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Hibari 探究プロジェクト - 雲雀丘学園中学校・高等学校
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探究プロジェクト

【探究プロジェクト】宝塚市議会議員と考えるまちづくり「10年後の宝塚で、答え合わせを」

「政治は、もっと身近だった。」~宝塚市議会議員との意見交換会レポート~

「政治」や「議会」と聞くと、多くの高校生にとってはどこか遠い世界の出来事のように感じられるかもしれません。

しかしこの度、本校の生徒たちは、宝塚市議会議員の皆様を相手に、自分たちの言葉で率直な意見をぶつけ合うという、またとない機会をいただきました。テーマは「ゴミ問題」から「バスの未来」、「市の財政」、「街づくり」、「寄付金の使い道」まで、まさに生きた地方自治そのもの。今回はその意見交換会の様子を紹介します。


開会前のひととき ―― 本物の議場を歩く

意見交換会が始まる前、生徒たちにはちょっとした特典が用意されていました。それは、本会議場そのものを見学させていただくという時間です。

普段はニュースの中でしか目にすることのない、あの厳かな議場に足を踏み入れると、生徒たちの表情は一気に高揚していました。

議長席にそっと腰かけて写真を撮る生徒、演壇に立ってマイクを握り、演説をしているかのように振る舞ってみる生徒、さらには記者席まで足を運んで「ここから議会を見ているんだ」と席の位置を確かめる生徒――思い思いに、議場という特別な空間を全身で味わっている様子が印象的でした。

重厚な調度品や整然と並ぶ議席、そして長い年月をかけて積み重ねられてきた議会の歴史を感じさせる設備の充実ぶりに、生徒たちからは自然と「すごい」「本物だ」という声が漏れていました。

教科書や資料集の写真で見る「議会」と、実際に自分の足で歩き、椅子に座り、マイクを握ってみる「議会」とではまったく違う実感がある――この見学の時間は、その後に続く意見交換会への心構えを整える、またとない導入になりました。

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「車の両輪」としての市議会 ―― 議長からのメッセージ

会は、宝塚市議会議長・冨川晃太郎様からの温かい挨拶と、市議会の役割についてのレクチャーから始まりました。

市役所と市議会、市長と議会は「車の両輪」に例えられ、どちらが欠けても街は前に進まない――この「二元代表制」という仕組みの説明からスタートし、市議会の2つの重要な役割が紹介されました。

・街のルールや予算を決めること(行政が提案した政策が本当に市民のためになるか、税金の使い道として正しいかを議論し決定する)

・市役所の仕事をチェックすること(税金が予定通り使われているか、市民の困りごとが解決されているかを厳しく確認する)

そして、学校、公園、図書館、道路、防災、子育て支援など、生徒たちの生活に関わる多くのことが、実は市議会で話し合われているという事実。「政治」が決して遠い世界の話ではなく、日々の暮らしのすぐそばにあるものだと、生徒たちは早速気づかされることになります。

「今日は難しいお作法や決まりは一切ありません。宝塚のここをもっとこうしてほしい、高校生の目線から今の街をどう見るか。皆さんの若い意見や素直な疑問を、ぜひ私たち議員にぶつけてください。」

議長からのこの言葉が、この日の意見交換会全体の空気を作っていました。

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付箋を使った、自由な意見のキャッチボール

会の進め方もユニークでした。各グループには進行役の議員が入り、まずは自己紹介とアイスブレイク(共通点探しゲーム)でリラックスした雰囲気を作った後、生徒たちが考えたアイデアや疑問、提案を付箋に書き出し、画用紙に貼りながら意見交換を進めていくスタイルです。

貼られた付箋を見ながら会話を深めていくと、また新しいアイデアが浮かび、それもどんどん付箋に追加していく――生徒と議員が対等な立場で、まさに「意見のキャッチボール」を重ねていく時間となりました。

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5つのグループが挑んだ、5つのテーマ

意見交換のあとは、各グループが議場に集まり、話し合った内容を発表しました。高校生ならではの視点が光る提案が、次々と飛び出しました。

1班:ゴミ・イベント告知・街路樹の問題

カラスによるゴミ荒らしと個人情報流出のリスク、地域イベントの周知不足、街路樹が通行の妨げになる問題などが取り上げられました。行政への相談窓口として市のLINEが活用できることを、この話し合いを通じて初めて知ったという声もあり、「情報をどこで受け取り、どう発信していくかを知り、活用していくことが大切だ」という気づきに至りました。イベント告知についても、ホームページだけでなくInstagramやTikTokといった高校生に身近なツールでの発信の重要性、同時に高齢者や地域のつながりのために掲示板やチラシといった紙媒体も欠かせないという、バランスの取れた提案がなされました。

2班:バスの未来

高齢者にとってバスが生活の「足」となっている現状を踏まえ、高齢者向けの特別料金や、住宅地から駅・病院へ直接向かう路線の新設、細かい路線の統合による効率化など、具体的な提案が並びました。中でもユニークだったのが、乗車でポイントが貯まるバス専用アプリや、バスの現在地・到着時間が分かるアプリ、さらには沿線のおすすめのお店を紹介する仕組みなど、利用者の「乗りたくなる仕組み」づくりのアイデアです。将来的なAIバスや電気バスの導入にも言及し、「いかに多様な人にバスを使ってもらい、存続させるか」という視点でまとめられました。

3班:宝塚市の財政

宝塚市の財政について調べたグループは、「深刻な財政難ではないものの、歳出が歳入を上回る厳しい状態」であることを学び、その中でも高校生の学費無償化のような子育て・教育支援策が進められている理由(若い世代が次世代を育てるため)を読み解きました。人口、特に若い世代を増やすための街づくりや子育て支援の重要性を指摘し、「今だけでなく未来を見据えて財政を考えることの大切さ」を発表の結びに据えました。

4班:街づくりとテクノロジー

このグループでは、AI活用への税による支援、若者への投資教育の必要性、スターリンクなど衛星通信を活用した防災対策など、先端技術と暮らしを結びつけるアイデアが提案されました。また、ショートアニメを活用した地域の魅力発信や、地域対抗運動会など世代を超えた交流イベントの提案もあり、「テクノロジー」と「人のつながり」の両方から街づくりを考える視点が印象的でした。

5班:寄付金の使い道

宝塚市の年間収入が350〜360億円にのぼることや、寄付金の内訳(特定目的寄付金、JRAからの交付金、ふるさと納税など)を調べたグループは、高校生の立場から寄付金の使い道を議論しました。子育て支援、道路整備などの交通インフラ、人が集まる拠点づくり、大阪・神戸へのアクセスを活かした住宅街としての魅力向上、そして市立病院の将来像(アクセス改善、高齢者・商業施設を組み合わせたコンパクトシティ構想、診療科ごとのバランス)まで、幅広く具体的な提言がなされました。

発表後には、他グループの発表を聞いての質問や意見交換の時間も設けられました。バスの新技術導入における費用負担の在り方についての鋭い質問や、「宝塚市のLINE情報が伝わっていない」という課題に対して「地域のFM宝塚に発信を依頼してはどうか」という前向きな提案など、生徒たちの当事者意識の高さがうかがえるやり取りが続きました。

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生徒代表からの言葉

最後に、生徒代表として挨拶に立った村上康太さんの言葉には、この日の意見交換会の意義がすべて詰まっていました。

「今日、議員の皆さんと対話できたことは、私たちにとって宝塚市をもっと知る、もっと好きになるきっかけになりました。至らない部分があったかもしれませんが、今日聞いていただいたことが私たち学生の本音であり、未来を生きる私たちからの、今の社会へのお願いです。」

大人からすれば実現の難しい意見もあったかもしれません。それでも、「頭の片隅に置いてもらえたら」という素直な言葉が、この日の学びの本質を物語っていました。


宝塚市議会議員の皆様、そして議会事務局の皆様へ

高校生という立場でありながら、市議会議員の皆様と対等な立場で意見を交わすという、大変貴重な機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

議員の皆様には、生徒一人ひとりの拙い意見にも真剣に耳を傾けていただき、時には「その提案は面白い、取り入れていきたい」と前向きな言葉をかけていただきました。副議長・池田光隆様からいただいた「皆さんから頂いたご意見は、私たちの財産になっていく」というお言葉は、参加した生徒たちにとって何よりの励みになったことと思います。

また、この会を丁寧に企画・準備してくださった宝塚市役所議会事務局の皆様にも、深く御礼申し上げます。

付箋を使った意見交換の手法や、アイスブレイクを取り入れた進行など、高校生が本音を話しやすい場を作るための工夫の数々が、この日の実り多い対話を支えてくださいました。

政治を「自分ごと」として捉える最初の一歩を、生徒たちはこの日、確かに踏み出すことができました。

この貴重なご縁を今後も大切にしながら、生徒たちが社会と積極的に関わっていく姿を、これからも後押ししていきたいと思います。

改めまして、宝塚市議会議員の皆様、宝塚市役所議会事務局の皆様、本当にありがとうございました。

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