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2012年07月27日

いよいよオリンピック

ロンドンオリンピックがいよいよ開幕します 
開催国・イギリスの正式国名、知っていますか?
グレート・ブリテンおよび北アイルランド連合王国(United Kingdom of Great Britain & Northern Ireland )です
イングランドとスコットランド、アイルランドの旗を組み合わせた「ユニオンジャック」といわれる国旗は、よく知っていますよね

夏季オリンピック大会としては第30回目。26競技、302種目が行われ、204の国と地域が参加します
開会式には各国の選手が、国旗とともに入場、国によっては民族衣装をまとって行進する選手団もいて、それも見どころです。地図を手に開会式観戦もいいですね

記録によると最初の古代オリンピックはギリシャ人により、紀元前776年(約3000年前)に始まったそうです。当時はポリス(小国家)間の闘いも多く、何事にも競争や勝負が大好きだったギリシャ人でしたから、街から離れた場所での開催にもかかわらず(もちろん交通の不便な時代)たくさんの人が集まってきて、裸の走者が駆け、戦車が競技場を揺るがすのを熱狂して見守っていといわれています。
ちなみに勝利者にはオリーブの冠のほか、死ぬまで迎賓館で食事ができる特権(もちろん無料)や劇場・最前列で観劇できる権利なども与えられたそうです
古代オリンピック/桜井万里子・橋場弦 編(岩波書店)
では1200年近く続いた古代オリンピックの背景やこのようなエピソードが、何人かの専門家によって考古学・歴史学を踏まえて語られています

ところで、海外で行われるイベントの困ったところは現地との時差ですよね。7/27~8/12のロンドンはサマータイム期間なので、時差が-8時間、日本で観戦するのにはちょっと厳しい時間帯です。選手の活躍をリアルタイムで見たい人も多いでしょうが、寝不足に気を付けて!

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      204つのうちどれだけの国や地域を知っているかな? 

2012年07月26日

イチロー選手の言葉

一昨日の朝、メジャーリーグ・シアトルマリナーズのイチロー選手が、ニューヨークヤンキーズへ移籍するニュースが流れました!
11年過ごし慣れ親しんだチームを飛び出して、新しい場所での再チャレンジです

そんなイチロー選手の10年を追いかけたインタヴュー集を紹介
イチロー・インタヴューズ/石田雄太 (文藝春秋)
マリナーズ入団が決定し渡米を控えた2000年秋から2010年春までの間に行われたインタヴューをまとめたもの。メジャーリーグで数々のタイトルを獲得、人気を得ましたが、決して調子のよい時ばかりではありませんでした。ストイックで独特のキャラクターのイチロー選手
「自分だけは違う、という発想は危険」とか「人ができないことをやるのが大好き」などイチロー選手らしい?言葉の数々

今回の移籍は自分自身のこれから、チームのこれからなど踏まえての大きな決断だったでしょうね。ずっと同じ環境で変化し続けることも、新しい所に飛び込むことも、どちらも勇気がいることですよね

誰にでも訪れる人生の転機。そこで下す決断で将来は大きく変わります。トップアスリートの中にも挫折や苦悩と闘い、それを乗り越えてきた選手がたくさんいます。スキーヤーの上村愛子さん、フィギュアスケーターの村主章枝さん、陸上選手の為末大さん、等どんな思いで彼らは決断をしてきたのでしょう
トップアスリートの決断力/吉井妙子 (アスキー)

また、大リーガーのエピソードを集めた
道は自分で切りひらく~大リーガーたちのチャレンジ/広岡勲(岩波書店) では、生まれながらにして右手首から先が欠損した障害を持つ選手、一度は野球をあきらめ高校教師になったものの35歳にして大リーガーになるという夢を実現させた選手、どんなにひどいヤジにも決して怒らないと誓い黒人初の大リーガーとなった選手、など

入団会見直後の新チーム初試合でも結果を残したイチロー選手、これからも一層活躍してほしいですね

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     今日の記事、野球に興味のない人、ごめんなさい!

2012年07月20日

夏休みの開室カレンダー

いよいよ夏休みがスタートしました

中学2年生は大山への林間学舎、個人懇談、ニュージーランド研修やカナダ研修などそれぞれいろいろな計画があると思います
夏休み中の図書室は下記の通りのスケジュールです
 (「ひばりの図書室」7月号にも掲載)

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2012年07月18日

直木賞・芥川賞決まる

第147回芥川賞、直木賞が発表されました

芥川賞は 鹿島田真希さんの冥土めぐり
直木賞は 辻村深月さんの鍵のない夢を見る
二つの賞の選考は年二回行われます。今回は上半期(昨年12月~5月末)

芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学作品、主に無名・新進作家
直木賞は単行本として発表された大衆文芸作品、主に中堅作家が対象です
選考委員をつとめるのは現役の作家たちです。現在は、小川洋子さん、宮本輝さん、村上龍さんや浅田次郎さん、宮部みゆきさんなどがつとめています
前回の選考後に「若い人たちに期待をしていたけれど、全然刺激にならない」と言って20年余り選考委員をつとめてきた、石原慎太郎東京都知事が委員を辞退して話題になりました

「先生!今朝のニュースで辻村さんが直木賞取ったって言ってた!」と図書室飛び込んできた人もいました
「この人の作品で、初めて上・中・下の3巻っていうのを読んだ」という人もいました

直木賞に選ばれた辻村深月さん。初期の作品は10代を主人公にしたものが多く、中高生にはもともと人気があり、ひばりの図書室にもたくさんの著書をそろえています。最近は登場人物の年齢が上がってきて読者層も広がっていたようです
受賞作品「鍵のない夢を見る」は、今までの中で一番年齢の高い主人公達だそうです。彼氏がほしい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい、そんな夢を叶える鍵を求めて人生の岐路に立たされる大人の女性を主人公にした短編集です

開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。ある雪の日、学校に閉じ込められた男女8人の高校生たちを描いたミステリー「冷たい校舎の時は止まる」

中学の図書室で手に取った本にはさまっていた数枚のメモ、誰かはわからないけれど悩んでいるメモの書き主を何とかしてあげたくて、勇気をだして返事をかく中学1年生のマキ「サクラ咲く」 など

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           *辻村深月コーナーつくりました 

小学3年生の頃から小説を書き始めたという辻村さんは、受賞後のインタビューで
「私は今までいろんな話を自分のために書いてもらったと、幸福な勘違いをしながら読んできた」と話していたのが印象的でした

2012年07月17日

1学期の貸出ランキング

1学期はどんな本が人気だったのでしょう?4~7月の貸出ランキングがこちら

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                     * 7月の「ひばりの図書室」にも掲載しています 


どのくらい知っている本がありますか?去年(それ以前)から人気のロングセラーや新刊本までいろいろです

東野圭吾さんや有川浩さんは、相変わらず人気。有川さんの作品は「この本かりるの3回目」など同じ本を何度もかりるリピーターも多いです。何回読んでも、結果が分かっていても楽しめるんですね

ドラマや映画になった作品も一気に貸出・予約が入ります

今まで読んでいなかった人も、テレビで見て面白かったからと原作をかりに来ます
「三毛猫ホームズの推理」などは30年程前に発表されたもの。春にドラマ化され又注目をあびました。三毛猫ホームズはシリーズ30冊あまり(図書室にあり)

他にも同じようにドラマ化された「鍵のかかった部屋」などは、同タイトル以外の作品も原作になっていて、ドラマのエンディング・クレジットをチェックして「狐火の家」をかりに来た人もいました (どちらも図書室にあり)

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          ドラマ・映画本のコーナーもあるよ


2012年07月13日

調べる授業

今日は図書室で、中学2年・社会の授業がありました

今、中2の社会では世界の地理を勉強しています
今回は夏休みの宿題になるらしい、世界の国調べの準備です
図書室にある本を参考に自分の調べたい国を決めて、その国について書かれた資料の中から興味をもった箇所を書き出していくというもの
決められた時間で600字ほどの原稿用紙をうめていきます

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 はやく決めないと、時間なくなるでー     フランスやドイツなど、ヨーロッパが人気?
  
今回は本の中から文章を書き写していけばいいですが、「大学になると3000字とかに、まとめて書くような試験もあるよ」と先生に言われ、「・・・」

このように図書館を利用したり、聞き取り調査をしたりして結果をまとめる「調べ学習」というのは、このところ推進されている総合学習の形態の一つです

何とか皆、時間内に完成させ無事提出できたようです。この後の展開は?と思っていたら、残念ながら次の時間は再テストだそうです

2012年07月10日

夏の読書計画

期末考査も終わり、そろそろ夏休みモードでしょうか?せっかくの長いお休みですから、普段あまり本は読まないなという人はこの機会に、普段読んでいる人は今まで手を伸ばさなかった分野のものに、それぞれチャレンジしてみませんか

今週から夏休みに向けて長期貸出を始めました
  返却日   8月30日
  貸出冊数   8冊

期間中は何度でも貸出・返却ができます

各出版社から夏休み前に毎年出される文庫本のガイドブックも用意しました
数に限りがありますが、カウンターに置きますので自由に持ち帰ってください

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     街の書店にも同じように無料冊子が置いてありますよ

 

2012年07月06日

図書館の歴史 ⑦

<日本編> 7 これからの図書館

急激なインターネット普及によるデジタルネットワーク社会となった現在、電子書籍も話題になっています。発売された当初から小さなタブレットや端末1つでかなりの量の書籍を持つことができると話題になった一方、紙のページをめくる手触りこそ読書の醍醐味だという声もかなりあります
今週、東京で開催されている電子書籍関連の展示会「国際電子出版EXPO」では、電子書籍の普及によって書店の売上げを懸念する声に、電子書籍端末を書店で販売するというニュースも耳にしました

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       メロスはタブレットの中でも走ります


書籍の売上げに影響が出るというのは図書館にも関係する問題で、公共図書館のベストセラー複本購入(人気のある本を一つの図書館で数~数十冊所蔵する)は出版側から批判の対象になっています。購入しようと思っていた人達が、図書館でかりて読んでしまい売り上げに影響しているというのです。それに対し、納税者(市民)の希望に応えるのは当然だし、複本購入しなければその分売れるというのも疑問、「図書館にあるから読む」という人も多いのではないかというのが公共図書館側の主張です。CDやビデオの貸出も普及、いろいろな問題が出てくるのですね

さて、生涯学習(lifelong learning)という言葉を聞いたことがありますか?
幼児から高年齢に至るまでの生涯にわたり、なんらかのかたちで新しい知識・技術を学び成長し続けていきましょうと文部科学省も推進している計画です。公共図書館は、博物館・公民館とともに、生涯学習施設としての役割を担っています

様々な出版物を収集・保存し、様々なサービスを通じてすべての人々に提供する図書館の基本的役割はこれからも変わらないでしょう。さらに、インターネット等の電子情報へのアクセスを提供、電子情報を発信・保存することも重要な役割になります

これからの図書館はあらゆる主題の資料を収集し、あらゆる課題・調査研究にも対応でき、あらゆる分野の人々にも役立つ情報を提供していかなければなりません。これまで以上に多様化を求められています


*日本編はこれにて終了です。このシリーズで少しでも図書館に興味を持ってもらえたでしょうか?

2012年07月05日

図書館の歴史 ⑥

<日本編> 6 図書館の現状とサービス

文部科学省が3年ごとに行う社会教育調査によると、平成20年での都道府県の図書館設置率は100%だそうです(ちなみに、市・区:98%、町:59.3%、村:22.3%)
でも、いくら身近になったとはいえ、まだまだ図書館は「本をかりるところ」、図書館職員は「本の貸出手続きをする人」、図書館では「本は自分で探すもの」と考えている人が少なくありません
図書館にあるのは、小説や実用書ばかりで専門書は少ないと思っている人も多く、図書館の持つ力や効用はあまり理解されていないのが現状かもしれません。本の貸出はもちろん大きな柱ですが、それ以外のサービスがあるのを知っていますか?

ある程度の規模の図書館になると、本の貸出窓口とは別に『レファレンスサービス』という窓口があります。あまり聞き覚えのない言葉ですよね
レファレンスサービス(参考調査)というのは、何らかの情報や資料を求めている図書館利用者に対して、図書館職員が求められている情報や資料を提供・提示することによって援助すること、及びそれにかかわる業務 のことです。簡単にいうと相談サービスみたいなものです

ただ相談といっても、何でもかんでもは答えるわけではありません。いろんな規定があって、例えば学校の宿題や課題、クイズや懸賞の答えは教えられません。知っていることだからと自分の知識だけで答えてもいけません
直接質問の答えを教えるのではなく、問題解決するのに、どんな資料を探せばいいのか、資料が図書館のどこにあるのか、他にどんな所へ行けばいいのか等、研究や学習活動を進めていく際のお手伝いをするのです

たとえば「いろは順を知りたいのですが」という質問がきます
知っているからといって「はいはい、今から言いますから、メモしてくださいね。いろはにほへと・・・・」というのはNG。(自分の知識で直接答えていますから)
「『ことばあそび遊辞苑』や『日本語辞典』に載っているようですね。あの棚にあるので見に行ってみましょう」と情報提供するのがレファレンスサービスです


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      某国立大学附属図書館のレファレンスカウンター

大学生になって卒論を書く時などには、大学図書館のレファレンスカウンターが強い味方になります。「このテーマについて、資料を探しているけれどみつけられない」そんな時に相談にいけば、「このデータベースで検索してみては?」とか「この大学図書館にはないけれど○○大学が所蔵しているのでコピーを取り寄せましょうか?」と頼りになりますよ。ぜひ活用してください

* あ、レファレンスカウンターでは、人生相談も答えてはいけないことになっています