探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
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探究ゼミ「法律を学ぶ」第1回
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第1回を開催し、中1・高1~3(中2・3は演劇鑑賞)の48名が60ホールに集まりました。
今日は、レミゼラブルの物語をもとに、以下の設定で考えました。
ジャン・バルジャンは、非常に貧しい生活を強いられていた。ある日、病気の妹に食べさせるパンを買うお金を工面するため、ジャン・バルジャンは教会から貴重な銀の皿を盗んで逃げてしまう。教会の貴重な皿が盗まれたというニュースは市民に衝撃を与えた。盗難の責任をとって教会の神父が辞任する。これによって騒動は静まり、市民は普段の生活に戻っていった。その後、警察は犯人を見つけられないまま7年が経過する。窃盗犯人ジャンは、自己の過ちを悔いて改心していた。街に貢献するため工場の経営者に、さらに人望を得て市長にまでなっていた。ところが、警察が7年前の窃盗犯人を突き止め、ジャン・バルジャンは逮捕されてしまう。ここで、ジャン・バルジャンを起訴すべきか。ちなみに、現在の日本の刑事訴訟法では公訴時効があり、窃盗罪の時効は7年で、ジャンの場合、不起訴となるが、あくまで現在の日本の法律であり、絶対的な正解はないことを説明したうえで、皆で考えました。
生徒の意見は28対20で不起訴派が多かったです。
不起訴派は、「7年間誠実に生きて、市長として務めを果たし反省している」「窃盗の損害より生み出した利益の方が大きい」「7年前のことを掘り返しても何にもならない」「改心が目的の服役なので、改心している以上起訴の必要はない」などの理由を挙げ、一方起訴派は、「罪を犯した事実は変わらない」「市長を特別視するのはよくない」「本当に悔やんでいるかは確信できない」「一度区切りをつけた方が良い」「お金を工面したければ働けばよい」という理由を挙げていました。
感想として「時効について考えていきたい」「どっちの意見も共感できた」「時効も善しあしで難しい」「人は変わるのかという重いテーマだった。レミゼラブルも読んでみたい」「何を基本に考えるかで罪も大きく変わる」「法的利益や時効を知り、難しいことを学んだ」「とても考えさせられた」「被害者の家族のことも考えねばならない」「法と人のあり方が考えさせられた」などがありました。
起訴・不起訴も難しい問題です。これからも、さまざまな問題をゼミで考えていきたいです。
次回は6/7に60ホールで開催します。修学旅行で高2は参加できませんが、それ以外の多くの方の参加を期待しています。