探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
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探究ゼミ「法律を学ぶ」第18回さるかに合戦
今日昼休み、探究ゼミ「法律を学ぶ」第18回を開催し、中1~高3の24名が60ホールに集まりました。
今日のテーマは、「昔話法廷『さるかに合戦』」です。NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。
被告人は猿。死刑か否か?
検察官の陳述は、以下の通りです。
「被告人の猿は、何の落ち度もないカニの命を無残に奪った。柿を取れずに困っていたカニの親子に出会い、『自分が取ってやろう』と言って木に登り、熟れた柿を食べつくした。文句を言った母ガニに逆上。青くて硬い柿をしつように投げつけ、何発も直撃を食らった母ガニと幼い娘二人は、体を砕かれ死亡。逮捕されるまで8年間、逃亡を続けた。これは刑法第199条の殺人罪にあたり、短絡的であまりにも残虐な犯行は、死刑が相当と考えます。」
一方、被告人と弁護側は、検察官が述べた内容を全面的に認めた上で、弁護人は、犯行に至るまでの猿の境遇に同情の余地があること、猿が十分に反省し更生していることから、「死刑にすべきではない」と訴える。
裁判員に突きつけられたのは、猿を死刑にするかしないか、命をめぐる判断です。
視聴後、結論を聞くと、死刑派16名・死刑回避派8名でした。死刑派は「残虐な犯行。反省していても妥当な罰を受けるべし」「動機が身勝手」「同じ犯行を繰り返す可能性あり」「3人殺している」「8年逃亡した」、死刑回避派は「更生している」「死刑制度自体に反対。死ぬから償えるわけではない」「重い罪を生きて一生償うべし」といった理由です。「被告人の家族を考えると難しい」「死刑か否かは、いつもより難しかった」という意見もありました。
極悪な犯罪としても、死刑を判断するのは、本当に難しいです。命の重みを考えながら判断せねばなりません。裁判員の判断は、いつもながら難しいです。
次回は1/31に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。