探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
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探究ゼミ「法律を学ぶ」第16回浦島太郎
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第16回を開催し、中1~高3の24名が社会科教室に集まりました。
今日のテーマは、「昔話法廷『浦島太郎』」です。NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。
被告人は、乙姫。実刑か、執行猶予か?
検察官の陳述は、以下の通りです。
乙姫が犯したとされる罪を、検察官が述べます。「竜宮城のあるじである乙姫は、亀が地上から連れてきた浦島太郎と恋仲になり、夫婦同然の暮らしを送り、乙姫は太郎の子を宿した。3年後、親が心配になった浦島は『地上に帰る』と別れを切り出し、強い恨みを抱いた乙姫は、浦島を殺すことを決意。殺傷能力の高い煙が詰まった玉手箱を渡した。地上に戻った浦島は、煙を浴び急激に老化。じん大な苦痛を受けたので、刑法第199条・203条の殺人未遂罪にあたる。」
殺そうとした事実を認める乙姫。しかし、弁護人は「浦島の心ない言動に追い詰められた末の犯行であり、十分に同情の余地がある。」と"執行猶予"を求めました。人を殺そうとして、普通なら刑務所行きの乙姫を執行猶予にしてもよいのでしょうか?
視聴後、結論を聞くと、実刑派5対 執行猶予派19でした。実刑派は「明確な殺意あり」「情状酌量の余地なし」「殺そうとしたのは事実」、一方、執行猶予派は「かなり反省している」「子どもを宿した乙姫に別れを告げた太郎にも非あり」「同情の余地あり」「おなかの赤ちゃんのことを考えれば執行猶予」などの意見がありました。
感想として「反省の心は当事者しかわからず難しかった」「今までで一番悩んだ」「子どもの問題が絡むと難しい」「裏切られた乙姫の悲しさも理解でき難しかった」などがありました。竜宮城から帰って煙を浴びたことで300年も老化した浦島太郎、煙を浴びせた乙姫、犯罪をおかすからには、それなりの理由があります。どこまで情状酌量するか、これは裁判員の判断によります。極めて難しい判断が迫られます。
次回は11/22に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。