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2015年10月31日

読書習慣

 雲雀丘学園の木々も紅葉を始めました。校庭の銀杏の梢もほんのりと黄みがさしてきました。今月も今日で終わり、いよいよ明日からは11月、本当に月日のたつのは早いものと思います。この10月はほとんど雨が降りませんでした。記録的な少雨の月になるのではないでしょうか。

 校庭ではバスケットに興じる生徒、もう一面のコートではバスケット部の本格的な練習が始まりました。校庭の周囲を走る生徒は水泳部の生徒でしょうか、水泳部はシーズンオフの体力づくりが欠かせません。バレーボール部の女子が円になってトス上げの練習をしています。校庭の中央では芝生に座った女子生徒3人が中学棟からの西日を体いっぱいに受けて談笑しています。こんな光景を見ていると「有り難いなあ」と思えてきます。

 今月の27日から読書週間(11月9日まで)が始まりました。高校棟の玄関を入ったところの掲示板に「先生たちからオススメ」の本の表紙が張り出されています。さすがに先生らしく中高生にとって、この時期に読んで心の栄養になる良書ばかりです。おそらく先生方も推薦する本に、自らも大きく影響を受けられたのではないでしょうか。私も推薦の本を出しましたが、少々内容が固い本になってしまいました。

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 人生は一度きりです。一度の人生しか経験することはできません。しかし、読書によって他の人の人生を知ることはできます。素晴らしい人生を送った人の歩みを辿ることができるのです。これが読書の醍醐味だと思います。読書をすることで想像力と創造力を培うことも生徒の皆さんにとっても大切なことと思います。

 夏休み前に生徒の皆さんには「私の挑戦」を書いてもらいました。何人かの人が読書をあげ、何冊読むかを挑戦のテーマにしていました。その中の一人、中学1年生の女子生徒は「夏休みが終わるまでに本を50冊読む」というものでした。先日、校長室に来て、達成を報告してくれました。4月から8月の終わるまでに50冊を読んだことが「フォーサイト」にきっちりと書きとめられていました。素晴らしいことだと思います。

 数多く本を読むためには「本を読む習慣」をつけることが欠かせません。一日30分でもいいと思います。毎日少しでもいいから読むこと、「読書週間」を「読書習慣」にしてほしいと願っています。

2015年10月16日

親孝行の日 雑感

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 秋晴れのさわやかな日が続きます。一年中で一番気持ちのいいころだと思います。今週の10月14日(水)は全校朝礼がありました。この日は後期生徒会役員・各種委員会委員長の承認式が行われ、承認証を手渡しました。

 生徒会長からは、後期の取り組みとして「挨拶をしよう!」を力強く抱負を語ってくれました。生徒会から挨拶を自らの活動として、それもまずクラスの仲間同士から始めていくとの決意でした。素晴らしいことです。挨拶は人から強制されてするものではありません。自らの心の発露として実行するものだと思います。ぜひ「挨拶」で明るく活気に満ちた学校生活を送ってほしいと思います。

 さて前回の全校朝礼は9月30日、創立記念日の前日でした。創立記念日は、雲雀丘学園では「親孝行の日」としていますので、朝礼で「明日の親孝行の日はどんな小さなことでもいいので親孝行を実行しましょう」と呼びかけました。そして親孝行が行動できない人はせめて「ありがとう」と感謝の言葉を伝えましょう」と。さらにさらに「ありがとう」と言えない人には心の中で「ありがとう」を3回唱えましょう、それでも感謝の心は十分に伝わりますと話しました。私自身、親に感謝の気持ちはあっても口に出して言うことに恥ずかしさを感じていたからです。

 さて結果はどんなものかと思い、この日の朝礼の時、生徒に親孝行の実行状況を挙手で尋ねました。1400名あまりの生徒がいます。「実行した」「ありがとうを言った」「ありがとうを心の中で言った」「何もできなかった」の4択です。結果はどれも30~40名が手を挙げました。私はもう少し手が上がるものと思っていました。

 確かに「母の日」「父の日」「敬老の日」は有名ですが、「親孝行の日」は学園が勝手に決めた日であり、社会に定着しているわけではありません。ましてや具体的な行動を求めること自体、中高等学校としては初めてのことです。100名余りが広い意味で実行したこと、手を挙げない生徒も多かったことなどを考えると今後に期待したいと考えるべきかもしれません。

 「孝道」や「親孝行」というと一見古めかしく感じます。今の時代にそぐわないと思われる方も多いかもしれません。しかし創立者・鳥井信治郎が掲げた「孝道」のテーマは非常に未来志向的で子供たちだけでなく社会全体が持ち合わせていなければならない精神だと思います。私は常々、「親孝行」こそ人間的成長の原動力だと言っています。
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 一昨日、任期を降りた前期生徒会役員を校長室に招きました。慰労の声をかけたいと思ったからです。生徒会の運営はもとより学校行事への参加、挨拶の呼びかけ、オープンスクールでの見学者への対応など自主的によくやったと思っています。ご苦労様でした。一人ひとり感想を話してくれましたが、色々な活動を通して大変勉強になったことを事例を交え話してくれました。私からはラグビーワールドカップで日本が大活躍し、とりわけ南アフリカを破るという歴史的な勝利を収めましたが、決してそれは偶然ではなく、必然足らしめる数々の裏付けがあったことを話しました。高2の役員は退任し、受験に向けての勉強に取りかかるそうです。頑張れ!

2015年10月09日

中間考査を終えて

IMG_0218.JPGIMG_0219.JPG中間考査の初日の夕方、中央棟の玄関を出ると金木犀の甘い香りが漂ってきました。あらためて秋を感じさせる香りです。どこに金木犀が植わっているか探しましたが近くには見つかりませんでした。正門で守衛さんにお聞きしたところ、南門のそばに大きな金木犀の木がありますとのことでした。その日は強い風が吹いていたので遠くまで香りが届いたのだと思います。記念講堂のそばにも金木犀が植わっています。こちらは正門を通る人を喜ばせます。
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 今日は中間考査の最終日。最後の試験科目の終了のチャイムが鳴ったので校庭を眺めると、中学校舎の教室の窓のいくつもから、窓いっぱいに生徒の笑顔が飛び出ていました。ほっとした一種の解放感のようなものでしょう。手を振ってくれたので振り返しました。「元気ですか?」と尋ねられたので「元気で~す」。私一人と大勢の生徒との大声でのやり取りです。
「試験はどうだった?」と聞くと「まあまあで~す」との声が返ってきました。
「まあまあ」がいいのです。「だめです」と答えると私がショックを受けますし「できました」だと、周りを考えていないようでもあり、「本当か?」と聞きたくなってきます。

 2学期中間考査が終わり、いよいよ明日から今年度の後半戦に入ります。学年ごとに目標は異なります。特に高3はセンター試験に向けて最後の追い込みに全力投球。高2は選択科目、高1は文系理系のどちらを選ぶのかの検討をしっかりしなければなりません。中3については高校受験の勉強がない分、自らの興味関心に合わせた学習の深堀や高校課程の先取り、中学課程の点検が大切です。また、中1・2は、学習習慣や生活習慣の確立と見直しに重点を置いてください。

 先月、学校教育に関する保護者アンケートを実施しました。評価いただくところもありましたが、色々と問題をご指摘いただく個所もありました。私はそのいくつかは、教員と保護者の緊密なコミニュケーションによって解決できるものと思います。しっかりと意思疎通を図ることで来年に向けた取り組みを確実なものにしたいと考えています。