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探究ゼミ「経済を学ぶ」第8回買収
探究ゼミ「経済を学ぶ」、今日は第8回を開催し、中2~高3の合計25名が60ホールに集まりました。
今日のテーマは「買収」です。業界を代表する鉄鋼メーカー、日本製鉄によるアメリカのUSスチール買収計画に対し、9月上旬、「バイデン大統領が近く買収を禁じる命令を出す」という報道が相次ぎ、日米の経済界を揺るがしています。日本の民間ビジネス上の行動をなぜアメリカの大統領が阻止しようとするのか。
日本製鉄が、買収合意を発表したのは、2023年12月18日、総額141億ドル、日本円で2兆円にのぼる見通しで、USスチールの株主総会や関係当局の承認が得られることなどを当初は、2024年4月から9月までの間に、日本製鉄がUSスチールを子会社化する計画でした。日本製鉄としては、これまで力を入れてきたインドと東南アジアにあわせて、安定した市場であるアメリカでの事業を強化し、海外事業の拡大につなげるとしています。
しかし、この発表に労働組合は反発します。本社や生産拠点がある東部ペンシルベニア州選出の上院議員など民主・共和両党の一部の議員からも強い反発の声が上がりました。
動きを察知して行動に出たのがトランプ前大統領で、大統領に就任した場合には買収を認めない考えを明らかにしました。トランプ氏の動きを意識したのか、バイデン大統領は、3月中旬、買収に否定的な考えを示します。民主党大統領候補ハリス氏も、9月2日に買収に否定的な考えを示したのです。労働組合は、民主党の支持基盤。高い集票力を誇る組合に寄り添うことは、支持を得るうえで大きな力になるとの強い思いがバイデン氏、ハリス氏ともにあったものとみられます。
このことについてどう考えるか、意見交換しました。多くの意見は、アメリカが過干渉ではないかというものでした。「国家の安全保障に鉄鋼が関係するのか、わからない」「経営を救うなら合併も必要」などありました。しかし、政治的問題になっているのは事実です。
また「買収のリストラで大規模解雇を懸念して労組が反対する気持ちも分かる」「買収での日米の関係をもっと知りたい」「合併が増える中、これからも増えていく」などの意見もありました。これからの動きが注目されます。
次回のゼミは9月25日、60ホールで開催します。参加お待ちしています。