くしゅんっ!☆≡(>。<)風邪が治りません。
先日,娘の成人の祝いに記念写真を撮りに行った。写真場に行くのは,確か,私自身が小学校に上がる前に初めて家族で写真を撮って以来だと思う。そのせいか,ジャージのままのんびり構えている娘とは反対に,正装している私らのほうが緊張していた。
さて,約束の時間が近づき,向こうで着替えるからと,先に車で娘を送り,その1時間半後に私達は出かけた。
写真場に到着し,スタジオのある2階に上がっていくと,そこには振袖を着,メイクをして別人になった娘がいた。一瞬,私はうろたえた。初めて見る娘の姿だったからだ(娘は普段,ノーメークなので)。こういう時の親父の所為ってどうすればいいのか,思案してしまった。
娘一人,いくつかのショットを撮った後,今度は私と二人で撮ることになった。しかも,カメラマンから娘と腕を組めと催促された。え”っ!・・・・。たじろぎ,遠慮している私にそっと娘が手を回してきたが,却って背広の上から伝わる感触が気になって汗が出た。だめだぁこりゃ。
やっと解放され,汗を拭き拭き,階下に降りて,置いてあったパソコンを操作してくつろいでいた。やがて,愛想のよい主人と話が弾み,デジカメの話題になった。
「知り合いの工学部の教授から聞いた話なんですが,今の学生に高級デジカメで撮った写真を見せて,どこを改良すればいいか尋ねても全然考えようとしないって言うんです。今の学生さんはフィルムでとった写真を見たことがないから,比べようがないし,そもそも,高級デジカメなんだから,色や明るさの調整をするなんて変だと思い込んでる。デジタルの方が銀フィルムより上だと思ってるんですね。実際はそうじゃない。まだまだフィルムカメラの再現性の方が数段上です。最近になって,ようやく,一部高級機種で追いついてきたぐらいです。それで撮ったものは,フィルムカメラの写真と比べても,素人の方ならほとんど違いがわからないでしょう。でも,私らが見るとやはり違って見えます。微妙な色の違いが気になるんですね。安いデジカメの写真に見慣らされていたらそれはわからないでしょうね。今の若い人は本物を見る力がないっていうけれど,そもそも,世の中そのものが見えにくくしてしまっているのじゃないかと思いますね。」
約20年前CDが発売されて以来,デジタルはアナログより優れ,忠実に再現できると信じ込んできた。デジタルカメラもしかりである。ところが,「デジタル」カメラは,確かに光をデジタル処理しているが,必ずしも忠実に発色させているわけではない。メーカーによって微妙に好みが加えられているのだ。
IT技術の発達によって,データはすべて客観化されたもののように思われている。しかし,実は,主観もデジタル化してデータの中に織り込まれていたのだ。偽装,とは言わないが,世の中,何が本物か,わからなくなってきた。