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2017年08月29日

読書介助犬

 8/28の読売新聞夕刊に『読書介助犬』が紹介されていました。西宮市の武庫川女子大学が取り組んでいる活動で、子ども達がセラピードッグとして訓練を受けた読書介助犬(ドクタードッグともいう)に本を読み聞かせるというものです。

 読書介助犬は1999年に米国で始まったアニマルセラピーの一種で、R.E.A.D.(Reading Education Assistance Dogs)プログラムと呼ばれています。最初の読書介助犬・オリビアとその飼い主であるサンディのことを書かれたのが

    犬に本を読んであげたことある?/今西乃子(講談社)
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       「R.E.A.D」 読む(read)にかけています 

 人前で読んだり話したりするのが苦手だったり、人と会話することに慣れていない子ども達が、読書介助犬に繰り返し本を読んで聞かせることで、苦手意識を克服して自信につながる。
 犬たちは読み間違えても笑わないし、うまく読めなくてもそれを指摘することもありません。本の内容は理解できないけれど、じっと耳を傾けてくれます。そのことで子どもたちに自己肯定感が生まれます。アメリカやカナダなどではすでに多くのボランティアの飼い主と読書介助犬が活躍しているそうです。

 読書介助犬の中にいは、オリビアのように動物愛護センターで殺処分寸前だったところで飼い主と出会い、たくさんの愛情を受け読書介助犬として役割を持ち活躍する犬たちもいます。

 武庫川女子大の記事を読むとセラピーというよりは、子ども達が本に親しんでくれることが目的のようです。同じく西宮市の市立鳴尾図書館では、読書習慣化へのきっかけにと、子どもが犬に読み聞かせるのではなく、子どもと犬が一緒にお話を聞くというプログラムもあるそうです。
日本の図書館でも読書介助犬の活動が少しずつ広がっているようです。

2017年08月23日

シンプル

 つぶらな瞳と、ばってんの口元、とてもシンプルな構図ですが、これだけで「あ!」とわかってしまうくらい世界的に有名なこうさぎ・ミッフィ。
 今日は、そのミッフィを生み出したディック・ブルーナさんの誕生日です。1927年、オランダ・ユトレヒトに生まれ、今年2月その生涯を閉じるまで 絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍されていました。

 ミッフィーは、ふるさとオランダでは「ナインチェ」と呼ばれています。オランダ語で「うさちゃん」の意味です。 手描きの線と鮮やかな色使いにシンプルな構成、あたたかい物語は世界の子どもから大人まで幅広く愛され、50カ国語以上に翻訳されロングセラーとなっています。
 英語訳されたときに「ミッフィー」と名づけられたナインチェは、日本語訳では「うさこちゃん」に。子どもの頃に読んだ人も多いですよね。
 日本では世界で最も早く翻訳され出版されました(1964年) ブルーナさんは何度も日本を訪れた知日家で、東日本大震災の時には恐く悲しい思いをしている子どもたちに向け、大きな二粒の涙を流しているミッフィのイラストが届きました。

 そんなブルーナさんですが、絵本を作り始める前から、出版社で本の表紙を手掛けるデザイナーとして活躍していました。ミッフィの絵本同様シンプルで温かみのあるデザインで、今回それをまとめた作品集が出版されました。
 シンプルの正体/ディック・ブルーナ(ブルーシープ)
 今年の4月から全国巡回中の展覧会の図録でもあります。関西では来年開催が予定されています。
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                ほら、もう、ミッフィ。 

2017年08月17日

「この世界の片隅で」

 一昨日は終戦記念日でした。戦争について、平和の大切さについて考えるきっかけになれる家族の物語を紹介します。昨年、アニメーション映画としても公開された この世界の片隅で/こうの文代(双葉社) です。
 
 舞台は戦時中の広島。18歳のすずさんに突然の縁談話がもちあがり、呉で暮らす海軍の文官を務める周作さんのもとへとお嫁に行くことになります。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、世界最大の戦艦といわれた「大和」も母港とする軍港の街として栄えていました。見知らぬ土地での暮らしに戸惑いながらも皆にやさしく迎え入れられ、すずさんの新しい生活が始まります。
 しかし戦況は厳しくなる一方。配給物資もだんだん減っていくなか、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、1日1日のくらしを積み重ねていきます。

 周作さんのもとへ嫁いで1年たった昭和20年3月、呉は大きな空襲を受け、すずさんが大切にしていたものを奪っていきます。そして、その年の8月がやってきます・・・。

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 戦時中であっても毎日の暮らしは続きます。朝がくれば皆で朝食を食べそれぞれの仕事に取り組み、夕暮れになると家族が集い食卓を囲む。この作品は戦争の悲惨さだけでなく、日々懸命に丁寧に暮らしていた当時の人々の様子をユーモアをおりまぜながら描いています。

 映画作品はアンコール上映として今夏も各地でロードショウ中。宝塚シネ・ピピアでも現在上映中です。

2017年08月09日

もうひとつの「バベル展」

 先日、大阪でブリューゲルの「バベルの塔」展が開催中ですと紹介しましたが、京都でもう一つのバベル展が開催されているので行ってきました。

 独特な世界観と緻密な作品で絵本作家としても知られる画家のヒグチユウコさんによる「バベル展」です。 幼少期からブリューゲルやボスのモンスターが大好きだったというヒグチさんが、今回「バベルの塔」展に展示される作品からインスピレーションを受けた13点ほどを題材としてオマージュ作品を制作。その原画が展示された本家「バベルの塔」展とのコラボレーション企画です。 
 
 小さな会場ですが、たくさんのヒグチさんの原画が掛けられていて、その魅力を満喫できます。TOBICHI京都にて会期は8/13(日)までと残りわずかですが、京都弁をモチーフにしたかわいいイラストもたくさんあり、興味のある人は近くで本物を見られるチャンスです。

 ぬいぐるみの猫の冒険を描いたせかいいちのねこ(白泉社) 「好きになるってこういうこと」を描いたすきになったら(ブロンズ新社) などヒグチさんは絵本も多く手掛けています。

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 入口にはキャンバス画(左) 会場内は撮影禁止ですが、こちらは撮影・掲載OKでした。 

2017年08月05日

第157回直木賞

 先日、第157回直木賞が決定しました。今回の受賞作品は 月の満ち欠け/佐藤正午(岩波書店)です。
         
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 もし自分と深く関わりのあった人が亡くなった後、まったく別の人の姿で目の前に現れたら、それを受け入れられるでしょうか。自分達しか知りえない思い出を、全く見ず知らずの人物が自分の事のように話し始めたら。

 東京駅のティーラウンジで、初老の男性と小学生の女の子が過ごした3時間ほどの物語です。でも、初対面の2人が語り合ったのは(というか一方的に8歳の少女が男性に語り続けたのは)、自分がこれまでめぐってきた数十年にもわたる物語でした。

 「輪廻転生」という言葉があります。仏教語で、車輪がぐるぐると回転し続けるように人が何度も生死を繰り返し、生まれ変わるというような意味です。
 この作品は月が満ち欠けるように、生と死を繰り返し、想いを残した人に再びめぐり合うことを願い続けた一人の女性の物語です。

2017年08月02日

大暑

 8月になりました。高3生以外は夏期講習もひと段落、今週は部活優先期間です。先週までは講習の帰りに図書室へやってきて、本をかりていく中学生の姿も見られましたが、今週は講習が続く高3生の自習利用が中心です。

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 今年の暦では、今は二十四節気の大暑(たいしょ)、一番暑い時です。夏バテや熱中症にならないよう体調管理に十分気をつけてくださいね。
 そして今日から七十二候では大雨時行(たいう、ときどきふる)です。この頃の大雨は、やはり夕立や台風、最近ではゲリラ豪雨。今日の天気図を見ると日本の南の海上に台風も発生しています。天気の行方にも気をつけて。