探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
探究プロジェクト with アドベンチャーワールド
「ジャイアントパンダからSDGsを考える」
7月26日(月)から7月28日(水)まで、アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)へ行ってきました。このプロジェクトはSDGs(持続可能な開発目標)をいろいろな視点から考えてみることがメインテーマであり、様々なプログラムを行ってきました。
初日は、まず、プログラム開始前のSDGsに対する考えをグループで共有しました。
昼食後、パーク内で飼育されている絶滅危惧種を巡り、絶滅危惧となった要因を様々な視点からお話していただきました。
次に、ジャイアントパンダの「桃浜」をじっくりと観察しました。どのくらいの時間、どのような行動や仕草をしているか、詳しくメモを取り、その行動や仕草の意味を彼らなりに考えてみました。これは翌日のパンダ担当飼育スタッフさんとの質疑応答につなげていきます。
2日目はパンダラブにお邪魔し、担当スタッフの方に施設の仕組みやパンダの健康チェックなど色々と教えていただきました。ここでの質疑応答はかなり盛り上がっていました。パンダの糞を解体したり、骨格レプリカなどをじっくりと観察し、パンダについてより深く学ぶことができました。
飼育担当スタッフさんから教えていただいた、パンダの観察ポイントを知った上で、もう一度観察をしてみました。先程の観察では気づかなかったところが観察できたようです。
さて、パンダの主食は竹ですが、全てを食べるわけではなく、食べ残しは廃棄されてしまいます。全てを廃棄をするのはもったいないということで、アドベンチャーワールドでは「パンダバンブープロジェクト」というものがあります。今年は7月22日に全国47都道府県で竹あかりを一斉点灯し、世界へ希望と平和のメッセージを発信する「みんなの想火プロジェクト」にも参画されています。その竹あかりを作る体験をさせていただきました。
午後からは、ベテランの飼育担当者さんに、パンダに関する様々なお話をしていただきました。パンダの生態についてだけでなく、種を保存し、野生に返すためにはまだまだ多くの問題点があり、今まで学習してきた視点とはまた違った視点でパンダについて考える機会を与えていただきました。
その後、竹の搬入・処理作業とパンダの関わる環境問題について学習をしました。餌としての竹の処理作業は長さを揃えたり、水で汚れを落としたり、様々な作業がありましたが、これら一つ一つにもしっかりとした理由があることを生徒たちは学んだようです。
パンダの関わる環境問題については、自然を守るというありきたりのものだけではなく、密猟者問題など非常に考えさせられるものもありました。
最終日は昨年11月22日に生まれたジャイアントパンダの「楓浜」と「良浜」の観察をしました。2日間で様々なことを学んできたため、最初はかわいい!という感じで見ていましたが、途中からしっかりと2頭の行動に着目し観察をしていました。ジャイアントパンダの「永明」さんもしっかり食事していました。
次に向かったのは、メディカルセンターで獣医師さんから繁殖・出産・子育てについてお話をしていただきました。血中のホルモンの変化を見ることで繁殖のタイミングをはかったり、採血の仕方は動物によって様々だったり、人工授精の難しさなどたくさんのお話をいただきました。
締めくくりとして、この3日間で学んだことをグループ発表しました。多くのスタッフの方々が参加するという緊張感の中、しっかりと発表をしていました。パンダの関わるSDGsの目標が、当初考えていた目標の数とは比べ物にならないくらい多くの目標とつながっていることを実感できる発表でした。
この3日間、非常にたくさんの時間SDGsについて考えることができたと思います。動物とSDGsというと「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」が非常に直接的で分かりやすいのですが、実はそれ以外の目標とも絡み合っているということに気づいてくれたと思います。
スタッフの皆様が気さくにお声掛けしていただいたおかげで、子どもたちも多くの意見交換をし、SDGsについていろいろな視点から考えることができました。本当にありがとうございました。
最後に、株式会社アワーズならびにアドベンチャーワールドのスタッフの皆様には、お忙しい中時間を割いていただき、非常に貴重な体験をさせていただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
この取り組みは、アドベンチャーワールドのHPにも掲載されました。「こちら」をご覧ください。