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矢野達郎君のこと

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今日は比較的暖かい朝になりました。少し小雨がぱらついていましたが始業前の校庭はいくつかの運動部が早朝練習をしていました。芝生やトラックを懸命に走る選手を見ると、ワクワクしますし、元気をもらうことができます。昼休みも多くの生徒がバレーボールなどして遊んでいますがいいことだと思います。大いに体を動かし丈夫な体を作ってほしいと思います。健康な体が社会に出ても極めて重要な要素です。

今日は高校入試、B日程がありました。今年は80名の受験がありました。昨年が40名でしたのでたくさんの受験生となりました。有難いことです。受験生は9時からの試験に真剣な表情で取り組んでいました。今日夕刻の合格発表となります。

さて学園の一角に「矢野達郎記念庭園」があります。この庭園は先ごろ美しく整備され、生徒や学園に来られる方々に見ていただくことになりました。30年余り前に話はさかのぼりますが、当時中学2年に在籍の矢野達郎君は生まれつきの心臓病を背負いながらも順調に育ってきたのですが、中学生になり、決意して手術を受けることにしました。が、結果は思わしくなく、残念ながら帰らぬ人となったのです。

中学時代の達郎君は病気のハンディを物ともしない前向きな生徒でした。周りにハンディを負っていることを見せたくない強い心を持っていました。一方、生徒はそんな達郎君を陰にもなりながら懸命にサポートしようとします。当時の担任の先生はハンディの立ち向かう達郎君と、彼をバックアップした仲間を担任できたことは幸せであったと語っています。

この話を耳にしたのが放送部の部員でした。さっそく当時の状況を手分けして調べました。その頃のクラスメートを訪ね、また先生方や関係者の話を聞けば聞くほど、達郎君のクラスが勇気、思いやりに満ち、いかに熱い友情に結ばれたものかを知ります。驚くことにその友情は今も達郎君を真ん中にして、脈々と生きているのです。放送部員はこのことをみんなに知らせたくてテレビ番組を制作しました。

手元に達郎君のご両親が編集された追悼集、「天に翔け君が望みを」があります。ここには当時の学友が達郎君への思い出を語っています。達郎君と仲間が深いきずなで結ばれ共に成長している姿、その友を失った悲しささみしさがひしひしと伝わってきます。

卒業のシーズンを迎えますが、今の生徒たちがこの庭園の意味するところを知り、友情の大切さを感じ、今後の人生に活かしてほしいと思います。