探究ゼミ・プロジェクト〔 学内外と連携し、自由に学ぶ 〕
探究プロジェクト
「ジャイアントパンダからSDGsを考える」 with アドベンチャーワールド
7月25日(月) 第1日目
パンダくろしお号で新大阪駅を出発し、白浜はアドベンチャーワールドまで向かいました。
スタッフの皆様のご紹介と生徒の自己紹介の後、アイスブレイクを行いました。6人を学年を超えた2つのグループに分けましたが、このアイスブレイクで、一気に緊張がほぐれていました。
SDGsについての自分たちの考えをグループで共有し、1枚の模造紙に書き込んでいきます。また、お互いに模造紙を交換し、相手グループの考えにそれぞれが書き加え、賑やかな模造紙となりました。「SDGsは何かを中止すればいいという安易な考えを推しているものではなく、すべてを維持しながら持続する方法を模索していく考え方である。」ということを少し感じつつ作成できたでしょうか。この3日間のプログラムでどのように考え方が変わるのか、さらに深い考え方ができるのかが楽しみです。
サファリワールドではアフリカゾウ、ミナミシロサイなどを中心に、またふれあい広場周辺でワオキツネザルやコツメカワウソなど見学ました。これらはすべて絶滅危惧に瀕している動物たちです。なぜ絶滅危惧に指定されるほど減少してしまったのか、スタッフの方の詳しい説明に皆真剣に耳を傾けていました。
その後、パンダラブ、ブリーディングセンターでパンダ観察しました。どのような仕草、行動をし、それらにどのような意味があるのか。動物をよく観察する視点を養ってもらっています。この日、表に出てきてくれていたのは、桜浜・桃浜・永明・彩浜でした。桃浜と彩浜は非常に活動的で、餌をバリバリと良い音をたてて食べていました。
観察を終えた後、部屋に戻り1日の振り返りをしました。
7月26日(火) 第2日目
1日目は移動もあり、かなり疲れていたようですが、夕食はモリモリ食べ、すぐに眠りについたようです。2日目も天気が良く、元気にアドベンチャーワールドに向かいます。バスもパンダのラッピングがされていました。
1日目の振り返りをした後、パンダラブのバックヤード見学です。パンダ飼育スタッフの方にバックヤードでのお仕事、パンダの健康管理など詳しいお話を聞きました。質疑応答ではたくさんの質問をしていました。中には鋭い質問もあり、非常に勉強になったようです。
バックヤードでは便、骨格レプリカの観察も行いました。便をピンセットで解体し、どのように咀嚼されているか、どんな食べ物が食べられているかなど興味津々でした。実際に食べられている餌のうち、笹以外のものを見せていただき、比較していました。また、骨格レプリカでは、頭の大きさの割りに骨格がコンパクトであることに驚いていたようです。
飼育スタッフの方からいただいた情報をもとに、飼育員の目線で再度パンダの観察を行いました。そのあと、場所を移して、竹あかりを作成しました。竹あかりとは、パンダが食べ残した竹幹を活用した灯籠のような装飾です。竹にドリルで穴を開け、パンダの顔を作ります。初めてドリルを使うという生徒が多いのにも関わらず、意外とあっさり穴を開けておりました。
午後からは、パンダに関わる環境問題について学びました。パンダは絶滅危惧種(EN)から危急種(VU)へ変わったとは言え、まだまだ安心はできません。パンダの住む地域にはキンシコウやゴールデンターキンなど他にも希少動物がおり、その理由をみんなで考えていきました。ここに大きくSDGsが関わってきます。
頭を使ったあとは、体を動かそう!ということで、パンダ飼育業務のひとつである竹・笹の準備をお手伝いをしました。まず、笹の水洗いします。これは土などの汚れを落とすだけでなく、排気ガスのにおいを落としたり、他の動物のフンなどを洗い流して感染症を防ぐためです。次に、葉の付き具合によって仕分けをします。多いものはジャイアントパンダ用に、少ないものはレッサーパンダ用になるようです。また、茎の部分は枝切り鋏を使って裁断し、パンダにとって食べやすい大きさにしていきます。
作業後、部屋に戻ってベテランパンダ担当者のお話をお聞きしました。昨年度に続き、今年度もレジェンドな方のお話を聞きました。アドベンチャーワールド最初のパンダである永明と蓉浜のお話、蓉浜が亡くなった後、梅梅を迎え入れ、良浜の生まれたときの様子や子育ての話など、はじめの頃のパンダ飼育のお話をたくさんしていただきました。梅梅の「ぐるぐる」の話が印象的でした。「ぐるぐる」は良浜にも受け継がれているようです。
2日目の振り返りをしてこの日は終了です。お昼から曇ってきましたが、なんとか持ちこたえてくれました。
7月27日(水) 第3日目
3日目も快晴です。むしろ、一番暑い日になりそうです。体調万全で最終日のプログラムに臨みます。
2日目の振り返りをし、最後のパンダ観察です。ブリーディングセンターで永明と彩浜をじっくりと観察しました。毎日、パンダの観察をしてきましたが、最初は可愛い!と写真をガンガンとるだけでした。ところが、3日目ともなるとパンダの観察の仕方にも変化が出てきたようで、細かいところまで見ているなぁとワークシートからわかりました。スタッフの方から話を聞いた所、あまり見せないようですが、仕切りで永明と彩浜がお話している場面があり、ほっこりしました。
次に、パーク内の動物病院で獣医師さんからパーク内でのお仕事の話、種の保存についての話をしていただきました。ここにもSDGsの話が散りばめられていました。プログラムに参加した生徒から、「獣医さんになりたい!」という生徒が是非とも出てきて欲しいです。このとき、動物病院で飼育されていたニホンジカとムフロンの赤ちゃんへミルクをあげたり、ミルクをあげたあとにお尻をトントンと触れて排泄を促す体験もさせていただきました。
いよいよ、成果発表です。3日間で学んできたことを模造紙にまとめていきます。
今年度はふれあいの里の建物内で一般のお客様の前での発表となりました。普段、見ず知らずの人の前で発表をすることなど経験をしていないので、大丈夫かと心配していました。しかし、生徒たちは物怖じすることなく、大きな声で立派に発表していました。最初、一般の方はまばらでしたが、飲食ができるフリースペースでしたので、飲み物を買われた方がそのまま足を運んでくださり、気づけば20名近くの方々に発表を聞いていただきました。
3日間ハードなプログラムでしたが、疲れを見せずたくさん学んでくれました。この経験を糧にこれからも学園生活を満喫してほしいと思います。
車両の入れ替えのために、帰りもパンダくろしお号でした。
最後に、株式会社アワーズ並びにアドベンチャーワールドのスタッフの皆様には大変感謝致します。誠にありがとうございました。