11月20日(日)、環境大使と有志のご家族と担当教員とで篠山市の辻生産組合、青野さんの山へ行ってきました。青野様には、前回の黒豆栽培の際にも畑をお借りして本校の教育活動にご助力をいただいています。
まず、青野さんから環境大使たちへ椎茸栽培のお話をいただきました。おおまかに原木採集→菌の植え付け→椎茸採集という行程になりますが、最終的に椎茸が採れるのは3年ほどかかるということです。今回は椎茸の原木をとりに山へ入る作業がメインになります。一度にたくさんの人数は入れないため、森の保全活動を行う班と原木をのこぎりで切り倒し、運んで短冊状に切る班とに分かれて作業を行いました。
森へ原木採集に行く前には、森の保全のお話もしていただきました。青野さんの子供のころ、篠山ではあふれるほどの松茸がとれました。とれすぎた松茸が大変で、まだ小さかった青野さんはこっそり川に捨てて帰ってきてお父さんに怒られた・・という思い出まであるそうです(笑)それくらいたくさんの量が採れていたんですね。しかし、今は篠山でとれる松茸はそれほどの量はありません。なぜでしょう?それは私たちの暮らし方の変化に大きく関わるそうです。昔話の導入にあるように、昔は「おじいさんは山へ芝刈りに」行っていました、芝や松葉を焚き付けに使うことによって、森の保全にもつながっていたのです。今は、おじいさんは山へ芝刈にはいきません。電機やガスが普及して必要がなくなったからです。松葉が堆積してしまった場所には松茸の胞子は根付きにくく、採れる量も減ってしまったというわけです。日々のくらしが変化したことで、下草が茂ってしまった場所には風が通りにくくなり、森が荒れていきます。昔は日々のくらしがそのまま森の保全に直結していましたが、今は意識して草を刈るなどの作業が必要になっているということです。
下草が茂って大きくなると畑にも影響がでます。日が当たりにくくなり、作物の生育が悪くなります。そのため、森の持ち主と畑の持ち主が違っていても、畑の持ち主は森の2~3メートル付近までは整備する権利が与えられているのだそうです。それでも、義務ではないため手が回らず森が茂ってしまい、畑が荒れることがあります。一部の畑で草が蔓延ると、周りの手入れをしている畑にまで影響がでてしまいます。農家のみなさんが共同で運営をすること、助け合いをすることは、自分の畑や家族のくらしを守っていくためにも必要不可欠なことなのだと実感しました。あるべき姿には理由があります。それは森も、畑も、山も、同じなのかもしれません。荒れる森をみて、大使たちもその姿から何かを学んでくれたらと思います。
森に原木を探しに のこぎりで・・男子大活躍
集めて まだ切って・・・
さらに切って・・原木完成★ こちらは黒豆の枝取りの様子
椎茸の原木切りと、森の下草狩りの作業を終えて、昼食をとりました。昼食時には青野さんの奥さんお手製のふわふわのシフォンケーキと、お庭のおいしい柿をいただきました。ごちそうさまでした。
その後、黒豆の枝とりの作業を一人人畝行い、帰路につきました。
たくさんの作業、ご参加いただきましたご家族のみなさま、ご助力いただきました青野様、ありがとうございました。作業の最後に青野さんから「継続は力なり」というお話をいただきました。林業の世界は植え付けから60年でやっと出荷ができます。今、材木として取引をしている木々は青野さんのおじいさん、お父さんが育ててきたもの、そしてまた、今次の世代へと作業を続けておられます。バトンを渡していくように、環境大使たちの活動も地味でもしっかり根付いた継続したものにしていけるよう、みんなでがんばりましょう!