探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
ブリヂストンサマー合宿 in 東京
東京都小平市にあるブリヂストン技術センター・東京ACタイヤ製造所での探究プロジェクト「ブリヂストンサマー合宿」を実施しました。今回のプロジェクトはGroup A(ラジコンカータイヤ設計)とGroup B(商品・サービスコンセプトワーク)の2つのプロジェクトに分かれ、Group Aは8/1から8/3の3日間、Group Bは8/2から8/3の2日間で実施しました。ブリヂストン様もこのような学校とコラボレーション企画を実施するのは初めてということで、特にGroup Bは事前学習およびミーティングを数か月前から行い、準備も念入りに行ってきました。高校2年生1名、高校1年生2名、中学3年生12名が参加しました(Group A:6名、Group B:9名)。今回のプロジェクトの目的は、学生自身で社会課題を読み解き、常識にとらわれない自由な発想を持って解決策や提案を考え、一つの成果物にまとめることを通して、思考・判断・表現力を培うことです。また、目標・ゴールとしては以下の通りです。
・社会課題への理解深化
・ブリヂストンの考え方や取り組みへの理解
・サステナブルマインドの醸成
〇Group A プロジェクト概要:サステナブルマテリアルを含む、自分たちで考えたゴム配合を使ったタイヤの作製、性能評価や、専門家との意見交換を通して技術課題の解決に取り組む
〇Group B プロジェクト概要:「未来のモビリティを取り巻く環境」を予測し、周囲の人やブリヂストン社員との意見交換を通じて、先端技術を取り入れた2050年のモビリティやサービスを提案
Group Aを振り返ります。1日目は、タイヤ性能、ゴムの基本特性、サステナブルな材料などの講義を受けた後、班ごとに分かれ、ラジコンレースで使用するタイヤゴムの物質の配合(ポリマー・充填剤・軟化剤)を決定しました。2日目は全体オリエンテーションと施設見学を行った後、1日目にブリヂストンスタッフの方々が合成してくださった班ごとのタイヤゴムを用いて、様々な実験を行い、そのゴムの特性や性能を評価しました。また、実際にそのタイヤを用いてラジコンを操作し、ゴムによる運転の操縦性の違いも体感し、データからなぜそのようになるのかについても考察を行いました。3日目は、班対抗(&教員+ブリヂストン社員チーム)のラジコンレースを実施し、大盛り上がり。そして最後に、これまで学んだことの振り返りと考察をしてから全体で発表会を行いました。
Group Bを振り返ります。1日目は、Group Aと合同で全体オリエンテーションと施設見学を行った後、一つのモビリティとして車いす体感(一般用と競技用)を行いました。ここでは、パラリンピアンの小倉理恵さんにお越し頂き、生徒たちに車いすの操作指導や難しさなどについて説明して頂きました。生徒たちも実際に車いすに乗るのは初めてで、特にちょっとした段差や勾配のある場所での操作が難しかったと言っていました。その後、事前学習で班ごとに考えた未来のモビリティについて、技術者の方へ質問し、ブリヂストン社員の方からアドバイスを受け、よりリアルでイメージ化しやすいものへと試行錯誤を重ねました。2日目は、1日目に引き続いて生徒たちの持っている発想力を社員の方がより一層引き出して下さり、全ての班がイメージ図やコンセプトなどを全体で発表し、ブリヂストンスタッフの方から講評を行って頂きました。
全体を通して、ブリヂストンスタッフの方々の丁寧かつ入念なご準備や、生徒たちに対して専門家としてのアドバイスを分かりやすくして頂けたことで、世界を代表する企業の方が日々どのようなことを行っているかのイメージを、少しでも掴めたのではないかと思っています。生徒たちにとってゴムやモビリティというのは日常に溢れているものですが、その存在を強く意識する機会はあまりなかったと思います。このプロジェクトを通して、「ゴムやタイヤに関する興味がわいた」「ブリヂストンのような企業で働きたい」「社員の方が全員優しくて安心感があった」など、生徒たちの満足度が高かったこともうかがえます。生徒たちに合わせて企画し、運営してくださったブリヂストン様には本当に頭が上がりません。学校内では体験することが難しいことを沢山体験させて頂いたこの時間を糧に、今後も精進していこうと思えた時間でした。