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2012年05月31日

eco弁当のお手伝い

昨日、中1・高1生に向けての食育・服育講座が開かれたのに伴い、6/11(月)環境の日は中学生を対象に『eco弁当を作る日』に設定されました

今まで料理をしたことがない人、ある人、どんなお弁当にしようかなと楽しみな人、どんなものなら作れるかなと不安な人、そんな人のために少しお手伝い
お弁当本コーナーを作りました。ぜひ、参考にしてくださいね

中から、2冊紹介
小・中学校の教員、校長の経験を持つ竹下和男さんは小学校校長時代「弁当の日」を作りました。自分が食べるお弁当の献立作り、買い出し、調理、弁当箱詰め、片付けのすべてを一人で行う、親・先生は出来具合を批評も評価もしないという約束をした食育の取り組みです。手伝ってもらわないことで、子供たちが本来持っている「生きる力」を育てようというもの
2001年に始めたこの取り組みは、興味を持った多くの先生たちが視察に訪れ、今では全国に広がっているそうです
写真をふんだんに取り入れ、取り組みの様子をまとめた
できる!を伸ばす弁当の日~親はけっして手伝わないで/竹下和男 (共同通信社)

竹下さんが監修をつとめた エダモンおすすめ ひとりでお弁当を作ろう/枝元なほみ (共同通信社) は初心者向けのお弁当レシピ本です

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                                男子弁当の本もあるよ

食事を作ることの大変さが分かり、家族を有り難く思った人は優しい人です
食材が揃わなかったり、調理を失敗したりしたときに献立の変更ができた人は、工夫できる人です
友だちや家族の調理のようすを見て、技を一つでも盗めた人は、自ら学ぶ人です
「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人です
中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です
自分の弁当を「美味しい」と感じ「嬉しい」と思った人は幸せな人生が送れる人です                                   
                (「できる!を伸ばす弁当の日」より一部引用)


2012年05月29日

図書館の歴史 ②

<日本編 > 2 庶民だって読みたい
近世になると、キリスト教伝来や、豊臣秀吉の朝鮮出兵などの影響で活字と印刷の文化が広がり書物の刊行が始まります。以降出版活動が盛んになり、徳川家康は幕府の教育機関、学問所に「文庫」を作らせ、これが現在の学校図書館になります
寺小屋も普及してきて庶民の識字率も上がり、絵草紙や黄表紙などの書物を読みたいという要求が高まりますが、紙が高価なため庶民にはなかなか手が届きません。そこで現れたのが貸本屋です。本を背負い得意先を回り、置いてある本を入れ替えたり、所持している本の修理などのメンテナンスもこなす本の何でも屋だったそうです
また、店を構える貸本屋もいてこれらが庶民の図書館の役割をはたしていました
井原西鶴や山東京伝は当時のベストセラー作家ですね

H24.5.30eigyou.jpg一方、学術的な本はというと、学者や僧侶が塾を開き、自分の蔵書を公開していました。江戸や大坂だけでなく地方でも盛んで、書物を読むだけでなく、同じ趣味のサークル活動(俳句や芸能)の場にもなりました
人が集まれば書物を寄付する人も増え、珍しい本があると聞くと遠方から高名な学者も訪れます。遠方から来る人たちのために本を読む場所をつくろう、せっかく有名な先生が来ているなら講演会をしてもらおう、じゃあ会場がいるでしょう、茶室も作りましょう、という感じですっかり文化機関としての役割を担うことになります
規模は違うものの、現代にみられる図書館やホール、カフェを備えた多目的公共施設のようですね


  江戸の貸本屋    「復元 江戸生活図鑑/笠間良彦」(柏書房)

*ちなみに現代のレンタルショップTsutayaは、この時代の出版プロデューサー的な存在だった蔦谷重三郎の名前に由来しているそうです 

図書館の歴史 ①

中間考査も終わり、図書室に試験前とは違った活気が戻ってきました
その様子を写真に収めようと思ったのですが、てんてこ舞いでシャッターチャンスを逃してしまいました。残念

さて、先日「そもそもなぜ図書館というものが誕生したのか?」という質問を受けました。そこで教科書を引っ張り出し再度読み解きお答えしようと思います

私たちが誰かに「何か」を伝えたい時、「何か」は自分の心の中にあるだけで姿や形を持っていませんよね。なので相手が知覚できるものを仲立ちにしなくてはなりません。それは音声だったり、手話だったり、文字という「メディア」です
今回は図書館ですので、文字に絞ってさかのぼってみました

<日本編 > 1 貴族と会員制図書館
すでに邪馬台国の時代、大陸との間で文書の交換があり、その後仏教とともに経典やその記録類が大陸から集まってきます。そうすると保管する場所が必要になります。1992年、奈良の法隆寺で「書屋」と書かれた板(621年頃のもの)が発見されました。「書屋」とは図書館とも考えられ、板(看板)が建物につけられていたものであるならば、この時が日本最初の図書館の誕生ということになります

奈良時代になると、政府内には書物の蓄積、歴史書の編集、皆が使う筆や紙の制作・分配をする図書寮(ずしりょう)の組織がうまれます。すでに情報メディアの統制が始まっていますね

奈良時代といえば貴族社会ですが、遣唐使によって運び込まれる書物を集める貴族が現れます。でも書物はとても高価でしたから、そうそう買うことはできません。かりてきて写し取り蔵書を増やします。中には、蔵書も増えてきたし、せっかくなので興味のある人には見てもらおうと、公開、利用させていた人物もいました。石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)の芸亭(うんてい)、学問の神様である菅原道真の紅梅殿(京都・北野天満宮)などが有名ですが、まだまだ研究機関的な存在で会員制図書館だったようです

この時代は仏教も盛んであったので、たくさんの経典が写経され寺院も保存図書館としての大きな役割を持っていたそうです。金沢文庫や足利学校などがよく知られています

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2012年05月24日

本が並ぶまで・続

本の背表紙を注意深く見たことがありますか?
ここには大事な情報が張り付けられています。このシールは本を探す目安になるもので、本を並べる前に忘れちゃいけない分類番号です

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2段目にあるカタカナは著者名の苗字の最初の文字です。有川さんなら「ア」、外国人の場合は苗字にあたるファミリーネーム。ハリーポッターでおなじみのJ.k.ローリングさんなら「ロ」になります。小説は著者の五十音順に配架してあります

1段目の数字は、文学や自然科学、社会、芸術な1冊1冊本の内容を分類し、日本十進分類法という規則にしたがって振り分けられた分類番号です

写真の両サイドにある黒い背表紙の本、右端はアップル創設者であるスティーブ・ジョブズ氏のスティーブ・ジョブスⅠ・Ⅱ/ウォルター・アイザック(講談社)、左端はフェイスブック創立者であるマーク・ザッカーバーグ氏の フェイスブック~若き天才の野望/デビット・カークパトリック(日経BP社) IT関連で注目される(た)二人それぞれの人となりや企業の創立からの流れ、業績などが描かれたものです

同じ様な立場にいて、本の内容も一見同じような気がするのですが、分類するとジョブズ氏の方は伝記的な色合いが濃いので「個人伝記」を意味する289、サッカーバーグ氏の方はフェイスブックの仕組みの方を重視しているので「データ通信」を意味する547.48となり、それぞれの書架に配架されます
図書館によって何を最も重視するかで、多少違いはありますが、日本の図書館はすべてこの分類法に基づいて振り分けられているので知っていると便利です

本を探すときに、決まった本はないけれど「遺伝子についての本が読みたい」「世界の神話が読みたい」「料理の本がかりたい」と思った時に、この分類番号をもとに探せばOK。詳しい分類番号表は、図書室にあり

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   日本十進分類法は、こんなに細かい分類です!  

2012年05月23日

本が書架に並ぶまで 

今週分の本が到着。いつもなら図書委員に手伝ってもらうのですが、考査中は図書委員の当番はありませんので、もくもくと一人で準備です

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まず本の情報(書名や著者、出版年、本の大きさや総ページ数など)をデータ入力します。これで検索できるようになり、「新しい本」の中にアップされます
     *データ入力後30日間は「新しい本」に登録されています        

スリップ(本の情報が書かれた栞のようなもの、書店ではレジで抜かれる)をぬいて、宣伝用の帯をはずします。帯は図書室入口に新着紹介として張り出します

標題紙に学園名と日付の入った蔵書印、地に天地印(本の天と地に押す学園名の印)を押し、蔵書番号を付けて、バーコードシールを貼り付けます


本のためには、ブッカー(ビニールコーティング)をかければいいのですが、とても全部にはかけられないので、今のところ人気のある本のみおこなっています
ブッカーのかかっている本を見かけたら「これは人気のある本だな・・・」と思っていいとおもいます
(「この本が人気?!」と思うものあるかもしれません。それは破損して修理用にブッカーをかけたものかと思われます)

ブッカーをきれいにかけるのは簡単ではありませんが、コツさえつかめば楽しい作業です。こちらも興味のありそうな図書委員には声をかけて手伝ってもらいます
春休みにはボランティアで駆けつけてくれた高校生3名が奮闘してくれました

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      図書委員OG、慣れた手つきで作業中 

2012年05月22日

本の部分の名称

本の各部分にはちゃんと名前がついているのを知っていますか?

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                       イラスト:大阪府立中之島図書館ホームページより

①天(てん)・・・・本を立てた時に上になる部分
②はなぎれ・・・・単行本の中身の背の上下に見えている布(新書や文庫本はなし)
③背(せ)
④見返し・・・・表紙を開けた時に表紙と本の中身をつなぎ合わせている紙
⑤小口(こぐち)・・・・天と地を含む背以外の3つの側面部分
             主に図の⑤の部分をさすことが多い
⑥標題紙(ひょうだいし)・・・・本文に入る前に書名や著者名が書かれている紙
⑦地(ち)・・・・本を立てたときに下になる部分
⑧スピン・・・・ひも状のしおり

小口が裁断されず、ペーパナイフ等で切り開きながら読み進めていく「アンカット」という製本方式もあります。古書には見られることはありますが、現在の一般的な書籍にはほとんど見られませんね

古書に対しては驚くほどの知識と情熱を持っているのに、極端な人見知りの若い女性店主が営む、鎌倉の古書店を舞台にした ビブリア古書堂の事件手帖/三上延 (アスキーメディアワークス) の中にも、昭和11年出版の太宰治の作品集<晩年>を手に取り「乱丁本ですか?」「アンカットです。とても高額なものです」という様なやり取りがでてきます。アンカット=ページがカットされていないつまりまだ誰も読んでいないということですね

ひばりの図書室には、残念ながら?アンカット製本はありませんが、天の部分を金色に塗った「天金」 と美しいイラストが入ったものがありました

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上:「天金」手のひらサイズの三省堂のドイツ語辞書
下:集英社ギャラリー世界の文学シリーズ。銅版画家・山本容子さんのイラストが美しい

2012年05月21日

明日から中間考査です

見ましたか? 見ました見ました
眼鏡越しに、美しいオレンジ色の太陽のリングでしたね
6/6(水)には、金星の太陽面通過という珍しい現象も見られるそうなので、遮光眼鏡は捨てないで!

明日から中間考査が始まります。考査中の図書室は17時閉室です

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   試験前は中1から高3まで一緒に勉強中

2012年05月18日

指定書というもの

大学の授業でよく用いられる「指定書」というものがあります
これは教師側があらかじめ授業で使うと指定した図書のことです。大学図書館では普段おいている書架からぬき出し「○○先生の授業で使う本」など書いて、目立つ場所に置きます。学生は授業に入る前に読んでおく。予習しないで授業を受けるのはもってのほか!そして一方的に講義をきくのではなく、一人ずつ指名をうけながら、対話方式で授業を進めていく「ソクラテス・メソッド」という教育手法は米国やロースクールで多く用いられているそうです
ひばりの図書室にも、指定書ではないですが、先生方から提案され、今、授業を行っている範囲で「読んでおくといいよ。見ておくといいよ」という図書や写真集を別置きして展示しています
そこから、興味がわいて世界が広がっていくこともありますよ

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 ただ今、中2ブログで紹介された地理の写真集を地球儀と一緒に展示中

金環日食にまつわる本

いよいよ、来週月曜日は金環日食が見られます
早朝に学校で行われる観測会には160人ほどの参加者がいると聞いています
太陽のリングがうまく見えるといいですね
図書室にも関連した本を展示しています
日食観測ガイド2012/藤井旭 (学研)
日食のすべて/大越治・塩田和生 (誠文堂新光社)
金環日食2012 (ニュートン臨時増刊)
 など

関西では282年ぶり、前回は江戸時代(将軍・徳川吉宗の頃)ということになります
今と違って市井の人たちに何の情報もなかった中、人々はどんな気持ちで空を見上げていたのでしょう
でも、そんな時代に日食という不思議な現象を、前もって予測していた人物がいました。天文歴史学にも通じる数学者の渋川春海(1639-1715)です。今から300年前、観測と計算によって日食がおこることを言い当てていたのです
そんな渋川春海を主人公にした小説が 天地明察/冲方丁(角川書店)

当時の将軍から「日本独特の暦」を作る一大プロジェクトに駆り出された渋川が、20年にわたり奮闘し挫折しながらも成長していく生涯を描いた作品です。当時の天文学や和算に興味のある人は読んでみては?
今秋にはV6の岡田准一さん主演で映画公開予定。2010年本屋大賞受賞作品です


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2012年05月17日

学生証明書を一番使う場所

新入生の学生証明書が配布されました。これで、貸出がスムーズになります

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仮の証明書にはバーコードが付いていなかったので、貸出時には学籍番号を手で打ち込んでいました。入力して呼び出された名前と学生証の名前は同じかな・・・図書委員は番号を間違わないよう、注意注意


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でもこれからは、写真の下にあるバーコードを読み込むだけで完了です。昼休みの行列も改善されますね
きっと校内・外あわせても図書室が学生証を一番よく使う場所だと思います。忘れると本の貸出はできないですよ。注意注意

来週からの中間考査に向けて、自習の利用者が多いです。席の間隔が狭いので小さなおしゃべりも机の上に広げた荷物もマナー違反です。気持ちよく自習ができる場所に!

2012年05月16日

図書室ブログ始めます

本日より図書室のブログが始まりました。日々の図書室の様子、新着図書や授業に関連する資料や情報など紹介していきたいと思っています
気になる本を見つけたら図書室へ!

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図書だよりでも紹介しましたが、春休み中に図書館システムが新しくなりました
貸出のパソコンも入れ替え、「あったらいいなあ」と言われ続けていた生徒用蔵書検索のパソコンが2台カウンターに設置されました

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      タッチパネル方式です            読みたい本はあったかな?