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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ「日本の交通網」第17回阪神優勝

今日の昼休み、「日本の交通網」が会議室で開催され、高1~2の6名が参加しました。今日は第17回、テーマは、阪神タイガースです。

今年のプロ野球日本シリーズは、阪神・オリックスという59年ぶりの関西同士対決で盛り上がりました。阪神は、38年ぶりの日本一に輝き、オリックスは阪急が身売りし、さらに近鉄と統合したチームです。かつてあった南海は、ダイエー(現ソフトバンク)に変わり、姿を消しました。阪神・阪急・近鉄・南海いずれも私鉄が親会社でよく似た境遇だったのみ、なぜこんな差が生まれたのかに関する記事を読みました。

1985年、強力打線を誇った阪神はセ・リーグ優勝を果たすと、日本シリーズで西武を退け初の頂点に立ちました。直後、関西球界で地殻変動が起き、88年に南海(現ソフトバンク)と阪急(現オリックス)がそれぞれ身売りし、2004年には近鉄がオリックスと統合しました。いずれも球団経営が厳しくなったのが原因の一つです。一方、阪神は着実に入場者数を増やし、今季は12球団最多の290万人あまりと、人気球団の地位は揺るぎないです。

この差について、私鉄とプロ野球経営に詳しい大阪大の広田誠教授(日本経済史)は阪神だけが球団経営を続けられてきた理由について「パの人気が低迷していたことが最も基本的な要素」と指摘します。

1950年代以降、長嶋茂雄らの活躍で巨人の人気はうなぎ登りで、同じセ・リーグに所属した阪神など5球団もその恩恵にあずかり、南海、阪急、近鉄などで構成されたパ・リーグとの差は開く一方でした。さらに、巨人の親会社である読売新聞系列の日本テレビ放送網を筆頭に各テレビ局が巨人戦を中継し、「そこに映るか映らないかが大きかった」と教授は語ります。

加えて、阪神はサンテレビが69年の開局から間もなく、阪神戦開始から終了まで「完全中継」などを開始し、巨人戦以外も頻繁にテレビで試合が見られることで、多くのファンを獲得しました。

一方のパは、蚊帳の外に置かれ、当時は親会社の支援が前提の経営が当たり前で、各球団は大幅な赤字を抱えていたようです。さらに関西パ3球団の親会社自体の経営も悪化し、教授は「関西経済の長期的、相対的な地位の低下など鉄道会社にとってマイナス要素がどんどん増えていった」と説明します。

私鉄各社は少子高齢化で鉄道利用者が減った上、87年の国鉄分割民営化後、国鉄時代は事業が貨物や長距離輸送に限られていたJRが駅前開発などに乗りだし、経営を圧迫された。さらに積極的な開発事業もバブル崩壊後で大きな負債に変わっていきました。

かつては「利用客増や沿線の魅力を高めるための手段で球団単体では赤字でも構わない」方針もあったが、前提が覆り、多額の赤字を生む球団を抱え続けることを株主や鉄道利用者に理解してもらうことは難しくなりました。

ところが阪神は少々状況が違い、「会社規模が大きくなかったため、バブル期でもリスクの高い事業に取り組まず、バブル崩壊のダメージがあまりなかった」ため、身の丈に合った判断が功を奏しました。大阪―神戸間というドル箱以外の路線を事実上持たないこともプラスに働き、人気球団とあって鉄道利用者増にも大きく寄与しました。他の3私鉄とは違い、球団の価値はグループ内でどんどん大きくなりました。06年にはかつてのライバルである阪急と阪神が統合し、経営基盤がより強化されました。長い暗黒期でも底堅い人気を誇ったタイガースだが、今回の日本一でさらにファンは熱狂しています。観客動員、関連グッズ販売が伸びれば、球団は潤い、それだけチームの強化にも寄与する。タイガースはこれからも関西の地で輝き続けるだろうという記事です。

記事を読み、意見交換しました。

感想は「球団の人気で本業も大きな効果が生まれることがよくわかった」「阪神が人気球団になった理由がよくわかった」「セリーグに阪神が置いたこととか賢い会社だなと思った」「メディアの影響力を改めて理解した」などありました。

鉄道経営の一助になるとして開設された球団ですが、結果は大きく異なりました。これからどうなるか、楽しみです。

次回は12月7日に開催します。ご参加お待ちしています。

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