探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
探究プロジェクト「文学模擬裁判」4日目
『高瀬舟』に登場する、弟を殺した「喜助」に、どのような量刑を与えるべきかを、様々な視点から考える「文学模擬裁判」。
最終日となる4日目の今日は、ついに本番です。
生徒たちも、被告人や証人が『高瀬舟』の舞台である江戸時代をできるだけ再現した服装をしたり、弁護士や検察官がスーツを着たり、裁判官が法服を着たり、などと、「役になりきる」意識で、本番に臨んでくれました。
裁判は、札埜先生が作成して下さったシナリオを元に進みますが、被告人・弁護士は「同意殺人罪」を勝ち取るため、検察官は「殺人罪」を求刑するため、時としてアドリブを交えながら、活発な審理を行いました。
裁判のあとは、裁判官グループが退室し、別室にて、刑の確定を行います。
裁判官グループも、被告人にどのような判決を下すのが適当か、真剣に考えていました。
今回は2つのグループで裁判を実施し、1つ目のグループは、喜助に対して「殺人罪で懲役5年」、もう1つのグループは「同意殺人罪で懲役3年」の判決となり、判断が分かれました。
いずれのグループも、ハイレベルな議論を尽くした結果だったと思います。
今回の模擬裁判を通して、国語的には、「話す」姿勢・「聞く」姿勢の醸成、そして、「多様な読み」と「正しい読み」の両立、等を身につけてもらえたと思います。ただ、何より大切なのは、「喜助」というひとりの「人間」を、深く深く考えたこと。札埜先生がこの4回のプロジェクトの始めにおっしゃった、「国語とは『人間』を知ることだ」ということが、担当教員を含め、この場にいた人には、少し理解できたのではないでしょうか。
4日間、お疲れ様でした。またやりましょう。