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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕

探究ゼミ

探究ゼミ「法律を学ぶ」第19回ブレーメンの音楽隊

今日昼休み、探究ゼミ「法律を学ぶ」第19回を開催し、中1~高3の29名が60ホールに集まりました。

今日のテーマは、「昔話法廷『ブレーメンの音楽隊』」です。NHKのEテレで放送していた昔話を裁判したらどうなるかという番組を視聴したうえで、感想を書いてもらいました。

被告人はロバ。実刑か執行猶予か?

検察官の陳述は、以下の通りです。

ロバは年老いて働けなくなり、主人に始末されそうになった。逃げ出したロバは音楽隊に入るべく、ブレーメンの街を目指した。その途上、同じく年老いたイヌ、ネコ、オンドリと出会い、意気投合。数日後、盗賊たちの家を見つけたロバは、仲間をけしかけて襲撃。暴行を加えて怪我をさせ財産を奪い、逮捕されるまで1ヶ月間、家を不法に占拠しけた。これは刑法第240条の強盗致傷罪にあたる。」

一方、被告人と弁護側は、検察官が述べた内容を認めた上で、「犯行の動機になったのは『悪い盗賊をこらしめる』正義感で、しかも犯行に至るロバの境遇には同情の余地がある。刑を軽減し執行猶予を求める」

「執行猶予」は、刑務所に入れず、今の生活の中で反省させ、更生機会を与えることです。強盗致傷という重い罪を犯したロバを、執行猶予・実刑どちらにすべきでしょうか。

視聴後、結論を聞くと、実刑派18名・執行猶予派11名でした。実刑派は「身勝手なロバは償うべし」「自分の幸せのため他人を犠牲にする姿勢は変わらない」「襲撃理由は家を奪うためである」「悪を倒すために自分が悪になってはいけない」、執行猶予派は「後悔してるし真実を伝えてるので執行猶予で良い」「仲間と生きてゆく方が更生になる」「高齢のため再犯可能性が少ない」といった理由です。「それぞれの法解釈が見えて面白かった」「不遇な境遇を判断に入れるべきか悩んだ」「裁判の中で新たな事実が明らかになることがあると分かった」「身寄りのない人が加害者になることは少なくない。そのような人を助ける社会づくりが必要」という意見もありました。

刑罰は何のためにあるのか、人間観が問われます。裁判員の判断は、いつもながら難しいです。

次回は2/7に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。

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