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2016年06月30日

梅雨空を吹き飛ばせ!

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うっとうしい天気が続きます。今年の梅雨は例年以上の雨が降り、特に九州では大きな被害が出ています。熊本地震で震度7の激震で最も被害の大きかった益城町が、今年の梅雨でも最大の雨量を記録して大きな被害が出ており、申し訳ない気持ちになります。

 学園の正面の入り口に朝顔の鉢がたくさん並んでいます。梅雨空に負けじと大輪をいくつもつけています。この朝顔は学園小学校の1年生が育てたものです。道理で、元気いっぱいに競うかのように咲いているのでしょう。

 昨日、中学校部活激励会が開かれました。これから中学校のクラブ活動では夏の大会が始まり、雲雀丘学園中学校も多くのチームが出場します。体育クラブのみならず文化クラブもです。クラブの代表者が大会にかける決意を語りました。どのチームも顧問の先生や先輩など、お世話になった方々にご恩返しする、3年間の総仕上げとして戦う、後輩にいいチームとして引き継ぐなど、それぞれ正直な気持ちを披露しました。

 私は雲雀丘学園の名誉と誇りにかけて、全力を尽くして栄冠を勝ち取れと激励。合わせて勝つことよりもっと大切なことがあるとして、全力を尽くしたか、挨拶や礼儀などきちっとやったかなど、雲雀丘学園生徒としてスポーツマンとして恥じない行動をとることを要求しました。そして学園の生徒、児童、園児2800人、教職員200人が常に君たちの後ろにいて、応援していることを忘れないように言いました。

 話しが飛び恐縮ですが、学園高校生で、水泳で兵庫県大会、水泳50m自由形で2位の選手が近畿大会に出場します。この生徒は100mにも出ますが記録は53秒。興味があって過去のオリンピック記録を見るとメキシコ五輪の優勝記録が52秒2で頑張れば優勝です。私が熱中したメルボルン、ローマ、東京五輪などでは驚異的な記録になります。すごいものです。

 あらためて雲雀丘学園の選手の健闘を祈念するとともに、残念ながら出場できなかった生徒には次のことを伝えたいと思います。人生はあらゆる機会や立場を通して勉強です。すべてが経験になり将来に蓄積されます。この気持ちを忘れず、この梅雨空を吹き飛ばしていきましょう。

2016年06月24日

挑め! 燃えろ! 雲雀っ子!

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 先週、6月20日(月)、作家伊集院静さんが本学園の鳥井理事長と雲雀丘学園にお越しになりました。一昨日の日本経済新聞に掲載されていましたが、伊集院さんはこのほど、同紙に7月1日から、連載小説「琥珀の夢」を書かれるとのこと、その取材で学園に来られたのでした。「琥珀の夢」は鳥井信治郎が主人公、雲雀丘学園の創立者であり、サントリーの創業者です。

 伊集院さんは最初、学園の東隣にある鳥井信治郎の当時の住居を見学されました。ここは今は迎賓館と呼ばれていますが、戦後、鳥井信治郎が住居とともに、色々なお客様をお招きする際に使った館です。応接室には重厚な暖炉があり、スコットランドを思わせる数々の調度品が備えられています。光りが射しこむステンドグラスも麦やぶどうをデザインしたもので、日本でのウイスキーやワインの先駆けの人を彷彿させるものでした。晩年になり、ここから隣の雲雀丘幼稚園に下りて行っては、椅子に座りながら園児の顔をにこにこしながら眺めていたといいます。

 伊集院さんは、学園では60ホールのジオラマをご覧になりました。これは昭和25年に小学校が開園しましたが、その時の最初の先生方と鳥井信治郎が記念写真におさまる様子をジオラマにしたものです。次いで記念講堂です。鳥井信治郎は自分の銅像を作ることに反対しますが、亡くなったあと、創立10周年を記念して作られた銅像や、初代理事長としての掲げられた肖像画を興味深く見ておられました。

 伊集院さんは鳥井信治郎を「類い稀な発想と創造力を持つ一人の商人の生涯を描くことに挑む」とお話でした。さらに「明治人のチャレンジ精神と、彼のハイカラなセンスを今の日本人にぜひ読んで貰いたい」とのことでした。作品では松下幸之助との出会いもあるそうです。

 雲雀丘学園の創立者の生涯が日経新聞に連載されます。鳥井信治郎の「孝道・親孝行な人はどんなことでも立派にできます」は今も脈々と雲雀丘学園に受け継がれています。そして何よりも鳥井信治郎の「やってみなはれ!」精神は雲雀丘学園の生徒に、というより日本人全体が持ち合わせねばならない心意気です。
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 私は伊集院さんに揮毫をお願いしました。それがタイトルの「挑め 燃えろ 雲雀っ子」です。連載を読んでその源流を探りたいと思います。

2016年06月23日

自然の中に飛び込んで-高2修学旅行

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先週、高校2年生の修学旅行「北海道の旅」が実施されました。雲雀丘学園の高2の修学旅行は農業体験、自然体験が中心です。その中で自然環境の尊さ、大切さを学びます。生徒293名は日頃の都会の生活から、まさに大自然の中に飛び込んでいきます。場所は「星野リゾート・トマム」がある占冠村(しむかっぷ)です。北海道のほぼ中央にあり、面積は宝塚市の6倍弱ですが、人口は1200名の村です。

 この村で生徒は5班に分かれ、「エゾシカの保護管理に学ぶ」「森の民アイヌに倣う」などの環境についての体験学習に臨みます。「源流から海へ」のチームは、占冠村を水源とする「鵡川」を、太平洋にそそぐ河口まで7時間をかけて下りました。私は「森の声を聞く」に参加し、生徒と一緒になって、森の中で草取りから植樹、更には枝打ち、間伐など実際に森林で使われる道具を使っての作業に取り組みました。危険も伴うので指導を受ける生徒の表情も真剣そのもの、最初は尻込みする生徒も最後には積極的にチェーンソーを使っての枝打ち作業に打ち込んでいました。ここは毎年、雲雀丘学園の生徒が植樹をしており、年どしの植樹が成長した姿を見せ、「雲雀丘学園の森」と名付けられています。

 午後は「ラフティング」です。ラフトボート(大きなゴムボート)を使用して川下りを行うスポーツです。ボートには厳しいトレーニングを積んだリバーガイドが同乗し、ボートの舵取りを行い、同乗した生徒とともに岩をよけ、激しい落ち込みを安全にクリアし、ゴールを目指します。生徒はドライスーツ、ヘルメット、ライフジャケットなどで完全防御の姿勢で挑戦です。大きな落差や急なカーブのところに差し掛かると、大きな波しぶきが生徒を襲います。歓声が上がります。生徒はボートの中に身をひそめますがそれでも全身ずぶ濡れ。比較的流れが緩いところでは、水温9度の流れに任せて泳いだり、浮かんだりもしました。

 修学旅行は翌日からはここから北に向かい、富良野、美瑛を経て深川市を中心とする農家に3~4人ずつの生徒が2日間宿泊し、農業体験を積みます。以降の生徒の農業体験については機会を見てまた書きたいと思います。北海道で得た体験を今後の学校生活、ひいては人生に生かしてほしいと願っています。

2016年06月13日

週末、いろいろ

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 高校校舎前の朝顔が咲き始めました。朝顔は地に這っていて、紫色の大輪が生き生きと朝日に輝いています。朝、始業時前、実習生11名が挨拶に来てくれました。彼らは雲雀丘学園を卒業し、現在、大学の3・4年生と大学院生。ほとんどが来年4月から教壇に立ちます。本校で2~3週間の実習を行い、6/11(土)が最終日になりました。充実した実習だったようで笑顔が一杯でした。「燃えるような授業を行ってほしい。君たちの一言が生徒の心に火をつける」と中高等学校の初代校長、板倉操平先生の言葉をお借りし激励しました。

 今日、スウェーデンの留学生マルちゃん(通称)が帰国します。1年間、雲雀丘学園の高校2年生として過ごしました。明るく誰とでも仲良く、学園の人気者になっていました。昨日が学園での最後の日とあって、みんなから引っ張りだこ、分刻みのスケジュールです。私のところにも挨拶に来てくれました。なんと浴衣姿です。先生から特別に指導してもらって、本来なら授業では半年かかるところを、一か月で作り上げました。日本語も話せるようになりました。ただし、会話の間に「ほんま、ほんま」が入る大阪弁です。「大阪弁を忘れたらあかんで」とマルちゃんにも激励しました。

 午後からは高校1年生と中学2年生の学年懇談会がありました。中2は中だるみが懸念される学年です。残念ながら全体としては学習時間が減る傾向にあります。幸い今年の中2は学習にも、部活にも順調に育っています。ぜひこの流れを確かなものにして、3年生につなげたいものです。
 高1は「挑戦」が学年の方針としても掲げられました。この夏休みはあらゆることに挑戦し、自分の可能性を発見する「挑戦の期間」となりました。偏差値で自分の将来を決めるものではない。あくまで自分として何をやりたいか、何で世の中に貢献できるかが、進路を決めていくうえでの要諦です。

 両学年とも、私の挨拶の中で「私の挑戦」のいくつかを保護者に紹介しました。生徒がどんな「私の挑戦」を書いて校長に提出しているかを、実感していただくためです。挑戦、すなわちチャレンジ精神が、今後生きていくうえで極めて大切であることを保護者にお話ししました。「私の挑戦」を通して、生徒が挑戦することの大切さを体得してくれたらありがたいことです。

2016年06月07日

大学入試に向けて。高3学年懇談会

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 先週4日、近畿地方が梅雨入りになったとの発表がありました。梅雨入りは、桜の開花宣言と違って、あっけないタイミングのように思います。いづれにしても、これから一月余りは天候不順の日が続きます。お体には十分にご留意願いたいと思います。

 先月5月28日には高校3年生の学年懇談会が開催されました。高3は、来年の大学入試を控え、学園での最後の年を迎えることになります。高校3年生の学級担任8名、学年担任4名にとっては両こぶしを握りしめ、出陣の力がみなぎるときです。すでに学年団からは様々な今年の取り組みが始まっています。

 一つは自習室の充実です。平日は夜の8時まで、日曜は朝9時から夕方4時まで、職員室の前の二つの教室が、生徒の自習室として使うことができるようになりました。友人と一緒に勉強するほうがはかどる生徒がいます。過去から要望がありましたが今年の学年団が実現しました。

 もう一つが「リクエスト面談」です。担任の先生が仲立ちして、生徒の希望の先生に面談できます。進路相談、日頃の学習相談など気軽に先生と相談できるようになります。「チャレンジャブルな学年の姿勢がチャレンジャブルな生徒を育てる!」との言葉が学年団からありましたが、こうした先生方の意気込みが生徒を動かすものと思います。事実、新BTゼミ(ブレークスルーゼミ)では55講座に1321名の受講生が集まりました。生徒も先生方の熱意に応えて大いに燃えてほしいと思います

 ところで大学の卒業者は約55万人。そのうち更に進学する人と就職する人の合計が48万人。とすると7万人が就職できない人であり、なかには大学を再度受験する人もありで厳しい状況にあります。大事なことは大学後のことをしっかり見据え、進路を考えていかねばならないということです。

 しっかりと生徒、保護者と先生がしっかりと話し合って、冷静に現状の認識を合わせておくこと、そして今後どのように進めていくかを決め、意思疎通を十分に図っていくことが大切かと思います。