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2008年03月08日

国公立大合格発表

6日から順次、国公立大前期日程の合格発表が始まっています。
私は49期生の担任をしていましたが、一浪後、目標学部に見事合格した卒業生が、合格発表直後に学校を訪れ、合格報告をしてくれました。報告に来るとしても翌日か、まずメールで報告が来るのかな、と思っていたので、こんなに早く報告に来てくれたのかと、なんだかじんとしてしまいました。
彼は「高校時代から一緒に勉強した仲間に恵まれた。部活動を続けて、ねばりが養われていたのもよかった。」と言っていました。二次試験対策では雲雀丘学園に通い指導を受けていた彼は私大も意中の大学に合格しており、これからどちらに決めるか悩んでいるとか。でも、どちらの大学に行くにせよ、「仲間がいたから」と言い、すぐに報告に来てくれる彼はよい人間関係を築いて、充実した大学生活が送れるのでは、と感じました。
大学の偏差値や合格数ばかりが結果としてとりあげられがちですが、自分が納得、満足できる進路にたどりつけることが一番大切ではないでしょうか。それと同時に人として他者を思いやった行動がとれる卒業生から、私も多くを学んだ一日でした。

2008年03月04日

今日から期末考査!

今日から期末考査です。
出勤していると、生徒から「先生どこがでるの~?教えて!」との声が。
それはできません…。

言わずもがなのことですが、日々の学習の積み重ねが皆さんの将来の夢を可能にします。
…でも私も含めて、人間、怠け心はつきもの。
中高生には、そんな怠け心に負けないよう、時々、自己確認の機会として定期考査があります。
特に今回の考査は学年末。今年一年、よいしめくくりになるよう、そして次年度につなげる学習の到達度の確認として、意味のある5日間にしてください。

2008年03月02日

情報収集について

 今回の当番は、2月25日が前期試験だったため、25日の月曜日に始めたのでは間に合わないので、日曜日でしたが、1日繰り上げて24日から始めました。その際、内容の関係上、分量にして2,3日分一度に書くことになりました。それで25日と26日の分の便りは休みました。ところが、初日深夜に書いたのが癖になって、同じ調子でブログしていたら1日スキップしてしまい、2月28日の分が欠けてしまいました。それで今回の1日分を追加して終了にしようと思います。


 かなり長い間(特に最近は入学試験の真っ只中なので)、高3の諸君ばかり念頭に置いて書いてきたような気がします。この辺りで今回は主に高2・高1の諸君に向けて書いてみようと思います。

 諸君はこれから学習以外に、自分の将来の自分の姿を描くという大事な仕事があります。
そのためにはいろいろな情報を集めなければならないことになります。

 一口に情報と言っても内と外の二種類あります。「内」とは自分であり、「外」とはもちろん外部のいろいろな状況です。
 受験を戦争に見立てて「受験戦争」とよく言いますが、孫武の有名な言葉に「彼を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」というのがあります。孫武の著したといわれる『孫子』は戦術に関する中国の古典的名著で紀元前500年位前のものといわれています。2500年というのは忘れ去られるには十分すぎる歳月です。そんな気の遠くなるような昔の本がいまだによく引用されるのは、よほど肯綮を得ているためでしょう。
 自分のことは自分が一番よく知っているはずですが、実は一番よく分からないのが自分で、よく分からないから生きているとも言えます。一生をかけて自分を理解し、味わい尽くすのが人生なのかもしれません。ですから15,6歳ではまだまだ未開拓の部分がほとんどですから、自分がわからないのは当然といえます。昔、ギリシアのアポロン神殿の玄関の柱に「汝自らを知れ」という言葉が刻まれていたそうです。ソクラテスがよく引用して有名になった言葉ですが、彼はこれを彼の哲学の出発点としたそうです。自分が何をしたいかということは分かっても、自分が本当は一番何に向いているかということは簡単に分かりません。実際にやってみないことには本当のところは分からないものです。ただ、難しいのは、人生は一本道で、一度に二つのことはできないということです。
 現在の君たちの中には文系か理系かを決めることさえ難儀をしている人がいるでしょう。筆者もかつて高校生の時はその一人でした。私は大学に入ってからも、語文(語学・文学)コースに進むか法経商(法学・経済学・商学)コースに進むべきかで悩みました。結局、法経商コースに進みましたが、卒業に際しても、就職すべきか大学院に進むべきかで悩みました。就職することに決め、会社勤めをしました。その後、ここは私の居場所ではないと判断して実業の世界から退き、教職に就きました。振り返って、紆余曲折の人生ですが、自分一人だけで切り拓いてきたせいかもしれません。

 話がすこし堅くなりました。次はすこし「外」に目を向けてみましょう

 ところで、オープンキャンパスというのを知っていますか。最近進路指導部には毎日のようにどこかの学校からか、春のオープンキャンパスの案内が届きます。まずは、情報収集の手始めにこのオープンキャンパスに行ってはどうでしょう。高2の諸君にとっては来春は受験だから当然として、高1の諸君も早めに大学そのもののもっている、高校とは違った雰囲気を味わうのも悪くありません。念のために一通り説明しておきますと、キャンパスとは「構内」のことです。キャンパス(CAMPUS)です。キャンバス(CANVAS)ではありません。  (CANVAS というのはテントとか油絵の画布などのようなゴワゴワした布地のことです。間違えないように。) オープンというのはもちろん公開の意味です。つまり、主に受験生を対象に大学そのものを直に知ってもらうために学校が行うもので、現在ではほとんどの学校が実施しているものです。そのオープンキャンパスを気の早いところでは春から行おうというものです。情報収集の方法としては、最近はインターネットという非常に便利な方法があり、ヤフーとかインフォシーク、グーグル等々色々な検索エンジンを駆使すれば可成りな情報が得られます(進路指導室にも生徒用パソコンが3台あります)が、やはり、「百聞は一見に如かず」です。是非一度は出向いてみてはどうでしょうか。パンフレットだけでは分からない部分を観察することができます。大学の構内だけでなく近辺の環境とか雰囲気、交通機関、最寄りの駅、通学路等々、実際入試を受検する際の下見にもなります。

 文責: 山本正彦

2008年03月01日

不本意の春(2)

 昨日の続きです。昨日は大半が浪人生活の話になりました。

 もちろん、昨日も冒頭に書いたとおり、3月入試で一発逆転は可能です。少しでも可能性があれば、なりふり構わず、のちのち心残りがないように、最後まで粘り強く挑戦してください。向こうから断られる前に、こちらから引き下がる手はありません。

 しかし、今年度内にはもう挑戦すべきターゲットのなくなった人は、すぐ来年度に備えて準備すべきです。
浪人をして来年度に再挑戦するためには、先ずは今年度の失敗の原因を検討することから始めるべきでしょう。不合格の原因はいろいろあると思います。来春の入試のときまでにはそれらを克服していなければないのですから、それらを摘出し、対策を講じなければなりません。

 浪人をする場合、大別をすると、予備校に通う場合と、自宅で勉強する場合があります。

予備校入学の場合
 予備校へ入学する場合は、先ず、失敗の原因を検討した結果とこれまでの自分の偏差値などの自分の実力をふまえ、目的とする大学などに合った予備校、コースを選ぶことが大切です。世間によく知られた有名予備校だからとか、浪人友達と一緒に行きたいからだとかいった安易な選び方で予備校を決めるのは危険です。時間の無駄というものです。それに、予備校に行けば学力がつくというものでもありません。勉強というものは最終的には自分が孤独にやるもので、何かを理解したり、納得するのは他ならぬ自分がするのです。他人ができるのは助力だけで、当人が理解したり納得しなければどうすることもできません。実力がつくのは、自分が勝手につけるもので、他人にはどうにもならないものです。立派な予備校も君たちが上手に利用しなければ、単なる金食い虫にすぎません。要は利用の仕方次第です。

自宅で勉強の場合
 昨日時間について書きました。警戒すべきは「気分」で、これをコントロールすることが肝要で、1日の生活スケジュールを立て、それに沿って、いわば、「時間で自分を縛って」生活してください。たまに調子に乗って勉強しすぎることがあっても、その後は、なるべく早く元の生活リズムに戻してください。
当然、学習計画はしっかり立て、定期的に進行状況を点検し、計画の見直しをする必要があります。そのためにも実行できそうもない無理な計画をたてずに、少し控えめな方がいいでしょう。進行に沿って軌道修正をすることです。
一人で勉強しているとどうしても独善的になりがちです。それを防ぐには予備校などの模擬試験を定期的に受けて、自分の学習の進捗状況を客観的に確かめる必要があります。

気晴らしについて
 人間というものは四六時中、緊張できるものではありません。しかし不安が手伝い、「勉強しなければ」という強迫観念と、勉強しないことへの恐怖感に急かされて、ついダラダラと机に向かっていることになりがちです。現役の時は高校生活という現実があり、生活は変化に富んだものでしたが、浪人生活というものは単調そのものです。従って、生活にメリハリをつけ、変化をもたせる必要があります。息抜きが必要で、睡眠以外の休息時間をとってください。体を動かすことが少ないので、軽い運動をしたり、散歩をするのも良いでしょう。趣味の時間を設けるのも一法です。読書が趣味ならば受験勉強と一石二鳥です。

 文責; 山本正彦