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環境大使 聞き書き甲子園修了

「聞き書き甲子園」に選出された高校2年生の環境大使2名が、京都府の手すき和紙名人、大阪府の海の名人へ取材をし、聞き書きを終え、作品集にその作品を収めました。

取材準備で「名人」の知恵や技を調べ、質問する内容を考え、聞き書きを編集し、初めてのことばかりで、大変な作業だったと思います。しかし、最後までやりぬいた2人の感想からは、聞き書き甲子園で得たゆるぎない自信すら感じられます。

以下、大使感想
高2 N.Mさん
伝統は絶やしちゃあかん~和紙と向かい合った60年間
 を作成
正直、取材に行くまでは紙漉きの仕事についてほとんど何も知りませんでした。取材に向かう電車の中では緊張でうまく話せなかったらどうしよう、といろいろ考えてしまい、楽しみよりも不安が勝っていたのを覚えています。でも福田さんに実際にお会いすると、とても気さくな方で、午後にはほとんど緊張せずに楽しく取材することができました。2回目の取材の時には実際に紙すきを体験させてくださったり、原料や糊を作っているところを見せていただき理解が一層深まりました。
私はこの聞き書き甲子園に参加して多くの体験をし、様々な事を学ぶことができました。このような機会を与えてくださった聞き書き甲子園のスタッフの方々や、何も知らない私に一から教えてくださった名人や和紙組合の方々に心から感謝しています。本当にありがとうございました。

高2 S.Mさん
おもろいで ウナギとんのは~淀川との80年
 を作成
事務局から名人の職業が書かれた紙が送られてきたとき、私は淀川でウナギをとっている人が本当にいるのだろうかと驚きました。しかし、実際に名人とお会いしウナギのとり方やタンポという仕掛けのことなどを教えていただくことで、本当に淀川にウナギはいてそこでウナギをとっている人はいるのだと実感できました。
名人は取材中、私の言葉足らずな質問にもずっと笑顔でニコニコと答えてくださいました。名人の笑顔は、都会である大阪のすぐそばを流れ、高度経済成長期には水質汚染もあり決して一筋縄ではいかなかった淀川と付き合ってきた忍耐強さの賜物のように思います。私は今回の取材を通して自然と付き合うことの大切さと、私たちのくらしのすぐそばにある自然の恵みのありがたさを学びました。
取材の帰り、電車から名人の仕事場である淀川が見えました。見慣れたはずの景色でしたが、今までひどく人工的で冷たく見えたものが、名人のお話をきいた後に見ると不思議とほっこりしてとても幸せな気持ちになりました。


2人は今週末、本校の環境フォーラムでも「聞き書き甲子園」について発表を行う予定です。中学生のみなさん、楽しみにしていてくださいね。そして高1になったらぜひ、先輩の取り組みを引き継いで今度は参加する側で体験して欲しいと思います。
高1・高2のみなさん、今年度の聞き書き甲子園の募集も受付中です!詳細は生徒会室前ポスターを見てくださいね

●聞き書き甲子園」とは・・・●(聞き書き甲子園HPより抜粋)
 日本では古くから、森や川、海の自然を守り育て、持続的に暮らす知恵や技を培ってきました。 しかし、高度経済成長期を境に、木でつくられていた道具はプラスチック製になり、炭や薪といった燃料は石油をはじめとした化石燃料へと代わっていきました。森は荒廃し、海や河川の汚染、洪水などの災害、生物多様性の減少といった問題が生じています。
 私たちは、伝統的な暮らしをもう一度見つめ直し、その中から、これからの持続可能な社会を考えるヒントを得られるのではないかと考え、全国の高校生の皆さんに呼びかけて、10年前に「聞き書き甲子園」をはじめました。
「聞き書き甲子園」には、毎年全国から100人の高校生が参加します。高校生は、造林手、炭焼き職人、木地師、漁師、海女など、自然と関わるさまざまな職種の“名人”を訪ね、一対一で「聞き書き」をします。「聞き書き」とは、話し手の言葉を録音し、一字一句すべてを書き起こしたのち、ひとつの文章にまとめる手法です。参加高校生はこの「聞き書き」を通して、名人の知恵や技、そして生きざまやものの考え方を丸ごと受けとめ、学びます。 名人の言葉を受け、高校生は自然と人の暮らしのつながりや、その後の将来を考えるようになったと語ります。

*聞き書き甲子園」は農林水産省、文部科学省、環境省、公益社団法人国土緑化推進機構、公益社団法人全国漁港漁場協会、全国内水面漁業協同組合連合会、認定NPO法人共存の森ネットワークの7者からなる実行委員会が主催しています。