も書かれています。「親孝行な人はどんなことでも立派にできる」の建学の精神を卒業証書と一緒にもって、いつまでも大切にしてほしいと思います。また卒業式には「親孝行」を考えたシーンも登場するそうです。私も式辞を気合を入れて述べたいと思います。

卒業式を迎えますが大学入試はまだまだ続きます。卒業生は一刻も気を抜けません。すべてを済ませ気を楽にして、卒業式をやってやりたいなあと思います。

先週も忙しい1週間でした。水曜日(2月22日)にPTA総会が開催され来年度の新役員が決まりました。深井会長ほか、5名の役員の方々が留任されます。今年度は文化祭、体育大会、PTA研修旅行、「RONDO」の発行と、大活躍をしていただきました。「RONDO」はA4サイズに大きくなり、内容も写真を多く取り入れ、楽しく生まれ変わりました。また研修旅行も参加人数が大幅に増加しました。企画がタイムリーで魅力的だったと思います。ご苦労様でした。新役員の方々来季もよろしくお願いします。

同じ日でしたが最後の全校朝礼がありました。開始の前の全員がきちっと集合し、校旗の掲揚を校歌を歌いながら見守り、寒い朝でしたが見事に晴れ渡り、実に気持ちよくスタートできました。こんな充実した気分はありません。わたしは「有終の美」という言葉を使い、残された40日をしっかり仕上げようと激励しました。最後はいつものように「挨拶の徹底」を言いました。挨拶はよくしてくれていると思います。さらに注文を付けるなら「挨拶は自分から、大きな声で」。

2017年02月17日

矢野達郎君のこと

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今日は比較的暖かい朝になりました。少し小雨がぱらついていましたが始業前の校庭はいくつかの運動部が早朝練習をしていました。芝生やトラックを懸命に走る選手を見ると、ワクワクしますし、元気をもらうことができます。昼休みも多くの生徒がバレーボールなどして遊んでいますがいいことだと思います。大いに体を動かし丈夫な体を作ってほしいと思います。健康な体が社会に出ても極めて重要な要素です。

今日は高校入試、B日程がありました。今年は80名の受験がありました。昨年が40名でしたのでたくさんの受験生となりました。有難いことです。受験生は9時からの試験に真剣な表情で取り組んでいました。今日夕刻の合格発表となります。

さて学園の一角に「矢野達郎記念庭園」があります。この庭園は先ごろ美しく整備され、生徒や学園に来られる方々に見ていただくことになりました。30年余り前に話はさかのぼりますが、当時中学2年に在籍の矢野達郎君は生まれつきの心臓病を背負いながらも順調に育ってきたのですが、中学生になり、決意して手術を受けることにしました。が、結果は思わしくなく、残念ながら帰らぬ人となったのです。

中学時代の達郎君は病気のハンディを物ともしない前向きな生徒でした。周りにハンディを負っていることを見せたくない強い心を持っていました。一方、生徒はそんな達郎君を陰にもなりながら懸命にサポートしようとします。当時の担任の先生はハンディの立ち向かう達郎君と、彼をバックアップした仲間を担任できたことは幸せであったと語っています。

この話を耳にしたのが放送部の部員でした。さっそく当時の状況を手分けして調べました。その頃のクラスメートを訪ね、また先生方や関係者の話を聞けば聞くほど、達郎君のクラスが勇気、思いやりに満ち、いかに熱い友情に結ばれたものかを知ります。驚くことにその友情は今も達郎君を真ん中にして、脈々と生きているのです。放送部員はこのことをみんなに知らせたくてテレビ番組を制作しました。

手元に達郎君のご両親が編集された追悼集、「天に翔け君が望みを」があります。ここには当時の学友が達郎君への思い出を語っています。達郎君と仲間が深いきずなで結ばれ共に成長している姿、その友を失った悲しささみしさがひしひしと伝わってきます。

卒業のシーズンを迎えますが、今の生徒たちがこの庭園の意味するところを知り、友情の大切さを感じ、今後の人生に活かしてほしいと思います。

2017年02月10日

幸い雪は降らず。高校入試、890名が元気に受験

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心配していた大雪も降らず、予定通り雲雀丘学園高等学校の入学試験が始まりました。試験開始の1時間ぐらい前から、受験生が次々と登校してきました。友達と一緒に受験に来ているのか、「おはよう!」と声をかけると声を合わせて「おはようございます」と元気に答えてくれました。今年の受験者数は890名(募集人員は100名)、合格ラインが上がるのを心配してか昨年より50名ほど減りました。一方、専願の受験者数は増加しています。いつもながら、みんな入学してほしい顔ばかりですが、そうできないところが辛いところです。
因みに兵庫県では9500人の募集人員に35800人が挑みます(3.75倍)。

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先週になりますが高校2年生を対象に模擬選挙が記念講堂で行われました。宝塚市選挙管理委員会のご協力を得て、社会科の社会教育の一環として実施されるものです。昨年から18歳以上の人に選挙権が与えられました。昨年は初年度ということで、あちこちの高校で模擬選挙などの勉強会が開催されましたが、今年はそのようなニュースは聞きません。そんな中、本学園はきちっとやってくれました。若年者ほど投票率は下がってきますが18歳、19歳の投票率は逆に上昇しています。選挙は民主主義の根幹をなすもの、特に若者の1票は国の将来を左右する大切な1票です。選挙の重要性を生徒にはしっかりと話していきたいと思います。

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一昨日、放課後7限に中学2年生社会科の勉強会がありました。自由参加(私も参加します)、月1回開催、テーマは生徒自身が決めます。今回のテーマは「2020年東京オリンピック」。過去「北方4島について」「トランプ大統領をどう思う」など時宜を得たテーマが取り上げられました。最初、担任の先生は1964年の東京オリンピックに日本国中で歌われた「東京五輪音頭」を生徒に聞かせ、私は当時の熱狂ぶり、それを期にして日本がどのように変わったかを話しました。担任の先生から質問が飛び、生徒は意見を述べます。正反対の意見も出ます。先生や私が想像もしない意見も登場します。実に愉快な時間です。大切なことは間違ってもいいから、(正解などないのだから)引っ込み思案にならないでとにかく意見を述べること、自分と異なる考えを聞くことです。それが成長の源です。

1964年のオリンピックの時、私は中学2年生でした。学校のテレビで「東洋の魔女」を「マラソンのアベベ」を「柔道のヘーシンク」を、手に汗を握りながら見たことを話しました。今私の前の中学2年生は、高校3年生の時にオリンピックを見ます。高度成長期の日本と、成熟期の日本、50年以上の歳月があります。(2017.2.10)

2017年02月04日

天国と地獄の長い箸

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むかし、ある男が閻魔大王さまに会いに行き、天国と地獄はどういう世界なのか聞きました。すると閻魔様は男に、天国のようすと、地獄のようすを、それぞれ見せてくれました。まず地獄では、ちょうど食事の時間だったので、人々はながーい箸をもって、大きななべの前に集まっていました。この地獄ではながーい箸で食事をしなければならない決まりなのです。

人々はながーい箸で鍋の中のご馳走をとって食べようとするのですが、あまりながーいので、どうしても自分の口にご馳走がとどきません。それでみんな、何も食べられずにおなかをすかせ、やせこけて、他の人の食べ物を横取りしようとして、けんかばかりしていました。

閻魔様は次に天国を見せてくれました。天国も食事の時間でしたので人々は地獄と同じ、ながーい箸をもって大きな鍋の前に集まっていました。天国でも、ながーい箸で食事をしなければならない決まりなのです。天国の人々は穏やかな顔をして楽しそうにご馳走を食べていました。ながーい箸でおたがいに仲良く、他の人の口に食べ物を渡しながら、ご馳走を分け合っているのです。

こうして地獄にいる人々は、自分のことばかり考えているために、いつまでもけんかをしていてなにも食べられず、天国の人々はお互いを思いやっているので、仲よく暮らせるのだと閻魔様が教えてくれました。

少し長い引用になりました。私はこの話をトランプさんに聞かせたいと思います。「アメリカファースト」、いまやこの言葉は自分だけ良ければ、あとはどうなってもいいということになっています。人類は長い歴史に中で、自国第一主義、保護主義、モンロー主義というものが悲惨な結果をもたらすことを学んできました。対して日本は「和の精神」、お互い様という寛容、助け合いの精神です。安倍首相とトランプ大統領が2月10日に会談をしますが、ぜひこんな話をしてほしいと思います。聞く耳をもたないと思いますが。

雲雀丘学園創立者の鳥井信治郎は「利益三分主義」を唱えました。企業は社会の一員であり、社会とともにある。だから事業で得た利益は会社や株主、社員のために使うだけでなく、3分の1は社会にお返ししようという考え方です。鳥井信治郎は若いころ「小西儀助商店」と言う薬種問屋で奉公をしていました。「小西儀助商店」は彦根の出で、近江商人でした。近江商人には「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」と言う考え方があります。鳥井信治郎はその精神を受け継いだものと思います。

商いは自分も相手も納得できるものであり、更に世間から見ても望ましいものでなくてはならないとするものです。近江商人は江戸の初期には全国をまたにかけ活躍をしますが、近世からこのような考えを持っていたことは誇るべきことです。トランプさんにも少しは勉強してほしいものです。