探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
「聞こえない」から考える多様性②
今年度から新しい探究プロジェクト「『聞こえない』から考える多様性」がスタートしました。このプロジェクトでは、「耳の聞こえない人」とその支援・通訳に携わる研究者をお呼びして、手話での講演、学習会、校外学習などを行うものです。
2月に行われた第1回目のオリエンテーションでは、研究者の種村光太郎さんから「多様性を考える」とはどういうことかを学び、「聞こえない人」当事者である大学生の河角さんご自身の体験をお聞きしました。
このブログでは、3月21日、22日に行われた第2回目と第3回目の様子をお知らせします。
【第2回目】3月21日(金)
「聞こえない人」当事者である山口さんと手話通訳者の種村さんをお迎えし、聴講と手話体験を行いました。山口さんは2歳で聴覚障害と診断され、小学校から高校までを聾学校で過ごされたそうです。生徒達は、山口さんから聾学校での授業の内容や、大学進学後の苦労、そしてこれからの夢など、さまざまなことをお聞きしました。手話のみを使って会話される山口さんの身振り手振りを見つつ、種村さんによる手話通訳をききながら聴講しましたが、聾学校でも音楽の授業があることに驚いたり、大学における「情報保障」(手話通訳やノートテイクなどを通して聴覚障害者が必要な講義情報を得られるように保障すること)が手薄だったため大変な苦労をされたことなど、活き活きとメッセージが伝わってきました。
生徒の皆さんは「拍手」や「こっちみて」などの手話は自然と覚え、自己紹介もすぐに理解し貪欲に学びを深めていました。「会話したい」「気持ちを伝えたい」という思いは学びを進める大きな動機になるんだなと実感しました。
【第3回目】3月22日(土)
3回目は、種村さん、山口さんにあわせてもうお一人「聞こえない人」当事者の古谷さんをお迎えしました。3グループに別れ、1班と2班は校外へ買い出しに行き、3班は学内でゲームを考案しました。買い出し班は手話や筆談で食の好みを聞いたり、どんなお菓子を買うかを相談したりしていまいたし、ゲーム班は声を出さないで楽しむゲームを一生懸命考え、全員が楽しめるような場所作りに励んでいました。
買い出し後のゲームは①絵しりとり、②手話クイズ、③ジェスチャーゲームを行い、大盛り上がり。声は誰も出さず拍手も手話でしたが、ゲーム中の盛り上がり方はまさに「大騒ぎ」でした。音のない、静かな世界の「大騒ぎ」は初めての体験でしたが、違和感なく本当に楽しい時間となりました。
次回はとうとう最終回です。
生徒の皆さんへの課題は「聞こえない人」にも分かるプレゼンテーションをすること!どんなプレゼンにするか、一人一人が知恵と勇気を振り絞って準備してくれていることと思います。