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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ「法律を学ぶ」第11回時効

本日の昼休みに探究ゼミ「法律を学ぶ」第11回を開催し、中1~高3の24名が60ホールに集まりました。

今日のテーマは、「時効って何だろう-刑事事件を題材に」です。

「レ・ミゼラブル」という小説で、貧しいジャン・バルジャンは病気の妹に食べさせるパンを買うお金を工面するため、教会から貴重な銀の皿を盗んで逃げてしまいました。その後7年が経過し、ジャンは過ちを悔いて改心し、街に貢献するため工場経営者から市長になりました。ところが警察が7年前の窃盗犯人を突き止め、ジャン・バルジャンは逮捕されてしまいます。起訴すべきであったかどうか。
弁護人は、7年前のことで環境が大きく変わっているため起訴すべきではなかったと考えます。改心しているし、有罪となり市長が代わると多くの労働者が路頭に迷い、また、この町も立ち行かなくなるかもしれません。ジャンの処罰を望む人もいませんし、彼が罰されなくとも、彼を真似する者などいないと主張します。」
検察官は、罪を犯した事実は変わらないし、時間が経って裁判にしないというなら、『逃げきればよい』と考えるようになりは犯罪大国になってしまうと主張します。さらに、被害者である元神父を忘れてならず、ジャンの行為によって貧しい暮らしを強いられた被害者の処罰感情に報いるためにも、起訴は正しかったと主張します。
現在の日本の刑事訴訟法では公訴時効として窃盗罪は7年です。このケースでは起訴すべきでないとなります。ただし、絶対的な正解というものはないし、2010年に殺人罪などは時効が廃止されました。

この論点をどう考えるか、皆で意見交換したうえで、結論を尋ねたところ、「起訴すべし」が13名、「すべきでない」が9名、「わからない」が2名でした。
起訴派は「犯した罪は償うべし」「時効は正しい考えではない」「改心したかは本人しか分からない」、一方不起訴派は「本人も反省していて罰則の意味がない」「7年間犯罪を犯していない」「彼は更生している」などの意見がありました。

感想として「同情すべきか難しい」というものもありました。時効については賛否両論ありました。法解釈だけでなく、自分の考えを磨いていく、一つのケースステディになったようです。

次回は10/22に60ホールで開催します。多くの参加を期待しています。

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