探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究ゼミ
探究ゼミ「法律を学ぶ」第3回プライバシー
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第3回を開催し、中1~高3の50名が60ホールに集まりました。
今日のテーマは、プライバシーと表現の自由です。
東京弁護士会が作成した法教育の教材として、政治家のプライバシーを描いたモデル小説に対して、出版差し止め請求が出された場合、差し止めを認めるかという内容がありました。これをプリントして、皆で考えました。
表現の自由は、民主主義の根幹を支える「精神の自由」です。よほどのことがなければ制限できません。他方、プライバシーは、憲法の制定時には考えられてなかった「新しい人権」です。今回のと類似の事案は、プライバシーを裁判で初めて認めた「宴のあと」事件ですが、この時は損害賠償のみで差し止めは判決してません。差し止めを初めて認めたのは「石に泳ぐ魚」事件です。この事案の場合、どう考えるべきでしょうか。
差し止めを認めるか、意見交換したうえで意見を書いてもらいました。
差し止め賛成派(42名)は「知られたくない過去をさらすのはプライバシー侵害」「公表してないことを出版するのは侵害」「許可なくモデルにするのはダメ」「誰にでも知られたくないことがある」、反対派(8名)は「あくまで小説、ギリギリセーフ」「物語はあくまでフィクション」などがありました。
感想として「ネット社会でこういう事案は増えそう」「どちらの思いもくみ取るのは難しい」「逆の立場の意見を聞き興味深かった」「表現の自由とプライバシーは難しい」「権利と権利がぶつかっているので判断が難しい」「微妙で決めにくかった」などがありました。
他人を傷つけてまで表現して良いわけではありません。とはいえ、むやみに表現の自由を制限するのは民主主義社会で許されることではありません。難しい問題です。
次回は6/30に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。