探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
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探究ゼミ「法律を学ぶ」第12回白雪姫
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第12回を開催し、中1~高3の42名が60ホールに集まりました。
今日のテーマは、「昔話法廷『白雪姫』」です。 NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。
被告人は王妃です。 おばあさんに扮して白雪姫に毒リンゴを食べさせて殺そうとした殺人未遂で起訴されました。 ところが王妃は全面否認。 王妃は有罪か無罪か?
動機は嫉妬、以前殺人を依頼された証人が登場し、毒を盛られたときに王妃の声を聴いた白雪姫の証言、アリバイの証人はいない、と状況証拠は十分。 しかし、リンゴに指紋なし、意識がもうろうとした白雪姫の証言に証拠能力はあるか疑問、と事実認定の点であまりに食い違いがありました。
視聴後、結論を聞くと、23対19で有罪が多かったです。 有罪派は「殺意の動機が十分あり」「アリバイなし」「昔からいじめられていた」「魔女の衣装を持っているのが不自然」「状況証拠充分あり、一方、無罪派は「物証なし」「疑わしきは罰せず」「冤罪の可能性あり」「去年有罪と考えたが政経の授業を受けたりして考えが変わった」などの意見がありました。
教員から、状況証拠の積み重ねで有罪に持ち込むのは慎重にせねばならない点、「疑わしきは罰せず」の刑事裁判の大原則を説明しました。 昔話の中で、王妃はいかにも悪役のイメージがついていますけど、予断と偏見を排除して、結論を導かなければなりません。
生徒の感想として、「見れば見るほど余計わからなくなった」「どちらにも証拠がなく難しかった」「私情をはさんでは難しい裁判になる」「有罪無罪で被告人の人生は大きく変わる」「とても考えさせられて楽しかった」「こんな弁論も一度見てみたい」などの意見がありました。
刑事裁判は、被告人に罰を与えるかどうかが問われ、罰を与えると、被告人の生命・自由・財産を束縛することになります。 参加者は、そのことについて熱心に考えています。
次回は10/25に60ホールで開催します。 多くの方の参加を期待しています。