探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
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探究ゼミ「経済を学ぶ」円高
夏休みも今日で7月が終わりました。いかがお過ごしですか。
探究ゼミ「経済を学ぶ」は、毎週水曜の昼休みに中1~高3の有志が集まり開催しています。1学期の5回は、主に、7月末の東京外国為替市場の円・ドル相場を1カ月前に予想する取り組みでした。
1年前の5月は1ドル=141円80~90銭でした。ところがゼミが始まった今年5月は1ドル150円台が続き、GWの政府・日銀による円買い介入で152円まで高くなったものの5/29→157円、6/19→157円、6/26→160円で、進むたびに円安派が増えていきました。
ところが、円高が進み、先週7月25日→152円80銭台となり、最終的に、7月末の今日、149円台まで円高になりました。4か月ぶりの円高・ドル安水準です。きょう一日で5円ほど、大きく円高方向に進むという状況が生じています。
きょうの会見で日銀の植田総裁が、見通しどおり経済・物価が動いていけば、「引き続き金利を上げていくという考えでいる。その際に0.5%は壁として意識していない」などと発言し、日米の金利差が縮小していくとの見方が市場で広がり、円買い・ドル売りの動きが強まりました。それが1日で5円という円高につながったと報道されています。
ここまでの円高を予想したゼミ生は、ほんの数名でした。2学期最初のゼミで結果を披露しますが、経済が生き物であることを実感させられた取り組みとなりました。海外研修に参加しているゼミ生もいます。帰国の際に両替すると、円高を実感することでしょう。
これからも経済の動きに注目していきましょう。2学期は株の投資を考えていく予定です。
次回のゼミは9月4日、60ホールで開催します。参加お待ちしています。
8月1日追記 日本銀行は7/31、今年3月のマイナス金利解除以来となる追加の利上げを決め、これを受け、民間銀行も預金の金利引上げを発表しました。日銀は0から0.1%程度としてきた短期金利の誘導目標を8/1から0.25%程度に引き上げます。
理由として、植田総裁は歴史的円安の物価への影響を挙げたうえで、景気を冷やすとの懸念に対しては「大きなマイナスの影響を与えることはない」と説明しました。
岸田首相は「政府と日銀は、デフレ型経済から新しい成長型経済への30年ぶりの移行、これを成し遂げることが肝要であるという共通の認識に立って、密接に連携をしてきている」「1000兆円規模と言われる国民の預貯金の金利増というプラス効果もある」として、利上げを前向きに評価しているとの報道です。
日銀の利上げ決定を受け、3メガバンクは現在0.02%の普通預金の金利を0.1%に引き上げると発表し、三井住友は今月6日から、三菱UFJとみずほ銀行は来月2日から金利引上げです。5倍の引上げで、2008年11月以来およそ16年ぶりの水準となります。
経済にどのような影響が出るか、見ていきたいものです。