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ファームスティ                  第24号

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   昨年の北海道ファームスティ       昨年の沖縄伊江島民泊

先日、劇作家、演出家の平田オリザさんのお話を聞く機会がありました。平田さんは、大阪大学COデザインセンター特任教授をはじめ多くの大学で教鞭をとられる一方、小中学校で演劇を創作するワークショップも行われています。
演題は、「グローバル社会に必要とされるコミュニケ-ション術・対話能力とは」でした。演劇を使ったコミュニケーション教育、コミュニケーション教育と大学入試改革、子どもたちのコミュニケーション能力というような内容で英語教育の話は一切なく、大変興味深く聞かせていただきました。
特に印象に残っているのは、コミュニケーション力をあげるためにといわれて、教育現場では、「伝える技術」ばかりを教えることにとらわれているということでした。表現力の向上を目指して、文章力、プレゼン能力、PPTの作り方・使い方、ディベート力とその技術向上に取り組んでいます。しかし、「伝えたい気持ち」「伝えたい意欲」の醸成が行われていないと話されました。単語でしゃべる子どもが多く、家族を中心とする伝わる人だけとのコミュニケーション状態になっている。だから、基礎基本の「挨拶」「NOといえる」「自己紹介」ができていないということです。
これは伝わらない体験が極端に少ないからで、「伝えたい気持ち」を生み出すためにも「伝わらない経験」が重要であると話されました。ライフスタイルの違う外国人やジェンダー、老人や障がいを持つ人とのコミュニケーションをとる体験をもっと活発にしようということです。異文化が強調されるが、それよりも男女間や世代間の方が重要だそうです。人間力としての挨拶、心からのコミュニケーションが重要で、英語や表現技術にばかりとらわれていてはいけないと思いました。
本校では、行事の中の中で異文化交流や世代間交流などを行います。修学旅行や研修旅行での「ファームステイ」もその一つです。現在旅行中の高校2年生には、「伝わらない経験」から「伝えたい意欲」を高め、「伝える喜び」を知り、コミュニケーション力を高めてほしいと思います。ひとまわり大きく成長して帰ってきてください。