« 2013年10月 | メイン | 2013年12月 »

2013年11月30日

分類からながめる本の世界 「2」類

「2」類 : 歴史・地理

 分類法によると2類には「時間的過程と地域的展開の記述にかかわる著作を収める。ただし、過去および現在に関するものだけで、未来の計画にはかかわらない」です。大きく分けると、歴史(地域の歴史)と伝記(人物の歴史)、そして地理。
 地理にはガイドブックをはじめとした、旅行記なども含まれてるので、行ってみたいなあと思う外国の街並みや様子などを読んだりながめたりしていると、ワクワクしてきます。中学の授業「地域調べ」や「国調べ」などでも利用しますね。

       nirui1.jpg

202 掘れ掘れ読本/秋田麻早子 (バジリコ)
 発掘に関する基礎知識から考古学者の生態、謎の出土品の解説、古代文字の解読までユニークな考古学界の解説本。

204 世界で一番おもしろい世界史/桐生操 (KKベストセラーズ) 

210 一日江戸人/杉浦日向子(新潮社)
 将軍の1日、長屋の生活、江戸美人の基準、モテる職業とは、江戸の衣食住など江戸の人々の暮らしがこれ1冊でわかる。杉浦さんのイラストも満載。

210 若い人に語る戦争と日本人/保坂正康(筑摩書房)

280 世界を変えた10人の女性/池上彰 (文藝春秋)
 マザー・テレサやナイチンゲール、キュリー夫人などの生き方を取り上げた、お茶の水女子大での池上さんによる特別講義をまとめた1冊。

288 家紋帳/大森伃佑子・菊池敦己 (ピエブックス)
 家紋とは家々で定める紋章のこと。自分の家の家紋を知っていますか?「三つ兎」「一つ桃」「丸に朝顔」なんともかわいらしい名称。これらすべて家紋です。

289 ご冗談でしょう、ファインマンさん/R.P.ファインマン (岩波書店)
 世界的な物理学の教科書『ファインマン物理学』の著者であり、20世紀を代表するノーベル賞・物理学者ファインマン博士の半生をつづったユーモアあふれるエッセイ風伝記。あらゆることに興味と関心を持ち、その生涯は奇想天外なエピソードであふれています。理系志望の人は是非一読を。

290 世界のどこかで居候/中山茂大(リトルモア)
 旅ではなく、あくまでも「居候」 普通の人々の普通の暮らしにお邪魔します!

291 京都ご案内手帖/平沢まりこ (ソニー・マガジンス)
292 コスモポリタン・ミュージアム/山崎梓(日本地域社会研究所)
293 パリ歩けば~100日の散歩で見つけたもの/林丈二 (河出書房新社)

  など、国内外の旅行記や紀行エッセイ、多種そろっています。  

2013年11月28日

来週から期末考査

 受験を控えた高3生に加え、期末前の自習利用の人達でにぎわっています。
(もちろん、室内は静かです)
中間考査より試験科目が増えた、という学年も多いようですね。がんばらないと!
30(土)には考査直前恒例の「卒業生による学習支援」も予定されています。

 毎年、お知らせしますが、全面窓の図書室はお昼休みくらいまでは暖かく温室状態です。午後には様子を見ながら暖房で調整していますが、個人差もあるのでひざ掛けなどあるといいかもしれません。

      kimaT1.jpg
     利用する人が多いので、マスクなどで体調管理もお忘れなく

2013年11月26日

サクラサク

 阪急・川西能勢口駅を利用する人たちは、気づきましたか?能勢電鉄のホーム(西側)に大きな桜の枝がいけられています。そして、満開の桜の隣には紅葉したもみじの枝が並んでいます。昨夕、車窓越しにライトアップされたアレンジメント(?)にちょっとびっくり。そばに『サクラサク』と書かれたポスターが見えます。調べてみると今年で開業100年を迎えた能勢電鉄が、川西市絹延町で150 年続く植物卸問屋「花宇」の5代目・西畠清順さんを招いておこなったイベントのようです。

 西畠さんは「日本のみならず世界各国を駆けずり回り、依頼のあった植物をお客さんに必ず届ける。」のが仕事だといいます。
 「ピカソが作った壺に似合う植物を探してください」「タイの王族に献上する珍しい植物を1か月後までにそろえてほしい」依頼してくるのは、ほとんどが植物のプロ達なので、それだけに持ち込まれるのは無理難題。でも難しい依頼になればなるほど、職人魂に火がつき「よっしゃ、まかせとき!」と思うのだそうです。
 今回のイベントでも「よっしゃ、まかせとき!」と季節外れの桜を咲かせたのでしょうか?能勢電鉄のHPを見ると、展示予定は27(水)までとありました。チャンスがあれば見てみて下さい。受験生には一足はやく「サクラサク」ですからね。

 西畠さんは日本各地で様々なイベントをおこなったり(テレビにも時々取り上げられています) 世界へ植物探しの旅に出かけます。探す、切る、育てる、咲かせる、魅せる。命がけで花を追いかける様子はプラントハンター/西畠清順(徳間書店)で読むことができます。

 そして、そらみみ植物園/西畠清順(東京書籍)では、これまで尋ねた30か国の旅で出会った、何万種の植物の中から選りすぐりを紹介しています。イラっとする植物、マジで!?な植物、残念な植物、など楽しげな項目とエピソードを読むと、西畠さんの植物への愛が感じられます。

 ちなみに、プラントハンターとは17世紀頃のイギリスで活躍した、王族や貴族のために観賞用の植物を異国の地にまで探しに行った職業だそうです。

nosed3.jpg  nosed4.jpg

左:短い文章とイラストが楽しいそらみみ植物園。 右:今年4月に開業100周年を迎えた能勢電に興味がある人は、こちらをどうぞ。阪急宝塚線・能勢電鉄~街と駅の1世紀/山下ルミコ(彩流社)

2013年11月21日

世界トイレの日!

11/19は『世界トイレの日』なんだそうです。昨日の中学朝礼で校長先生が紹介していました。校長通信 : 世界トイレの日

 ちょうど新着図書の中にトイレの本がありました!
  bagyo1.jpg 
528 世界の変なトイレ/モーナ・E・グレゴリー、
     シアン・ジェームズ (エクスナレッジ)

 世の中には本当にいろんなトイレがあるんだなあ、と思える世界のトイレの写真集です。ある書評には「奇妙奇天烈、抱腹絶倒、空前絶後のトイレ」と紹介してありましたが、大自然の中にひっそり立たずむもの、地球にやさしいもの、芸術作品のようなもの。
 様々なものがグローバル化されていく現在、トイレはまだまだそうではないようです。その土地や時代、文化や              社会を反映させ、社会文化的分析につながっていきそうですよ。

 そして書架を探してみると、案外トイレ関連の本はあるものです。なかなか取り上げる機会がないので、併せて紹介しましょう。

527 河童が覗いたトイレ/妹尾河童(文藝春秋)
 小説「少年H」で知られる妹尾さんは、もともと舞台芸術家。ものすごい観察力と緻密なスケッチで独特の図面を描きます。その妹尾さんが52人の有名人のお宅を訪問。トイレをじっくり観察して書き上げたスケッチとコラム。

383 トイレはどこですか?/小屋一平 (心交社)
 海外に行く前に、まず最初に覚えなければならない言葉ってなんでしょう?ちょっとお腹に自信のない小屋さんは、ずばり「トイレはどこですか?」 
 食事の時は、食べたいもののメニューや品物を指させば何とかなるけれど、トイレはそうはいきません。小屋さんによる世界25か国のトイレ事情をまとめた1冊。

528 世界一のトイレ/林良祐  (朝日新聞出版)
 日本を訪れる外国人が驚くという日本のハイテクトイレ(親切過剰トイレ?) ウォシュレットや暖房便座、自動開閉のふた、「音姫」などの開発秘話をTOTOウォシュレットテクノ社長・林さんが明かします。

さあ、これだけ読めばあなたもトイレット博士!

2013年11月19日

分類からながめる本の世界 「1」類

「1」類 : 哲学・宗教

         ichirui.jpg


 ここには「人間の精神界にかかわる著作を収める」とあります。大きく分けると心理学・倫理学を含む哲学的なものと宗教的なものの2つの領域です。

100 14歳の君へどう考えどう生きるか/池田晶子(毎日新聞社)

 専門用語を使わずに日常の言葉を用いて「哲学するとはどいうことか」を語る。人が生きてゆくのは、よい人生を生きるためだ。死への恐怖と対面して今すぐじゃなくていいからいつか克服しなくちゃならない。などエッセイふうの哲学入門書。

114 17歳からの死生観/山折哲雄 (毎日新聞社)
 全国から集まってきた高校生を対象にした「日本の次世代リーダー養成塾」で、宗教学者の山折さんが行った「生と死」「日本人とは何か」をまとめたもの。
人の言葉というのは、背筋を伸ばして、呼吸を整えている時に自然に入ってくるのだそうですよ。

141 脳は0.1秒で恋をする/茂木健一郎(PHP研究所)
 運命の赤い糸とは?男女の脳の違いとは?恋する気持ちを科学で分析。

141 マンガでわかる色のおもしろ心理学/ポーポー・プロダクション
145 夢事典/美里有香 (ナツメ社)
 占いや血液型診断の本はこのあたり
148 手のひら予報/日笠雅水(マガジンハウス) 

159 世界名言・格言辞典/モーリス・マルー(東京堂出版) 
  みんなのなやみ/重松清(理論社) 女性の品格/坂東眞理子(PHP研)
  イケてないと思ったら読む本~くよくよしないで中学生/横森理香(PHP研)

160 今知りたい世界の四大宗教の常識/白取春彦 (講談社)

182 超訳ブッダの言葉/小池龍之介 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)

186 感じる・調べる・もっと近づく仏像の本/廣瀬郁美 (山と渓谷社)
  高校生の時にある仏像と運命の出会いをした廣瀬さん。以来、大学で仏像美術を専攻、自ら『仏像ガール』と名乗っています。いろんな仏像を、いろんな視点から紹介したイラスト写真満載の仏像ガイド。

192 新約聖書/佐藤優・解説 (文藝春秋)

140~159番のあたりは、手に取りやすい本が多いかもしれませんね。


2013年11月14日

分類からながめる本の世界 「0」類

 では、具体的に10個、それぞれの枠から本の世界をのぞいてみましょう。
まずは 「0」類 : 総記です。

      zerorui2.jpg
      
    ここには、すべての類にまたがるもの、またはどの類にも属さないものをあつめています。たとえば、総合的な情報資料としての百科事典。コンピュータ関係の情報科学。図書館学(図書館司書の資格を取るために必要な学問)や読書法。ジャーナリズムや新聞関係、など

 図書室の「0」類の書架を実際に見てみましょう

002 現代語訳 学問のすすめ/福沢諭吉 齋藤孝・訳(筑摩書房)
   130年以上前に福沢諭吉の示した言葉は、今読んでも時代情勢を的確に
   見極め客観的に判断する力がつく。現代語訳でどうぞ。

007 コンピュータのしくみを理解するための10章/馬場敬信(技術評論社)

014 図書分類からながめる本の世界/近江哲史(日本図書館協会)
   今回はこの本を参考に書いています。

019 中高時代に読む本50 /清水克衛(PHP研究所)
    第2図書係補佐/又吉直樹(幻冬舎)
 本の紹介や書評などはここに。

022 世界のグラフィックデザイナーのブックデザイン/小柳帝(ピエブックス)
     おしゃしれな本の写真集。 

031 世界大百科事典 (平凡社)、現代用語の基礎知識(自由公民社)
   ギネス世界記録2014/クレイグ・グレンディ(KADOKAWA)

049 世界一受けたい授業 使える知識!BEST100(日本テレビ放送)  

081 フリーという生き方/岸川真(岩波書店) 
  「フリーで働く」ってなんだかかっこよさそうだけど、会社への就職を選ばない
   生き方って?フリーランスである著者の様々な体験談。

2013年11月12日

分類法の始まりは

 今年の読書週間は9(日)で終了しましたが、分類を使ったスタンプラリーは続行中です。エントリーした人たちが、普段、手に取ることのない分野の書架へ向い、選書する姿が見かけられます。「今まで読まなかったけど、おもしろい本が見つけれられたー」とうれしい感想を聞かせてくれる人もいます。

 そもそも現在使われている分類のはじまりは?というと・・・
時は1870年代のアメリカ。図書館でアルバイト(おそらく)をしていた大学3年生のデューイくん(Melvil Dewey)。その頃は決まった分類法などなく、皆がその日ぐらしで分類していたものですから、すぐまた再分類をしないといけない、毎回、時間と手間、費用がかかってしょうがない。
 そこでデューイくんは色々な文献を読み図書館へ行き、考えを巡らせます。そしてある日突然ひらめいたのが、数字を用いて人間のあらゆる知識を10個の枠に振り分け、それぞれに本をあてはめていけばいい!ということでした。そうして誕生したのが、『デューイ十進分類法』 現在アメリカをはじめ世界で最も多く使われている分類法です。

 そして、それをもとにして作られたのが『日本十進分類法』 その歴史は85年余り。何度か改定され現在も使われているのです。
 デューイくんの「もう、この作業なんとかならないのか~」という思いから始まったようですね。

 

2013年11月08日

第1号!

 スタンプラリーを始めて1週間。
ラリー達成第1号が現れました。中学1年のTさんです。(早かったねー)
せっかくなので、7つのスタンプを手にして記念撮影。

        no1.jpg

 ところで賞品のブックカバーですが、ただいま4名の先生方にデザインを発注中です。どんな仕上がりになるかはお楽しみ。ですので、もうしばらく待っててくださいね。(11月下旬の予定です)

2013年11月07日

朝礼で紹介された詩

 昨日の朝礼で、校長先生が吉野弘さんの詩を朗読しました。
  11/6 中学朝礼

 吉野さんの作品は、世の中の様子や人々の暮らし、家族の営み、自然の移り変わりを飾らないまなざしでみつめ、深く柔らかい言葉で詠んだもの。

 他にも、夏の宵、静かにかわされる父と息子のやりとりを詠んだ「I was born」 
この作品は以前、高3・現代文の授業で取り上げられていました。
 「I was born」

 結婚式のスピーチでよく引用される「祝婚歌」は、2人が仲良くいるためには、完璧をめざさなくていいよ、正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだってわかっていた方がいいよ、などと新しく家族になる二人によびかけたものです。

 これらを収録した吉野弘詩集(角川春樹事務所)はカウンターにて、展示中。

       yoshino.jpg

2013年11月02日

スタンプラリー~読書週間杯 開催

今年の読書週間イベントは、スタンプラリーを開催します!

 学校はもちろん、街の図書館も、国会議事堂にある国立国会図書館もすべて図書十進分類法というルールにのっとって本を所蔵・管理しています。
以前に、↓こちらでも紹介しましたね。
  続・本が並ぶまで

 今回はその分類を使ったスタンプラリーです。10分野の分類のうち、7分野の本を読んでスタンプをためようというルールです。

<方法>
① 分類番号000番台~900番台までの10種のうち7種を選ぶ 
② 貸出する
③ スタンプカードに必要事項を記入する
④ 返却して、スタンプをもらう

 そして、スタンプが7つ集まったら、ひばりオリジナルブックカバー(文庫本サイズ)を進呈!期間は、11/1貸出分から12/20(終業式)返却分までとします。
普段は小説しか読まないなあ・・・という人も、この機会にいろんな分野の本に挑戦してみませんか?

 中学生には昨日、各クラス図書委員からイベント告知と、「ひばりの図書室」11月号、スタンプカードも一緒に配布してもらっています。高校生は、カウンターでスタンプカードを渡しています。
 
 読書の秋。ぜひ、今まで知らなかったジャンルの本との出会いがあるように!

      rari.jpg