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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究プロジェクト

探究プロジェクト「文学模擬裁判」2日目

文学模擬裁判、2日目です。

芥川龍之介『羅生門』の中で、老婆の着物を奪った「下人」は、どのような量刑を与えられるべきか。本文の内容や、当時の時代背景を参考にしながら、「下人」への量刑を様々な視点から考えていくのが、この「文学模擬裁判」です。森鴎外『高瀬舟』を題材にした昨年の2日目の様子はこちらです(今年は、弁護士さんに3日目に来て頂きます)。

文学的・地理的・歴史的な視点から『羅生門』の内容を整理した1日目に続き、今日はまず、法律的な視点から『羅生門』を見直し、芥川龍之介の文章の書き方についても、みんなで再確認をしました。

中でも、担当教員も驚いた場面が、本文に登場する、「この男の悪を憎む心は、老婆の床に挿した松の木切れのように、勢いよく燃え上がりだしていたのである」という部分の検証です。

事前に集めておいた松の木切れに、遠慮無く火をつける札埜先生。もちろんバケツいっぱいの水は準備していますが、どうなることかと、みんなが食い入るように見つめます。

しかし、松の木切れが赤々と燃えたのは、ほんの一瞬。どの木切れに火を付けてみても、結果は同じでした。つまり、「松の木切れのように、勢いよく燃え上がり」という部分は、芥川の皮肉表現なのです。

また、今回の裁判において、可能性がある4種類の結論が、先生から示されました。

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まず最初の可能性は、「緊急避難」を適応することによる「無罪」。被告および弁護人は、これを目指して論戦することになります。

続いて、「強盗罪」の成立。ただそれにも段階があり、実刑・刑の減軽(執行猶予)・刑の免除(前科のみ)のどこに着地するか、となります。検察官および証人は、実刑判決を勝ち取ることが目標になります。

これらの説明を受けた後、被告および弁護人グループ、検察官および証人グループ、裁判官グループに分かれ、シナリオの改変作業を行いました。

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被告人および弁護人グループ。このうち2人は、去年の「文学模擬裁判」の経験者。活発な意見交換を行っていました。

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検察官および証人グループ。有罪を勝ち取るため、様々な可能性を考えていました。

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裁判官グループ。裁判長には中2が就任することが決まりました。有罪/無罪にできる理由を3つ考え、それぞれの意見も想定しつつ、判決の手がかりを整理しています。

リアリティを追求するために、部屋を暗くして、実際に刀を突きつけられる状況の再現も行いました。

明日は弁護士の先生からの説明と、リハーサルになります。最終日参加できない人が多いのですが、明日のリハーサルで雰囲気をつかんでもらえれば、と思います。

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