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2015年12月22日

終業式挨拶

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終業式ですので今年の最後の日として少しお話をします。

 それは他人から受けた親切、あるいは助けてもらったことはいつまでも忘れてはいけない、反対に自分がした親切や助けてあげたことは忘れよう、ということです。

 今から30年前、イランイラク戦争というものが起こりました。その時イランには日本人が、駐在員を始めたくさんの方が住んでいました。イランにはイラクからの爆撃が日に日に増し、とうとう200名余りの日本人が取り残されてしまいました。

 日本航空や自衛隊に迎えの飛行機を出してもらうようにお願いしますが、危険だとか法律上難しいと言って助けには来てくれませんでした。他の国の航空会社にお願いをするのですが自分の国の人を乗せるのに精いっぱいです。

 日本人は絶望の危機に立たされました。多くの日本人が死を覚悟しました。

 その時、ある航空機が危険を押して日本人を助けに来てくれたのです。それはトルコの航空機でした。トルコ航空は日本人を自国民より優先して乗せてくれ日本まで送り届けてくれたのです。  どうしてでしょう。

 それよりさかのぼること95年、明治時代、600名を乗せたトルコの軍艦エルトゥールル号が和歌山県串本沖合で遭難しました。深夜の出来事でした。この事故で串本の漁民は暴風の中、危険を顧みず必死に救助活動に当たりました。大切な食料や衣類まで提供しました。そして69名の命を救ったのです。看病ののち日本政府はトルコまで生存者を送り届けました。

 トルコからは串本に救出の費用を請求してくださいとの要望にも「助けるのは当然だ」として受け取りませんでした。

 トルコ国民はこのことを100年間覚えていたのです。恩返しだと思って日本人を助けに来てくれたのです。日本人を自国民をあとにして助けることをだれ一人反対する人はいなかったと言います。一方、日本人はすっかりこのことを忘れていました。しばらくはなぜトルコが助けてくれたかはわからなかったのです。

 しばらくして事情が分かり日本とトルコはさらに深いきずなで結ばれるようになりました。

 是非皆さんには100年忘れなかったトルコの人々、助けることは当たり前だと思って見返りを求めない日本人、を忘れないで欲しいと思います。

 冬休みになりますが風邪などひかぬよう、十分に注意してください。

 「私の挑戦」私と約束したこと忘れずに取り組んでください。先生からもしっかり指導してください。

 規律正しい生活をするように。近所の方、親戚の方にも会うことが多いと思います。挨拶をしっかりするように。

 来年1月8日、元気にお会いしましょう。

2015年12月18日

健闘!エコノミクス甲子園

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先週日曜日(12月13日)、池田泉州銀行で「エコノミクス甲子園兵庫大会」が開催されました。
県内の有名高校が2名ずつペアを組んで出場、「金融知力」を争います。「金融知力」とは「世の中はどのような金融経済の仕組みで動いているかを理解し、夢の実現と生活防衛のために生かす力」とのことです。

 「エコノミクス甲子園」で雲雀丘学園チームは大健闘、2位、3位を獲得しました。決勝戦は灘高校でした。灘高校とは同点になりましたが予選での成績が影響し、残念ながら優勝を逃しました。一昨日、2位、3位チームの4人が校長室に来ました。事前の猛特訓の成果が実ったようです。「勉強していたところがうまく当たりました」と謙遜しながら勝因を語ってくれました。少し日本経済の状況について話しましたが、質問に対して的確に答えてくれ、さすがによく勉強していると感じました。

 教科書の勉強だけでなく、日々刻々変わる経済情勢を勉強していくことは極めて大切なことと思います。ましてや自ら興味を持って現状を分析し、動向を占うようになれば経済学の力が大いにつくものと思います。早速、今回の出場メンバー10人で来年3月末の日本の株価、為替などを予測する競争をしようということになりました。この競争には私も担当の先生も加わります。出し合った予測値をもとに、生徒と一緒に議論できることは今から楽しみです。

 昨日、アメリカ中央銀行は9年半ぶりの利上げを発表しました。この結果世界経済は、日本経済はいったいどのように展開していくのでしょう。こんな議論も生徒たちとは話し合ってみたいと思います。もちろん、来年の「エコノミクス甲子園」で「打倒!灘高」を目指すことは当然のことです。

2015年12月11日

ラストスパート

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 校庭の銀杏の木も梢の方から大分散ってしまいましたが、根元の周りにはたくさんの落ち葉を敷き詰めています。この黄色の絨毯と、校庭に降りる階段のわきにあるカエデの臙脂の赤、さらにその隣の大きな常緑樹の緑のコントラストは見事なもので、朝日を浴びているときなどは思わず光景に引き込まれてしまいます。

 先週末から始まった期末試験は昨日終了しました。高校3年生は今日からは新しい時間割がスタートし、センター試験受験に特化した授業を受けます。いよいよ大学受験もラストスパートです。

 一昨日、昨日と2日間をかけて「進路検討会」が開催されました。これは高3の学年担任と進路指導部が一緒になって、276名の生徒一人ひとりの進路について協議します。学校での試験、各種模擬テストなどのデータをもとに、本人の希望はもちろんのこと、成長過程や性格を踏まえて、どの大学を受験するのがいいのかの検討です。生徒と大学の相性、さらには大学を卒業後のことまで考慮して議論します。複数の目で見ますから時には意見が分かれて協議が長びくときもあります。

 私は昭和44年に大学受験をしましたので46年も前の話、ましてや公立の高校で比較するのはおかしいですが、先生に相談することもなくみんな自分で志望大学を決めました。それが当たり前でした。そのことを考えると隔世の感がします。

 昨日、検討会議のさなか、ある女子生徒の国立大学推薦入学合格の朗報が飛び込んできました。検討会の先生方は協議を忘れて拍手喝采です。今日、その生徒と偶然廊下ですれ違いました。「おめでとうよく頑張った」と讃えると、「この目標は『私の挑戦』に書きました」と答えてくれました。これも嬉しい返事です。

 今日、職員朝礼で私は「今日から高3はいよいよラストスパートに入る。教職員全員が全力をあげて高3をサポートしよう」と話しました。
雲雀丘学園の総力戦が始まります。

2015年12月04日

センター試験まで45日

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神戸の冬の風物詩「神戸ルミナリエ」が今日、開幕します。今年も残すところあと一か月になりました。本校では今日から期末試験が始まります。そして年が明けると1月上旬は、センター試験と私立中学入試、2月には私立高校入試と続きます。学校が大変忙しくなる時です。

 一昨日の全校朝礼で私は、特に高校3年生に向かって檄を飛ばしました。「センター試験まであと45日、45日しかないが45日もある。長い人生の中で死にもの狂いにならねばならないときが何度かある。少なくともこれからの45日がそのうちの一回だ。がんばれ!」と。

 日が短くなってくるにつれ、中央棟3階の「学習スペース」で勉強する生徒の蛍光灯の明かりが目立つようになりました。外は暗闇です。私は邪魔をしないように小さな声で「がんばれよ」と声をかけます。一途に勉強している姿を見ると、大変だなと思う反面、頼もしくも思います。

 職員室内の「交流スペース」も始業前の早い時間から、どのテーブルも空きがないくらい一杯になって、生徒は先生から指導を受けています。真剣そのものです。今年の大学入試で雲雀丘学園は16名の国公立大学AO・推薦入試の合格を出しましたが、この「交流スペース」も大きな力になっているのでしょう。

 校長室の隣に応接室があります。生徒が入り口にドアの前に、緊張の面持ちで立っているので「何をしているの?」と声をかけると「面接試験の練習です」と答えます。学年担任と進路指導部が面接試験の模擬練習をやっていました。一度ある先生から、面接官になっていただけませんかと頼まれたので模擬面接に臨みましたが、先生が大変厳しく鋭い質問をされるので、質問を促されても私にはそれ以上の質問ができませんでした。私は企業にいるとき何度か面接に立ちましたが、それよりもこのときのほうが難しく思えました。

 最終目的は希望の大学の合格ですが、まずはセンター試験でいい成績を獲得することです。私は朝礼で最後に言いました。
「悔いのない45日を送ろう、やるだけやってあとは天命だ。」

2015年12月01日

高校説明会に大勢お越しいただきました

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 先週土曜日(11月28日)、これが最終回となる本年3回目の高校説明会を学園講堂で実施しました。この日は2回に分けて午前と午後行いましたが、両方合わせて970名、昨年より約200名多い保護者とお子様にお越しいただきました。大変ありがたく思っています。

 私からは学園の教育方針について概略を話しました。「挨拶」に力を入れていて学校に来られるお客様からもお褒めをいただいていること、創立の精神である「親孝行」を大切にする学校であり、人間的成長の原動力になっていること、中学も含め中高の全生徒が「私の挑戦」を書き、校長に提出、そのことが生徒に「チャレンジ精神」を植え付けていることなどを話しました。私は今の日本の若者に求められているのは、困難に挑戦する「やってみなはれ」精神だと考えています。

 大森教頭からは進路指導を中心に、生徒一人ひとりに向き合い、本人の希望を尊重し、能力・個性をのばすことに重点を置いた教育・指導をしていることを話しました。本校の進学実績はここ数年、国公立や有名私立大学が大きく伸長していますが、こうした指導の成果が出ているものだと説明しました。

 またこの日は本校の卒業生で、現役の大学生がこの説明会に駆け付けてくれ、自らの高校生活の様子、思い出、高校受験についてのアドバイスなどを話してくれました。これも嬉しいことです。一番身近な生の声なので、来春受験する中学3年生には色々と参考になったと思います。

 この後、ご希望の方に学校見学や教育相談をしていただきました。多くの方々から今回の説明会のアンケートで感想をいただきましたが「先生方が大変熱心に教育され、生徒との距離が短いように思う」「生徒一人ひとりに向き合い、個性を大切にすることはすばらしい」「学校がきれいで環境、設備がよく、生徒もおだやかで伸び伸びしている」などうれしい声がたくさん寄せられました。私たち教職員はこうした声に甘んずることなくさらに精進を続け、皆様から信頼される学園を目指したいと思います。