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「この世界の片隅で」

 一昨日は終戦記念日でした。戦争について、平和の大切さについて考えるきっかけになれる家族の物語を紹介します。昨年、アニメーション映画としても公開された この世界の片隅で/こうの文代(双葉社) です。
 
 舞台は戦時中の広島。18歳のすずさんに突然の縁談話がもちあがり、呉で暮らす海軍の文官を務める周作さんのもとへとお嫁に行くことになります。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、世界最大の戦艦といわれた「大和」も母港とする軍港の街として栄えていました。見知らぬ土地での暮らしに戸惑いながらも皆にやさしく迎え入れられ、すずさんの新しい生活が始まります。
 しかし戦況は厳しくなる一方。配給物資もだんだん減っていくなか、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、1日1日のくらしを積み重ねていきます。

 周作さんのもとへ嫁いで1年たった昭和20年3月、呉は大きな空襲を受け、すずさんが大切にしていたものを奪っていきます。そして、その年の8月がやってきます・・・。

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 戦時中であっても毎日の暮らしは続きます。朝がくれば皆で朝食を食べそれぞれの仕事に取り組み、夕暮れになると家族が集い食卓を囲む。この作品は戦争の悲惨さだけでなく、日々懸命に丁寧に暮らしていた当時の人々の様子をユーモアをおりまぜながら描いています。

 映画作品はアンコール上映として今夏も各地でロードショウ中。宝塚シネ・ピピアでも現在上映中です。