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2014年01月17日

今日で19年

 阪神・淡路大震災がおきてから今日で19年になります。現在、在籍しているみなさんにとっては、生まれる前の出来事ですね。先日、避難訓練も行いましたが、どんな形でいつ訪れるかわからない自然災害に対して、心構え、準備をしておくのは大事な事です。

今日紹介するのは、その震災時の神戸を舞台にした作品です。
 東京生まれの作家・原田マハさんは大学時代を関西で過ごしています。西宮で暮らし、関西学院大学へ通っていました。震災の時はすでに東京へ戻っていて、震災直後からテレビに映しだされる変わり果てた街の様子を目に、ただ茫然と立ちすくむことしか出来なかったそうです。
 その後、作家になり2011年の東日本大震災を経験。「今こそ神戸の物語を書こう。東日本の人達に元気を届けられるかもしれない」そう思って、神戸や岩手を取材して書き上げたものです。

 翔ぶ少女/原田マハ (ポプラ社)
 mahaNew1.jpg              1995年、神戸市長田区。
 震災で両親を失った小学1年生の丹華(ニケ)達3人兄妹
 は、同じく震災で奥さんを亡くした医師の佐元良先生に
 助けられます。
  けがをした足の傷以上に、心に負った傷に苦しむニケに
 「前を向いて、歩いていこう。ゆっくりでいいから」と。
  ニケは強くなりたいと誓います。心は強く愛すると翼に、
 苦しむと毒薬に変わるのだそうです。
  復興へと歩む町で、少しずつ絆を育んでいく4人に思い
 がけない出来事がおこります。やさしい奇跡と再生の物語。

2014年01月15日

うま年にちなんで 3

 最後はノンフィクションを1冊。

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私、コスモの目になる!/橘内美佳(主婦と生活社)

 タカラコスモスは、日本獣医畜産大学の馬術部の花形で馬術大会で優勝を果たすなど、その実績と性格からも「女王」と呼ばれるほどの名馬。

 しかし、失明を引き起こす病に侵され、競技生活はもちろん、日常の生活にも支障をきたすほど視力が低下してしまいます。大学で懸命の治療を施しますが回復は難しい。馬術部のメンバーは、なんとかタカラコスモスに活躍の場を、と考えます。そこで、目の治癒に適した温泉が青森県十和田にあることを知り、青森県立三本木農業高校・馬術部に引き取ってもらうことに。

 新しい場所で盲いてもなお、プライド高く容易に人を寄せ付けない「女王」は、目の見えない暴れる馬として、誰の手にも負えません。そんなある日、新たなパートナーとして先生に指名されたのが新入部員の湊華苗さん。

 湊さんが恐る恐る接しているうちは、タカラコスモスも敏感にそれを感じ取ってしまいます。でも、ある日ふとしたことから、湊さんは「見えないのなら、私がコスモの目の代わりをすればいい」と決心、暑い日も寒い日も懸命に世話を続けていくことで、本当の信頼関係がうまれていきます。

2014年01月11日

うま年にちなんで 2

 馬の習性や性質を熟知し、個性や性格を理解しながら、適切なコミュニケーションをとるナチュラル・ホースマンシップという方法。
 2冊目は、その方法を用いて馬のケアをおこなう牧場を舞台に、人と馬の交流を描いた作品です。

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ハートランド物語 全6巻 /ローレン・ブルック (あすなろ書房)

 エイミーの家は、虐待されたり、飼い主に見捨てられたり、問題行動を起こす馬を引き取り、肉体的・精神的な傷を癒し、新しい飼い主を見つける牧場「ハートランド」 
 牧場を切り盛りする母・マリオンを手伝うエイミーも馬が大好き。でも、15歳の誕生日を目前にした嵐の日、悲しい事故が起こります。
 行方不明の父親、都会で暮らす姉・ルーとの関係、牧場の経営、そしてケアの必要な馬たち。様々な試練がエイミーに降りかかります。
 問題のある馬をケアすることでエイミー自身も成長していく様子を、テンポの速いスト―リー展開で描きます。毎巻キー・パーソンならぬキー・ホースも登場しますよ。

 *このシリーズは、25巻刊行の全米ベストセラーで、カナダではテレビドラマ化もされたそうです。残念ながら第1部全6巻までしか翻訳刊行されていません。

2014年01月10日

うま年にちなんで

 今年は午年。スタートは馬の出てくる作品の紹介です。

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優駿/宮本輝 (新潮社)

 「競走馬のふるさと」として知られる北海道日高地方の小さな牧場で、1頭の仔馬が生まれます。
 額に白い星印のある漆黒の仔馬。風のように速く、嵐のように烈しく、名馬になる天命を持っていますようにと牧場主の息子に祈られ誕生した仔馬は、期せずして馬主からスペイン語で「祈り」の意味を持つ『オラシオン』と名付けられます。
 これはオラシオンがダービーに出場するまでの3年間が描かれた物語。

 小さな牧場を営む渡海とその息子・博正、馬主である実業家・和具とその娘・久美子。久美子の腹違いの弟で重い病を患う・誠。長い下積み生活を送っていた騎手・奈良、他にも調教師、厩務員、新聞記者などサラブレッドが誕生するために関わったたくさんの人々が登場します。
 そこには、それぞれにドラマがあります。それは家族や親子の絆だったり、淡い恋だったり、実力だけではどうにもならないことだったり。そんな馬を取り巻く人々の人間模様とオラシオンが成長していく様子が、各章ごとに異なる登場人物の視点で語られます。人の夢と祈りが1頭のサラブレッドに託された物語です。

 * 宮本輝さんは「泥の河」「蛍川」「道頓堀川」などの川三部作を始め、多くの作品で知られる神戸市出身の作家です。優駿は1989年の作品。

2014年01月08日

3学期スタート

    新しい年が始まりました。 今年も図書室をどうぞよろしく。
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 今日は始業式。いつもの顔が早速、図書室にもやってきてくれました。
今日から貸出冊数が4冊に戻るので冬休みにたくさんかりている人は、返却してからでないと貸出できません、注意してください。冬休み中にも新しい本が到着していますよ。

 ところで「年齢を3で割って出た数字を時間に置き換える」という考え方、聞いたことありますか?
 12歳で中学に入学した時は、3で割って朝の4時という具合(まだ人生でいうと夜明け前です!)いよいよ受験本番の高3生は18歳で、6時。そろそろ皆が動き出す朝の始まりです。センター試験まであと10日余りとなりました。朝6時のみなさん、1日のよいスタートをきりましょう!

 明日より授業時間帯も、図書室の自習利用ができます。
 時間と場所をうまく活用してくださいね。