探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
探究プロジェクト(新聞のちから)
第1回 報道写真の持つちから 「避難所での取材活動をどう思いますか?」
8日午後,探究プロジェクト「新聞のちから」を行いました。第1回となる今回は「報道写真の持つちから」と題して,読売新聞大阪本社広報宣伝部の伊東広路様から講演をいただきました。そのあと,グループに分かれ「避難所での取材のあり方」をテーマにグループディスカッション,代表者によるプレゼンテーションを行いました。
講演では,読売新聞に掲載の写真を題材に,報道写真の役割や取材の舞台裏や工夫を紹介していただきました。「東日本大震災の被災地で行方の分からない子どもを探す母親」「子どもと再会できたときの母親」の2枚の写真からは,大災害のなか賢明に生きる人々の姿だけではなくその気持ちまでも感じることができました。報道写真の大きな「ちから」を感じました。
続くグループディスカッションでは,「避難所での取材の在り方」をテーマに話し合いました。しかし,ディスカッションを始めてもなかなか議論が進みません。この問いには明確な答えがあるわけではなく,生徒たちは意見の集約が難しい様子。災害が起こると,体育館に大勢の人が集まり,寝泊まりする様子を伝える報道が多くあります。ただ,行き過ぎた取材活動や被災者のプライバシーにまで踏み込んだ取材が問題視されることがあります。
それでも生徒たちは,記者のみなさんの助言を得ながら少しずつ「正確な情報伝達は必要だ,しかし取材には配慮も必要」「質問攻めではなく,カウンセリングの視点をもった取材はできないか」「報道によって支援も広がる」などと,答えのないテーマに向き合っていきました。そして,ホワイトボードに,プラスの意見とマイナスの意見を分けてまとめたり,現在だけでなく将来この報道はどのような意味を持つのか? と見方を変えたりしながら,議論を深めていくことができました。
授業のあと,生徒たちはこのテーマについてレポートをまとめます。答えを見いだすことが難しいテーマを,他者との対話を通じて考え,自分の意見をまとめ,発表する。社会問題を熱心に考える生徒たちの姿にたくましさを感じました。
この授業は,読売新聞大阪本社と本校のコラボ企画です。次回は,6月5日(土)に「ジェンダー平等を考える」をテーマに実施します。