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2013年04月30日

学校選びのポイント・・・3

 中学から高校にかけての6年間は、人生の土台を築く大切な期間です。思春期という課題もでてきます。どのようなものの見方、考え方を持つようになっていくかが問われる事になります。学校に問われるものとして、知識や技能の習得など学力とともに、これらについてもどのような考え方や対応をするのかがポイントになってきます。私立学校においては、それぞれの学校に「建学の精神」があり、そこにどのような生徒を育てるかが明確に表されています。
 目指すべき姿が明確であっても、それをどのように獲得させていくかという事が大切な課題になります。「これが大切だからやりなさい」というように課題を与え、やらせる方法、これは初期の段階としては有効な手段ですが、これだけでは限界があります。自ら進んで課題を見つけ、それに取り組むようにならなければいけません。しかし、この間には大きなギャップがあります。どうすればそのようになるか、その為の手だてを考えないと自然成長的にはなりません。
 好きな事、得意な事、興味・関心のある事は、誰でも一生懸命取り組みます。部活動もそうです。これらに取り組む事は、誰しも賛成するところです。が、学習と両立するかと問われた時には意見が分かれたりします。どこかに「別のもの」、「対立するもの」と捉えているから両立は難しいとなるのではないでしょうか。「何か打ち込めるものを見いだし、それに全力で取り組む」、この経験は、自主性、自立心や責任感を養い、「自ら課題を見つけ、取り組む生徒」を育成する道にほかならない、と私は考えます。興味や関心を喚起する「学びの取り組み」が企画されていることが大切なポイントです。

2013年04月29日

学校選びのポイント・・・2

 昨日に続いて学校選びのポイントを考えてみたいと思います。進学実績など目に見える数字だけではその学校を判断できない事があります。何を目指し、生徒の育成にあたってどのような事を考えているのか、その背景にある教育理念や教育観といったものはなかなか目には見えてきません。しかし、これが元になって日常の子どもの指導が行われてきます。大変重要なポイントになります。
 例えば、コース制を取ってみても各学校によって大きくその特徴がでてきます。競争至主義といいますか、競争原理だけで子どもの学力向上を考えていると思われるような傾向の見受けられるところがあります。テスト毎や学期毎など頻繁にクラス替えやコース替えを行うといった事がそれにあたります。また、「成績上位のコース」が一クラスだけといったものもその傾向にあると考えられます。求めるレベルや水準が明確にあれば、それに到達したものが多くなれば当然クラスも増え、一クラスだけとは限らない筈です。逆のケースもあります。コースは変更しないで、その中で生徒を育てるといった場合です。この場合も、このコースはここまでといったように伸び代を限定してしまっては根本は同じことになります。競争を否定する考えは持っていません。競争があるから向上心も生まれます。仲間と力を合わせる事も学びます。
 一見同じように見えてもその中味は大きく違うものです。コースに分かれていれば、生徒間に微妙な感情の問題なども生じてきます。それらをどう捉え、指導していくのかといったことも大切な課題です。これらをシッカリ見極めていくといった事が、大切な学校選びのポイントになります。

2013年04月28日

学校選びのポイント

 来年度受験に向けて動き出しています。入試結果セミナーや入試報告会など様々なかたちで動きがでてきています。受験については中学・高校ともどのような学校を受験するかなど学校選びが重要な要素になります。その場合いろんな指標が考えられます。進学実績・交通の便・男子校か女子校かはたまた共学校か、校風・宗教関係、大学の付属かなどが考えられます。その中で、表面上は見えにくいものですが、極めて大切な要素としてその学校の持つ教育理念や教育原理などがあります。
 例えば、進学実績の良い数字を残している学校があるとします。しかし、その数字と実際の合格者の数とにかけ離れたものがあるという事があったりします。特に私立大学の合格実績についてはそのような事がいえます。合格者の数と実合格者の人数が大きくかけ離れている事がよくあります。一人の生徒が3つも4つも合格しているので、合格者にしめる実合格者の割合が3割や4割といった学校もあります。第一希望の学校に合格するために第二・第三希望の学校・学部を受験するという事はよくある事ですが、これはあくまでも本人の希望が優先されるものです。でも現状はそうではないところもあるようです。国公立大学についても、学校の名前が優先されるという事があったりするようです。これも、生徒の希望する学部や進むべき進路を基本に考えるべきものですが、表面上に表れる数字だけでは分かりません。どのような指導がなされているのか、そこに学校の教育理念・原理が表れてきます。これらをシッカリ見極めるという事が学校選びの大切な指標になります。

2013年04月27日

「サルーン雲雀丘」

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 昨日西宮フレンテホールで行われた入試結果セミナーに、沢山の相談者の方に来ていただいたようです。中学入試は志望校決定が早く、例年この時期にはかなり具体的な質問や相談が多いようです。高校入試はまだこれからというところですが、こちらも年々早くなってきているようです。
 今日は校内で「サルーン雲雀丘」が行われました。今年度より、ありのままの雲雀丘を知っていただこうとして企画し、始めたものです。説明会や相談会とは違った視点で、また本校の多くの教員を知っていただくことも考えてのことです。第一回はホームページで案内を出したところ、すぐに30名の定員が一杯になってしまいました。申し込めなかった方は、2回目以降に参加していただきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
 土曜日とあって、お母さん方だけではなく、お父さんも参加してくださいました。参加者の多くは初めて受験を経験されるという方でした。受験される子どもさん以上に保護者のほうがあれこれ心配されているようでした。受験にあたっての留意点や学校選びをどうするかといった事の質問もさることながら、受験を迎える親御さん同士が、悩みや迷いを出し合い、共に考えていくという事が大切だと感じました。そういた集まり、「サルーン」になれば有り難い事だと考えています。あるお父さんは「子どもにぜひ学校を見せたいので、今から伺ってよろしいか」と家に帰られてから電話をしてこられたそうです。勿論来ていただきました。初めての試みですので十分な事はできなかったと思いますが、喜んでいただけたのではないかなと思っています。

2013年04月26日

来年度入試に向けて動き出す

 新年度が滑り出し、ほぼ一ヶ月が経過しようとしています。新入生の宿泊行事、授業参観やPTA総会など4月恒例の行事が終わりました。新年度が始まったばかりですが、入試結果報告会など早くも来年度入試に向けた取り組みもスタートしています。厳しい経済情勢や少子化の中で、私立中学入試は受験率が低下してきていると言われています。大阪府などは底を打ったと言われていますが、兵庫県はなお厳しい状況だといわれています。中学は義務教育です。あえて私立中学を選ばなくても公立中学があるとの考え方もできますので、厳しさはなおさらの事です。
 しかし、公立中学にはない私立中学ならではの取り組みや特長があります。それぞれの学校にある創立の精神に基づく特徴的で自由度のある教育が行えるのも私学ならではのことです。本校は「孝道」をベースに「人間力」と「学力」を兼ね備えた「社会で活躍するリーダーの育成」を目指しています。単なる受験学力だけではなく、「学び」の面白さを摑んでもらうために「本物の学び」の追求に力を入れています。また、環境教育も重要な柱として位置付けています。中学生が中心となって一年間の取り組みを「環境フォーラム」で発表します。今年は5回目を迎えます。高校受験がないことから、6年間のスパンで人間的成長を図る事ができます。部活動も然りです。学習と部活動の両立も可能です。今春の卒業生をみますと、現役で国公立大学に合格した生徒のクラブ加入率が、学年の加入率を上回っています。部活動で頑張っている生徒は勉強も頑張っているという事になります。これらを見極め、受験の検討材料にしていただければ幸いです。

2013年04月25日

「霜止出苗(しもやんで なえいずる)」

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 きょうは七十二候の第17候、「霜止出苗(しもやんで なえいずる)」です。この辺りでは、寒い日があるといっても、すっかり春です。霜が降りるようなことはありませんが、地方によっては、そうでもないようです。ちょうどこの頃、農家では苗代づくり、田植えの準備が始まる頃をイメージさせる言葉です。「♪夏も近づく八十八夜…」は茶摘み歌です。「立春」から数えて88日は、もうすぐです。「八十八夜の別れ霜」と言われるように、この時期に遅霜がおりることがあるようです。
 学校では、芝生が苗代のように芽吹いています。色とりどりのツツジが咲き誇っています。木々の新芽も芽吹いています。春の季語に「風光る」と言う言葉があります。「風のために若葉が動いて、光るように見える」ところからきているようです。まさに、「風光る」季節です。なんとも趣のある、しかも観察眼の鋭さに敬服させられる言葉でしょうか。
 4月も終わりに近づきました。間もなくゴールデンウイークです。気分がそちらに向かっている人がいるかもしれませんが、高校三年生はそれどころではありません。今日、明日と模試です。休み前のひと頑張りが必要です。緊張感を持って新学期を迎え頑張ってきたものが、そろそろ疲れが出る頃でもあります。気分をリラックスさせ、気持ちを切り替えるのには丁度良いタイミングかもしれません。気持ちをリラックスさせ過ぎて、「やる気」の新芽が「遅霜」の被害にあわないよう注意して、ゴールデンウイークを過ごし新芽、若葉で「山笑う」から「山滴(した)たる」夏の如く成長して欲しいものです。

2013年04月24日

服育講座

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 「起立」、「姿勢を正して」、「礼」、「お願いします」。大きな声が講堂に響き渡りました。進行役の先生から、「それでは、A組の学級委員号令をお願いします」、との合図の直後のことです。講堂の後ろに聴講に来られていた保護者も思わず起立されたそうです。頼んだ先生は「起立」まで入るとは思っていなかったようですが、それほど立派な号令でした。きょうの1限、講堂で行われた中学1年生と高校1年生対象の「服育講座」での一場面です。
 「知育」、「徳育」、「体育」など「育」のつくものが沢山あります。食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるようにするための「食育」もあります。「服育」は衣服を通して子どもたちの豊かな心を育むという考え方です。「ファッションとしての服装やその着こなし、もしくは着崩しではなく、社会で普遍的に通じる良識としての服装や着こなしがあるのではないか?」ということです。その場に応じた立ち居振る舞いを表す「所作」という言葉があります。この中には服装やその着装、着こなしも含まれています。今から出向く場所はどんなところか、それにはどのような服装が良いのかが判断できなければならないということになります。服装といっても、私服と制服では意味合いが大きく違ってきます。制服は、決められた着こなし方も含めてのもので、正しく着こなす事によって個性を発揮するものだ、と私は考えています。制服に愛着と誇りを持つ生徒であって欲しいものです。それにしても冒頭の「起立」の号令は、見事な「所作」でした。

2013年04月23日

授業参観とPTA総会

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 今年度初めての授業参観とPTA総会が行われました。5限目の授業が参観になっていました。昼休みの予鈴がなった頃には、すでに沢山の保護者が来校されていました。さすがに、中学1年生や高校1年生の授業を参観される方は他の学年より多く、教室へ入れないようなところもありました。5限終了後、講堂でPTA総会がおこなわれました。委任状を含めるまでもなく、参加者で総会は十分成立していました。24年度お世話いただいた実行委員の皆さんに理事長よりの感謝状をお渡しし、総会の議事へと進みました。24年度会計決算報告、25年度予算案や行事予定審議など滞りなく終えることができました。その後、各種委員会が行われました。
 生徒総数が過去最高という事もありますが、授業参観、総会と沢山の方にご参加いただき感謝しています。保護者(P)と先生(T)が、生徒の育成のために力を合わせていく、その為の組織(A)が活発で楽しい活動をするものであって欲しいと思っています。すぐに、学級茶話会や学年懇談会、進路講演会や文化講演会なども計画されています。多くの方に参加していただけると期待しています。保護者が気楽に学校へ足を運べる、しかも、保護者同志や保護者と先生のネットワークが広がり強固なものになっていく、このことは生徒の成長にとって必ずプラスに働きます。思春期という課題に直面する頃でもありますが、親も子も楽しく過ごせたという思い出が残せるようにしたいものです。

2013年04月22日

今の取り組みの中に次のステージの気配が

 「春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の來るにはあらず。春はやがて夏の氣を催し、夏より既に秋は通ひ、秋は則ち寒くなり、十月(かんなづき)は小春の天氣、草も青くなり、梅も莟(つぼ)みぬ。木の葉の落つるも、まづ落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり」。徒然草第155段の一節です。春が終わってから夏が来るというように一つの季節が終るのを待って、次がやってくるものではありません。その季節の中に次の季節の気配がでているものだという事です。
 今年は、本校にとって第2ステージの幕開けとなる年です。高校の全ての学年に一貫選抜・選抜特進・特進と3つのコースが、中学の全ての学年に一貫選抜・発展の2つのコースが揃い、始めて一貫選抜の卒業生がでる年になります。環境教育を柱として「人間教育」の更なる発展と、単なる受験学力ではなく「本物の学び」を通して「学力の向上」を目指す取り組みも充実したものにしていきます。高校生は勿論の事、中学生に大学での学びを体験する「サイエンスキャンプ」や高校生を対象に研究機関と連携した「最先端科学実験教室」や「研究者体験」などがその一例です。各種科学技術コンテストへの取り組みも従来以上の規模になります。パワーアップゼミや各種講習も「質的転換」を図ります。併行して、自ら進んで「学びを追求」し、何事にも積極的に取り組む「実践力旺盛」で、「自治力」豊かな生徒集団作りに注力していきます。このような取り組みの中に、次の第3ステージの気配がでている事になります。

2013年04月21日

「マルチタスク」

 パソコンを使い始めてかれこれ30年になります。当時のパソコンは8ビットパソコンといわれ、使用できるのは英数字にカタカナでした。その後すぐに16ビットパソコンが登場し、やっと、ひらがなや漢字が使用できるようになりました。しかし、シングルタスクといって、一つの処理しかできませんでした。ところが、今のパソコンは更に進歩してマルチタスクです。複数の処理を並行して行えるようになっています。画面上に見えていなくてもプログラムが実行され処理が行われているのです。人間には及びませんが・・・。
 4月もいよいよ最終週になりました。5月に入ると、体育大会、中間考査と続きます。特に、高校三年生は体育大会のエンカレの準備もあるでしょう。部活動も最後の大会になります。勿論、これらに全力を傾注する事は大切な事です。しかし、自分の進路実現という大きな課題があります。一つの事に取りかかったら、それが済むまでほかの事に手が付けられないという事になっていないでしょうか。重点の置き方はあるとしても、いずれも併行して取り組んでいかなければならない課題です。他の学年も同様です。4月当初の意気込みを忘れる事なく持ち続け、それぞれの学年の独自の課題を併行して遂行しなければなりません。行事などに取り組む目に見える姿と、表面上には見えない家庭学習などが併行して行われている必要があります。目に見えるところの処理だけをしているシングルタスクではなく、見えないところでも懸命に処理が行われているマルチタスクが求められているのです。

2013年04月20日

部活動について

 運動部・文化部と多くの生徒がクラブ活動に参加しています。全国大会に連続して出場するクラブもあれば、県大会、阪神地区、宝塚市などレベルは様々ですが、どのクラブも一生懸命活動しています。
 きょうは中学生をメインに多くのクラブの試合が行われています。公立学校は土曜日が休みになっていますので、試合が土曜日に組まれることが多くなります。4月と7月に重なることが多くなりますので、本校は8月に授業を振り替え、臨時休業の処置をとっています。中学・高校とも多くの新入生は仮入部期間中ですが、試合のメンバーに選ばれたりしている新入生もいます。運動部・文化部を問わず、年々このクラブで活動したいために雲雀丘を選びましたという生徒が多くなってきたからです。嬉しい限りです。
 クラブ活動、正確には部活動ですが、学校教育活動の一環として位置づけられています。生徒が自主的・主体的に選択できるものであり、異年齢の者と協力して行うところにも大きな意味があるものです。中学生から高校生の頃に、自分の興味のある事にとことん打ち込んでみるという経験は大切なものです。当然、思うようにならなくて悩む事や挫折を経験する事もあると思います。仲間と衝突する事もあると思います。これらの経験を通して人間的に成長もしていきます。また、部活動を超えて学習活動にも影響を与えてきます。毎年、高校三年生の進学の様子を見ていますと、部活動で頑張っていた生徒は受験でも頑張っているという結果になっています。
 この事なら時間や労力を惜しまなく、仲間と協力して一生懸命打ち込めるというものを見つけだし、それに取り組むという経験を積んで欲しいものです。

2013年04月19日

登校指導

 「おはようございます」、「おはようございます」と先生の大きな声が響き渡ります。きょうは、4月の中旬というのに風が強く寒い中での登校指導でした。溢れんばかりに膨れ上がった鞄を肩から掛け、登校してくる生徒もいます。中学1年生です。毎年見られる光景ですが、体の成長とともにすぐに様になっていきます。手に本を持って登校する生徒の姿も目につきます。英語の本、古文、漢字など持つ本と曜日によって学年が分かります。朝の小テストなどの内容にそった本を持っている生徒が多いからです。
 中高等学校には100名を超える教職員がいます。中学・高校の学級担任が36名と学年担任が19名、生徒指導・進路指導・教務・入試広報の4つの分掌専属の教員と事務職員などで構成されています。学級担任以外の教員が分担して、毎朝登校指導にあたっています。雨の日も風の日もです。生徒指導部は駅や学校周辺、それ以外の教員は校内での登校指導になります。登校指導は主に挨拶運動です。ネクタイが緩んでいたり、曲がっているのに気がついていない生徒に声を掛けたりもします。すっかり定着した朝の光景です。
 「挨拶をする」、「服装を整える」、「ルール・マナーの遵守」など、誰でもできる「当たり前」のことです。簡単なことですが、人間生活の基本ともなる大切なことでもあります。「当たり前」のことをごく自然にできるようになることは、それだけに留まりません。学習面やクラブ活動においても大きな成果を得る原動力になると確信しています。その一翼を担っているのが登校指導です。

2013年04月18日

災害に対する心構え

 気象庁は、淡路島で震度6弱を観測した地震で緊急地震速報が発表された近畿や中四国など16府県の住民を対象に、速報の認知度や速報を受けてどう行動したかなどをインターネットを通じてアンケートすると明らかにしました。それにしても、13日に淡路島で、昨日は三宅島で震度5強、宮城県で震度5弱と連続して地震が発生しています。巨大地震到来が叫ばれていますが、防災、減災にむけての準備は怠りなくしなければなりません。
 本校は、60周年記念での高校校舎新築を機に学校施設の耐震化は全て完了しています。食料や水の備蓄も行っています。これらの備えとともに避難訓練も定期的に実施しています。あと大切なことは、各自が的確な判断に基づく行動ができるかということになります。東日本大震災による津波の襲来時、昔からの言い伝えである「津波てんでんこ」が大いに役立ったという経験が報告されました。皆が避難している方向についていくという行動をとるのではなく、各自の判断で急いで高い所に逃げる事が大切だという先人の知恵です。勝手な判断でバラバラな行動をとれということでは無いと思います。これは、震災などに遭遇した時にも通用する大切な教えです。情報が氾濫しているなかで、何が正しく、何が間違っているか選択し、そこからどう行動するかの結論を導きだすことが大事だということです。インターネットの普及により簡単に情報が入手できる時代です。しかも、ネット上は間違った情報、悪意にみちた情報が圧倒的に多いともいわれています。日常的にこれとどう立ち向かうか、これが災害時の対応の訓練の場になるのかも知れません。

2013年04月17日

学年担当者会

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 きょうは、地震を想定しての避難訓練を行いました。新学期が始まり、はや一週間が過ぎました。中学・高校とも新入生の宿泊行事も終わり、全学年が揃っての授業になっています。中学一年生は小学校と違い、教科担任制になっていますので授業毎に先生が替わります。少し戸惑いがあるかもしれませんが、もうそろそろ慣れてきた頃かと思います。高校一年生も中学の時以上に科目が細かく分かれています。それだけ多くの先生が係わることになります。ベテラン、中堅、若手など様々ですが、多くの先生が係わるということは、チームワークが大切になります。そのチームワークを作る為の打ち合わせが、学年担当者会です。きょうの放課後、学年毎に会議を持ちました。
 各授業は科目担当者が責任を持って行うことは当然のことです。その上にたって、それぞれの学年の目標や学年の特徴をふまえ、どこに力を入れて指導するかなどを話し合い、統一した指導を行うようにしています。毎年のことですが、中学は高校に比べ細かな点まで話し合い確認していくことが多くあります。各科目担当者は自分の授業では見られない姿を他の授業担当者から聞き、生徒理解が促進するということにもなります。個々の先生が生徒を指導していくと同時に、その学年を指導する先生が集団としても働きかけるということです。定期的に行うだけではありません。必要に応じて開いたりもします。
 授業は、生徒も先生も成長する場です。「本物の学び」の原点の場でもあります。非日常に対する対策を軽視することなく、日常の取り組みを大切にしていかなければならないと考えています。 

2013年04月16日

「質的転換」

 ポットに水を入れ沸騰させます。大気圧が1気圧のもとで、水は100℃で気体になります。この時に体積が約1,700倍に膨張します。このエネルギーを利用したものが蒸気機関です。産業革命の原動力になったことはよく知られていることです。機械化と合わせ生産力が飛躍的に増大しました。従来の延長線上での増加ではなく、「質的転換」が行われたのです。
 この「質的転換」を、私たちは今年の大きなテーマに掲げています。高校改革後に入学してきた生徒たちが卒業し、中学改革後に入学してきた生徒が高3から中1まで揃いました。第二ステージの幕開けといっています。それに相応しい教育内容やシステム、第三ステージを見据えた授業内容や指導法など、「質的転換」を図りたいと考えています。
 例えば、高校改革の時に導入されたものにパワーアップゼミがあります。難関国立大学への現役合格を確実なものにするため、大手予備校の講師を招いてのゼミを学内で行っているものです。この間、いろいろ改良を加えながら実施してきました。成果もあげてきました。きょうから始まりますが、今年度から大手予備校の講師に変わり、本校の教員が担当することにしました。実施する教科や時間・回数などは同じです。従来のパワーアップゼミのDNAを引き継ぎ、単なる授業の延長にならないように留意し、授業との連携・補完がうまくいくという利点を生かし、よりパワーアップされたものにしていきます。行事や各種取り組みを含め、従来の延長線上ではなく「質的転換」を図るためにどうするかという視点で検討したいと考えています。

2013年04月15日

中1自然学舎から帰る

 中学1年生が、自然学舎から帰ってきました。鉢伏高原で13日から2泊3日の日程で行われていたものです。出発は、淡路での地震による交通機関の乱れにより少し遅れたのですが、3日間の生徒たちの頑張りで遅れを十分取り戻したようです。天候にも恵まれ、計画されていたプログラムは全て計画通り実施できたようです。
 出発前の開舎式同様、校庭に集合し閉舎式を行いました。少し疲れたような顔も見られましたが、逞しくなったようにも見えました。仲間と協力し、自然学舎をやり遂げたという充実感と達成感が表れているからなのかもしれません。昨年、一昨年に引き続き61期生も185名と大所帯です。自然学舎の3日間では、とてもお互いを十分理解し合うことは無理かもしれません。でも、寝食を共にしながら、全員が同じ課題に取り組んだり、時にはクラスの仲間が力を合わせて他のクラスと競い合ったりする中で、相互理解も進んでいったと思われます。この間で、友達ができた人もあるでしょう。担任の先生をはじめ、学年の先生のこともよく理解できたと思います。明後日から再開される学校生活は、今までと違った景色になることと思います。
 185名いれば、185の個性があります。みんな違っていいんです。お互いが尊重し合い、一人ひとりが明確な自分の色を出し、それが185集って一つの絵を描いて欲しいのです。あたかもモザイク画のように。一つ欠けてもいけません。埋没していてもいけません。一人ひとりが輝いていることが大切なのです。

2013年04月14日

ヒッグス粒子は複合粒子?

 昨年の夏、「ヒッグス粒子発見か」と話題になりました。ヒッグス粒子は、「万物に質量を与えた」と考えられる粒子です。この粒子のお蔭で、星が誕生し生命の誕生へと繋がったのです。全ての物質は原子で構成されています。この原子を構成している、最も基本的な粒子が素粒子とされています。標準理論で予想された素粒子の種類が17種類、唯一発見されていないのがヒッグス粒子とされていました。それが、実験を600兆回実施して、存在を示唆する現象の検出が、物理学の世界で統計的に存在すると認められる99.9999%以上の確実性を越えたというものでした。
 ところが、ノーベル物理学賞受賞者で名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構の益川敏英特別教授らの研究者グループが、ヒッグス粒子が複数の粒子で構成される「複合粒子」である可能性を、コンピュータを使った計算実験で突き止めたというのです。ヒッグス粒子が複合粒子ということになれば、素粒子ではなくなります。昨年発見されたとするものが、ヒッグス粒子ではないのか、それともヒッグス粒子を素粒子と捉える標準理論を見直すのか。標準理論は今の宇宙をとてもうまく表しているとされています。が、宇宙の物理現象をきちんと理解するためには、標準理論を超えた新しい理論を創らなければならないということになるかもしれません。
 今起こっている事象や現象を、理解したり、うまく説明できる理論や考え方があったとしても、それは決して絶対的なもの普遍的なものではないということです。進化・発展していくものとして捉え、絶えず検証してい必要があるということを強く感じた次第です。

2013年04月13日

中1自然学舎へ出発

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 早朝、5時33分震度6弱の地震が淡路島で発生しました。学園関係者に大きな被害は確認されていませんでしたが、通学の交通機関に影響があったようでした。JRは運行を見合わせていました。阪急は運転を再開したものの、ダイヤが乱れていました。生徒の登校状況を確認し、登校している生徒は1時間目を自習、登校してくる生徒を待って2時間目より授業を始めました。折悪しく、きょうは中学1年生が自然学舎へ出発する日です。交通機関が乱れていましたが全員到着するのを待ち、時間を遅らせて出発しました。中学・高校とも試合が予定されているクラブの生徒は試合会場へ、なかでも高校野球部は、淡路島にある淡路球場に出かけました。各地区大会の上位校と今春の選抜高校野球大会に出場した報徳学園を加えた計36校で戦われる「春季県高校野球大会」(県高野連主催)のためです。
 朝の混乱も治まり、午前中の授業が終わり、何事もなかったかのようにクラブ活動が始まった頃、鉢伏高原から「無事到着、全員元気です」との連絡が中学1年から入りました。少しの遅れで、予定を変更する必要はないとのことでした。その後、高校野球部の監督から「5対3で勝ちました」とのうれしい報告も入りました。
 早朝の地震といえば、18年前の阪神淡路大震災を思い出します。時刻も5時46分と今回とほぼ同時刻でした。今回の地震は、18年前の余震とか、別物とか見解は様々です。しかし、なお余震に対する警戒が必要なことに変わりはありません。「治に居て乱を忘れず」(「易経」)の例えあり、忘れがちなものを思い出させてくれた早朝の揺れでした。

2013年04月12日

「外に打って出る」

 オリエンテーション合宿を終えた高校1年生が元気に登校してきています。きょうは中学から高校まで全学年が揃って授業です。新年度のスタートに相応しく、どの教室も緊張感が伝わって来る感じがします。全学年が揃ったのも束の間、明日から3日間、中学1年生が自然学舎に出かけ学校を留守にします。慌ただしい中にも新年度が順調に滑り出せたように思います。
 今年度は学校改革の第二ステージの本格的な始動になります。日常の授業の充実は大前提です。「本物の学び」の一環として取り組んでいる大学と連携した「サイエンスキャンプ」は、協力していただける大学が増え、より充実したものになります。また、科学技術振興機構が行うサイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)に中学から2つの企画を応募し、2つとも採択されています。新しい取り組みを始めることになります。科学系コンテストにも積極的に参加していきます。環境教育の取り組みも、行事と関連づけたものから地域に根ざしたものまでと発展してきています。中学校の生徒たちの手で運営する環境フォーラムも、年々内容が充実したものとなっています。今までの成果をふまえ、更なる発展を目指していくことが、今年度の課題だと考えています。
 学園の姿を知っていただく為の広報活動も、新しい企画を考えています。初回は既に定員となり受付を終了させていただきましたが、「サルーン雲雀丘」もその一つです。校外でも「入試結果報告&学園を知る会」を5月に計画しています。
 今年は、学習活動や広報活動も「外に打って出る」をテーマに積極的に展開していきたいと考えています。

2013年04月11日

オリエンテーション合宿終わる

 6時30分起床、7時朝礼で2日目がスタートしました。朝食後、午前中4時間の学習会が行われました。  高校一年生にとっては、8日入学式、9日始業式、10〜11日オリエンテーション合宿と慌ただしい始まりでした。明日から平常の授業になり、日常の生活が始まります。ここで一息つくことなく、合宿で学んだこと、新たな決意や仲間から受けた刺激などを忘れずに、このまま4月を乗り切れば新たな習慣が身につきます。高校生活に相応しい学習習慣の獲得になります。  新入生は、中学、高校を問わず独自の課題があります。多くの学校から生徒がやってきます。それぞれの学校の風土、ルールなどが持ち込まれてきます。それを雲雀丘学園の一年生としてまとめていく初期指導がポイントになります。当然、本校独自のルール、約束事、指導方法があります。それらを理解させていくことも重要な課題です。  高校の場合は、大きくわけて学園中学から進学する生徒と高校から入学して来る生徒に分けられます。これらの集団の相互理解を通して、切磋琢磨していく集団に築き上げていくという課題があります。この点、先取りして学習している学園中学生が高校から入学してくる生徒を教えるという授業は、面白い企画でした。  少しハードなスケジュールだったかもしれませんが、合宿の前後では明らかに生徒集団の質に変化がでできていると思われます。この合宿から58期生の高校生活は始まった、という思い出に残るものになるでしょう。2日間お世話いただいた神戸ベイシェラトンホテルの皆様に感謝申し上げます。

2013年04月10日

オリエンテーシヨン合宿


 朝10時、会場である神戸ベイシェラトンホテル集合で、高校一年生のオリエンテーション合宿は始まりました。集合状態が良かったので、予定を早めスタートしました。開舎式では生徒代表が挨拶、お世話になるホテルからは総支配人の歓迎の挨拶をいただきました。
 全体講演は、「雲雀丘学園高等学校の生徒としての心構え」というテーマで、私が行いました。この合宿のねらいとして、①クラスの仲間を知り、互いに強調し助け合える雰囲気をつくる、②「過去・現在」の自分を見つめ、人生のエポックとなる高校生活を充実したものとなるように計画する、③学校生活の基本となる「学習」の仕方を学ぶ、の3点を挙げて話をしました。とりわけ、中学までの学習と高校からの学習の違いについて、記憶に頼る学習方法から「なぜ」、「どうして」を大切にし、理解していく学習方法を身につける事、また、「学ぶ」ということについては皆に共通する課題であることから、これを貪欲に追求する生徒集団であってほしい事、この点を通しての仲間作りを目指してほしい事などを訴えました。
 引き続き、学年団の10人の先生が一人ずつ、生徒に対する期待や思いを語ってくれました。その後、未来予想図の作成、進路講演会、各教科の学習や学習方法など、初日は夜の10時まで続く中味の濃い合宿です。1泊2日の合宿ですが、新年度がスタートしたばかりで、まだお互いを十分知り合えない時から、寝食を共にして共通の課題をやりとげる事は、仲間意識やクラス・学年の連帯感を高めていく上で大きな役割を果たしてくれる、と考えています。

2013年04月09日

始業式

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 朝は少し冷えましたが、暖かい日差しは春本番を思わせます。新年度のスタートです。クラス発表があるからなのか、新年度のスタートで気持ちが高ぶっているのか、生徒の登校がいつもより早かったように思われます。クラス発表を見て、あちらこちらで歓声が上がっていました。
 中学・高校の新入生を迎え、在校生と初めて顔を合わせる対面式です。生徒会の役員のリードのもと、高校と中学の在校生が、真ん中の空間を空けて整列している所に、大きな拍手で迎えられながら新入生が入場してしてきました。中学生は中学の新入生と在校生が、高校も同じように向かい合い、お互いに「お願いします」と挨拶を交わし、それぞれの新入生の代表が全校生の前で挨拶をしました。全校生徒が1,400名を超えるという大所帯です。整列すると校庭の芝生一杯になります。朝礼台の上で挨拶をするのは、さぞかし緊張したと思いますが立派にやり遂げました。毎年恒例の行事とは言え、暖かいものを感じます。
 始業式では、新しく着任された先生の紹介と挨拶がありました。生徒たちは、自分たちのクラスを担当してもらえるか興味津々の様子でした。いよいよ、明日から高3は授業が始まります。高1を除く他学年は学力推移テストなどが行われます。高1は明日からオリエンテーション合宿に出かけます。週末からは中1が自然学舎です。
 例年となんら変わりのないスタートの様に表面上は見えますが、見えない所で変化が起こりつつあるような感じを受けます。飛躍の為の変化のような・・・。

2013年04月08日

入学式

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 春の嵐が過ぎ去り、春らしい陽気になりました。激しい雨風にも耐えた桜が、きょうの入学式を祝うかの如く花びらを残してくれていました。午前9時半から第61回中学入学式、午後1時半から第58回高校入学式を行いました。開式前には、講堂前や入学式と書かれた看板の前で、保護者と一緒に記念撮影をされている姿が見られました。きょうの入学式を待ち望んでおられた様子が伺えました。
 中学は185名、高校は298名が入学します。昨年に引き続き今年も多くの新入生を迎えることができました。中学の入学式では、ギターマンドリン部が講堂のエントランスで演奏を行い入学生や保護者を迎えてくれました。また、恒例になっている中学3年生の歓迎の呼びかけもありました。中学は、厳粛な中にも暖かさのある、高校は厳粛なとそれぞれに特徴のある入学式が行えたと思っています。
 中学・高校とも沢山の保護者の方が出席して下さいました。教職員一同大変感謝しています。講堂は900席ありますが、高校の入学式では教職員用にパイプ椅子を出さないといけない程の状態でした。
 いよいよ新年度がスタートします。多くの入学生を迎えられるということは、有り難いことだと思うと同時に、責任も重く感じる次第です。私たちは、現状に満足することなく、絶えず最善を尽くし新しい境地を切り拓いていく姿勢でいます。多くの新入生とともに、ベテランからフレッシュな若手までの新しい教員も迎え入れることができました。第二ステージの幕開けに相応しい教育活動が展開できるように、全教職員一丸となって頑張る決意です。

2013年04月07日

数を力に

 各地で大きな被害をもたらした春の嵐が過ぎ去りました。明日は、午前が中学、午後が高校の入学式です。
 中学は1月に、高校は2月に入試が終わりました。入学式を迎えるまでは、待ち遠しい長い期間だったと思います。新生活に対する夢や希望と同時に、ちょっぴり不安を抱えながら入学式を迎えようとしているのではないでしょうか。でも心配の必要はありません。今まで以上の充実した生活が待っています。思い切って飛び込んできて下さい。明日は在校生を代表して、中学も高校も2年生が新入生を迎え入れてくれます。
 平成25年度は、今までの中で一番多い生徒数と教職員数でスタートすることになります。生徒数が多くなれば目が行き届かなくなるのではないかと心配されることがあったりします。確かに、その点は気をつけないといけないことです。対策は検討しなければいけません。が、多くの生徒がいるということは、それだけ多くの個性があり、長所があるということになります。お互いが尊重し合い、良いところを学ぼうとすれば、数は力になります。切磋琢磨して互いに成長しようとする姿勢を各自が持てば更に大きな力になります。集団が持つ教育力です。この点に着目したいと考えています。
 クラス、学年、生徒全体を包括する生徒会などいろいろな集団があります。クラブもそうです。それぞれの集団の教育力を高めることを課題として追求していきます。もちろん、これは教職員についてもいえることです。

2013年04月06日

春の嵐に思う

 急激に発達した低気圧が各地に大きな被害をもたらしています。気象庁によりますと、宮崎市青島で6日午前9時ごろまでの1時間雨量が観測史上最大の92ミリを記録したり、高知県では、室戸岬で最大瞬間風速28.1メートルを、徳島県阿南市の蒲生田では34.1メートルを観測したとのことです。同様の低気圧は、昨年の4月3日にも発生しています。春の嵐という現象なのでしょうか。
 丸い地球に太陽からのエネルギーが降り注ぎます。おのずと赤道付近は暑く、極地付近は冷たくなるように、大気の温度差ができます。暖かい空気と冷たい空気が接触すると、暖かい空気は軽いので上昇し、冷たい空気は重いので下降します。北半球では地球の自転する力によって左回りの渦になります。これが温帯低気圧といわれ、春の嵐の正体です。それにしても、チョットした空気の温度差が、これだけ大量の雨を降らし、台風並みの風を吹かせるとは、自然のメカニズムや大きなエネルギーに驚かされるばかりです。
 それだけではありません。宇宙に目をやると、もっと驚くことがあります。先日、宇宙の成分の4分の1を占めるとされる謎の物質「暗黒物質」の存在を示す痕跡を国際研究チームが捉えた可能性があると発表されました。なんと宇宙の物質のうち、現在の理論で説明できるもの、存在が分かっているものは、全体のわずか4%にすぎないというのです。宇宙から見れば極めて小さな地球、その地球から見ても極めて小さな人間です。なんと取るに足らないちっぽけな存在と見るのか、今、分かっているのはあの宇宙の4%だということを認識している人間と見るのか、私は後者の見方を支持したいと思います。

2013年04月05日

溢れる愛情で新入生の歓迎を

 春休みもいよいよ終わりに近づきました。8日の入学式を始め、新入生を迎え入れる新年度の準備が行われています。新学年に合わせた教室の整備や校舎内の清掃なども終了しました。校庭の芝生も新芽が出て青くなっています。桜も満開です。週末の天気が荒れ模様とのことで、せっかく新入生を迎え入れようと精一杯花を咲かせている桜が心配です。例え、花吹雪となってしまっても、季節通り花を咲かせ新年度を歓迎してくれていることに変わりはありません。入学式では、桜の分も含めて、先輩が心をこめて新入生を迎えてくれることと思います。
 「愛というものは貰った分だけしか人に与えられないものである」、というのは、レ・ミゼラブルのテーマでもあります。ならば、溢れるほどの愛を貰ったものは、溢れるほどの愛を与えることができるということになります。毎年、先輩が溢れるほどの愛情、気持ちをこめて新入生を迎え入れてくれています。それが受け継がれていくという良い伝統ができていると思います。力があるものは力を貸し、優しさがあるものは優しさでもって、経験のあるものは経験から得たものをアドバイスしてやるということができれば、お互いが安心して、気持ちよく学校生活を送ることができるでしょう。
 先輩が築いた高い峰を、後輩が乗り越えていくという、好循環で第1ステージが終わりました。平成25年度のキーワードは「質的転換」だと、私は考えています。第2ステージは、今までの延長線上での成果ではなく、文字通り質的転換が期待できるところに来ていると思います。新入生の新しい風を受け、新しい境地を切り拓けるよう力を合わせましょう。

2013年04月04日

サイエンスキャンプ


 「本物の学び」の一環として実施しているサイエンスキャンプ。昨年度は、鳥取大学の鳥取キャンパスで実施しました。鳥取大学は、中学2年生が行っている林間学舎の大山周辺の環境保全に係わっておられます。林間学舎と関連づけて実施している本校の環境教育の充実・深化を目指し、鳥取大学との連携を模索しているところから実現したものでした。
 中高一貫校の特徴の一つとして、中学生に高校受験がないということが挙げられます。そこで、受験勉強ではなく、将来の自分の進路や大学での学びを意識して、中学3年生に大学の研究室での学びを企図したものがサイエンスキャンプです。夏休みの数日間を利用して、仲間とともに「研究体験」をすることは、進路意識の醸成、モチベーションアップに大きな役割を果たしてくれるものと考えています。高校1年生と中学3年生を対象に実施しています。「学び」に大きなインパクトを与える取り組みになっています。
 今年度は、鳥取大学の医学部などがある米子キャンパスや徳島大学総合科学部でも実施していただけることになっています。いろんな大学でサイエンスキャンプの可能性を探っていたところ、新たに名古屋大学理学部で実現する運びとなりました。
 「学び」おいて、大きな力を発揮するようになるには「学びの起動のスイッチ」が入る必要があります。それは、取りも直さず「面白い」と感じること、「どうして」、「なぜ」という疑問を放置できなくなることだと思います。学校の授業で感じることもある筈ですが、大学での研究に接することで、よりその機会が増えると考えています。

2013年04月03日

新年度準備

 新年度のスタートが近づいてきました。来週の月曜日は入学式です。翌日は対面式・始業式で、本格的にスタートします。物事の始まりには、準備が重要や役割を果たします。良いスタートを切る為には、それなりの周到な準備が必要です。
 まず、気持ちの面から準備をすることが大切だと思います。新入生は、雲雀丘学園中・高等学校へ入学しようとした思い、気持ちをもう一度整理し直すことから始めてはどうでしょうか。その思いや気持ちを実現させる為には何をする必用があるのか、何をできるようにしておかないといけないのかということです。進級する生徒は、昨年度を振り返ってみて、頑張れたところはどこで、課題として残ったところは何か明確にしておかなければなりません。
 後は、生活習慣を休暇中のモードから日常の学校生活のモードに切り替える必要があります。学習のスタイルも、復習をシッカリすることは勿論のことですが、予習を大切にするスタイルを定着させることです。予習は、学校の授業の内容に対するものだけでなく、自分の興味や関心のあること、得意な分野などを追求するということも含めて考えて欲しいと思っています。学年の範囲を超えた内容に進むことも大いに歓迎です。疑問に思ったこと、分からないことなど積極的に先生に質問する姿勢が大切です。今年度は、「本物の学び」を昨年以上にいろんな分野で展開できるような準備も進めています。積極的に参加・挑戦してくれると期待しています。
 桜が咲き誇り、木々の新芽が芽吹き万物の躍動を感じる季節です。皆が「よしっ」という前向きの気持ちになる時です。この気持ちを大切に新年度を迎えましょう。

2013年04月02日

個の成長から全体の発展へ

 海水には塩分が含まれています。海水が凍るということは、海水中の水分が凍ることになり、その周りの海水の塩分濃度は高くなります。塩分濃度が高くなると海水は重くなり「沈み込み」を始めます。北半球では北大西洋グリーンランド沖でおこり、南半球では南極周辺で起こります。こうして海洋大循環が起こります。これが気候変動に影響を与えるそうです。同じことが大気でも起こります。暖められた空気は軽くなり上昇気流を発生させます。台風や竜巻、雷などを発生させます。海の水の僅かな塩分濃度の変化、空気の僅かな温度変化が気候や気象変動をもたらします。周りに起こる僅かな変化が原因です。
 海洋や大気の変動だけではありません。人間関係においても同じようなことがいえると思います。海水の「沈み込み」ではありませんが、一人の人間の成長や変化が、クラス、学年や学校にと大きな影響を与えることになります。各人が、自分の得意な分野やこれなら一生懸命打ち込めるといった所で力を発揮し、生き生きと輝いている姿が周りに好影響を与えることはいうまでもありません。個の変化・成長が全体の発展に影響を与えることになります。と同時に、こうした方が良いと思うことは自ら先に行う「先施の心」を心掛けたいものです。「先施の心」は莫大な借財を抱えた米沢藩を立て直した名君上杉鷹山の学問の師、細井平洲の教えです。相手からの働きかけを待つのではなく、自分から進んで働きかけることによって、相手の心を動かすことができるというものです。個の成長から全体の発展へ、25年度はこのような年にしたいと考えています。

2013年04月01日

学園合同職員会議


 平成25年度がスタートしました。朝から、新しく学園に来られる方の新任式を行いました。長年、府立高校の第一線で活躍されていたベテランの先生や私学での経験の有る方、大学院や大学を出たばかりのフレッシュな方のなどと多彩な顔ぶれです。常務理事を始め各校種の校長・園長などで暖かくお迎えしました。
 新任式の後、学園講堂で幼稚園から高校までの教職員による合同職員会議です。最初に、永年勤続表彰があり、勤続30年、20年、10年の方が表彰されました。今の雲雀丘学園を牽引されてこられた方々です。その後、学園の経営方針を常務理事が、各校種の方針を校長・園長が発表しました。日頃、同じ学園で仕事をしていると言いましても、中々、他の校種の現状や課題・問題点などを知ることができません。そういう点で、この合同職員会議は、それぞれの方針を理解すると共に、学園として何を重点的に今年度取り組むのかなど意思統一を図る重要な場といえます。
 中高等学校は、今年度から第2ステージに入ります。それに合わせて、従来の延長線上で物事を考えるのではなく、質的転換を目指す取り組みをいろんな分野で展開する必要があると考えています。このことを、合同職員会議の後行われた、中高の職員会議で確認しました。
 今学園の桜は満開です。メタセコイヤも大銀杏も芽吹き始めています。校庭の芝生も青く色づき、新芽が出てきています。生物の息吹を感じます。さあ、第2ステージのスタートです。