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探究ゼミ「法律を学ぶ」第4回正義と悪法
今日、探究ゼミ「法律を学ぶ」第4回を開催し、中1~高3の29名が60ホールに集まりました。社会の問題を法律の視点で考えるこのゼミは、毎週火曜の昼休みに開催します。今日は「正義と悪法」です。
女性法律家を描いたNHKの朝ドラの中で、ある裁判官が餓死した内容が放送されました。これは戦後直後に餓死した裁判官をモデルにしています。
彼は、東京地裁経済犯担当として食糧管理法(食管法)違反など裁いていました。法では配給食糧以外は違法ですが、実際には誰もがヤミ市に通っていました。しかし彼は、法を破った人間を罰する立場の自分がヤミ米を食べてはいけないとの信念を持ち、ヤミ食糧を一切口にせず、配給食糧の大半を2人の男児に与えた、子供が食べた残りの汁ばかりの粥を妻と分け合って食べました。当然、彼は体を壊し、1947年8月、東京地裁内の階段で倒れながらも9月まで裁判を担当し続けた結果、10月に栄養失調による肺浸潤で33歳の若さで死亡しました。
古代ギリシャの哲学者・ソクラテスによる「悪法も法」という言葉を守ろうした裁判官、のちに「昭和のソクラテス」といわれた一方、法律至上主義の非常識な裁判官と批判する声もありました。令和の中高生は、どう考えるか、意見交換しました。
感想として、「自らの職に責任をもった生き方に感銘を受けたが、生きることを選ぶ方法もある」「なにもまちがっていない」「正義を貫くため他の人に苦しい思いをさせるのはどうか」「人生あきらめるより法を破る方が軽い」「自分の意志を貫いて人を救い続ける生き方はいいと思う。そういう生き方に憧れる」「信念より命を大切にした方が良い」「法律は深い」「彼が生きた意味は生き続けている」などありました。悪法論は法哲学の領域です。正義と現実、どちらをとるか難しいところです。
次回は7/9に60ホールで開催します。多くの方の参加を期待しています。