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「私がしてしまいました,ごめんなさい。」

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 5月末のある日の夕刻,1人で下校中の1年生が,専用通路で中高生に傘の先でお尻をつつかれ,大きな声で驚かされるという出来事があり,とても怖かったという連絡を翌日,担任が受けました。高学年の子ども達に,その現場を見た子どもはいないかと尋ねると,具体的な情報が集まったので,中高校に申し入れをしました。その翌々日に,担任の先生に連れられて,1人の生徒が謝りに来ました。
 悪意の無い,ほんの軽い気持ちでのふざけた行為だったかもしれませんが,入学して2ヶ月しか経っていない1年生にとってはとても怖くていやな気持ちになったことを伝えました。翌朝,再び来校したその生徒は,相手の1年生に素直に謝ってくれました。
 中高校での指導の詳細はわかりませんが,担任の教師から訪ねられたときに,「私がしてしまいました。」と正直に名乗り出るのは勇気が必要だったと思います。また,小学校まで謝りに来るのも反省と後悔の心で,逡巡したと想像できます。
 年少者に行った行為は,看過されるものではありませんが,自分の失敗から多くを学んでくれたであろう生徒に,人間としてのより良い成長を願わずにはいられません。また,大きなお兄さんが幼い自分を一人前として扱い,正直に謝ってくれた姿を見て,1年生の児童も学んだことがあったに違いありません。1年生の担任が,「これからは,小学生を守ってあげてね。」と伝えると,堅かった顔が柔らかな優しい表情になったそうです。それを聞いた私も少し嬉しくなりました。
 園児から児童生徒まで,多くの子ども達が専用通路を利用します。2500人以上が狭い通路を利用しますから,小さな揉め事が生じるのは無理もありませんが,相手に不快な思いをさせたことが分かれば,素直に謝ることで円滑な社会生活を送ることができるのです。それは,年齢に関係ありません。学園内は,社会の縮図です。年長者は年少者をいたわり,年少者は年長者を敬う気風が,しっかりと醸成されるような指導をこれからも続けていきたいと思います。
(小学校教頭 井口 光児)